エポキシ樹脂はプラスチックから金属まで様々なものに使用されている永久接着剤で、一度硬化すると簡単には落とせません。エポキシは初めは液体状で、混ぜると物質の温度が上昇し、冷却すると硬化し始めます。エポキシを落とすには液体状に戻す、もしくは最低でもゲル状に戻してから付着したものの表面を擦って落とします。エポキシは適切な安全措置をとり、根気よく続ければ比較的容易に落とすことができます。

方法 1
方法 1 の 3:
熱を加えて落とす

  1. 1
    ゴーグル、手袋、ガス・揮発物対応の吸収缶付き防毒マスクを着用する エポキシを加熱すると、目や肺、粘膜を刺激するガスが発生します。皮膚に密着するゴーグルとガスや揮発物を除去できる防毒マスクを着用して、身を守りましょう。[1] また、手首の上の長さが7.5cm以上のゴム手袋を着用して皮膚を守ります。輪ゴムを使用して手首側を閉じるとよいでしょう。
    • 防毒マスクの吸収缶は、エポキシの成分に応じて選ぶのが一番良いでしょう。安全データシート(MSDS)をチェックして、どの防毒マスクの吸収缶を選べばよいかや必要な保護具等を調べるとよいでしょう。
    • ゴーグルで完全に目を覆い、空気が入る隙間がなく肌にぴったりとフィットしている状態にします。個人用防護具として保護メガネが装備された防毒マスクを使用してもよいでしょう。[3]
    • マスクの気密性と装着感を必ず試しましょう。肌に密着しない場合、顔の毛を剃ったり、より装着性の高いマスクに交換する必要があります。
    • マスクを装着していても強い化学物質の臭いを感じる場合、マスクが正常に機能していないか、吸収缶の交換が必要かもしれません。その場を直ちに離れてマスクをチェックし、調整しましょう。

    ポイント:防毒マスクの吸収缶は、ろ過する物質の種類により色分けされています。例えば、有機ガスを含むエポキシ用の吸収缶は黒色、ハロゲン用であれば灰色と黒となっています(JIS T8152 防毒マスクを参照)。[2]

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    皮膚を覆う服を選ぶ ぴったりとしたズボンと体にフィットした長袖のシャツ等がよいでしょう。ボタンシャツの場合は、すべてのボタンを留めておきます。こうして、エポキシに熱を加えたときに発生するガスから皮膚を守ります。
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    表面にアセトンを染み込ませて1時間以上放置する エポキシが木製品の表面に付着している場合、熱を加えて柔らかくする1時間以上前に、アセトンをその部分に染み込ませます。エポキシが付着しているものをアセトンの中に入れるか、付着している表面にアセトンを滴下します。アセトンは木製品の表面にのみ染み込みます。[4]
    • プラスチック、大理石、セメント、ビニールに付着したエポキシを落とす場合、どんな化学物質でも表面には作用しますが、木製品のように下層には染み込みません。
  4. 4
    エポキシにヒートガンを数分あてる エポキシの軟化点である93℃まで温度を上昇させることが目的です。ヒートガンは動かさずに1点だけに数分あてるのではなく、少し揺らしながら熱を加えます。プラスチックや木製品にエポキシが付着している場合、温めすぎて表面を焦がすのを避けるため目を離してはいけません。[5]
    • ヒートガンの代わりに、はんだごてを使用してもよいでしょう。こて先が熱くなったら、エポキシが付着している箇所に直接当てて、エポキシを軟化させます。[6]
    • 熱を加えようとしているエポキシが、フロアタイルではなくものに付着している場合、それをホットプレートに乗せてもよいでしょう。こうすると、より手軽に加熱でき、ヒートガンと同様の結果が得られるでしょう。
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    一度に狭い範囲を加熱する エポキシが付着している部分全体を一度に加熱すると、高温状態を保つことができないためやめましょう。2~3cmの長さに分割して作業を進めます。1つの範囲が終わったら、その隣の範囲へと移りましょう。熱を加えてから時間が経っていない方がより簡単に落とせます。[7]
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    加熱したエポキシをプラスチックのスクレイパーでこそげ落とす 頑丈なプラスチック製のスクレイパーで表面のエポキシを落とします。熱がエポキシの下層まで届いていない場合、その箇所を再加熱して擦る作業を繰り返して落とします。[8]
    • 熱を加えた箇所をすぐに再加熱してはいけません。エポキシが冷めるまで数分待ってから再加熱しましょう。引火する恐れがあります。
    • 金属製のスクレイパーを使用してはいけません。表面を傷つけてしまう恐れがあります。
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方法 2
方法 2 の 3:
エポキシを凍らせる

