ストレスの多い状況で冷静になる方法

共同執筆者 Paul Chernyak, LPC

この記事には:すぐにその場で冷静になるストレスの原因を突き止める計画を立てる行動に移す46 出典

残された時間がない。大勢の人の命が自分にかかっている。時限爆弾を解除するには、どのコードを切断するべき!?そんな爆弾処理班が直面するような生死を分ける瞬間、とまでは言わなくても、慣れない仕事の面接、人前でのスピーチ、家族の緊急事態など、その対処法を知らなければいちいちストレスを感じる場面は日常生活の中でたくさんあります。ストレスの対処法を知ることで、その場で冷静になることができるだけでなく、より健康で幸せな人生を歩むことができます。

パート 1
すぐにその場で冷静になる

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    今している動作を一瞬止める すでにストレスを感じている場合、心を落ち着かせる上で最も効果的な方法は、ストレス要因を可能な限り避けることです。場合によっては、数秒間の休憩をはさむだけでも、緊張に満ちた状況で冷静になることができます。[1]
    • 激しい議論やストレスの多い状況で返答する前に、頭の中で1から10までカウントするか、3~5回ほど深呼吸をしてみましょう。
    • 休憩を取りましょう。例えば、配偶者との言い争いが激しくなったら、「今感情的になりすぎていて、落ち着いて話を続けられないから、話し合いを15分間中断したい」と伝え、一旦席を外しましょう。違う場所へ移り、深呼吸をすることに集中し、「自分なら冷静に対処できる」と自分に言い聞かせます。
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    体の反応に注目する ストレスを感じている時、自律神経が働いて体が危険な状態にあると勘違いしてしまい、「闘争・逃走反応」を起こすことがあります。この反射的な反応がアドレナリン等のホルモンを放出することにより、血管が収縮し、呼吸が早まって、心拍数が上がります。[2]徐々にこのパニック反応は、「無意識のリアクション」として脳に記憶されてしまいます。[3]
    • 落ち着いて身体的な変化に意識を傾けることで、ストレス度数が最も高くなっている時に感じる自分の体の状態を確認することができます。また、体にどのような変化が起こっているのかを意識的に感じることで、脳が自動的に引き起こす「無意識のリアクション」の緩和が可能となるという複数の研究結果があります。[4]
    • 体の反応を意識しつつも、そのことで自分を責めたり思い悩んだりしないようにしましょう。例えば、期末試験が始まる直前に、「顔がほてって赤い。心臓がドキドキしている。手が汗ばんできた。吐きそうだ」と感じることがあるかもしれません。こういった身体的な変化に気付いても、できる限り客観的に捉えることを心がけましょう。
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    深呼吸する 体が「闘争・逃走反応」を起こすと、交感神経系が著しく呼吸を乱すことがあります。大きなストレスを受けていると、呼吸をするのが難しく感じるかもしれませんが、安定したリズムで深呼吸をすることが重要です。深呼吸をすることで、血液に酸素が再供給され、血流中の乳酸が減り、落ち着いた気分になることができるためです。[5]
    • ストレスを感じている時や腹が立っている時、胸や喉で浅く呼吸していることにおそらく気付くでしょう。そんな時に、横隔膜を上下させながら呼吸することを心がけましょう。片手をちょうど肋骨の下あたりの下腹部にあて、もう片方の手を胸部にあてます。[6]
    • ゆっくり鼻から息を吸います。可能であれば、1から4まで数えながら吸いましょう。息を吸うと同時に、胸部の膨らみと共に腹部が膨らむのを感じ取ることができます。この呼吸式は、横隔膜呼吸と呼ばれます。
