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加熱して平たくしたガラスボトルは、楽しいアート作品、テーマ性のある飲み物用トレイ、またはしゃれたカッティングボードとなります。家庭にある電化製品では、ガラスボトルを「スランピング(ガラスを軟化させ型に沿わせて成形)」することはできませんが、電気窯があると簡単に素敵な作品を作ることができます。ただし、ガラスを扱っている最中に怪我をしてしまったら、直ちに救急医療機関に連絡しましょう。

パート 1
パート 1 の 3:

電気窯の準備をする

  1. 1
    電気窯を使う ガラスを軟化させるには、800度前後の温度で熱する必要があります。この温度まで加熱するには、近所で電気窯を貸し出している陶芸教室を探すか、自分で窯を購入する必要があります。
    • 電気窯を設置するには、電気工事士による新しい回線の設置が必要な場合があります。間違った電圧回路に接続すると、適切な温度に到達しない可能性があります。[1]
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    安全に考慮する 電気窯付近で作業する際、耐熱手袋やゴーグルを着用して身体を保護しましょう。また、電気窯の掃除などで発生する埃や粉塵を扱う際は、防護マスクを着用し、常に換気の良い場所で窯を操作しましょう。電気窯の内部は、オーブンや暖炉よりはるかに高温になるため注意が必要です。電気窯を使用する前に、取扱説明書を熟読するか、熟練した陶芸家やガラス工芸家にアドバイスを求めましょう。
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    窯底や棚板を保護する この作業を怠ると、焼成中に流れ落ちたガラスの一部が、窯の底や棚板を傷める場合があります。予防策として一般的に3種類の保護剤が使われており、使用の際には防護マスクの着用が必須です。保護剤が均一でなくなったり、剥がれたりした場合は、保護剤を塗りなおす必要があります。[2]
    • 水に溶いて使用するガラス用の離型剤(最適)またはアルミナ粉(適切)が市販されています。コーティング液は、刷毛で最低4回重ね塗りして乾燥させます。わずかなおうとつもガラスに反映されるため、表面ができるだけ滑らかになるように塗りましょう。
    • ガラス用のセパレートペーパー(繊維紙)またはアルミナペーパーは、棚の形に切って使うことができます。棚板の上に敷きガラスを載せると、ガラスが棚に付着するのを防ぎます。
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    棚板を窯に設置する 棚板の間に空気が循環するように、棚板は常に窯底から離して設置します。窯底に支柱を置き、その上に棚板を設置します。ガラスボトルを焼成する際、ボトルを棚板の上に置きます。
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パート 2
パート 2 の 3:

ボトルの準備をする

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    陶器の型を作る(任意) ボトルを平らなトレイではなく、カーブしたタコシェルのような形に成形したい場合は、粘土にボトルを押し当てて型を作ります。[3] 窯の準備のセクションに記載されているように、ガラス用の離型剤やアルミナ粉のコーティング剤を型に塗って保護しましょう。
    • 800度前後の高温で焼成可能な粘土を使います。さもないと、焼成中に粘土が溶けてしまいます。
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    ボトルを洗ってラベルを剥がす 熱い洗剤液でボトルを擦るか、熱いお湯と家庭用洗剤で満たしたバケツにボトルを数時間浸します。ボトルに付いているラベルやシールをこすり落とすか、硬いプラスチックを使ってそぎ落とします。[4] または、ラベルを保存して仕上がったボトルに再度貼る場合は、ヒートガンを使って接着剤を溶かしましょう。
    • ボトルにプリントされたラベルは、焼成中にボトルが動かない限り、焼成後もそのまま残ります。ラベルはしゃれたデザインになります。
    • ボトルに指紋が残らないようにするために、手袋を着用し、焼成前にイソプロピルアルコールでボトルを拭きましょう。
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    失透防止スプレーを吹き掛ける(任意) このスプレーを使うと、ガラスが結晶化することで透明性を失う「失透」を防ぐことができます。すべてのガラスが失透を起こすわけではなく、きれいに拭くことで透明性を失わないガラスもあります。ガラスの失透が心配な場合、特に青や琥珀色のボトルを焼成する場合に使いましょう。
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    金具を付ける(任意) 平たくしたボトルを壁に掛ける場合は、フック型に曲げた針金の端をボトルの口に挿し込みます。ボトルが溶けて針金を挟み込むため、後で金具を取り付ける必要がありません。[5]
    • 高温に耐えられるガラス工芸用のフュージングワイヤーが最適です。大抵の一般的な針金も使えますが、アルミの針金は溶解し、銅と真鍮の針金はガラスに小さな点を残します。[6]
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    ボトルが転がるのを防ぐ ボトルやボトルが載った型を棚板に寝かせて置きます。ボトルが転がる恐れがある場合は、粒状ガラス(フリット)または小さく巻いたセパレートペーパーでボトルを支えます。ボトルの裏側に跡が残りますが、こうすると、ボトルが転がって窯の壁を傷めるのを防ぎます。
    • 特にボトルにラベルがプリントされている場合は、ボトルが動かないように注意しましょう。
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パート 3
パート 3 の 3:

ガラスボトルを平たくする

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    電気釜を590度に設定して加熱する 窯の温度が590度に達するまで、1時間に280度上昇するように設定します。こうしてボトルを徐々に温めます。
    • 陶器の型を使う場合は、型が割れるリスクを減らすために、さらにゆっくりとした上昇率で加熱しましょう。
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    この温度を10分間保つ 温度を一定時間保つこと(ソーク)で、ガラス全体が適切な温度になります。下記の手順に注意を払い、それぞれの工程で保つ温度と時間を確認しましょう。
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    さらにゆっくりと700度まで加熱する この段階では、1時間の上昇温度を140度以下にし、1時間強加熱します。この時点で、ボトルは形を失い始め、特に真ん中がへこんできます。薄く幅が広いトレイに仕上げるには、この温度を20分間保ちます。または、厚みのあるトレイに仕上げるには、適温に達した数分後に次の手順に進みます。
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    約790度まで急速過熱する 陶器の型を使う場合は、1時間に170度上昇するように加熱し、そうでない場合はさらに高い温度で加熱します。ボトルが好みの形になるまで、この温度を保ちます。
    • この手順では、使うボトル、窯、好みの仕上がり具合により、設定温度が異なります。ここに記載された温度や上昇率を見安にして初めての作品を作ってみて、後でその温度を基準に調整しましょう。
    • 覗き穴から窯の中を見る際、必ず保護メガネを着用しましょう。窯に小さな窓や覗き穴が付いていない場合は、焼成中にボトルを確認することはできません。
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    約590度まで急速冷却する 窯の中は高温のため注意して蓋を開け、温度が480~590度になるまで急速冷却します。ボトルが高温にさらされる時間が短いほど、失透が起こる可能性が減少します。高温状態が長引くと、ガラスにくもりが生じる場合があります。
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    ガラスを徐冷(アニール)する 焼成中、ガラスには過度のストレスがかかり、「徐冷」をしないとガラスにひびが入ったり、もろくなったりします。冷却の前に徐冷をして、ガラスの分子を安定した状態に再配置させます。徐冷には、以下のふたつの一般的な方法があります。
    • ボトルの徐冷の最も簡単な方法は、徐々に温度を下げていくことです。1時間に80度以上下げてはいけません。これより早く温度が下降するようであれば、時々窯の電源を短時間入れて温度の急降下を防ぐ必要があります。
    • さらに効果的な徐冷は、窯の温度を480度で1時間保ちます。最適な徐冷温度は、ガラスによって異なります。そのため、心配であれば540度で1時間保つ工程、430度で1時間保つ工程を加えます。両方またはいずれかの工程を加えましょう。どの方法をとるにしても、高い温度から始めましょう。[7]
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    窯の温度を室温に下げる この時点でボトルは平たくなっているはずです。セパレートペーパーを使ったためにボトルに付着した繊維をガラスから除去する際には、防護マスクを着用しましょう。
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ポイント

  • 剥がした紙のラベルを貼りなおす場合は、ボトルの裏側にラベルを貼るとしゃれた仕上がりになり、ラベルが傷つくのを防ぐことができます。[8]
  • 作品を作る度に、手順の詳細な記録を取りましょう。様々な方法を試し、窯の温度やボトルの状態などを記録して、最適な方法を見つけましょう。
  • 電気窯をお持ちでない場合は、地域の大学の芸術学部で窯を貸し出しているかを問い合わせてみましょう。または、芸術部門があるコミュニティーセンターや、工業機材を貸し出しているワークショップスタジオに、電気窯があるかもしれません。
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注意事項

  • 窯の蓋を開けるのが早すぎると、ガラスに縞状の線が残ります。これは熱いガラスが冷たい空気に触れるためです。[9]
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カテゴリ: 趣味・DIY
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