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「象の歯磨き粉」とは簡単で楽しい科学実験で、家庭で子供と、あるいは実験室で生徒と一緒に行うことができます。化学反応により大量の泡が噴き出し、泡は歯磨き粉がチューブからニュルニュルと出るときのような動きをします。象の歯磨きに使えそうなくらいの量が生じるため、このように呼ばれています。

濃度の高い過酸化水素(家庭用の濃度3%より高いもの)は強い酸化剤なので気をつけましょう。肌を漂白したり、場合によっては火傷することもあります。きちんと安全対策をし、大人の付き添い無しでは行わないようにしましょう。また、実験室版ではヨウ化カリウムを使いますが、これは高温になります。家で行う場合は水と乾燥酵母(ドライイースト)で代用できます。安全に楽しみましょう!

材料

  • 6%の過酸化水素水1/2カップ(120ml)
  • 乾燥酵母大匙1(25.5g)
  • ぬるま湯大匙3(45ml)
  • 台所用液体洗剤
  • 食品着色料
  • 様々な形のペットボトル
  • 液体洗剤
  • 30%の過酸化水素(H2O2
  • ヨウ化カリウム(KI)の飽和水溶液
  • メスシリンダー
  • 食品着色料
パート 1
パート 1 の 3:

実験の準備をする

  1. 1
    使える物が無いか家の中を見回します。ほとんどの道具が家庭にある物で揃うので、この実験を楽しむのに本格的な実験道具を買う必要はありません。家にある物のリストを作り、買う必要がある物を洗い出します。
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    準備、実験、片付けにかかる時間を確保します。散らかる実験なので、参加者には終わった後に片付けを手伝うように伝えておきます。みんなに時間に余裕をもって参加してもらい、実験を楽しみましょう。
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    汚れるエリアを囲みます。泡が噴き出る実験はどの年代でも楽しめますが、特に子供たちは夢中になります。実験を風呂場や庭で行うにしても、大きなフライパンやプラスチック容器を使うにしても、場所を囲むことで掃除を最小限にしましょう。
  4. 4
    正しい量の過酸化水素を使います。過酸化水素の量によってできる泡の量が決まります。医薬品として3%の過酸化水素を持っている人もいるかもしれませんが、美容用品店で6%の物も購入できます。スーパーやドラッグストアではあまり取り扱っていません。美容用品店では6%の過酸化水素を漂白剤として売っています。[1]
    • 3%の過酸化水素で実験することもできますが、6%の物に比べると発生する泡の量が減ります。
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パート 2
パート 2 の 3:

家庭版の実験を行う

  1. 1
    大匙3(45ml)のぬるま湯と酵母を混ぜて寝かせます。この工程は子供でもできます。子供に酵母の量を測らせて、41~43℃に温めた正確な分量の水に加えましょう。そしてだまが完全に無くなるまで子供に混ぜてもらいます。[2]
    • 子供の年齢に合わせ、子供用のスプーンや攪拌棒などを用意しましょう。また、ゴーグルや白衣を着用させるのも良い考えです。子供用の安全ゴーグルは金物店で売っています。
    • 酵母の包装を見て適切な水の温度を確認しましょう。
  2. 2
    台所用洗剤、食品着色料、過酸化水素1/2カップ(120ml)をペットボトルの中で混ぜます。過酸化水素を扱う前に必ず全員手袋と安全ゴーグルを着けましょう。十分な年齢に達していると判断できる場合以外は、子供に過酸化水素を扱わせてはいけません。[3]
    • 子供がまだ小さい場合は、台所用洗剤と食品着色料をボトルに入れる役をさせてあげましょう。さらに、ラメを加えるとより楽しさが増します。ラメは金属製ではなくプラスチック製の物を使いましょう。過酸化水素を金属に触れさせてはいけません。[4]
    • 混合物を混ぜます。大人が自分で行うか、大きい子供であれば任せてもよいでしょう。過酸化水素がこぼれていないことを確認しましょう。
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    漏斗を使って酵母液をボトルの中に入れます。素早く離れて、漏斗を外します。子供に酵母を入れさせても構いませんが、年齢が小さい場合は大人が手の届く範囲で待機し、ボトルの中身が子供にかからないように気をつけましょう。安定するよう、高さが低くて底が広いボトルを使いましょう。顕著な反応が得られるよう、必ず口が狭いボトルを選びましょう。[5]
    • 酵母菌が即座に過酸化水素を分解させ、酸素分子が離れます。酵母が触媒となり、過酸化水素分子から酸素分子が離れるのです。離れた酸素分子は気体となり、洗剤とぶつかるとフワフワした泡ができます。その他の物質は液体のままです。気体は逃げ道を探し、「歯磨き粉」のように泡がボトルから噴き出ます。[6]
    • 反応効率を最大にするため、酵母と過酸化水素がよく混ざるようにしましょう。
  4. 4
    ボトルの大きさと形を変えます。小さくて口が狭いボトルだと、より激しく泡が噴き出ます。色々な大きさや形のボトルで効果を試してみましょう。[7]
    • 通常の炭酸飲料のボトルと3%の過酸化水素を使った場合、恐らくチョコレートファウンテンのような小さな滝ができるはずです。
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    熱を感じましょう。泡から放出される熱に注目します。この実験で起こる化学反応は発熱反応なので、熱が放出されます。火傷するほどの熱ではないので、泡に触れて楽しんでも問題ありません。水、洗剤、酸素でできた泡なので、無害です。
  6. 6
    片づけます。スポンジで掃除し、余った液体は流しましょう。ラメを使った場合は液体を濾してラメを取り除いてから流すようにしましょう。[8]
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パート 3
パート 3 の 3:

実験室版に応用する

  1. 1
    手袋とゴーグルを着けます。この実験で使う濃度の高い過酸化水素は肌や目を焼きます。また、布にかかると漂白されるので、色が落ちても良い服装をしましょう。[9]
  2. 2
    30%の過酸化水素をメスシリンダーに小匙4(20ml)入れます。[10] この過酸化水素はどの家庭用過酸化水素よりも濃い物です。注意して扱い、メスシリンダーは必ず安定した場所に置きましょう。
  3. 3
    食品着色料を3滴加えます。[11] 食品着色料で遊びの要素を加えます。面白い模様や色の組み合わせを作ってみましょう。縞模様を作りたい場合、メスシリンダーを傾けて、側面をつたわせるように食品着色料を加えます。
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    約大匙2.5(約37ml)の台所用洗剤を加え、かき混ぜます。シリンダーの側面をつたわせて少量の台所用液体洗剤を加えます。[12] 粉の台所用洗剤を使うこともできますが、溶液をしっかり混ぜる必要があります。
  5. 5
    溶液にヨウ化カリウムを加えて素早く離れます。スパチュラでヨウ化カリウムを加え、化学反応を起こします。ガラス瓶の中でヨウ化カリウムを水に溶かしてから加えても構いません。色付きの泡が多量にシリンダーの外に噴き出します。
  6. 6
    酸素の存在を調べます。燃えている木片を泡に近づけ、発生する泡から放出される酸素により、火が強くなることを確かめましょう。[13]
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    片づけます。残った液体は多量の水と一緒に流します。木片の火が完全に消えていることを確認しましょう。蓋を閉めて過酸化水素とヨウ化カリウムを保管します。
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ポイント

  • 反応による発熱を感じるかもしれません。これはエネルギーを放出する発熱性の化学反応だからです。
  • 「象の歯磨き粉」を捨てる際は手袋を着用したまま行いましょう。泡も液体も流してしまって問題ありません。
  • 過酸化水素 (H2O2) は時間が経過すると自然と水(H2)と酸素に分解されます。触媒を加えて分解を速めることもできます。洗剤があると過酸化水素は即時に多量の酸素を放出するので、無数の小さな泡が一気にできます。
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注意事項

  • 「象の歯磨き粉」はシミになります。
  • 特に実験室版の方法では、泡が突然、勢いよくあふれ出ます。この実験は必ず洗い流せてシミにならない場所で行うようにし、泡が出ている際はボトルやシリンダーから離れましょう。
  • 発生する物質は、見た目から「象の歯磨き粉」と呼ばれているだけなので、口の中に入れたり飲み込んだりしてはいけません。
  • ゴーグルと手袋を着用せずにこの実験を行うと危険です。
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必要なもの

  • 安全ゴーグル
  • 使い捨て手袋
  • 炭酸飲料用ペットボトル
  • 小さなコップ
  • 長いメスシリンダー
  • ガラス瓶
  • 液体洗剤または粉末洗剤
  • 30%の過酸化水素
  • ヨウ化カリウムの飽和水溶液
  • 食品着色料(任意)

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このwikiHow記事について

Bess Ruff, MA
共著者 ::
環境科学者
この記事の共著者 : Bess Ruff, MA. ベス・ラフはフロリダ州立大学の地理学専攻博士課程の学生です。2016年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校の環境科学専門学部にて環境科学と資源管理の修士号を取得後、カリブ海の海洋空間計画プロジェクトに関する調査研究を行い、大学院生としてSustainable Fisheries Groupの研究サポートを行っています。 この記事は14,719回アクセスされました。
カテゴリ: 趣味・DIY | 化学
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