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古代から受け継がれてきたガラス作りの起源は、考古学的証拠が示すように紀元前2500年前までさかのぼります。ガラス製品が貴重で価値のある芸術品としてもてはやされ、ガラス製造業が発展しました。ガラス製品は容器、絶縁体、強化繊維、レンズ、装飾品など、工業および家庭用として様々な用途で使われています。材料は異なっても、ガラス作りの基本的な工程は同じです。ここでは、その方法を紹介します。

方法 1
方法 1 の 2:
溶解炉または窯を使う

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    珪砂(シリカ)を用意する ガラスの主原料は、石英砂とも呼ばれる珪砂です。透明なガラスを作るには、不純物である酸化鉄を含まない珪砂を使います。鉄分が含まれると、ガラスが淡い緑色になるためです。
    • 粒が極めて細かい珪砂を扱う場合は、防護マスクを着用しましょう。粒子を吸引すると、喉や肺が炎症を起こす場合があります。
    • 珪砂はインターネットで購入できます。珪砂は安価で販売されており、20kgで 2000円程度です。[1] 珪砂が大量に必要な場合は、専門業者から特別料金で購入できる場合もあります。
    • 酸化鉄を含まない珪砂が手に入らない場合は、二酸化マンガンを加えることで無色化できます。または、緑色を帯びたガラスに仕上げる場合は、鉄分をそのまま残しておきます。
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    珪砂に炭酸ナトリウムと酸化カルシウムを加える 炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)は、商業用のガラス生産工程において溶解温度を下げる働きをします。しかし、炭酸ナトリウムを加えるとガラスが水を通してしまうため、酸化カルシウム(生石灰)を加えて、この働きを相殺します。ガラスに耐久性を持たせるために、酸化マグネシウムやアルミニウムが使われることもあります。一般的に、これらの材料の含有量は全体の26~30パーセント未満です。
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    ガラスの使用目的に合わせて化学物質を加える 装飾用のガラスには、酸化鉛が最も一般的に使われています。酸化鉛はクリスタルガラスに輝きを与え、素地をやわらかくして加工がしやすくなります。また、原料の溶解温度も低下させます。メガネのレンズには、屈折率を高めるために酸化ランタンが使われ、ガラスが熱を吸収するように鉄が使われています。
    • クリスタルガラス(鉛ガラス)には、酸化鉛を最高33パーセントまで加えることができます。しかし、酸化鉛が多く含まれるほど溶解したガラスを加工するのが難しくなるため、製造業者は酸化鉛の含有量を抑えるように努めています。
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    化学物質を加えて、ガラスに好みの色をつける 前述のように、珪砂に含まれる鉄分でガラスは淡い緑色になり、酸化鉄を加えるとさらに濃い緑色になります。また、酸化銅でも同様の効果が得られます。硫黄化合物は、原料に含まれる炭素または鉄の量によって、ガラスに黄色、琥珀色、または茶系や黒系の色をつけます。
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    耐熱性のるつぼなどの容器にガラスの原料を入れる 炉内の極めて高い温度にも耐えられる容器を使う必要があります。加える材料によって、ガラスの原料は1500~2500℃で溶解します。容器は金属製のトング(るつぼばさみ)で簡単にはさめるものを使いましょう。
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    原料を溶かして液状にする 商業用の石英ガラスの製造には、この工程にガス炉が使われます。一方、特殊ガラスは電気溶解炉、るつぼ炉、または窯などで作られる場合があります。
    • 添加物を加えない珪砂は、2300℃で溶解します。炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)を加えると、ガラス作りに必要な溶解温度は1500℃まで低下します。
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    溶解したガラスを均質化し、気泡を除去する この工程では、溶けた原料を均等に混ぜ合わせ、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、酸化アンチモンなどの化学物質を加えます。
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    溶けたガラス成形する ガラスの成形は次のいずれかの方法で行います。
    • 溶けたガラスを型に流し込んで冷却します。この方法は古代エジプトで用いられ、今日でも多くのレンズはこの方法で製造されています。
    • 適量の溶融ガラスを吹き竿(穴があいたパイプ)の先端に巻き取り、竿を回転させながら息を吹き込みます。ガラスは、竿から吹き込まれる空気、溶融ガラスを引っ張る重力、そして吹きガラス制作に使う様々な道具によって成形されます。
    • 溶解したスズの上に溶融ガラスを流し、加圧窒素で圧力をかけて成形し研磨する方法もあります。この方法で成形されたガラスはフロートガラスと呼ばれ、1950年代から窓ガラスはこの方法で製造されています。
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    ガラスを窯の中で徐々に冷却する この工程は焼きなまし(アニーリング)と呼ばれ、冷却中に起こるガラスの歪みを除去します。この作業を行わないと、ガラスは極めてもろくなります。焼きなましを行った後、コート仕上げやラミネート仕上げをしてガラスに強度と耐久性を持たせます。
    • 焼きなましの温度は、ガラスの原料によって400~550℃と異なります。冷却速度もそれぞれ異なり、一般的に大きな作品は小さなものよりゆっくりと冷却する必要があります。焼きなましを行う前に、作品に適した方法を調べましょう。
    • 同様の熱処理で焼き入れと呼ばれる工程は、成形・研磨されたガラスを窯に入れて最低600℃に加熱し、高圧の空気で急速に冷却(クエンチング)します。焼きなましされたガラスは6000 psi(pound per square inch、1平方インチあたりに何ポンドの圧力がかかるかを表す)で粉砕しますが、焼き入れされたガラスは10000 psi 以下では粉砕せず、通常は24000 psiまで持ちこたえます。
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方法 2
方法 2 の 2:
炭火バーべキューグリルを使う