    • 1~2秒ほど息を止めます。その後、鼻または口を通してゆっくり息を吐き出します。可能であれば、1から4まで数えながら吐き出しましょう。この手順を1分あたり6~10回ずつ行い、数分間繰り返しましょう。
    • 呼吸をすると同時に、信念や合言葉を唱えたり、数を数えたりすると、気が紛れることなく集中して呼吸を続けることができます。[7]例えば、ヨガや瞑想でよく使われるマントラのように「オーム」と唱えたり、「(息を吸いながら)吸って、(吐きながら)吐いて」と言いながら、呼吸をしてみましょう。[8]
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    筋肉をほぐす ストレスを感じていると、無意識に筋肉を緊張させてしまうことがあり、この状態がさらなる緊張を引き起こします。漸進的筋弛緩法(Progressive Muscle Relaxation、略称PMR)と呼ばれる、体をリラックスさせる方法で、緊張をゆるめて精神状態を落ち着かせることができます。PMRでは、意識的に筋肉を緊張させてから、筋肉を各箇所ごとに弛緩させます。[9]
    • PMRの詳細については、オンライン上でいくつか無料の参考文献を見つけることができます。カリフォルニア大学バークレー校のウェブサイトにPMRのスクリプトが公開されており、[10]またマサチューセッツ工科大学のウェブサイト上で11分間の無料音声ガイドを利用することができます(いずれも英語)。[11]
    • できれば、静かで居心地の良い場所を見つけましょう。静かな場所以外でも、PMRを行うことは可能です。
    • 体を締め付ける衣服はゆるめましょう。気持ち良くなりすぎて寝てしまわない程度に、リラックスした状態で横になるか座ります。筋肉の各箇所を使ってPMRを行いながら、安定したリズムで呼吸しましょう。
    • 顔、首、肩のまわりはストレスが溜まりやすいため、まず顔の筋肉から始めます。目をできる限り大きく開けた状態を5秒間キープした後、筋肉をゆるめます。今度は目をギュッと閉じた状態を5秒間キープし、またゆるめます。10秒後に、目のまわりの感覚がどのように異なるか、確認してみましょう。
    • 次は口元に移ります。口をしっかり閉じた状態で5秒間キープし、筋肉をゆるめます。笑った状態の口を5秒間キープし、またゆるめます。次の箇所に移る前に、目のまわりの筋肉と同様に、10秒後の感覚の違いを感じてみましょう。
    • 様々な箇所の筋肉を引き締めた状態で5秒間キープし、その後ゆるめる手順を続けて行います。次の箇所へ移る前に、引き締めた筋肉を10秒間リラックスさせましょう。
    • 時間があれば、首、肩、腕、胸部、腹部、お尻、太もも、ふくらはぎ、足、つま先のすべての筋肉を使ってPMRを行ってみましょう。
    • PMRの手順すべてを行う時間がない場合は、顔の筋肉だけでも効果があります。また、手も緊張することが多いため、簡単なハンドマッサージも試してみましょう。
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    適度な運動をする エンドルフィンと呼ばれる、安心感や満足感を与える脳内物質を放出するエクササイズは、気分を落ち着かせるには最適の方法です。[12]数々の研究結果において、落ち着いた幸せな人生を送る上で、習慣的な運動はカギであることが証明されています。[13][14]ジョギング、自重トレーニング、ヨガ、ウェイトトレーニングといった運動を毎日30分行うと、リラックスした精神状態を得ることができます。
    • 運動にはストレスの予防効果もあります。様々な研究によると、緊張する場面に直面する前に有酸素運動を行うことで、ストレスが和らぐという結果が出ています。[15]
    • ヨガや太極拳などのエクササイズを試してみましょう。深呼吸、瞑想、軽い運動を中心とするエクササイズを行うことで、心を落ち着かせることができます。[16][17]

