サソリに刺された時の対処方法

この記事には:医療機関に連絡する家庭での対処法サソリの種類を特定する

サソリの種類は少なくとも1500種に及びますが、成人に深刻な被害をもたらす猛毒を持つものは、そのうちのわずか25種にすぎません。 [1] しかしながら、どんなサソリであっても、刺されればアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、やはり危険といえます。たとえそのサソリの種類が分かり、無害だと確信できたとしても、痛みやわずかな腫れ以外の症状が現れた場合は、その場で適切な手当てをして救急車を呼ぶ準備をしましょう。

パート 1
医療機関に連絡する

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    必要であれば救急車を呼びましょう。被害者に痛みやわずかな腫れ以外の症状が現れた時は、救急車を呼ぶか、救急医療情報センターに連絡しましょう。また、後述の「サソリの種類を特定する」の項目によって、そのサソリが危険な種類だと確信した時、または被害者が、子供や高齢者である場合、あるいは心肺機能に問題を抱えている場合には、迷わず連絡を取りましょう。危険な兆候として、筋肉のけいれん、めまい、あるいは蛇に噛まれた時の症状、などが挙げられます。
    • オンラインで「緊急通報用電話番号」を調べておきましょう。日本では119番が消防および救急に割り当てられています。
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    病院の検査科に連絡を取りましょう。早急の医療処置が必要ではない場合は、検査科に症状を報告して専門家のアドバイスを受けましょう。また、事前にお住まいの地域の救急医療センターや検査科についてオンラインで調べておきましょう。例えば、つくば市の筑波メディカルセンターには、「日本中毒情報センター」があり、無料で説明を受けることができます。[2]
    • 日本中毒情報センターの電話サービスは、大阪中毒100当番が072-727-2499(365日、24時間対応)、つくば中毒100当番が029-852-9999(365日、9時~21時対応)となっています。
    • 世界各地の情報センターの概要については、WHO(世界保健機構)のデータベースで見ることができます。[3]
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    電話で被害者の容体を説明しましょう。被害者のおおよその年齢や体重は、医療関係者にとっては、危険性を判断して治療方法を決めるための重要な情報となります。[4] もし被害者が、虫刺されや特定の薬に対してアレルギー反応や病状を示すことがある場合は、その旨を伝えてください。
    • またできれば、被害者がサソリに刺された正確な時間も伝えましょう。わからない場合は、そのように伝え、みなさんがその刺傷に気付いた時間を報告してください。
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    サソリの種類について電話で医療者に説明しましょう。救急サービスでは電話越しには指示を出せないかもしれませんが、検査科からはサソリについての具体的な説明を求められることもあるはずです。各サソリの毒性やその捕獲の仕方については後述の「サソリの種類を特定する」の項を参照してください。
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    必要であれば、病院へ行く際に、付添いの人を探して被害者の容体を見てもらいましょう。サソリの毒は意識に反した筋肉の運動を誘発することもあるため、症状が進行すると、自らの力では車の運転や歩行ができなくなることがあります。救急車を呼べない場合は、車を持っている人や他の移動手段を探しましょう。少なくとも24時間は被害者を一人きりにせず、症状が悪化した場合に備えて、できればその後一週間は経過を見守る必要があります。[5]

