酵母は糖を分解して二酸化炭素を生成する微生物で、パンやお酒をつくるためにはかかせません。“予備発酵”とはイーストが生きているかを確認し、短時間で発酵力を引き出す過程をいいます。現代ではイーストを包装するパッケージの技術が発達し、この過程を行う必要性はあまりなくなりましたが、長い間棚に置きっぱなしになっているようなイーストがまだ使えるかを確認するには良い方法と言えるでしょう。[1]

方法 1 の 2:
ドライイーストの予備発酵

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    インスタントドライイーストを使う場合は、この手順をスキップする インスタントドライイーストや細粒状の“短時間発酵型”イースト類は予備発酵が不要で、直接粉類の材料に追加することができます。[2] インスタントドライイーストは、常に発酵させることができ、長期保存が可能です。プロのパン職人には、インスタントドライイーストやドライイーストは、生イーストに比べて味が劣ると考える人もいますし、全く違いがないと考える人もいます。[3]
    • ビール酵母やシャンパン酵母、ワイン酵母は、製パンには絶対に使わないようにしましょう。
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    水か牛乳を少量計量する 少量の水や牛乳を耐熱容器に入れ、その分量をメモしておきます。正確な分量でなくて構いませんが、後に使うレシピの水分量から差し引く必要があります。1/2カップ強(120mL)あれば、通常のパン作りには十分でしょう。
    • 例えば120mLの水をイーストの予備発酵に使用するとします。合計240mLの水を使用するレシピでは、後ほどイーストとともに入れる120mLを差し引いた、120mLの水を加えましょう。
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    予備発酵に使う液体を温める 液体を温かいけれども熱すぎない40~43℃程に温めます。酵母がやや低めの温度で最も発酵しやすいのに対し、ドライイーストは少しだけ高めの温度設定が必要です。[4]
    • 食品用の温度計がない場合は、やや低温のぬるま湯程度まで温めましょう。低温の液体ではイーストを発酵させるのに時間がかかりますが、熱すぎるとイーストが死んでしまい発酵させることができなくなってしまいます。
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    砂糖を小さじ1(5mL)加える イーストの発酵に必要なのは温水のみですが、砂糖を加えることで、イーストの準備ができているかを確認することができます。活性化したイーストは糖を取り込み二酸化炭素や他の物質を生成します。この過程によって、パン生地に膨らみと独特の風味が与えられます。溶けるまで、素早く砂糖を混ぜましょう。
    • 砂糖を加えるのを忘れてしまったら、イーストを水に加えた後に足しても構いません。効果は変わりませんが、イーストをこぼしたり傷つけたりしないように、ゆっくりと混ぜる必要があります。
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    イーストを液に振り入れる レシピに従って必要な量のイーストを量り、液の上から振り入れます。ドライイーストの方が凝縮されているため、生のイーストを使うレシピを使う場合は記載の半分量のドライイーストを使用します。[5]インスタントドライイーストを使用しているレシピの場合は、1.25倍の量のドライイーストを使用しましょう。
    • イーストの種類によっては、水を加えると膨張することがあります。こぼれてしまわないように、必要があれば大きめの容器に移しましょう。
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    30~90秒ほど置いてからイーストをかき混ぜる 水の表面に浮かぶイーストがゆっくりと沈んでいくと、休眠状態の殻が水に溶け、中にある活性状態のイーストがあらわになります。[6] この状態を起こすために少し時間をおいてからイーストを水の中に混ぜていきましょう。
    • このステップの時間を正確に計る必要はありません。すぐに混ぜたとしても、それでイーストに影響が出る可能性は低いでしょう。
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    泡が出る様子を見ながら10分間待つ イーストが生きており発酵力があれば、糖を分解して二酸化炭素を生成し始めるので、そのガスによってパンが膨らみます。混ぜた液体の表面に泡ができていれば、イーストに発酵力があることを示しているため、そのままレシピに従って他の材料に加えることができます。
    • 泡は容器の縁に付いているので、よく目を凝らしてみる必要があるかもしれません。
    • 発酵力があるサインとしては、他にも“発酵臭”や混ぜた液体の膨張などがありますが、いずれも必ずしも見られる訳ではありません。
    • 残念なことに混ぜた液体に泡が出なかった場合は、イーストは死んでおり使用することができません。43℃を超えない程度のやや温かいお湯を加えて、もう10分様子を見ることもできます。これでも泡立ちが見られなかった場合は、処分しましょう。
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    レシピでイーストを入れる手順になったら、予備発酵したイースト液を加える レシピでイーストを入れるよう指示が出たら、イーストを混ぜた液を加えます。イーストだけを濾して入れようとしないようにしましょう。
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方法 2 の 2:
生イーストの予備発酵