  1. 1
    安全手袋、ゴーグル、ガス・揮発物対応の吸収缶付き防毒マスクを着用する エポキシ自体もそうですが、冷却スプレーからも目や肺、皮膚、粘膜を刺激する揮発物が発生します。空気が入ってこない、しっかりと密着する安全ゴーグルと装着性の高いガス・揮発物対応の吸収缶付き防毒マスクを着用します。そして、手首より上の長さが7.5cm以上のゴム手袋を装着して皮膚を守りましょう。[9]
    • 冷却スプレーとエポキシについては、安全データシート(MSDS)を参照しましょう。物質の安全な扱い方や吸収缶付き防毒マスク等、必要な保護具についても説明がされています。
    • JIS T8152等の防毒マスクの手引書を読んで、何色の吸収缶が適しているのかを調べましょう。[10]
    • 使用しようとしている冷却スプレーが、居住地域で違法にあたらないか必ず調べましょう。環境汚染等の理由で使用が禁止されている冷却剤も存在します。
  2. 2
    窓と出入口を開ける 空気の通り道ができ、冷却スプレーから発生する揮発物が外へと出ていきます。出入口や窓を開けていないとガスが溜まることがあり、呼吸すると非常に危険です。換気をしっかりとした上で、子供やペットは安全な部屋に入れてドアを閉めておき、ガスを吸い込ませないようにします。
    • 揮発物が吸気口の中に吸い込まれないように、冷房や暖房は必ず切りましょう。
  3. 3
    冷却スプレーの缶を振る 冷却スプレーはほとんどのホームセンターで様々なメーカーのものが販売されているでしょう。缶を購入したら、他のスプレー缶と同様に、使用する前によく振ります。エポキシから30cmほど離して、缶を垂直に持ちます。傾けると液が漏れることがあります。
  4. 4
    エポキシに冷却スプレーを噴霧する 液体が付着した部分はすぐに温度が下がり、エポキシは凍って脆くなります。スプレーしたエリア付近を手で触れてはいけません。スプレーする前に、手袋やゴーグルがしっかりと装着されているかを確認しましょう。子供やペットがいる場合は、近づけてはいけません。[11]
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    脆くなったエポキシを少しずつ削り取る プラスチック製のパテナイフを使うか、ゴムハンマー等で叩いてもよいでしょう。エポキシは冷却されて結晶になり簡単に壊れます。その後バラバラになったものをほうきとちりとりで片づけて、すぐにゴミ箱に捨てましょう。残った極小のくずは掃除機で吸ってきれいにしてもよいでしょう。
    • エポキシが付着したものに圧をかけすぎて壊さないように気を付けましょう。すぐにバラバラにならないときには、冷却スプレーを再び噴射してエポキシを凍らせます。
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方法 3
方法 3 の 3:
エポキシを落とす薬品を準備する

