クロムめっきは、電気めっきによって金属表面に(通常はニッケルの層の上に)クロムの薄い層を成膜するプロセスです。クロムめっきは非常に光沢があるため装飾に向いており、腐食や変色に強く、高い耐久性があります。しかし、さまざま理由でクロムめっきが除去されることは珍しくありません。例えば、クロムメッキは、高い耐久性があるにもかかわらず、磨耗や破損によって見た目が損なわれ、剥がす必要が生じる場合があります。クロムめっきを剥離するにはさまざまな方法があり、日用品を使ってできる方法もあれば、非常に有毒な化学薬品を使用する方法もあります。いずれの方法を選択するにしても、しっかりと注意しながら、関連する安全手順を遵守しなければなりません。

方法 1 の 3:
専門的な機械でクロムめっきを剥がす

  1. 1
    ブラスターを使用する ブラスト処理(例:サンドブラスト、ビーズブラスト)は、微細粉末や微小ペレットを噴射して物体を研磨するプロセスです。多くの場合、自動車修理工場や建設会社は、ブラスト処理をするための機械(ブラスター)を所有しています。長時間ブラスト処理をすることで、物体表面のクロムめっきを除去できますが、ブラスト処理の届きにくい部分は、後で手入れする必要があるかもしれません。
    • クロムにブラストをかけるときは、下層の金属の損傷を防ぐために、比較的粒子の細かい研磨剤(#400など)を使用するとよいでしょう。
    • ブラスト作業中にクロムの小片を削り取ることで発生する空気中の粉塵や堆積物は有毒である可能性があるため、適切な保護具を着用して顔や口を保護しましょう。
  2. 2
    超音波洗浄機を使用する 超音波洗浄機は、音波を使用して、宝石のような繊細で掃除が難しい物を掃除するための特別な機械です。超音波洗浄機は、場合によってはクロムめっきさえも除去できます(特に、クロムめっきが別の方法で既に緩められている場合)。クロムめっきされている物を超音波洗浄機のかごに入れ、洗浄液(通常は水)に浸したら、操作手順に従って洗浄機を運転します。
    • 水ではなくクロムを溶解できる溶媒(例えば、家庭用漂白剤など)を使用すると、超音波洗浄機のクロム除去能力を高めることができます。ただし、そうした溶媒を使用するのは、溶媒が洗浄機を傷めたり洗浄機と反応したりしない場合のみにしましょう。例えば、下記のように、水酸化ナトリウムはアルミ製の容器と反応します。
    • 超音波洗浄機にはさまざまなサイズがありますが、ほとんどの洗浄機は、宝石、ラグナット、工具、装飾品などの比較的小さな物にしか対応していないことに注意しましょう。
    広告

方法 2 の 3:
化学薬品でクロムめっきを剥がす

  1. 1
    塩酸を使用する 塩酸は腐食性のある強酸です。高濃度の塩酸を利用して金属表面のクロムめっきを除去することができます。クロムを除去するための塩酸の濃度は約30〜40%で十分です。[1] 以下の手順で実施しましょう。
    • 濃度30%の塩酸を作るには、化学薬品混合用の容器(耐薬樹脂でできたバケツなど)に、塩酸1/3に対して水1の割合で入れて混ぜます。あるいは、適切な濃度に希釈済みの塩酸を購入しましょう。
    • クロムが剥がれるまで、被めっき物を塩酸に浸けておきましょう。
    • めっきが剥がれたら、めっきされていた物を石けん水の中でしっかりと洗い、よくすすいでから乾かします。
  2. 2
    水酸化ナトリウム(灰汁)を使用して、鉄類および炭素鋼からクロムを剥がす 水酸化ナトリウムは、一般的に灰汁(あく)とも呼ばれ、腐食性の高い塩基性の化学薬品です。[2] 水酸化ナトリウムは、クロムを含むいくつかの種類の金属メッキを溶かすことができますが、水やアルミニウムと危険に反応し、アルミニウム自体を腐食させて可燃性の水素ガスを発生させます。そのため、水酸化ナトリウムは、母材にアルミニウムを使用していない物にのみ使用しましょう。以下のように作業を行います。
    • 250mlから350ml程度の水酸化ナトリウムと約4リットルの水を中性材料でできた容器(耐薬樹脂でできたバケツなど)に入れて混ぜます。
    • クロムが剥がれるまで、被めっき物を水酸化ナトリウム水溶液に浸けておきましょう。めっきが剥がれるまでにはかなりの時間がかかる場合があるため、めっきの剥がれ具合を頻繁に確認するようにしましょう。
    • めっきが剥がれたら、めっきされていた物を石けん水の中でしっかりと洗い、よくすすいでから乾かします。
  3. 3
    逆電処理を行う クロムは、電気メッキ処理により金属に付着します。電気処理では、電流を使用して分子レベルでクロムを金属と結合させます。この処理を逆に行うことで、クロムめっきを非常に効果的に剥離することができます。しかし、逆電処理は非常に危険な場合があります。この処理は通電状態で行うだけでなく、反応生成物としていくつかの有毒な発がん性化学物質も発生させます。例えば六価クロムは非常に危険な生成物です。[3] したがって、この処理は専門家によって実施されるのが一番です。以下の手順はあくまでも参考情報です。
    • クロム酸と硫酸を約100:1の割合で水に混ぜます。例えば、950gのクロム酸結晶と9.5mlの硫酸を蒸留水に混ぜて4リットルの溶液にします。この溶液をでんきめっき、材料試験、化学処理などに使用される適切な浸漬タンクで混ぜます。
    • 溶液を加熱します。装飾用クロムめっきの場合は、溶液の温度を35~46℃に保ちます。硬質クロムめっきの場合は、溶液の温度を49~66℃に保ちます。
    • DC電源から導線を介してクロムめっき液に負の電荷を流します。
    • クロムを除去したい物体に陽極を取り付け、溶液に浸けます。すると、正に帯電したクロム皮膜が被めっき物から引き剥がされます。
    • めっきされていた物を流しながら攪拌している水の中ですすぎ、再度すすぎます。発生した廃液やごみなどは適切な方法で処理および処分しましょう。
    広告