パート 2
ストレスの原因を突き止める

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    ストレスを感じる時の反応を認識する ストレスや不安を感じる時、様々な症状が現れることがあります。どのような症状に注意すべきかを把握しておくことで、知らないうちにストレスを溜める状況を防ぐことができます。人それぞれ、ストレスの感じ方や対処法は異なりますが、以下の種類がよく見られる反応です。[18]
    • 心理的反応:何かに集中することが難しい。あまり記憶が残らない。すぐに気が散ってしまう。創造力や決断力に欠ける。すぐに心配する。悲観的な考えに囚われる。
    • 感情的反応:泣きやすい。怒りやすい。感情の起伏が激しい。普段あまり感じないような感情を感じる。批判などに対して防御的である。やる気が出ず、物事を後回しにしたいと思う。自分に自信がなく、自尊心が低い。何かに不満でイライラする。緊張して神経質である。自分らしからぬ怒りや攻撃性がある。
    • 身体的反応:痛みを感じる。免疫力が低い。体重や睡眠に変化がある。パニック発作を起こす。極度の疲労を感じる。性欲の変化を感じる。
    • 行動的反応:忘れやすい。自分の身の回りを管理できない。非社交的である。眠りが浅い。人間関係が上手くいかない。時間の管理ができず、やる気が出ない。落ち着くためにアルコール、ニコチン、その他の薬品に頼っている。
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    ストレスの原因を特定する 今心拍数が上がっているのは、たった今運転中に他の車に追い越されたから?それとも今日の午後に上司の前で発表しなければならないプレゼンがあるから?何がストレスを引き起こしているのかについて、一度考えてみましょう。または思考を整理するため、ストレスの原因を紙に書き出し、順位を付けます。一般的なストレスの原因は以下の通りです。
    • 家族:両親やその他の家族、パートナーとの対立が原因となり、大きなストレスを感じる。
    • 学校または仕事場:良い成績を取ること、仕事の成果を上げること、期限に間に合わせること、何かしらの任務を成し遂げること、などがプレッシャーとなる。また、仕事とプライベートのバランスや重要な決断をする際に、大きなストレスを感じる。
    • 人間関係:最も対処が難しいストレスの原因。十分であることに満足できないこと、恋愛の悩み、健康や経済的な問題などが原因となってストレスを感じる。その他に、退屈感や孤独感に悩んでいる、リラックスする機会や自分の身の回りを整理する機会があまりない。
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    自分の思考がストレスに加担していることを認める 日常生活においてストレスを感じることが当たり前になってしまい、過度のストレスを感じていても異常であると思えなくなっているかもしれません。普段自分がストレスをどのように受け止めているのか、考えてみましょう。
    • ストレスの原因が一時的なものであるにも関わらず、常にストレスを感じることがありますか?例えば、ストレスを感じている理由について、「今週は本当に仕事が忙しい」と言うことがあるかもしれません。しかし、同様のストレスを頻繫に感じているのであれば、一時的な出来事以外のことがストレスを引き起こしているはずです。
    • ストレスを感じることが「普通」であり、自分の性格の一部であると思っていませんか?例えば、「自分の家族はみんな心配性だけれども、特に異常なことではない」、「自分はただストレスの溜まる人生を送っているだけだ」と思うことがあるかもしれません。このような考え方をする人は、ストレスを軽減する方法は存在しないと思い込んでしまいがちです。
    • 自分が感じるストレスは、他人に責任があると感じていませんか?例えば、大学の論文を書くことにストレスを感じている時、自分が論文を後回しにしてきたことより、教授の厳しい採点基準がストレス要因であると感じるかもしれません。これでは、ストレスを和らげるために自分の行動を変えるという考えに至りません。
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    過去の出来事に起因するストレスを特定する 過去のことに執着しすぎてしまい、それが原因となってストレスを感じることがあります。過去を変えることはできませんが、現在と向き合い、未来に備えることは可能です。
    • 過去に起こった出来事を引きずったり何度も思い出したりすることがあれば、「抑うつ的反すう」である可能性があります。抑うつ的反すうとは、マイナス思考を繰り返す「負のループ」で、不安や鬱を引き起こすことがあります。[19]また、過去の経験から自分について学び、未来のために建設的に考えるプロセスを妨害します。[20]
    • 過去について否定的になるのではなく、過去を変えることはできないという事実を受け入れましょう。しかし、過去の出来事から学んで成長し、学んだことを未来に活かすことはできます。例えば、「どうしていつも恋人に別れを告げられるんだろう。いつも上手くいかない自分はダメな奴だ」と思った時、抑うつ的反すうはストレスを軽減するどころか、ストレスの原因になりかねません。
    • 過去について、より前向きに考えるようにしましょう。例えば、今までの恋愛関係を見直すと、恋愛対象となる人のタイプ、自分の気持ちの伝え方、別れる時の状況などにおける傾向を見出すことができるかもしれません。これらの傾向を知ることで、どうして別れることになったのかを理解し、これからの恋愛関係を改善することができます。また、自分を決めつけることなく、自分を変えるモチベーションにも繋がります。
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    未来に対するストレスを特定する 未来について考える際に、ストレスを感じるかどうかを判断しましょう。誰でも未来について心配になることはあります。ただし、未来の出来事について考えすぎるとストレスを感じてしまい、今生きている現在を忘れてしまいます。幸いにも、このような否定的な見方を直すことは可能です。未来は決まっていないからです。[21]
    • 未来に対するよくあるタイプの悩みの原因は、「破滅思考」 と呼ばれるもので、些細なことでも最悪の事態を想定してしまう考え方です。例えば、近々受ける試験について心配している場合、破滅思考は、「この試験で良い点を取らなければ、このコースの単位を落としてしまう。そうしたら、今学期のコースの単位を全部を落としてしまうかもしれない。単位を全部落としたら、奨学金を受ける資格を失って、もう大学で勉強することができなくなる。そうなったら、お金も仕事もなくて、橋の下で段ボール箱の中で生活しなければならない」といったような考えをもたらします。これは極端な例ですが、破滅思考はこのようにネガティブな思考を連鎖して引き起こします。
    • このような思考を止める方法の1つは、実際に起こりうる最悪の事態を想像することです。[22]例えば前述のシナリオを使うと、本当に起こりうる最悪の事態は、大学を退学せざるを得なくなって、両親とまた一緒に暮らすことであるとします。そのような最悪の事態にうまく対処できそうかどうか、考えてみます。ほとんどの状況において、対処することができるでしょう。最後に、それが現実となる可能性について考えてみます。この例の場合、試験1つが不合格となっただけでコースの単位を落とすことはなく、コースの単位を落とすだけで大学から退学になることはほぼあり得ないため、最悪の事態が起こりうる可能性はとても低いと言えます。
    • また、それぞれの「起こりうる結果」を熟考し、その結論に至った論理的な証拠と対照的な可能性を見つけることにより、破滅思考を断ち切ることができます。試験が不合格だった際に起こりうる結果として、単位を落とすことになるかもしれませんが、もしかするともう一度試験を受けることや特別課題をこなして成績を上げることができるかもしれません。

