野良猫を捕まえる方法

3 方法:捕獲の準備をする野良猫の捕獲新たな住処を探す

長年にわたって、アメリカ動物愛護協会(ASPCA)はネコ科動物の個体数の管理のためにTNR(Trap-Neuter-Return/ 捕獲・去勢・返還)を推奨してきました。人道的見地からすべての野良猫を安全に捕獲したうえで不妊化手術あるいは去勢手術を施すこの政策は、現在では世界の多くの地域で採用されています。みすぼらしい姿をした猫が屋外のポーチの上に座って喉を鳴らしていたり、飼い主が分からない猫が庭で飛び跳ねていたりすることはよくありますが、それらの野良猫を積極的に保護し、病気にかかっているようであれば治療してあげたいと考える人は大勢いるはずです。迷子になった猫を飼い主のもとに安全に送り届けたり、住処を失って野生化した子猫を適切な方法で保護することは、みなさんの地域にとって非常に有益で、また、みなさん自身にとってもきっとやりがいのある仕事になるでしょう。しかるべき準備を整え、野良猫をおびき寄せて安全に捕獲するための方法をぜひ学びましょう。

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捕獲の準備をする

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    しばらくは見守りましょう。野良猫の捕獲を試みる前に、まずは離れた場所から観察して、病気や怪我をしていないかよく確かめましょう。猫のためだけではなく、みなさん自身の安全のためにも、野良猫の健康状態をチェックしたうえで、本当に助けが必要かどうか、そしてどのような処置が必要かを判断することが大切です。数日にわたって見知らぬ猫が特定の場所を徘徊している場合は、しばらくの間注意して見守りましょう。人懐っこい猫であればその後の作業はずいぶんと楽になりますが、そうでない場合は少し対策が必要になります。
    • 猫が不規則な行動をしている、または息苦しそうにしている、あるいは無気力で不活発に見える場合は保健所などに連絡してください。病の兆候がある猫にむやみに近づいてはいけません。[1] 猫には動物由来性の病気がいくつかあり、それらは人へ感染する一方、時として、人を介して他の動物へ感染する場合もあります。中でも特に恐ろしいのは、唾液によって、噛み跡またはその他の傷口から感染する狂犬病です。[2] また、猫に噛まれることによって感染する感染病もいくつかあります。保健所で働く専門家たちは、病気にかかった野良猫を安全に捕獲するための道具や装備を用意しています。
    • すべての猫を捕獲する必要はありません。首輪の付いた栄養状態の良さそうな猫は放っておいても大丈夫でしょう。ご近所に連絡して、飼い猫の行方を探している人がいないか尋ねるだけで十分です。
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    捕獲器を用意しましょう。捕獲器は非常に安全かつシンプルな仕組みの檻で、猫を傷つけずに容易に捕獲することができます。檻の中に置いた餌で誘い込み、動物が奥に入った後に扉が閉るため、安全に閉じ込めることができます。捕獲器で野良猫を捕まえた後は、そのまま捕獲器ごと獣医のところへ持って行きましょう。野良猫を檻の外に出さないように注意してください。
    • みなさんの地域の動物病院やアニマルシェルターでは、野良猫の捕獲のために、捕獲器の貸し出しを行っています。捕獲器をわざわざ購入する必要はありません。しかし、例えば農村地域にお住まいのみなさんで、日常的に野良猫や農作物に被害を与える他の動物に悩まされている方は、捕獲器を常に手元に用意しておくのも良いでしょう。
    • どうしても捕獲器を入手できない、あるいは使用できない場合は、猫用キャリーバッグやキャリーバスケットに餌を入れて捕獲を試みましょう。キャリーバッグを使う前に、まずはお近くの獣医に相談してください。獣医によっては、捕獲器に入った野良猫以外は引き受けてもらえないこともあります。緊急の場合は仕方がありませんが、できる限り、より安全で効果的な捕獲器を使うようにしましょう。[3]
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    確実性の低い方法で捕獲を試みてはいけません。野良猫を素手で捕まえようとしたり、あるいは、枕カバーや他のバッグを被せて捕まえようとしてはいけません。そのようなことをすれば、野良猫は怒りや興奮によって暴れ出し、野良猫だけでなくみなさん自身も手傷を負うことになります。いかなる場合でも、素手で野良猫を扱ってはいけません。たとえゆくゆくはその猫をペットとして飼い慣らすつもりでも、最初は野生動物と同様に扱いましょう。いずれにしても時間が必要です。
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    猫の世話をする場所を確保しましょう。たとえしかるべき処置をした後再び解放するつもりでも、獣医のもとに連れて行くまでの間は野良猫を世話するための場所が必要になります。できれば、動物病院で不妊化手術や去勢手術が行われる日時の直前に捕獲するのが理想です。そうすれば、捕獲してすぐに動物病院に連れて行くことができます。手術まで日にちがある場合は、野良猫を泊めるために、ご自宅の中で静かな部屋を用意する必要があります。
    • まずは野良猫を落ち着かせて安心させることが大切です。ご自宅の中で人の出入りのない静かな場所に泊めましょう。地下室や、普段使わない寝室、その他空調の利いた場所などで、室内を暗くしておけば、警戒心の強い野良猫も安心して過ごせるでしょう。
    • 捕獲してから12時間以内に獣医のもとへ連れて行く場合は、餌の心配をする必要はありません。ただ、逃げ出してまた捕獲する羽目になっては大変ですから、檻が開かないように注意してください。きれいな水を与えて捕獲器の中でおとなしくさせておきましょう。
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    去勢手術や医療処置の予約を入れましょう。各国の動物愛護協会や動物福祉協会はTNR(Trap-Neuter-Return)を推奨しています。将来みなさんがその猫をどうするかということはさておき、捕獲した野良猫はまず去勢手術や不妊化手術を含めた医療処置が必要になります。[4]

