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この記事の共著者 : Andrew Carberry, MPH. アンドリュー・カーベリーは2008年よりフードシステム(食物の生産から消費に至る過程)関連の仕事をしています。テネシー大学ノックスビル校にて公衆健康栄養と公衆健康計画・管理の修士号を取得しています。
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美味しく栄養豊富なアーモンドは、中東や南アジアを原産とするアーモンドの木に生る果実から採取されます。アーモンドはモモやアプリコットと同様に、中心に硬い種を持つ堅果類に分類されます。気難しい一面もあり、適した気候で適切な世話をしないと、結実しないどころか、健康な生育も難しい場合があります。
ステップ
パート 1
パート 1 の 4:アーモンドの木を植える
パート 1
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1居住地域の環境がアーモンドの栽培に適しているかを調べる アーモンドの原産地は、中東や南アジアなどの暑く乾燥した地域です。そのため、暑い夏と温暖な冬を好み、それ以外の気候にはあまり順応できず、寒い地域では育ちません。[1] 生育環境が管理された大きな屋内施設があったり、地中海や中東地域のような気候でない限り、屋外でアーモンドを栽培するのは難しいかもしれません。
- 日本に居住している場合、地域の気候がアーモンドの栽培に適しているかを知るには、耐寒性ゾーンマップ[2] を参照するとよいでしょう。これは米国農務省(USDA)が植物の耐寒性を示すために作成した地図をもとに作られたもので、地域ごとの最低平均気温が表示され、越冬可能な植物を知る目安になります。アーモンドの栽培が可能な地域は、最低でもゾーン「6」で、数字が大きいほど栽培に適しています。
- 耐寒性ゾーンマップを参照して、居住地域がアーモンドの栽培に適しているかを調べましょう。米国では、カリフォルニア州の中部および南部、アリゾナ州とテキサス州の一部、そしてフロリダ州の内陸部がアーモンドの栽培に最適な地域です。
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2種または苗を購入する アーモンドを栽培するには、種(生で未処理)を蒔いて育てるか、苗(若木)を植え付けます。[3] 種から育てると栽培過程を最初から経験できますが、それだけ時間と労力を要します。苗から育てる場合は、いくらかの手間は省けますが、種に比べると値段は高めです。
- 食用のアーモンドを収穫したい場合は、実をつける品種のスイートアーモンドの種または苗を購入しましょう。ビターアーモンドは食用にはならず、すべてのスイートアーモンドの木が結実するわけではありません。これらのアーモンドは、日陰を作るためや観賞用に栽培されます。実をつけるアーモンドの種類が不確かな場合は、ガーデンセンターのスタッフに尋ねましょう。
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3日当たりの良い場所を選ぶ アーモンドは、日当たりの良い場所で健康に育ちます。栽培を始める前に、直射日光が十分に当たり、日陰にならない区画を選びましょう。アーモンドはまず鉢で育てて後で植え替えますが、苗はすぐに大きくなるため、事前に植え付け場所を選んでおくことは大切です。
- 植え付け場所は、水はけが良い区画であることも重要です。水はけが悪いと、根の周りに水が溜まって根腐れを起こすことがあります。
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4種を発芽させる アーモンドを種(ナッツが入っている殻)から育てる場合は、室内の日当たりの良い場所で発芽させてから、鉢または地面に植えます。まず、大きめのボウルに数個の種を入れます。発芽しない種やカビが生える種もあるため、種は多いほどよいでしょう。そして、次の手順に従って発芽させましょう。
- ボウルに水を注ぎ、種を一晩浸けます。
- 翌日、ナッツクラッカーを使って種を少しだけ開きます。殻は合わさったままにしておきますが、中のナッツが見える程度に割りましょう。カビが生えている種は廃棄しましょう。
- 小さめの鉢を数個用意し、培養土を入れます。鉢底に水抜き穴がついた鉢を使いましょう。
- 土の表面から3~5cmの深さに、割れ目を上にして種を入れます。室内の直射日光が当たる場所に鉢を置き、種が発芽するのを待ちましょう。
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5苗を植え替える 苗が生長したら(または苗を購入した場合)、植え付ける区画の準備をします。それぞれの苗を植える場所に3~5cmの高さ(幅は高さより少し大きく)で土を盛ります。盛った土の中心に3cmほどの深さに苗を入れます。土を盛ることで、苗が生育する際に根の周りに水が溜まるのを防ぎます。根が水浸しになると、根腐れなどの深刻な問題が起こります。広告
パート 2
パート 2 の 4:アーモンドの木の世話
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2春に肥料を与える 生長期になったら、木の生長を促すために適切な量の肥料を与えてもよいでしょう(必須ではありません)。若木であれば、少量の窒素肥料を生長期の間、数週間おきに与えるとよいでしょう。成木の場合は、約1kgの尿素または約13kgの堆肥を1度与えましょう。