パート 2
家庭での対処法

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    深刻な症状に注意しましょう。子供、幼児、高齢者、心肺に問題のある人がサソリに刺された場合は、必ず医療処置を受けるようにしましょう。ただ、猛毒に対しては専門家による医療処置が必要になりますが、ほとんどのサソリの刺傷は家庭で治療することができます。もし以下に挙げる症状が一つでも現れた場合は速やかに医療処置を受けましょう。[6][7]
    • 嘔吐、発汗、涎、口から泡を吹く
    • 無意識の放尿や排泄
    • 手足をばたつかせる、筋肉のひきつり、無意識による頭、首、眼球の激しい動き
    • 心拍数の上昇または不整脈
    • 呼吸困難、嚥下困難(食べ物が上手く飲込めない)、上手く話せない、物が見にくい
    • アレルギー反応によって腫れがひどくなる
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    刺された箇所を確認しましょう。サソリに刺された箇所には目立った腫れが出るとは限りません。しかしながら、サソリの種類にかかわらず、刺された瞬間には鋭い痛みと焼けるような感覚を覚え、やがてその箇所にかゆみや痺れを感じるようになります。多くの場合、サソリに刺されるのは下半身ですが、体のどの部分にも刺される可能性はあります。
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    刺された箇所は石鹸を使って優しく洗いましょう。服の上から刺された場合は、慎重に生地を除いてから、優しく洗いましょう。刺された箇所の周りに残った毒を洗い流し、傷口をきれいにしておくことによって、感染の危険を少なくすることができます。
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    患部は心臓よりも低い位置に置いて、動かさないようにしてください。他のいくつかの怪我とは違い、サソリの刺傷は決して心臓よりも高い位置に置いてはいけません。心拍数が上がり毒が急速に体中に回る危険があります。刺された箇所は心臓と同じ高さかそれよりも下にして、体の動きを最小限にすることで心拍数を抑え、毒が回る速度を遅らせる必要があります。[8]
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    被害者を落ち着かせましょう。不安や興奮は心拍数の上昇につながり、それだけ体が毒を吸収する速度を上昇させることになります。できるだけ被害者を安心させ、じっとさせましょう。ほとんどのサソリの刺傷は後遺症が残らないことをよく言い聞かせてください。
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    湿布や氷を患部に当てましょう。[9] 冷たいものは毒の回りを遅らせ、腫れを抑え、痛みを緩和する効果があります。湿布や氷袋を一度につき10~15分間患部に当て、さらに10~15分、間隔を開けた後、また当てましょう。この処置は刺されてから2時間の間に繰り返し行うのが効果的です。[9]
    • 被害者が循環器系の疾患を抱えている場合は、当てる時間を5分にして痛みや腫れを抑えましょう。[10]
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    市販の痛み止めを服用しましょう。イブプロフェン、アスピリン、またはアセトアミノフェンを飲んで不快感や痛みを和らげましょう。常に使用上の注意に従って服用してください。オピエート性(アヘン性)の鎮痛剤(麻薬扱いです)は、呼吸困難を引き起こす危険もあるため、使用しないでください。イブプロフェンやアスピリンはともにNSAID(非ステロイド性抗炎症薬)に分類される錠剤で、腫れを抑える働きがあります。[11] 激しい痛みを伴う場合は、医療処置を受けましょう。
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    応急処置が必要な場合もあります。意識を失ったり激しいけいれんが起こることはまれですが、そうなった場合はすぐに救急車を呼びましょう。心肺蘇生法(心臓マッサージなど)を学び、被害者の心臓が停止している疑いのある時は速やかに実行してください。
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    医師の診断を仰ぎましょう。家庭での治療で回復した場合でも、医師やその他の医療専門家の診断は受けておいたほうが良いでしょう。感染症やその他の合併症の危険を避けるため、場合によっては、破傷風の予防接種を受けたり、筋弛緩剤や抗生剤が必要となることもあるでしょう。ちなみに、医師の許可なく、みなさんご自身でそのような薬剤を投与することはできません。