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野良猫の捕獲

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    捕獲を試みる前に、まずは数日間餌を与えましょう。そうすれば、野良猫は餌を目的に、その周辺に留まるようになるはずです。その後、餌を捕獲器に入れておびき寄せることができます。
    • 動物病院に予約を入れた後、診察日前の一両日は餌を与えるのを控えましょう。その後、本格的に捕獲器をセットします。[5]
    • 市販のドライキャットフードまたは缶詰のキャットフードを与えましょう。それらが手元にない場合、あるいはキャットフードを購入したくない場合は、少量のツナや缶詰の魚で代用することもできます。[6]
    • ミルクを与えてはいけません。ドラマや映画でよく見かけるため誤解している人も多いかもしれませんが、実際のところ、猫は乳製品を消化しにくい体質をしています。猫にミルクを与えようとしても、おそらく吐き出されてみなさんの手が汚れるだけでしょう。野良猫には通常のキャットフードを与えてください。
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    捕獲器をセットして野良猫を誘い込みます。普段与えているものと同じ種類のキャットフードを使いましょう。ワイヤーでできた檻の床には紙や枕カバーを敷いて滑らかにしておきましょう。猫をできるだけ奥まで誘い込むために、餌は檻の一番奥に置きましょう。入り口付近に少しだけ餌を置いて進入しやすくしておくのも良いでしょう。餌を置いたら、入り口のバネをセットします。
    • 捕獲器によって設定の仕方は少しずつ異なりますが、おおむね単純な仕組みです。基本的に入り口の扉を上げて、上部のバネを開放するバーに固定します。バネが開放されて扉が閉まれば、中の動物は閉じ込められます(※檻の奥の台を踏み込むことによってバネが開放されるタイプなどがあります)。
    • 野良猫は警戒心が強いため、金網部分にタオルや衣類を被せて怪しまれないようにしましょう。この際、衣類が出入り口にかからないように気を付けてください。より警戒心の強い猫は捕獲器の背後から中を覗こうとするでしょう。捕獲が困難な場合は、むしろ衣類をすべて外すか、あるいは少なくとも檻の後ろ側の衣類は外して中の様子を見やすくしておきましょう。
    • 捕獲器に誘い込む際は餌をボウルに入れてはいけません。野良猫は、閉じ込められた瞬間に、驚いて暴れ出すこともあります。その際、檻の中にあるボウルや皿などによって自らの体を傷つけてしまう危険があります。
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    捕獲器は定期的にチェックしましょう。捕獲器は極めて安全にできてはいますが、長期にわたって猫を屋外の檻の中に閉じ込めたままにしておくわけにもいきません。捕獲器の様子を定期的にチェックして、目的の野良猫を捕獲できたかどうか確認しましょう。捕獲に成功した場合は屋内の準備した場所に移すか、あるいは予約した日時であれば速やかに獣医のもとへ連れて行きましょう。
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    猫を屋内に移します。野良猫を捕獲したら、捕獲器に衣類を被せて屋内の所定の場所へ移しましょう。暗い場所では猫はさらに落ち着くことができます。部屋の照明を暗くして、衣類は檻に被せたままにしましょう。
    • 猫はそのまま捕獲器に入れておきましょう。捕獲器から外に出したり、キャリーバッグに移そうとしてはいけません。もう一度捕獲作業をする羽目になります。猫はひとたび捕えられて移送された後は、狭くて窮屈なスペースに隠れようとします。この場合、猫にとって捕獲器の檻はまさに理想的な場所です。心配はいりません!