パート 3
計画を立てる

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    リラックスする方法を練習する 心が落ち着いていて精神状態が冷静である時に、将来の予定を計画し、何をすべきか判断しましょう。大きなストレスを感じている時や腹が立っている時は、正しい判断ができなくなり、早まって間違った決断を下すことになりかねません。[23][24]
    • 鼻からゆっくり息を吸いましょう。頭の中で1から5までカウントし、また5秒間かけて口から息を吐き出します。この呼吸リズムに慣れるまで、繰り返して練習を行いましょう。
    • 他のことについて考えてみましょう。幸せな気分にさせてくれる事柄、例えば(ストレスの種でなければ)自分の子どもやパートナーなどについて考えたり、今日のスケジュールに考えを集中させます。
    • 無人島や田舎道など、気持ちを落ち着かせるような風景を思い浮かべましょう。目を閉じて、架空の場所に関する細かい部分まで頭の中で描写し、ストレスの多い現実から少し離れて、今その架空の場所にいる自分の姿を想像してみましょう。
    • ストレスの原因となるものを避けましょう。可能であれば、ストレス要因を物理的に遮断します。物事を冷静に判断できるようになるまで、一旦その場を離れましょう。
    • 不安に感じることは、必ずしも悪いことではありません。重要な決断を下そうとする時や無益な決断をしてしまいそうな時に感じるストレスや緊張感が、判断の良し悪しに対するヒントとなることもあります。[25]例えば、所持品をすべて手放し、スクールバスを改装して、砂漠で移動生活を始める夢について考えると、不安な気持ちになるかもしれません。人生において重大な決断をする時、そのライフスタイルが自分に合っているものなのか、真剣に考える必要があります。このような状況下で不安な気持ちになる理由は、冷静になって慎重に判断を下せるようになるためです。
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    ストレスの対処方法を選ぶ ストレスに直面した時の反応として基本的に、ストレスの溜まる状況を変える、またはその状況に対する自分の態度を変える、という2種類の対応の仕方があります。ストレス要因をコントロールする力はなくても、その事柄に対してどのように反応するかは自分次第です。ストレスにうまく対応するためのテクニックを学び、自分の思考を見つめ直すことは可能です。以下の姿勢を参考にしてみましょう。
    • ストレス要因を回避しましょう。ストレスの原因となるものを避けることにより、状況を変えることができます。例えば、多忙なスケジュールがストレスの原因である場合、キャンセルできる予定はキャンセルしましょう。また、誘いを断ったり、周りに助けを求めることで、ストレスを回避することができます。
    • 自分の見方を変えましょう。ストレス要因の中には回避できないものもありますが、それに対する自分の態度を変えることで、状況を変えることができます。例えば、恋人と意見が合わないことがあるかもしれません。しかし、意見の相違が生じるのは、どんなに仲の良いカップルでも、恋愛関係において当たり前のことです。かたくなにならず正直な気持ちを相手に直接伝える、譲歩するなど、自分の対応を変えることで、ストレスではなくなります。
    • 自分の考え方を順応させましょう。状況を変えることができなくても、自分の態度や行動を変えると、ストレスを軽減することができます。例えば、ラッシュアワーの交通渋滞や混雑がストレス要因である場合、現実を変えることはできません。世界のどこにいても、通勤ラッシュは避けることはできません。しかし、異なるルートを見つけたり、通勤時間を早くしたり遅らせたりすることで、このストレス要因への対応を変えることはできます。
    • 受け入れましょう。自分では変えることができないこともあります。他人の気持ち、行動、反応を変えたりコントロールしたりすることはできません。自分の結婚式に雨が降ったことや、いくら愛想よくしても上司は自分勝手な人であることは事実であり、変えることはできません。しかし、このような状況は自分のコントロール外であることを受け入れ、コントロールする必要性を手放すことは可能です。また、自分が人として成長する上で、貴重な学習体験であると捉えることもできます。
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    計画を立てる 1度行動に移すだけでストレスの多い状況を対処できることもありますが、大体の場合、長い期間をかけていくつかのステップを踏む必要があります。達成の見込みがあるゴールとそれらのゴールの達成にかかる時間を書き出し、ストレス対処の計画を立てましょう。
    • また多くの場合、ストレスの大きい状況を避けることは可能です。大切な出来事と不測の事態に前もって備えておけば、その後あまりストレスに感じることはないかもしれません。「備えあれば憂いなし」です。
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    現実的になる いくら努力をしても思ったより早く解決に繋がらず、引き続きストレスを感じる場合は、おそらく現実的なゴールを設定していないことが原因です。「やればできる」という考え方を奨励する現代社会では、少なくとも与えられた時間内で、頑張ってもできないことがあるということを受け入れるのが難しいと感じるかもしれません。その場合、立てた計画を見直して、期待の度合いを下げましょう。それでも改善しない場合は、自分ではコントロールできない状況であると認める必要があります。貴重な人生体験として、受け入れましょう。
    • 他人が求める非現実的な期待にいつも応えようとして失敗している場合は、「お人好しをやめる方法」や「ウェンディ症候群」について調べてみましょう。
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    少しずつ着実に行動に移す いくら事前に計画を練っても、複雑な問題を解決しようとする際に、どうすれば良いのか分からず困惑してしまうかもしれません。しかし、「千里の道も一歩より起こる」ように、何事も身近なところから少しずつ改善することに集中しましょう。
    • 計画を実行する際、辛抱強く、そして自分に優しく取り組みましょう。人として成長することは大変な努力を必要とし、結果はすぐには出ません。人生において必ず経験する挫折や困難に直面した時に、「失敗」だと決めつけずに、新しいストレス対処法を見つけることができる「学びの機会」であると捉えましょう。