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    炭火バーべキューグリルで仮設の炉を作る この方法では、大量の炭を燃やして珪砂を溶解し、ガラスを作ります。金物店やホームセンターで入手できる、安価で一般的な材料でガラスが作れます。ここでは、大型の炭火バーべキューグリルを使い、ドーム型の蓋が付いているグリルが適しています。できるだけ壁が厚く、丈夫なグリルを使うことが重要です。大抵の炭火グリルには下部に通気口が付いており、この通気口を開けた状態にしておきます。
    • バーベキューグリルが極めて高温に達しても、珪砂を溶解するのは困難な場合があります。少量(珪砂の約1/3 ~1/4の量)の炭酸ソーダ、石灰、またはホウ砂を溶解前に加えると、珪砂の溶解温度を下げることができます。
    • 吹きガラスを作る場合は、金属製の吹き竿を用意しましょう。溶解したガラスを型に流し入れる場合は、型を準備しておきましょう。溶けたガラスを流し入れても燃えない型を使います。グラファイト(石墨)の型が適しています。
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    この方法の危険性を理解する この方法では、バーベキューグリルを常用限度以上の温度に上げるため、グリル自体を溶かしてしまう可能性もあります。無謀な行為をすると深刻な怪我または命を落とす危険が生じるため、十分に注意をして作業しましょう。必要時に速やかに消化できるように、大量の土か砂、または高温の燃焼に対応する消化器を用意しましょう。
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    十分に注意を払い、熱から自分自身や家屋を守る この作業は、屋外の土や砂の地面のある広い場所で行いましょう。砂や土で覆われていないコンクリートの上で作業をすると、溶けたガラスが落ちた際にコンクリートが勢いよく破砕する恐れがあります。また、替えの効かない大切な道具は使わないようにしましょう。ガラスの溶解中は、グリルから遠ざかりましょう。また、次のような保護具を可能な限り身に着けましょう。
    • 厚手のオーブンミトン
    • 溶接用マスク
    • 溶接用エプロン
    • 耐熱性のある衣服
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    長いホースの付いた業務用掃除機を用意する グリルの下部の通気口に直接空気を送るために、ダクトテープなどを使ってホースを斜めに固定します。この際、ホースがグリルに触れないようにしましょう。ホースをグリルの脚や車輪に固定してもよいでしょう。掃除機の本体は、グリルからできる限り離しましょう。
    • ホースが動かないように、しっかりと固定しましょう。ガラスの溶解中にホースが動いても、グリルが熱くなっている場合は近づいてはいけません
    • 掃除機のスイッチを入れて、ホースの位置を確認しましょう。通気口に直接空気を送り込む位置にホースを固定することが大切です。
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    グリル内に炭を並べる 普段肉を焼く時より多めの炭を使います。グリルのへりぎりぎりまで炭を入れると理想の温度が得られます。[2] 珪砂の入ったキャストアイロンの鍋またはるつぼをグリルの中央に置き、周りに炭を並べます。
    • 硬材の木炭は、豆炭より早く高温で燃焼するため、この作業に適しています。[3]
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    炭に着火する 炭の取扱説明書を読み、直接着火できるか、または着火剤が必要かを確認しましょう。着火したら、炎が均等に広がるまで待ちます。
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    炭が高温になるまで待つ 炭の表面が灰色に変わり中がオレンジ色に燃焼してきたら、準備完了です。この段階になると、グリルのそばに立っているだけで熱を感じるはずです。
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    業務用掃除機のスイッチを入れ、炭に空気を送る グリルの下部から空気を送ると、炭は極めて高温(約1100℃)で燃焼します。[4] この際、炎が高く燃え上がることがあるため注意しましょう。
    • 適切な温度になっているか不確かな場合は、通気口から空気を送りながらグリルの蓋を閉めて、温度が上昇するか試しましょう。
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    溶解したガラスを移動したり成形したりする際は、金属製の道具を使って慎重に扱う グリルは溶解炉よりも温度が低いため、溶けたガラスは硬めで扱いにくいかもしれません。前述と同様に、溶融ガラスを吹き竿、型、または他の道具を使って成形しましょう。
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ポイント