  1. 1
    ゴーグル、安全手袋、ガス・揮発物対応の吸収缶付き防毒マスクを着用する エポキシを溶解または軟化させる薬品を扱う前には、目や肺、粘膜、皮膚を守る安全装備を必ず着用します。目を完全に覆い、空気が入る隙間のない、しっかりと密着するゴーグルと使用する薬品に対応した装着性のよい吸収缶付き防毒マスクを着用します。そして、手首より上の長さが7.5cm以上のゴム手袋を装着しましょう。 [12]
    • 化学溶剤とエポキシについては、安全データシート(MSDS)を参照してどの吸収缶が必要かをチェックしましょう。
  2. 2
    窓と出入口を開ける 空気の流れと換気は必須で、非常に重要です。ドアや窓を通して空気が循環することで、危険な揮発物が家の外へと出ていきます。窓やドアを閉めていると、体に害を及ぼす薬品を吸い込んでしまいます。[13]
    • 揮発物が吸気口の中に吸い込まれないように、冷房や暖房は必ず切りましょう。
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    エポキシを軟化させる薬品を選ぶ エポキシが付着しているものの表面を傷つけない化学薬品を選ぶことも重要です。布やプラスチック、ビニール等の表面を損傷する薬品もあります。強い薬品だと、エポキシを軟化させる前に、付着したものの表面が損傷する恐れがあります。[14] 薬品を扱う際は、必ず安全データシート(MSDS)を参照しましょう。取り扱いの説明や、使用の際の適切な個人用防護具のリストが掲載されているでしょう。
    • クラス3および4の酸化剤の扱いは避けましょう。こういった薬品は自然発火や後々発火する恐れがあります。
    • 塗料用シンナーを使用してみます。ほとんどの塗料用シンナーに含まれているアセトンは硬化したエポキシを軟化させますが、準備としてエポキシと付着しているものに1時間以上染み込ませましょう。
    • 市販の脱色剤を使用してみましょう。ほとんどのホームセンターで取り扱っているはずです。[15]
  4. 4
    脱色剤を塗布する 液を直接エポキシに滴下するか布に染み込ませて軽く塗ります。どちらの方法にしても、十分な量の薬剤がエポキシに浸透するようにします。薬剤を塗布した後1時間以上放置してから落とす作業に入ります。[16]
    • 一度に行う範囲は5~7.5cmほどにして、少しずつ作業を進めましょう。広範囲だと薬剤が効果的に作用しないことがあります。
    • 薬品を塗布する際は、子供やペットが近くにいないことを必ず確認しましょう。
  5. 5
    洗浄液を用意する 脱色剤を塗布して1時間以上放置したら、擦り落とす前に中和させる必要があります。普通サイズのバケツにリン酸三ナトリウム50~75gとお湯3.8リットルを混ぜ合わせます。この液を脱色剤の上に直接注ぐかスポンジで軽く叩いてもよいでしょう。そして、5分以上放置して中和させます。[17]
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    エポキシをこそげ落とす 鋭くて頑丈なプラスチックのスクレイパーで樹脂をこそげ落とします。落としたエポキシはすぐにペーパータオルに包んでゴミ箱に捨てます。薬品が周りに付着していない状態に仕上げましょう。表面にエポキシが残っているようなら、軟化剤にしばらく浸してから擦り落とします。[18]
    • エポキシを擦り落としたら、洗剤を混ぜたぬるま湯に浸した雑巾で拭き取ります。子供やペットがいる家庭では特に、薬品を残したままにしておいてはいけません。
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ポイント

  • 化学工業薬品などを扱うプロにアドバイスをもらうのもよい方法です。エポキシを除去できる裏技を知っているかもしれません。また、市販されている中で一番よくエポキシが落ちる製品を薦めてもらうこともできるでしょう。
  • エポキシを落とすときは、2~3回繰り返してみましょう。試みている方法では表面にしか作用しない場合もあります。すべてが落ちるように繰り返すことが大切です。
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注意事項

  • 薬品をエポキシに塗布しているときは、ペットや子供は安全な場所に避難させておきましょう。
  • 家全体に自由に空気が回るようにし、エアコンや暖房は切りましょう。危険な薬品から出る揮発物を中に封じ込めてはいけません。
  • 手袋、ゴーグル、マスクは装着性のよいものを使用しましょう。ガスが皮膚や口、目に触れないようにします。
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必要なもの

  • 吸収缶付き防毒マスク
  • 皮膚に密着する安全ゴーグル
  • 安全ゴム手袋
  • ヒートガン
  • 削り落とす道具
  • 冷却スプレー
  • アセトンまたは塩化メチレン
  • リン酸三ナトリウム

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カテゴリ: 住宅メンテナンス
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