パート 4
行動に移す

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    何事も先延ばしにしない 物事を先延ばしにすると、前に進めなくなってしまいます。それは恐れや不安から生じることが多く、その原因は完璧主義であることが大半です。とても主観的な見方に基づいた、達成不可能な「完璧な状態」にこだわり過ぎると、思った通りの結果が得られないかもしれないと不安になり、実際に行動に移せなくなってしまいます。幸いにも、いくつかのテクニックを学ぶことによって、先延ばしにする癖を直し、それが引き起こすストレスを克服することが可能です。[26][27]
    • 結果をコントロールすることはできないけれど、自分の行動を変えることはできる、ということを自分に言い聞かせましょう。自分の論文に対する教授の評価が心配になり過ぎて、論文を書き始めることすらできない状況にあるかもしれません。しかし、そのストレスに自分がどのように反応するかは自分次第です。結果は自分のコントロール外ですが、一生懸命に自分なりに最高の論文を書くことはできます。
    • 「完璧主義」は、非現実的であることを認めましょう。人間誰でも間違いを犯すことはあり、そもそも人によって「完璧」の定義は大きく異なります。完璧を目指すのではなく、自分ができる範囲内でベストを尽くし、結果だけで自分の能力を決めつけるのはやめましょう。例えば、大学で提出した論文の成績がB+である場合、最良のAではないため、完璧主義者は「失敗した」と感じてしまうかもしれません。しかし、自己ベストを追い求める人であれば、論文の成績評価がどうであろうと、一生懸命できる限りのことをやり切ったので、自分の努力を誇らしく思うことができます。
    • 「~するべき」という口癖には気を付けましょう。このような考え方をすると、自分ではコントロールすることができない事柄に頭を悩ませることになります。例えば、「優秀な学生なら失敗しない」と思ったことがあるかもしれません。しかし、これは非現実的な理想であって、誰でも間違えることはあります。「~するべき」と言う代わりに、「~することができる」といった言い方を使ってみましょう。そうすると、「自分が間違えたとしても、自分の能力と努力を最大限に活かすことができる。人なら誰もが人生で間違いを犯すものだ」と前向きな気分になることができます。
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    心を落ち着かせ、「今」を意識する練習をする 人生からストレスをすべて一掃することは不可能であり、逆に、意欲を引き出す上で良い刺激を与えるのもストレスの役割です。また、たくさんエネルギーを注ぐほど価値のあることを達成しようとしているからこそ、ストレスを感じることもあります。自分や周りに意識して注意を向ける「マインドフルネス」の状態になることで、自己否定的になることなくストレスを感じている自分に気付き、ストレスを受け入れることができるようになります。そうすることで、ストレス要因に対する過度な意識の集中を避けることが可能となります。[28]以下のエクササイズを参考にしてみましょう。
    • 「レーズン瞑想」をしてみましょう。可笑しなエクササイズだと感じるかもしれませんが、冷静になって今この瞬間に意識を集中させる練習にはとても効果的な方法です。少量のレーズンを使うこの瞑想では、それぞれのステップを通して、注意深く物事を観察し、認識する力が身につきます。このエクササイズを1日5分間かけて試してみましょう。[29]
      • まず、レーズンを少量手に取ります。その中から1つ選んで、指でつまんでみましょう。レーズンを回転させながら、手触りを記憶するように、でこぼこした形を感じ取ります。
      • レーズンを観察します。まるで今まで一度も見たことがないものを見るような目で、色、形、感触に注意しながら、レーズンをじっくり眺めましょう。
      • 次に、レーズンのにおいを嗅ぎます。レーズンを鼻の近くに寄せて、深呼吸を数回繰り返し、香りを楽しみましょう。できれば、香りを説明してみましょう。また、それぞれのレーズンの香りの違いに気付くことができるかもしれません。
      • 今度は、レーズンを舌の上に置きます。舌でレーズンの触感や重みを感じ取りましょう。また、舌以外の場所にレーズンを移動させ、感覚がどのように異なるかを見てみましょう。
      • 口に入れたレーズンをかじり、味わいましょう。レーズンを噛んだ時の口の動きに注意します。噛む際に使用する口の筋肉を意識して、レーズンの触感や味の変化を感じ取りましょう。