  • 純粋な珪砂の代わりに海砂を使うこともできますが、不透明や変色など、あまり良質ではないガラスになるかもしれません。できるだけ白くて粒が細かく均一な砂を使いましょう。
  • 珪砂や他の材料の粒が粗い場合は、すり鉢とすりこ木で砕くか、電動式の粉砕機を使いましょう。原料の粒が細かいほど早く溶解します。
  • 古いガラスを砕いて珪砂を溶かす前に加え、リサイクルで新しいガラスを作ることもできます。廃ガラス(カレット)の質によっては、新しいガラスの強度を弱めることがあるため、使う前に気泡が入っていないかなどの品質チェックをしましょう。
    • ガラスを粉砕する際は、誤って吸引しないように保護マスクを着用しましょう。
  • フュージング、または小さなガラス片、ガラス棒、ストリンガーなどの切断には、高温のガストーチを使いましょう。
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注意事項

  • 高温になる道具の近くでは常に注意を払いましょう。子供やペットのそばでガラス作りの作業をしてはいけません。
  • 極めて高温の炎を水で消化すると、状況を悪化させる場合があります。例えば、2000℃で燃えている炎は、水(H2O)を水素と酸素原子に分解し、非常に強力な熱エネルギーを放出します。[5] 高温の炎の消化用には、土または砂を大きなバケツに入れて用意しておきましょう。
    • 金属火災用の消火器には、塩化ナトリウム(食卓塩)が含まれており、高温の燃焼に対応しています。
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必要なもの

  • 珪砂(二酸化ケイ素)
  • 炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)
  • 酸化カルシウム(生石灰)
  • 他の酸化物および塩(任意で酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、マグネシウムナトリウム、またはカルシウム塩など)
  • 酸化鉛(任意)
  • 耐熱性のるつぼ、型、または吹き竿
  • ガラス用窯または溶解炉

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カテゴリ: 趣味・工芸
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