方法 3 の 3:
家庭用品を使って、クロム風の皮膜や薄いクロム皮膜を剥がす

  1. 1
    自家製の研磨剤で薄い皮膜や密着性の弱い皮膜を除去する クロム皮膜を剥がすための最も簡単で初心者が実施しやすい方法のひとつは、単純な物理的措置、言い換えれば、研磨剤で擦り落と方法です。重曹または固体の家庭用クレンザーを水と混ぜて研磨ペーストを作ります。それを柔らかい布にとり、クロムが剥がれ始めるまで擦ります。この方法は、特に密着性の弱いクロムめっきやクロムめっき風の表面処理(例えば、「クロム風」の材料で塗装されたプラスチックなど)に最もよく効果を発揮するかもしれません。こうしためっきを剥がす場合でも、大変な作業となるかもしれません。
    • 擦りながら、クロムの落ち具合をこまめに確認しましょう。長い時間擦りすぎると、下地の素材を傷つけてしまう可能性があります。
  2. 2
    オーブンクリーナーを利用する クロムの種類によっては(特にモデルカーなどに見られるようなクロム風のプラスチック用塗料など)、業務用のオーブンクリーナーで除去できます。こうした強力な脱脂剤は、通常、泡または液体の形でスプレー缶に入っています。クロムの部品にたっぷりとクリーナーを塗り、10分間放置します。それから、スプレークリーナーと一緒にクロムを拭き取りましょう。[4]
    • オーブンスプレークリーナーの中には、長時間放置しすぎると、下にある金属を黒変させるものがあることに注意しましょう。したがって、クロム皮膜を除去できるまで、短時間の作業を繰り返すとよいかもしれません。
  3. 3
    クロムめっきされた製品を家庭用漂白剤に浸ける [5] 漂白剤に浸ける方法も、モデルカー愛好家がクロムを除去するために好んで利用する方法です。この方法は、クロム部品を漂白剤に浸けて放置するだけです。約1日後に、クロム皮膜は厚さ次第ですが、完全に剥離していないとしても、緩くなっているはずです。
    • 他の方法と比較した場合のこの方法の主な利点は、漂白剤はクロム皮膜の下の層には作用しないため、下の層の状態がそのまま保たれるという点です。
    • クロムを除去するために使用した漂白剤は、適切に処分しましょう。決して(洗濯などに)再利用してはいけません。
  4. 4
    ブレーキ液を使用してクロムめっきを剥がす 標準的な自動車用ブレーキ液は、塗料シンナーのように機能して、プラスチックの物体からクロム層を除去します。しかし、この方法は効果を発揮するまでに数日間かかる場合があります。さらに、ブレーキ液は毒性があるため、適切な取り扱いと処分が必要です。クロム製品をブレーキ液で擦り、約10分間放置してから洗い流します。クロムが完全に除去できるまで、必要に応じてこの手順を繰り返しましょう。
    • ブレーキ液はプラスチックを溶解する可能性があるため、クロムめっきされたプラスチック部品でこの方法を行う場合は、細心の注意を払いましょう(または別の方法を選択しましょう)。
    広告

ポイント

  • クロムめっきされた母材や金属の性質をしっかりと把握して、めっきの下の金属の損傷を防ぎましょう。

広告

注意事項

  • 家庭用品を使用するからといって、目、皮膚、呼吸器官に対する安全上のリスクがないわけではありません。必ず安全保護具を着用し、応急処置ができる準備や緊急時に対応できる準備をしておきましょう。
  • 塩酸、次亜塩素酸ナトリウム、硫酸は特に揮発性や毒性があり、発ガン性さえもあります。 安全保護具を着用し、応急処置ができる準備や緊急時に対応できる準備をしておくことで、安全上のリスクを低減しましょう。
広告

必要なもの

  • 重曹または家庭用クレンザー
  • 雑巾
  • スプレータイプのオーブンクリーナー
  • 人気ブランドのコーラ
  • 塩酸
  • 電源付き電気メッキ設備
  • 次亜塩素酸ナトリウム
  • 化学薬品を混ぜるための容器
  • ゴーグル、耐酸性エプロンおよび手袋、防毒マスクなどの保護具

関連記事

How to

オートマチック車の運転

How to

バッテリー液の量を確認する

How to

カーフィルムを剥がす

How to

バッテリーの腐食汚れを落とす

How to

タイミングベルトの交換

How to

プラグコードの点検

How to

車内にインロックした鍵を取り出す

How to

燃料ポンプの点検

How to

車の直結

How to

インロックした車の鍵を開ける

How to

車体についた虫、樹液、タールを取り除く

How to

車のウォーターポンプの交換が必要かを知る

How to

ハイドロプレーニング現象の対策

How to

ホイールナットを緩める
広告

このwikiHow記事について

wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、匿名の筆者を含む19人が執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。 この記事は7,294回アクセスされました。
カテゴリ: 自動車
このページは 7,294 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告