      • 最後に、レーズンを飲み込みます。飲み込む際にどの筋肉を使い、どんな感触があったか、また飲み込んだ後にレーズンをどこまで感じ取り続けることができるか、見てみましょう。
    • 「自分を労わる時間」を取ってみましょう。人は日常のストレスで頭がいっぱいで、その原因は自分にあると責めてしまいがちです。5分間だけでも意識して自分に優しくするだけで、自分に厳しくなりすぎている時に気付くことができるようになります。[30]
      • ストレスの多い状況を想像します。その時に生じる体や感情の反応に、注意を払いましょう。[31]
      • 「今人生で辛い時期にある」「ストレスを感じている」と言葉に出して言います。精神的に不安定である自分を責めることなく、その状態を認めることにより、前向きにストレスを対処することができます。
      • 「ストレスを感じるのは不自然なことではない」「誰でもマイナス思考になることはある」と繰り返して言いましょう。こうすることで、他人と共通する人間性を認識できるようになります。大きなストレスを感じているからと言って、「ダメ人間」であることはありません。
      • 胸に手を当てたり、両腕で自分の体を包み込んだりしながら、「自分に優しくなれますように」、「もう少し辛抱強くなれますように」と繰り返して自分に言い聞かせましょう。今置かれている状況に応じて、ポジティブな言葉を使って自分を励ますことが重要です。
    • カリフォルニア大学バークレー校の社会的大義活動センター(Greater Good in Action Center)のウェブサイトでは、科学的根拠に基づいた、様々な種類のエクササイズを閲覧することができます(英語)。[32]
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    「RAINメソッド」を使う RAINメソッドとは、心理学者ミッシェル・マクドナルドにより提唱され、「マインドフルネス」の状態になることを練習する方法です。RAINは、以下の4つのキーワードを意味します。[33]
    • Recognize:身の回りで起きていることを認識(Recognize)しましょう。今この瞬間に自分の周囲で起こっていることに意識して注意を向けることによって、否定的な感情や前向きな考えを再確認することができます。例えば、「今とても腹が立って、ストレスを感じている」と思う自分を受け入れましょう。
    • Allow:現実をありのままに受け入れ(Allow)ましょう。つまり、誰かを責めることなく、ストレスの多い状況を受け入れるということです。ストレスの多い状況に対して否定的な反応をしてしまった時に、自分を非難したり、ネガティブな感情を抑えつけたりしてしまいがちです。そうではなく、例えば、「パートナーに対してものすごく腹を立てているけれど、感情をむき出しにしたことに対して申し訳なく思っている」というように、否定的な思考や気持ちであったとしても、貴重な経験の一部として受け入れましょう。
    • Investigate:責めることなく、探求(Investigate)しましょう。今この瞬間の状況を把握する上で、自分にも他人にも思いやりを持つことは、とても大切です。自分の信念や欲について、今思っていることがどのように反映しているかを自問自答しましょう。例えば、パートナーに対して腹を立てて、きつく言ってしまったとしたら、「怒りをむき出しにした自分も悪いし、相手にも原因がある」といったように、自分とパートナーの両方を非難してしまうかもしれません。そうではなく、思いやりの気持ちを持って、「パートナーに対して怒鳴ったのは間違いだった。愛する人に感情をむき出しにして、とても恥ずかしく思っている。すごく腹が立つことを言われたけれど、パートナーも本当は私を愛していると分かっている。一緒に問題を解決できるはずだ」と、お互いの反応を分析しましょう。
    • Natural awareness:何事に対しても個人的に受け止めないことによって、自然な気付き(Natural awareness)は湧いてきます。つまり、ある1つの出来事から「自分は悪人だ、ダメ人間だ」と自分を極端に一般化する癖をなくすことを意味します。誰でもマイナス思考になることはありますが、そんな時に想像する自分の像は、実際の「自分」とは異なります。自己否定的な考えによって、自分がどのような人間であるかを定義しないように努めましょう。