- 肥料の種類にかかわらず、施肥後は必ず水やりをしましょう。肥料を水なしで与えたり、一度に過剰な量を与えたりすると、植物に害を及ぼす「肥料焼け」を起こすことがあります。[9]
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3秋にナッツを収穫する 結実する種類のアーモンドの木は、生長期に小さな緑の実をつけます。硬く酸味のある果実は欧米や日本ではあまり食べられてはいませんが、中東では馴染みのある果実です。アーモンドの果実は秋に硬くなって茶色に変わり、実が裂けます。露出した殻が乾燥して茶色くなったら、アーモンドを収穫することができます。収穫については、「パート3」を参照しましょう。
- アーモンドには、「スイートアーモンド」の実をつける木と、「ビターアーモンド」の実をつける木の2種類があります。ビターアーモンドの果実とナッツは食用にはなりません。ビターアーモンドには、有害な青酸が含まれています。未加工の生のビターアーモンドは、少量でも命を脅かす危険性があります。[10] ただし、ビターアーモンドの毒素を特別な方法で濾過すると、食用にすることができます。
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4初冬に剪定する 休眠中の枝は安全にたやすく切り戻すことができるため、冬季はアーモンドの剪定に最適な時期です。それでも、枯れた枝や病気にかかった枝を見つけたら、季節にかかわらず直ちに剪定する必要があります。剪定バサミを使い、枝の根元近くをきれいな切り口で剪定しましょう。太い枝を剪定するには、ノコギリを使うとよいでしょう。広告
パート 3
パート 3 の 4:アーモンドの木に結実させる
パート 3
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1アーモンドの木の結実まで5年待つ アーモンドの木に実が生るまではしばらく時間がかかり、一般的には約5年間待つ必要があります。種類によっては、結実するまで12年ほどかかるものもあります。実をつけるまで辛抱強く待ちましょう。健康な成木であれば、一度に18kg以上のアーモンドを収穫できる場合もあります。
- アーモンドの木が一度実をつけると、50年もの間毎年生り続けるため、長い間収穫を楽しむことができます。
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2花が受粉しているか確認する ほとんどのアーモンドの木は、何もせずに実をつけるわけではありません。アーモンドの果実(食用のナッツの部分も含め)は、受粉による交配によって作られます。そのため、ナッツを収穫するためには、栽培しているアーモンドが自家受粉する品種でない限り、他の品種のアーモンドと他家受粉させる必要があります。
- 最も簡単な方法は、数本の異なる品種を植えることです。2、3本の木を近くに植えておくと、ハチなどの花粉媒介者が自然に木から木へと花粉を運びます。
- 花がついた枝を別の木の花に擦りつけて、人工的に受粉させることもできます。ただし、この方法は時間と労力を要し、自然受粉ほど効率的ではありません。
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3違う品種のアーモンドを接ぎ木する 栽培している木が自家受粉をする品種ではない場合、違う品種の枝を接ぎ木すると、実をつけない木も結実します。接ぎ穂が活着したら、台木(元の木)が結実しなくても接ぎ木をした枝に実が生ります。オレンジなどの多くの果樹は、この方法で栽培されています。
- 結実する枝を接ぎ木するにはいくつかの方法があります。最も簡単な方法はT字芽接ぎと呼ばれ、台木に長く浅いT字の切り込みをいれて接ぎ穂を挿し込みます。その後、接ぎ穂が活着するまで、接いだ部分をひもかゴムバンドで巻いて固定します。
- 大抵の場合、接ぎ木は樹皮の内側の組織が緑色で樹液の流動が活発な春に行われます。
- 実が生らない原因が、植え付け場所や栄養不足などの生育条件である場合は、接ぎ木をしても改善されません。
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4果実が熟したら収穫する アーモンドの収穫時期は通常7~10月(サウジアラビアなど5月末の地域もあります)で、果肉が乾燥してパックリと割れたら収穫します。アーモンドの木を揺らして、落ちた果実を拾い集めます。腐った果実は廃棄しましょう。木を揺らさなくても果実が落ちることもありますが、果実が腐っていなければ中のナッツは食べることができます。
- 収穫後、残っている害虫を死滅させるために、アーモンドの殻を1~2週間冷凍するとよいでしょう。[13]
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パート 4
パート 4 の 4:一般的な問題に対処する
パート 4
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1根腐れを防ぐために水のやりすぎに注意する 根腐れは、アーモンドを含む大抵の樹木に影響を及ぼします。根が長時間水にさらされた場合、根に真菌が発生して根腐れが起こります。根腐れが起こると回復させるのは困難なため、防止に努めるのが最善の策です。水をやりすぎないように心がけ、幹の根元に水が溜まらないようにすることが重要です。
- 土壌の水はけを改善することで、水のやりすぎを防ぐこともできます。土に腐植土や有機物質を十分に混ぜると、水はけが改善されます。浅く硬い粘土質の土壌は、特に水はけが悪い土質です。
- 栽培している木に根腐れの兆候(葉が黄色に変色、萎れる、枯れるなど水不足のような症状)があれば、根を掘り起こして黒く変色して腐った部分を切り取りましょう。問題が続くようであれば、木を除去して庭の他の植物に菌が広がるのを防ぎましょう。