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    生イーストに問題がないか確認する 生イーストはやや水分のある塊で保存され、発酵力を保ったまま保存できますが、現代のドライイーストの包装に比べると保存期間は短くなります。生イーストは冷凍保存ができないことを覚えておきましょう。室温では1~2週間、冷蔵庫では最大1~3ヵ月保存することが可能です。[7] 硬く濃い茶色になってしまったら使えない可能性が高いでしょう。確認のために予備発酵をすることはできますが、パン作りを中断しなくていいように、事前に追加でイーストのストックを買っておく方が良いでしょう。
    • 重要:生イーストは、「ケーキ酵母」や「ウェットイースト」、「圧搾酵母」などとも呼ばれることがあります。[8]
    • パンの生イーストと液体の醸造酵母を絶対に混同しないようにしましょう。製パンには必ずパン酵母(どのタイプでも)を使用します。
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    水か牛乳を少量計量して耐熱容器に入れる レシピの水分量から1/4カップ強(60mL)分を使用します。イーストを多めに使う場合は水を増やす必要がありますが、後でレシピの水分量から差し引けるように使った水の量はメモをしておきましょう。
    • 例えば合計240mLの牛乳を使用するレシピでは、60mLの牛乳をイーストの予備発酵に使い、残りの180mLの牛乳を生地に加えます。
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    予備発酵に使う液体を温める 使用する液体を27~32℃の間の温度になるよう少し温めます。これによりイーストの発酵力が最大限に引き出されます。[9] 生イーストは休眠状態にあるドライイーストとは異なり、既に発酵力があるため、“イーストを目覚めさせる”ために液体を温めすぎなくてよいのです。
    • ほんの少し温かいくらいの温度です。ミルクに湯気や膜ができていたら熱すぎるため、イーストを破壊してしまう可能性があります。
    • 生イーストは元から水分を多く含むため、厳密には水を加える必要はありません。多くの場合水が推奨されるのは、室温ではイーストを予備発酵させるための温度には十分でないためです。しかし、部屋が暖かければ、砂糖とイーストを混ぜるだけでいい場合もあります。[10]
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    砂糖を小さじ1(5mL)加える イーストはほぼ全ての砂糖を取り込むことができるので、白砂糖、ブラウンシュガーなど天然の糖分を加えましょう。人工甘味料は、どのタイプのイーストの予備発酵においても使えません。
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    イーストを液体に加える レシピに従って必要な量のイーストを加え優しくかき混ぜます。生イーストは水分を含んでいるため、他のタイプのイーストを使ったレシピでは使う量を調節しましょう。[11]
    • ドライイーストを使用するレシピでは、記載された分量の2倍量の生イーストを使用しましょう。
    • インスタントドライイーストを使用するレシピでは、2.5倍量の生イーストを加えましょう。
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    数分そのままにして泡が出てくるのを待つ 5~10分以内に泡が出てれば、イーストが生きており発酵力もあるので、レシピでイーストを入れる順番になったら材料に加えることができます。そうでなければ、液体が熱すぎるか冷たすぎる場合を除いて、イーストは死んでいるため処分しましょう。
    • 生イーストは発酵力を保っているため、ドライイーストよりは早く予備発酵させることができます。
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ポイント

  • パン生地を作っている場合は、粉類の材料を用意したものと同じ容器の中でイーストを予備発酵させることができます。粉類の中にくぼみを作り、その部分を器の様に使いましょう。
  • イーストが予備発酵すると、ビールやパンの様な香りがすることがありますが、それが普通です。
  • 砂糖に関しては、化学的な糖類(スクロースやフルクトースなど)を含み、酸をほぼ含まないか全く含まないものであれば構いません。ブラウンシュガーや白砂糖、糖蜜、果汁は使うことができます。人工甘味料は使うことができません。
  • 早くパンを作らないといけないにも関わらず、以前購入したイーストしかない場合、パン作りを始める前にイーストの予備発酵で試した方がいいでしょう。そうすれば、イーストが発酵しなくても、お店に新しいイーストを買いに行く時間ができます。
  • 光はイーストを破壊してしまう可能性があります。[12] 多くのパンレシピでパン生地を覆うようにしているのはそのためです。

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注意事項

  • イーストを極度の冷水や熱湯の中に入れないようにしましょう。発酵はおろか、イーストを破壊してしまうかもしれません。
  • イーストは10℃以下で休眠状態に入り、50℃以上で破壊されます。
  • 塩はイーストの発酵を遅め、高凝縮によってイーストを破壊してしまう恐れがあります。[13] そのため、レシピで指示があっても、塩は他の粉類と一緒にしておき、イーストを混ぜた液体には入れないようにしましょう。
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このwikiHow記事について

Bess Ruff, MA
共著者 by
環境科学者
この記事の共著者 by Bess Ruff, MA. ベス・ラフはフロリダ州立大学の地理学専攻博士課程の学生です。2016年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校の環境科学専門学部にて環境科学と資源管理の修士号を取得後、カリブ海の海洋空間計画プロジェクトに関する調査研究を行い、大学院生としてSustainable Fisheries Groupの研究サポートを行っています。
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