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    瞑想する 瞑想の目的は、今この瞬間を大切にし、冷静になって何事も受け入られる精神を手に入れることです。[34]瞑想によって、日常生活で感じるストレスを解放し、精神を落ち着かせることができます。それどころか、瞑想を習慣化すると、ストレス要因に対する脳の反応の仕方すら変えることができます。[35]特にマインドフルネス瞑想は、近年多くの科学的根拠により、その効果が証明されています。[36][37]瞑想の教室に通う方法、音声ガイドを使う方法の他、自分で瞑想を行うことも可能です。
    • 気が紛れることのない、静かな場所を探しましょう。テレビ、パソコン、携帯電話の音が出ないように設定しておきます。可能であれば、30分間、少なくとも15分間は瞑想しましょう。[38]
    • 目を閉じて、安定した深呼吸をします。はじめは呼吸だけに神経を集中させ、その後ゆっくりとその他の体の部分にも注意を払いましょう。
    • 自分を責めることなく、感じることに意識を傾けましょう。否定的な考えや気持ちであるとしても、ありのまま受け入れます。「瞑想はとてもありきたりでつまらない」とたった今思ったとしても、それを変えたり否定したりせずに、そう感じることを認めましょう。
    • 気が散っていることに気付いたら、意識を呼吸に戻しましょう。
    • オンライン上で無料の音声ガイドを使って瞑想することができます。マサチューセッツ工科大学[39] やカリフォルニア大学ロサンゼルス校UCLAのマインドフルネス研究センター(Mindful Awareness Research Center)[40]のウェブサイトで、瞑想の音声ガイド(MP3)を視聴することができます(いずれも英語)。また、「Calm」などのスマートフォンのアプリを使って、瞑想を行ってみましょう。
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    前向きな言葉を繰り返して言う 前向きな言葉を繰り返して自分に言い聞かせることで、ネガティブな考えを抑えましょう。ストレスを軽減するため、自分の悪いところではなく良いところを探すように、脳を鍛えることができます。次の例を参考にしてみましょう。[41]
    • 「自分ならできる」
    • 「何でも一生懸命にやり切れば、それで十分」
    • 「身の回りの小さな問題よりも、自分の人生の方がもっと大切だ」
    • 「犯した間違いだけで、自分自身の価値は決まらない」
    • 「人なら誰でも間違いを犯すことはある」
    • 「この問題は一時的なもので、時間が経てば解決する」
    • 「助けが必要な時は、周囲に頼れば大丈夫」
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    生産的な方法でストレスを発散させる アルコールやその他の薬品に依存したり、他人や物にあたったりして、つい非生産的な方法でストレスに対処してしまうことがあります。こういった行動を避け、建設的な方法でストレスを発散することに意識を集中させましょう。
    • 大きなストレスを感じる状況で、特に何かに対して腹を立てているときは、感情をむき出しにしないように、怒りを制御しましょう。怒鳴ったり、暴力をふるったり、物を破損することで怒りを発散しようとすると、かえってストレスを増長させてしまうことがあります。[42][43]ストレス解消ボールを握ったり、落書きをしたりするなど、害を及ぼさない発散方法を試してみましょう。
    • その一方で、ストレスを感じている時に、激しい口調や汚い言葉を使って罵ると、気分が軽くなります。[44]ただし、上司の前や子供がいるところで汚い言葉を使うと、自分だけでなく他人を傷つけることに繋がりかねないので、罵る時は周囲に注意しましょう。
    • 泣きたい時は、泣きましょう。どうしても泣きたくなることは誰にでもあります。前向きになるために、泣くことで気分が改善することもあります。自分に優しい言葉をかけ、自分の気持ちに正直になって、泣きましょう。[45]
    • 精神が落ち着くような音楽を聴きましょう。英国音響治療学会(British Academy of Sound Therapy)が作成した、「最もリラックスできる世界の音楽」(英語)のプレイリストなど、心が休まる静かな音楽は、生理的なリラクセーション反応をもたらします。
    • お湯でシャワーを浴びるか、入浴しましょう。多くの人にとって、体が温まるとリラックスできることが知られています。[46]