パート 3
サソリの種類を特定する

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    深刻な症状が現れた場合は医療処置を受けましょう。多くのサソリの刺傷は成人に危害を与えるものではありませんが、それでも、深刻な健康被害を示す症状には注意しましょう。被害者の年齢やその症状が以下に挙げる項目に該当する場合は、サソリの種類を特定する前に、まずは医療処置を受けるようにしてください: [12][13]
    • 子供、幼児、高齢者、心肺機能に疾患を抱える人
    • 嘔吐、発汗、涎、口から泡を吹く
    • 無意識の放尿や排泄
    • 手足をばたつかせる、筋肉のけいれん、無意識による頭、首、眼球の激しい動き、または歩行困難
    • 心拍数の上昇や不整脈
    • 呼吸困難、嚥下困難、上手く話せない、物が見にくい
    • アレルギー反応による深刻な腫れ
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    安全を確保できる場合はサソリを捕獲しましょう。サソリの種類を特定できれば、処置が必要かどうか判断することができます。また、医療専門家にとっても適切な処置をするための重要な情報になります。[14] サソリが十分に入る大きさのガラス瓶(リッターサイズのものが理想)に捕獲できれば、専門家も種の特定がしやすくなるでしょう。[15][16] ただし、サソリの姿が見えない場合、あるいは適切な容器が手元にない場合は、捕獲を試みてはいけません。
    • サソリが十分に入る容積と高さ(瓶を逆さに持って捕まえる際に、尻尾(尾節)の毒針がみなさんの手に届かない高さ)のある容器を準備してください。サソリをつまむ際は、少なくとも25cmの長さのあるトング(金バサミ)を使いましょう。
    • 瓶またはトングを使って捕獲します。瓶を逆さにしてサソリの上から被せましょう。代わりに、尻尾の針に注意しながら、長いトングでしっかり挟み込んで瓶に移しても良いでしょう。
    • 瓶には蓋をしないといけません。瓶を逆さにして捕まえた場合は、“厚め”の画用紙またはボール紙を口の下に滑り込ませます。そして外側から支えながら、瓶を逆向きにします。しっかりと蓋をするか、分厚い本などを乗せておきましょう。
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    捕獲できない時は写真を撮っておきましょう。捕獲できる道具が手元にない場合は、サソリを写真に撮りましょう。できれば、様々な角度から撮影しておくのが理想です。参照できる画像があれば、記憶にない細かい部分を後で確認することができ、専門的なアドバイスを受ける際にも医療関係者が種の特定をしやすくなります。
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    太い尻尾のサソリは危険です。分厚く太い尻尾を持ったサソリは多くの場合、細い尻尾のサソリよりも危険です。捕獲したり写真に撮ることは種の特定に役立ちますが、たとえ深刻な症状が現れなくても必ず医療処置は受けましょう。特にみなさんがアフリカ、インド、またはアメリカ大陸に滞在している場合はなおさらです。
    • 触肢部分(ハサミのある部分)しか見えない時は、そこからそのサソリの危険度をある程度は判断することができます:大きく力強い触肢を持つ種は、毒よりも触肢を使って身を守る傾向があります(つまり尻尾にそれほどの猛毒はないということです)。これはもちろん確実な識別方法ではありませんが、医療の専門家にとっては重要な情報になります。
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    アメリカやメキシコ北部に生息する危険なサソリを覚えておきましょう。アメリカ南西部またはメキシコ北部に滞在する際は、「アリゾナバークスコーピオン」の画像をオンラインで検索し、刺されたサソリと比較しましょう。標高の高い場所に生息するバークスコーピオンは通常縞模様があり、砂漠地帯に生息するものは体全体が褐色または明るい茶色をしています。この種のサソリの刺傷は非常に危険で、緊急の医療処置が必要になります。
    • アメリカの他の地域にいる時は、サソリの刺傷についてはそれほど心配することはありません。[17] もちろん、以下のような方法で傷口の処置をした後、アレルギー反応やその他の深刻な症状が出る場合は医師による治療を受けてください。
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    中東やアフリカに生息する危険なサソリを覚えておきましょう。通称「デスストーカー」と呼ばれるオブトサソリは全長11.5cmに及び、様々な色と触肢のサイズがあります。[18][19] この種のサソリの刺傷は心肺の機能不全を引き起こすため、中東やアフリカに滞在中に大人の手のひらよりも小さいサイズのサソリに刺された場合は、速やかに医療機関による治療を受けてください。
    • 上記のとおり太い尻尾を持つサソリは非常に危険で、その多くがこの地域に生息しています。
    • 種の特定ができない細い尻尾を持つサソリは通常危険は少ないといえますが、そうはいっても特にアフリカに生息する多くの種については研究が進んでいないこともあり、安全のためにも、痛みやわずかの腫れ以外の症状が出た時は医療処置を受けるのが賢明でしょう。
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    中南米に生息する危険なサソリを覚えておきましょう。成人にとってはこれらの地域に生息するサソリのほとんどは無害なものですが、中には例外もあります。その一つが「ブラジリアンイエロースコーピオン」で、その他多くの危険なサソリと同じく、厚みのある太い尻尾を持つのが特徴です。
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    他の地域の毒性のあるサソリも覚えておきましょう。上記以外で死に至るような深刻な毒性を持つサソリはほとんどありませんが、中には未だ特定されていない種もあります。患部の痛みやわずかの腫れ以外の症状が出た場合は、医療機関に連絡を取って処置を受けるようにしましょう。
    • インド、ネパール、またはパキスタンに生息する小さな赤色またはオレンジのサソリによる刺傷は、速やかな医療処置が必要です。[20] それらは「インディアンレッドスコーピオン」の可能性があります。
    • ヨーロッパやオーストラリアまたはニュージーランドに生息するサソリの毒にはそれほど殺傷の危険はありません。[21][22] そうはいっても、やはり深刻な症状が出た場合に種の特定をしておくことは、医療関係者が適切な治療を行うのに役立ちます。

ポイント

  • サソリは蜂とは違い、傷跡に針を残すことはありません。ピンセットなど針を取り除くための道具は必要ないということです。
  • サソリがいそうな場所を徘徊する時は、小さな石のある陰になった場所は避けましょう。みなさんの家の外でも、もちろんそういった場所にはサソリに限らず多くの捕食動物が生息しているはずです。
  • 靴を履く前にチェックしましょう。サソリは暖かく、じめじめした、暗い場所を好みます。
  • 刺される危険を減らすため、マキ木の束や地下室の隅のように暗く、涼しく、湿気のある場所は避けましょう。以下の方法に従ってサソリがいるか確かめてみましょう: [23]
    • ブラックライトの懐中電灯を購入するか、または照明にブラックライトのバルブを取り付けます。
    • サソリが侵入した可能性のある部屋をそれぞれブラックライトで照らします。
    • 青から緑の光を探します。ブラックライトによる紫外線を照射されると、サソリの表皮はそのように蛍光する性質があるのです。

注意事項

  • 傷跡は切除してはいけません。激しく出血したり、感染症を引き起こす危険があります。また、そのような方法では血流に入り込んだ毒を取り除くことはできません。
  • 口で毒を吸い出そうとしてもいけません。医療者は吸引機を使って毒を吸引しようとするかもしれませんが、実際のところ、それがどの程度の効果があるのか明らかではありません。[24]

出典

  1. http://askabiologist.asu.edu/explore/not-so-scary-scorpions
  2. http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf
  3. http://apps.who.int/poisoncentres/
  4. http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/002850.htm
  5. http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/002850.htm
  6. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/scorpion-stings/basics/symptoms/con-20033894
  7. http://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm266515.htm
  8. http://emedicine.medscape.com/article/168230-treatment
  9. 9.09.1http://emedicine.medscape.com/article/168230-treatment
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カテゴリ: 救急処置・緊急医療

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