PDF形式でダウンロード PDF形式でダウンロード

古いエレキギターの見た目を何とかしたいと思った時は、カスタムペイントで印象を変えて新たな息を吹き込みましょう。ただし、カスタムペイントといっても、色を塗るだけが作業ではありません。塗料を塗る前に、まず部品を取り外し、古い塗装を取り除く必要があります。次にシーラー、ベースカラー、そして透明の光沢塗料の順に塗ってようやく完成します。全ての手順を正しく行うえば、古い色が生まれ変わるでしょう。

パート 1
パート 1 の 3:

古い塗装を取り除く

  1. 1
    弦とボディを固定しているネジを外す まず弦、次にギターのボディとネックを固定しているネジをプラスドライバーで外しましょう。ボディだけの状態になったところで、前面のネジとノブも取り外します。ピックアップとブリッジのネジも取り外しましょう。[1]
    • ボリュームノブの上にフェイスプレートが被さっている場合は、フェイスプレートを持ち上げる前に、まずノブのプラスチック部分を取り外す必要があります。
  2. 2
    ブリッジとピックアップをつないでいる電子部品を取り外す 全てのネジをギターの前面から取り外すことができたら、ブリッジとピックアップが取り出せるようになります(ワイヤーでつながっています)。まずワイヤーを切断します。後でギターを再び組み立てる際にはんだ付けをしましょう。ギターの分解方法がよく分からない場合は、ギター専門店などに足を運び依頼しましょう。[2]
    • 電気配線が全て取り除かれていることを確認して塗装を行いましょう。
  3. 3
    古い塗装をヘアドライヤーまたはヒートガンで熱する ヒートガンまたはヘアドライヤーを最も低い温度に設定し、前後に動かしながらボディ全体に熱をあてましょう。ヒートガンやヘアドライヤーの熱を用いると古い仕上塗料が柔らかくなって、塗装が取り除きやすくなります。5分間熱をあて、パテナイフを使って塗装をつついてみましょう。柔らかい手触りが感じられれば、次の手順に進むことができます。[3]
    • 同じ場所に長時間ヒートガンをあて続けないようにしましょう。塗装の下の木材が焦げる恐れがあります。
  4. 4
    古い塗装をパテナイフで浮かして取る まずは柔らかくなっている部分を少し削ってみることから始めましょう。パテナイフを使って古い仕上塗料を浮かせます。ひび割れても心配する必要はありません。浮かせてこそぎ落とす作業を続け、下の木材を傷つけることなく古い仕上塗料を取り除きましょう。塗料が取り除けない場合は、もう一度ヒートガンをあてて柔らかくしましょう。全て取り除けたら木目が現れるはずです。[4]
  5. 5
    ボディをやすりがけする 100番の紙やすりを用意し、ボディの表面を木目の流れに沿ってやすりがけしましょう。不揃いな部分をこすることで、できる限り滑らかな見た目にしましょう。ギターの形状に従って側面と角や端の部分も同じようにやすりがけをします。100番での作業が完了したら、200番の紙やすりに切り替え、さらに細かなでこぼこなどを整えましょう。
    • 紙やすりでは手が痛くなるという場合はサンディングブロックを使いましょう。
  6. 6
    ボディフィラー(車用)で穴を埋める やすりがけをすると、でっぱりやくぼみがあることに気がつくでしょう。自動車やバイクのボディに用いるボディフィラーを購入し(オンラインショップやホームセンター、自動車用品を取り扱う店舗などで探しましょう)、製品の使用方法に従って粘着性のあるフィラーを作りましょう。プラスチック製のスクレーパーでフィラーを少量取り、ギターのボディのへこみ部分に塗り伸ばして埋めます。埋めることができたら最低20分かけてフィラーを乾かします。
    • Bondo(ボンド)というブランドの製品が広く知られています。[5]
  7. 7
    ボディフィラーの表面をやすりがけして滑らかに整える フィラーでくぼみを埋めることができて表面が比較的滑らかになったようであれば、最後にもう一度100番の紙やすりを用意して表面をやすりがけしましょう。フィラーが塗られている部分とそれ以外のボディの表面をなじませます。[6]
  8. 8
    乾いた布でほこりを拭き取る 水分が染み込むのは好ましくないので、木を濡らさないようにしましょう。マイクロファイバークロスあるいは清潔な布を使って表面を拭き取り、必ずおがくずや汚れを取り除きましょう。
    • ギター表面に汚れや埃を残しておくと、塗料によって閉じ込められてしまいます。
    広告
パート 2
パート 2 の 3:

シーラーを塗る

  1. 1
    平らな台の上にギターを寝かせる ドロップクロスなどの布を敷いた上にギターを置けば、台の表面を塗料で汚さずに済みます。ギターは背面を表にして置きましょう。[7]
  2. 2
    ウッドシーラーを用意する ウッドシーラーはオンラインショップやホームセンター、工具店などで探してみましょう。水性で光沢の強いウッドシーラーを選びましょう。明るい色でギターを塗る場合はホワイト系のシーラーを、暗い色で塗るのであれば、グレー系が良いでしょう。
  3. 3
    ギターにウッドシーラーを塗る 乾いた布にウッドシーラーを染み込ませます。しっかりと湿らすことができたら、木目に沿ってギターの表面をこすりましょう。小刻みに特定の場所ばかり集中的にこするのではなく、ゆったりと大きな動きでこすることがポイントです。背面全体にシーラーを塗ることができたら、10分間乾かし、裏表を逆にして、前面と側面にも塗っていきましょう。[8]
    • 布が汚れてきたら廃棄し、新しいものと取り替えましょう。コントロールキャビティ(電気系統を入れる穴)のシールディングも取り除きます。ピックアップやキャビティ、ネックポケットにもウッドシーラーをしっかりと塗りましょう。ただし、塗りたくり過ぎないよう注意しましょう。見落としがちな部位ですが、ここから木材に水分が浸透する原因となりやすいので注意しましょう。
  4. 4
    ギターを乾かし、合計3~5層のシーラーを塗る ウッドシーラーを1~2時間かけて乾かし、さらに重ね塗りをしましょう。シーラーが塗られていることで、塗装がボディに密着しやすくなります。合計3~5層塗るまで手順を繰り返します。[9]
    • 重ね塗りをする前に、必ず1~2時間かけて乾かしましょう。
    • 適切にシーリング材が塗られていると、木目が元よりもかなり色濃く見えるようになります。
  5. 5
    3日間かけてシーラーを乾かす 表面に触れてみて、湿ったような、べたつくような感じが残っていないことを確認しましょう。臭いで気分が悪くならないよう必ず換気の良い部屋で乾かしましょう。
  6. 6
    光沢が出ている部分をやすりがけする 200番の紙やすりを使って、ウッドシーラーによって光沢が出ている部分を磨きましょう。ただし、下の木目がむき出しになってしまうと困るので、こすり過ぎないように注意しましょう。こすり過ぎてしまった時は、ウッドシーラーを塗り足し、再度乾かしてから先に進みましょう。こすり終えると、表面全体がくすんだ白あるいは灰色がかったような見た目になります。[10]
    広告
パート 3
パート 3 の 3:

塗料を塗る

  1. 1
    塗料を選ぶ ポリエステル塗料、ポリウレタン塗料、ニトロセルロースラッカー塗料が一般的です。ポリウレタン塗料とポリエステル塗料を塗ると、より硬い、プラスチックのような質感に仕上がり、ニトロセルロースラッカーを用いると、より軽く、薄い質感になります。どの種類の塗料を選ぶべきか悩んでいる人は、ギター用と明記されているスプレー塗料を探してみましょう。[11]
  2. 2
    ネックポケットから1.5ミリほど余白を保って養生テープを貼る 塗料がくぼみの内側に蓄積し、ネックが取り付けにくくなることを防ぐための措置です。ギターに関してはネックとボディのジョイントが最も重要です。テープでしっかりと保護しましょう。
  3. 3
    ベースカラーの塗料をふきかける ノズルをボディから30~45センチ程離して構えます。ボディの角や端の部分も塗料をふきかけることを忘れないようにしましょう。スプレー缶から塗料を噴射させ、小刻みな動きではなく、長く前後(上下)に行ったり来たりさせながら塗っていきましょう。
  4. 4
    10分かけて塗料を乾かす 表面に触れて、指に塗料がつかないことを確認しましょう。まだこの段階ではべたつきが感じられ、塗料の下にウッドシーラーが透けて見えるかもしれません。
  5. 5
    裏表を逆にして反対側にも塗料をふきかける 塗料が乾いたのであれば、裏表を逆にして、反対側も塗り(ふきかけ)ましょう。この時点で、前面と背面のどちらにも塗料が塗られていることになります。
  6. 6
    塗料を重ね塗りする 1層塗り重ねる毎に5分待ちましょう。裏表を逆にしながら、ギターの全ての面を均等に塗装しましょう。色が暗く、濃くなるまで重ね塗りを続けます。3回から7回重ね塗りをすることもあります。
  7. 7
    塗料を乾かす ベースカラーを塗り終えたら、さらに1~2日かけて、換気の良い部屋でしっかりと乾かす必要があります。完全に乾いたら次の手順に進みましょう。[12]
  8. 8
    400番の紙やすりを使ってウェット研磨をする 塗料が乾いたようであれば、前面、側面、背面すべてを指で触れてみて、表面の滑らかさを確認します。何か所かで盛り上がっていたり、でっぱりがある場合は濡らした紙やすりで研磨しましょう。紙やすりは水に1晩浸しておいたものを使います。乾いてしまう前に、粗さが残っている箇所をこすります。
    • ウェット研磨をすれば、ギターの表面を傷つけることはありません。
  9. 9
    透明なラッカー塗料をふきかける 透明なラッカー塗料を用いると、ギターが光沢のある状態に仕上がります。透明のラッカー塗料はホームセンターやオンラインショップで探してみましょう。塗料と同じ要領でふきかけます。合計4層になるように重ね塗りをして、1層塗るごとに90分かけて乾かします。[13]
  10. 10
    3週間かけてギターを乾かす この間、ギターに触れないようにしましょう。乾くまでの過程で塗装が硬化し、鮮やかな単色に変わっていくでしょう。ただし、通常のギターに見られるような艶は見られないでしょう。
  11. 11
    車用の磨き剤で表面を磨く 布やクロスに車用の磨き剤を染み込ませ、小さく円を描くようにギターの表面に塗り込んでいきましょう。こうすることで、ラッカー塗装が磨かれ、表面の反射が増すでしょう。最後に清潔な布で余分な磨き剤を取り除きます。
  12. 12
    ギターを再度組み立てる コントロールキャビティ(電気系統を入れる穴)のシールディングも再度貼りましょう。ブリッジとピックアップからのワイヤーそれぞれを、はんだ付けでボディ側の正しいワイヤーとつなぎます。ブリッジとピックアップを前面に戻し、取り外しておいたネジを再び正しい場所に締め直します。最後に、ネックをネジで固定し、ノブも取り付け直します。ギターの組み立てはこれで完了です。[14]
    広告

必要なもの

  • ヒートガンまたはヘアドライヤー
  • ウッドシーラーまたはプライマー
  • パテナイフ
  • ギター用のスプレー塗料
  • 100番、200番、400番の紙やすり
  • サンディングブロック(必要に応じて)
  • 透明なラッカー塗料
  • 車用磨き剤

関連記事

風船を膨らませる
アルミ風船を膨らませる
風船ガムを膨らませる
自分で身長を測定する自分で身長を測定する
勝手に沈むオフィスチェアを修理する勝手に沈むオフィスチェアを修理する
Google検索の三目並べの難易度高で勝つGoogle検索の三目並べの難易度高で勝つ方法
プラスチックレンズの眼鏡の傷を取り除く
プラスチックを溶かすプラスチックを溶かす
タッチペンを手作りする
紙でじょうごや円錐を作る
ペットボトルでボング(水パイプ)を作るペットボトルでボング(水パイプ)を作る
六角形を描く六角形を描く
発泡スチロールに色を塗る
パイプベンダーを使わずにパイプを曲げるパイプベンダーを使わずにパイプを曲げる
広告

このwikiHow記事について

wikiHow編集チーム
共著者 ::
wikiHowスタッフライター
この記事は、経験豊富なwikiHowの編集者と調査員から成るチームによって執筆されています。調査員チームは内容の正確性と網羅性を確認しています。

wikiHowのコンテンツ管理チームは、編集チームが編集した記事を細心の注意を払って精査し、すべての記事がwikiHowの高品質基準を満たしているかどうかを確認しています。 この記事は7,017回アクセスされました。
カテゴリ: 音楽 | 趣味・DIY
このページは 7,017 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告