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3古い果実を取り除いて、ネーブルオレンジ虫を防除する ネーブルオレンジ虫は、アーモンドの木につく厄介な害虫のひとつです。この害虫は晩秋から冬にかけて、収穫されずに枝に残っている乾燥した果実を住みかにします。春になると幼虫が活動を始め、アーモンドの果実に害を及ぼします。最善の防止策は、古い果実を枝に残さないことです。オレンジ虫は生長期の健康な果実に入り込むことはできないため、冬の住みかをなくすことで防除できます。
- 古い果実をすべて枝から取り除いたら、芝刈り機を使って粉砕しましょう。果実が地面に落ちても、オレンジ虫は中で生きることができます。
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4バチルス・チューリンゲンシス剤(BT剤)を使ってモモキバガ(peach twig borer)を駆除する モキキバガは日本では一般的な害虫ではありませんが、その名の通り幼虫はモモやアーモンドなどの堅果類の果実に侵入して食害し、大きな被害を与えます。この厄介な害虫(または葉が食べられた跡)を見つけたら、直ちに殺虫剤を散布して果実を守りましょう。細菌を利用したBT剤は、この害虫の駆除に効果的です。卵が孵化する春に殺虫剤を散布して、被害を防ぎましょう。[16] [17]
- 上記の害虫の他にも、アブラムシ、シンクイムシ、コスカシバなど、アーモンドの木に寄生する害虫はたくさんいます。ここではすべての害虫を記載できないため、インターネットで「アーモンドの害虫」と検索するか、地域のガーデンセンターまたは大学の植物科学科や農業試験場に問い合わせましょう。
- 総合的病害虫管理(Integrated Pest Management, IPM)について学びましょう。これは生物的防除、環境的防除、科学的防除などの方法を組み合わせて、総合的に害虫を防除する方法です。ひとつの方法だけに頼るより効果的に害虫を防除できます。[18]
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ポイント
- 複数の木を植える場合は、それぞれの間隔を6~9mあけましょう。
- 春の始めに苗から新芽が出るように、種は秋に蒔きましょう。
- ナッツの採取が目的でアーモンドの木を栽培する場合は、異なる品種の木を2本植える必要があります。
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注意事項
- アーモンドの木は根腐れやカビに弱いため、水のやりすぎには注意が必要です。
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出典
- ↑ http://www.gardeningblog.net/how-to-grow/almonds/
- ↑ https://provenwinners.jp/hardiness_zone_map/
- ↑ http://www.gardeningblog.net/how-to-grow/almonds/
- ↑ http://www.gardeningblog.net/how-to-grow/almonds/
- ↑ http://www.gardeningknowhow.com/edible/fruits/almonds/growing-almond-nut-trees.htm
- ↑ http://thealmonddoctor.com/2010/12/27/proper-almond-tree-planting/
- ↑ http://www.gardeningblog.net/how-to-grow/almonds/
- ↑ http://www.gardeningknowhow.com/edible/fruits/almonds/growing-almond-nut-trees.htm
- ↑ http://www.aos.org/Default.aspx?id=125
- ↑ http://www.todayifoundout.com/index.php/2010/04/almonds-are-not-nuts/
- ↑ http://www.wcfb.sailorsite.net/WCFB/Pruning.html
- ↑ http://www.wcfb.sailorsite.net/WCFB/Pruning.html
- ↑ http://www.gardeningknowhow.com/edible/fruits/almonds/growing-almond-nut-trees.htm
- ↑ http://fruitsandnuts.ucdavis.edu/almondpages/AlmondOrchardManagement/
- ↑ http://fruitsandnuts.ucdavis.edu/almondpages/AlmondOrchardManagement/
- ↑ https://extension.usu.edu/files/publications/factsheet/peach-twig-borers07.pdf
- ↑ http://www.ipm.ucdavis.edu/PMG/C003/m003bcpeachtwg02.html
- ↑ http://www2.ipm.ucanr.edu/WhatIsIPM/
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