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新たな住処を探す

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    捕えた野良猫には、必要に応じて、去勢手術やその他の医療処置を受けさせましょう。去勢手術(雄猫)や不妊化手術(雌猫)のほかに、少なくとも狂犬病の予防接種や寄生虫(ノミや蠕虫)の駆除、ジステンパーの予防接種、そしてネコ白血病の検査が必要になるでしょう。多くの地域では、動物愛護法の一環として、これらの医療サービスは無料で受けることができます。
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    医療処置を受けた猫は再び解放しましょう。雌猫の場合、不妊化手術を受けて5日間は、餌と水を与えながら、狭い箱の付いた檻に入れて経過を見守る必要があります。雄猫は去勢手術を受けた翌日には解放することができます。医療処置を受けた野良猫は元の生息地に放すか、あるいは他の場所に連れて行きましょう。
    • 猫を新しい場所に放す場合は、その猫が見知らぬ環境に順応するのに数週間はかかるため、その間世話をする人が必要になります。この政策は、猫の個体数を制限する方法としてアメリカ動物愛護協会(ASPCA)によって奨励されています。猫が新たな生活環境に上手く適応するようであれば、定期的に餌や水を与え、シェルターを提供しましょう。知らない場所に放されると、エサや水や住処を提供してくれる人がいない限り、猫が自力で生き抜くことはほぼ不可能です。また、縄張り意識が強い他の猫に襲われることもあるでしょう。
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    お住まいの地域のNPO法人や殺処分をしない猫シェルターに連絡を取りましょう。[7][8] 都会にお住まいのみなさんは、捕獲した野良猫をそのまま放すわけにはいきません。世話ができない場合は、猫シェルターに連絡を取って、里親を探しましょう。従業員のみなさんは喜んでその猫の新しい住まい探しを手伝ってくれるはずです。
    • ただし、完全に野生化した猫はシェルターでも引き取ってはもらえないでしょう。野生化した猫の90%は安楽死処分となります。飼い慣らすことができない場合は、捕まえた場所で放しましょう。
    • 多くのNPO法人は野良猫の医療処置にかかる費用を負担してくれます。できるだけご自身の出費は抑えましょう。
    • できれば、新しい住まいが見つかるまでは、みなさんご自身で猫の世話を申し出ましょう。猫シェルターによっては、すでに家庭では世話ができないほど多くの猫を引き取っています。猫シェルターに相談した際に、他の経験者に世話をしてもらうように勧められるのは、決して珍しいことではありません。
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    必要とあれば、新たな里親を探しましょう。その猫がすでに人の所有物ではなく、みなさんが諸事情によりその猫を他の場所へ連れて行けない場合は、みなさんご自身で新たな住まいを探しましょう。広告を出し、各所に連絡して、その猫をペットとして飼うのにふさわしい人を見つけてください。
    • まずは友人や親戚から当たりましょう。中には、猫を飼いたがっている人がいるかもしれません。信用のできる友人や知り合いに引き取ってもらえれば、きっと猫も幸せに暮らすことができ、また、時折訪ねて様子を見ることもできるでしょう。
    • お住まいの地域に広告を出しましょう。mixiコミュニティやブログのバナー広告を活用しても良いでしょう。猫のプロフィール紹介は正直に書き、状況をしっかり説明しましょう。またオンラインだけでなく、地方紙の三行広告を使うこともできます。
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    ご自身で飼うことも考えましょう。ひとたび新たな環境に順応した野良猫は、時として、とても人懐っこいペットになります。世話をするのに十分な時間と経済力があるかどうか、そしてペットを飼うのに適切な環境をご自宅で用意できるかどうか、よく考えましょう。野良猫を飼うと決めた場合は、ご自宅で放す前に、まずは獣医のもとでよく検査してもらい、安全なペットであることを確認してください。

