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グッピーは水槽で飼うのにぴったりな魚で、繁殖させるのも簡単です。しかし、グッピーの母親と稚魚を同じ水槽に入れておくと、母親は稚魚を食べてしまいます。この問題の解決方法として、稚魚を別の水槽に移したり、隠れ場所を用意したりすれば稚魚を育てることができます。また、グッピーの成長を支えられる環境を作りこまめに餌を与えましょう。稚魚の成長につれ、毎日健康状態を確認しましょう。

パート 1
パート 1 の 4:

グッピーの稚魚を分離する

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    可能であれば、妊娠中のグッピーを産卵ネットまたは別の水槽に入れます。産卵ネットは水槽の隅に設置しましょう。また、もう1つの選択肢として親魚が出産するまで別の小さな水槽に入れておく方法があります。こうすれば稚魚は安全な環境で産まれてくることができます。[1]
    • 例えば、妊娠中のグッピーが出産するまでの間、水量19Lほどの小さな水槽に入れておきましょう。稚魚が産まれたら、元の水槽に入れられるほど成長するまでその中で育てます。
    • 産卵ネットは近所のペットショップや通販で手に入ります。500円前後で購入できるものもあり、非常に安価です。
    • 稚魚がフィルターに吸い込まれる恐れがあるため、産卵ネットはフィルターのポンプ部分近くに設置してはいけません。
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    親魚が出産するまで水槽を見守りましょう。他の魚と違って、グッピーは卵を産みません。つまり、メスのグッピーは魚の形をした赤ちゃん(稚魚)を産むということです。[2] 親魚がヒーターの近くに隠れたり休んだりするのが見られれば、陣痛が始まったことが分かります。体の色が褪せ、腹部が四角くなり、そしてその場で泳いだり震えたりしているように見えると、それは本格的な陣痛が来ていることを示します。[3]
    • 通常、グッピーの妊娠期間は22〜40日ほどです。
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    母親グッピーが正常に泳ぐのを確認しましょう。陣痛中、親魚はゆっくり泳いだり、後ろ向きに泳いだりすることがありますが、落ち着いて泳ぐようになったら出産が終わったということが分かります。出産には最大で6時間ほどかかりますが、これより短いこともあります。[4]
    • 産まれたてのグッピーの全長は一般的に7〜10㎜ほどです。通常は透明ですが、グレーまたは黒にやや近いこともあります。
    • グッピーは1度に20〜50匹の稚魚を産むのが一般的です。[5]
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    出産したらすぐに親魚を離しましょう。そうでないと稚魚を食べてしまいます。親魚が稚魚を食べるのは自然なことなので、なるべく早く離すことが大切です。熱帯魚用の網を使って産卵ネットまたは小さな水槽から親魚をすくい上げ、元の水槽に戻しましょう。[6]
    • 稚魚が大きな水槽の中で産まれた場合は、稚魚を移動させても構いません。ただし、稚魚はかなり小さく傷つきやすいため、移動が難しいかもしれません。成魚を移動させる方がはるかに楽です。
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    稚魚を親魚と離したくない場合は、水槽に水草を入れましょう。水槽内の複数箇所に本物または人工の水草を入れます。2〜3つの水草を近い所にまとめて配置し、稚魚が隠れられる安全な場所を作りましょう。 すると稚魚は成魚に食べられないように水草の中に隠れようとします。[7]
    • 水草を使うと成魚が稚魚を食べ尽くしてしまうのを防ぐことができますが、それでも一部の稚魚は食べられてしまいます。稚魚が食べられないようにする唯一の方法は、別の水槽に入れることです。[8]
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パート 2
パート 2 の 4:

完璧な環境を作る

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    水温を24〜27℃に保ちましょう。これは稚魚が快適に過ごせる、また空腹状態を保てる最適な温度です。この環境では稚魚が健康的に成長するのに必要な量の餌を食べることができます。[9] 水温がこの温度にならない場合は、水槽にヒーターを取り付けましょう。その際には水槽の容量に対応できるヒーターを選びます。[10]
    • 水が冷たいとグッピーが活発でなくなり、温かすぎるとグッピーにとって害になります。
    • 水温を正確に確認するために、水槽の側面に貼り付けるタイプの温度計を使いましょう。
    • 水槽用ヒーターは近所のペットショップや通販で手に入ります。
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    水を綺麗に保つために、水槽にフィルターを取り付けましょう。 説明書に従って水槽にフィルターを設置します。グッピーの稚魚は免疫力が弱いため、病気にかかりやすい状態です。フィルターを使って水を十分に清潔にしておくと稚魚を守ることができますが、それでもこまめに水替えをする必要があります。[11]
    • フィルターの吸水口に薄い網やスポンジをかぶせるのが1番です。こうすれば、稚魚がフィルターに吸い込まれません。
    • フィルターに付属の説明書を隅々まで読みましょう。
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    水槽が汚れていると病気の原因になるため、水槽は毎週掃除しましょう。 まずコップや網を使って稚魚を水槽からすくい上げ、古くなった水を捨てます。次に水槽の側面に付いた藻類や汚れを拭き取ります。最後に、塩素抜きをした清潔な水を入れます。水槽の温度計がグッピーにとって最適な温度になってから水槽に戻しましょう。[12]
    • 毎週水替えをすることができない場合は、水槽の水の少なくとも4分の1の量を新しい清潔な水と入れ替えましょう。
    • 塩素はグッピーにとって害になるものですが、中和することができます。近所のペットショップや通販でタブレットまたは液体タイプの塩素除去剤を購入しましょう。これが準備できない場合は、水を24時間置いてから使いましょう。
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    1日当たり8〜12時間水槽用ライトを点けて、グッピーの背骨を発達させましょう。薄暗い照明の下で育ったグッピーは、奇形(特に背骨)を起こすことがあります。グッピーに光を当てるには、水槽の上部に取り付ける通常のライトがあれば十分です。朝にライトを点け、夕方に消しましょう。[13]
    • ライトの点灯時間は1日に14時間を超えないようにしましょう。稚魚には眠る時間が必要です。
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パート 3
パート 3 の 4:

稚魚に餌やりをする

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    最初の6週間は、2〜3時間おきに餌やりをしましょう。グッピーが小さい時には、1日に5〜6回餌を食べる必要があります。最初の6週間を過ぎたら4〜5時間おき、つまり1日に3〜4回に減らして構いません。また、可能であれば生餌と乾燥餌を混ぜて与えるのが理想的です。[14]
    • 生餌と乾燥餌を混ぜて与えることができない場合は、できるだけ良い乾燥餌を選びましょう。その際には、卵胎生魚にとって必要な栄養素が全て含まれているものを探します。
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    卵胎生魚用の乾燥餌をすりつぶして与えましょう。餌は元からすりつぶされていることもあれば、自分ですりつぶす必要があるものもあります。餌やりの時間になったらこの餌を水槽に撒きましょう。また、稚魚が餌を食べられているかどうかしっかり確認しましょう。[15]
    • 餌の表示を読み、正しい量の餌を与えるようにしましょう。
    • 餌は乳鉢と乳棒を使ってすりつぶすことができます。自宅にない場合は、皿に餌を乗せてスプーンの裏ですりつぶしましょう。
    • 稚魚に成魚用の大きな餌を与えないようにしましょう。稚魚には大きすぎて食べることができません。餌のラベルを確認し、選んだ餌が稚魚に適していることを確認しましょう。
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    餌に乾燥赤虫を加えて栄養価を高めましょう。稚魚は赤虫の味を好むため、すぐに食いつくはずです。赤虫は乾燥餌のようにすりつぶし、好みに合わせて餌に混ぜて与えたり別々に与えたりしましょう。[16]
    • 赤虫は毎日与えることができます。
    • 乾燥赤虫は近所のペットショップや通販で探しましょう。
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    孵化したばかりのブラインシュリンプを与えて栄養素を補足しましょう。ブラインシュリンプは稚魚にとって非常に美味しい餌の1つです。さらに稚魚の成長を助ける栄養素が豊富に含まれており、稚魚の体が綺麗な色になります。ブラインシュリンプは1日に1〜2回ほど与えましょう。[17]
    • ブラインシュリンプは近所のペットショップや通販で手に入れることができます。
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    栄養素を補足する時には、孵化したばかりのミジンコを与えるのも選択肢の1つです。ミジンコは水生甲殻類の一種です。ブラインシュリンプと同様に、稚魚が非常に好む餌であり、栄養が豊富に含まれています。1日に1〜2回与えましょう。[18]
    • ミジンコは近所のペットショップや通販で購入することができます。
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パート 4
パート 4 の 4:

稚魚の健康を観察する

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    奇形や病気の兆候が見られる稚魚を水槽から出しましょう。稚魚は、細菌や他の魚からの攻撃で引き起こされる病気に特にかかりやすい状態です。病気になった稚魚がいると他の稚魚にも広がってしまうため、水槽に入れたままにしてはいけません。病気になった稚魚は別の水槽で育てるか、生きられそうにない場合は処分します。以下のような症状が見られる稚魚は、水槽から出しましょう。[19]
    • 背中が曲がったり歪んだりしている
    • 傷が付いている
    • 尾びれが腐っている
    • その他のひれが腐っている
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    稚魚に害を与える危険性があるため、水槽に薬を入れるのは止めましょう。グッピーの一般的な病気を治療することができる薬が販売されていますが、魚の投薬について十分な知識がない限り、稚魚に薬を与えるのは適切ではありません。他のグッピーの健康を危険にさらすのではなく、病気になったグッピーを水槽から出す方が良いでしょう。[20]
    • 病気になった稚魚は他の水槽での治療を試みることができます。ただし、稚魚という弱りやすい段階で病気になった場合、生き残る可能性は低いでしょう。
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    生後6〜8週になったら通常の水槽に入れましょう。稚魚の多くはこの時点で十分に成長しているはずです。ただし、通常の水槽に入れる前には成魚の口よりも大きくなっていることを確認しましょう。そうしなければ、大きなグッピーが稚魚を食べてしまいます。[21]
    • グッピーは生後6か月になるまで成長し続け、その頃には成魚としてみなされます。成魚になった後にも成長が見られる場合もありますが、それはごくわずかです。
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    稚魚を増やしたくない場合はオスとメスを分けましょう。通常、メスのグッピーは生後2〜3か月で繁殖し始めます。しかも、最長で3か月間体内に精子を蓄えておくことができます。そのため、稚魚をこれ以上増やしたくない場合は生後6〜8週になったらオスとメスを分ける必要があります。
    • 生後1か月になると稚魚の性別を見分けることができるようになります。オスの下腹部には、ゴノポジウムと呼ばれる長い棒のようなひれが付きます。一方、メスの下腹部には妊娠斑と呼ばれる黒い斑点ができます。[22]
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ポイント

  • どうしても稚魚を移動させなければならない場合は、網の代わりにプラスチック製の小さなコップを使いましょう。その方がより安全に移動させることができます。
  • 稚魚の体は生後2〜3週になるまで無色です。生後2〜3週を過ぎると色が付き始めます。[23]
  • グッピーの繁殖は非常に簡単ですが、繁殖水槽を設置してオスとメスを一緒に入れるのも良いかもしれません。そしてメスが妊娠したらオスを出しましょう。出産をしたらそこからメスを出します。
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注意事項

  • 自動フィルターを使用する場合は、稚魚が吸い込まれないように非常に弱いものを使用するか、吸水口を覆いましょう。
  • 稚魚を親や他の魚と一緒に育てないようにしましょう。稚魚が食べられてしまいます。
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必要なもの

  • 水槽
  • 産卵ネット
  • 水量19Lの水槽(任意)
  • 熱帯魚用の網
  • 水槽用水草
  • 水槽用の温度計
  • フィルター
  • 塩素除去剤(任意)
  • 水槽用ライト
  • 卵胎生魚用の乾燥餌
  • 乾燥赤虫
  • 孵化したばかりのブラインシュリンプ(任意)
  • 孵化したばかりのミジンコ

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このwikiHow記事について

Doug Ludemann
共著者 ::
アクアリスト
この記事の共著者 : Doug Ludemann. ダグ・ルーデマンはミネアポリス市にてアクアリアムサービスを提供する会社、「Fish Geeks, LLC」を経営しています。ダグはミネソタ大学にて生態学、進化学、そして行動学の学士号を取得しており、20年以上にわたり水族館業界、そして魚の飼育管理業務に携わってきました。プロのアクアリストとしてミネソタ動物園、そしてシカゴ州のシェッド水族館での勤務経験があります。 この記事は6,222回アクセスされました。
カテゴリ: ペット
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