ポイント

  • いくつかのNPO法人や愛護協会では捕獲器の貸し出しを行っています。
  • 猫は選り好みの激しい動物です。あまりなついてくれない場合は、友人に手伝ってもらいましょう。
  • 野生化した猫の飼育は非常に骨が折れます。捕獲した猫が野生の群れに属している場合、アメリカ動物愛護協会はTNR(Trap-Neuter-Return)を勧めています。捕獲し、獣医のもとへ連れて行き、去勢手術を施したうえで、再び群れに帰して生涯を全うさせましょう。
  • 野良猫を捕まえる際は、引っ掻かれることもありますから、厚めの服を着るようにしましょう。
  • 野良猫をペットショップや殺処分が行われるシェルターなどに連れて行ってはいけません。引き渡す前に、その法人についてよく調べておきましょう。
  • その猫が、ただの野良猫かあるいは野生化したものか、よく見極めましょう。分からない場合は、猫シェルターの専門家に手伝ってもらいましょう。 一つの判断材料として、野生化した猫はほとんど鳴き声を上げることがありません。

注意事項

  • 動物に噛まれると危険です!噛まれた時は、病院で検査を受けましょう。狂犬病やその他の伝染病の危険もありますから、その猫はすぐに隔離しましょう。
  • 飼い主の許可がない限り、決して他人の猫に餌を与えてはいけません。過度に餌を与えると、食習慣に支障を来たし、肥満や糖尿病を引き起こします。また、外で餌をもらうことに慣れてしまうと、飼い主の家に寄りつかなくなることもあります。
  • 子猫の首筋を掴んで持ち上げるのは構いませんが、成猫に同じことをすると痛めつけることになります。また、成猫はその状態から体をひねってみなさんを引っ掻こうとするでしょう。
  • 子猫を親離れさせる際には注意が必要です。生後4~6週間は乳離れをさせてはいけません。また、乳飲み子を抱える母猫を捕まえた場合は、子猫たちはそのまま放っておくと死んでしまいます。
  • 捕獲した野良猫はネコ白血病やジステンパーなどの病気を抱えている可能性があります。手を清潔にして分厚い服装でペットを扱いましょう。獣医のもとへ連れて行くまでは、他のペットやその檻、そしてペットトイレに野良猫を近づけないように注意してください。


記事の情報

カテゴリ: ペット・動物

他言語版:

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