ポイント

  • 大体の場合、未来に対して感じるストレスの原因は「恐れ」、現在の状況に対して感じるストレスの原因は「無力感」です。
  • 自分を大切にしましょう。泡風呂に入ったり音楽を聴くと、気持ちをリラックスさせることができます。
  • 悩みや心配事を日記に書きましょう。こうすることで、他人には相談できないようなことでも、ストレスを引きずることなく気持ちが楽になります。
  • 人間関係で悩んでいる場合、ストレス要因である相手に向かって攻撃的になりそうな時は、まず目を閉じて、深呼吸をし、10までカウントして心を落ち着かせましょう。
  • 昼寝をすると、明確な判断ができるようになります。何が問題であるかを明確にすることで、妥当な決定を下すことができます。
  • 今抱えているストレスについて、家族や友人に話してみましょう。周りに話せる人がいない場合は、ストレスの原因となっているものを書き出し、日記をつけましょう。
  • ストレス対処法を箇条書きにしましょう。人によってストレスとどう向き合うかはそれぞれ異なるので、自分に合った対処法を見つけましょう。
  • ゲームをしたりテレビを見たりして、気を紛らわせましょう。

注意事項

  • 腹が立っている時に他人や物にあたる癖がつくと、攻撃的な性格が身についてしまいます。八つあたりする前に、怒りを抑えるように心がけましょう。人や動物にあたることは絶対に避け、物にあたってしまった場合はそれによって自分がケガをしてしまわないように気を付けましょう。
  • 何でも自分のせいにしないように心がけましょう。いくら頑張っても、問題を解決できないこともあります。解決することを諦めるのは必ずしも悪いことではありませんが、自分の能力に見切りをつけて自己非難することは、逆効果です。
  • 薬品を使って自分で治療するのは避けましょう。アルコールや薬品は、一時的な気休めとなるかもしれませんが、現実に引き戻された時にまた問題に直面することになります。また、中毒を引き起こすと、更にトラブルを増やすことになります。自分にとっては問題でなくても、気付かない間に自分だけでなく、愛する人を傷つけてしまうことになります。
  • ストレスに対する不適切な反応や、ストレスをうまく対処できないことによって、貴重な人生を無駄にしてしまいかねません。確かに、努力をすればどんな問題でも必ず解決するとは限りません。しかし、問題と向き合うことが必要とされている状況で、自分の努力を怠っては可能なことも不可能になります。前向きに一生懸命取り組む姿勢を持てるようになること自体が、努力の成果となります。

出典

  1. http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/StressManagement/FourWaystoDealWithStress/Four-Ways-to-Deal-with-Stress_UCM_307996_Article.jsp
  2. http://www.psychologistworld.com/stress/fightflight.php
  3. http://scan.oxfordjournals.org/content/2/4/259.full
  4. http://scan.oxfordjournals.org/content/2/4/259.full
  5. http://www.apa.org/topics/anger/control.aspx
  6. http://healthland.time.com/2012/10/08/6-breathing-exercises-to-relax-in-10-minutes-or-less/
  7. http://www.helpguide.org/harvard/benefits-of-mindfulness.htm
  8. http://psychcentral.com/lib/meditation-for-beginners/
  9. http://www.anxietybc.com/sites/default/files/MuscleRelaxation.pdf
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記事の情報

この記事はPaul Chernyak, LPCが共著しています。 ポール・チェルニャクはシカゴに住む認定カウンセラーです。2011年に心理学の専門大学、「American School of Professional Psychology」を卒業しています。

カテゴリ: 心の健康・心理バランス

他言語版:

English: Be Calm in a Stressful Situation, Italiano: Rimanere Calmo in una Situazione Stressante, Español: estar calmado en una situación estresante, Deutsch: In Stresssituationen Ruhe bewahren, Português: Manter a Calma em uma Situação Estressante, Русский: сохранять спокойствие в стрессовой ситуации, 中文: 在压力中保持冷静, Français: garder son calme face aux situations stressantes, العربية: أن تكون هادئًا في المواقف الصعبة, Bahasa Indonesia: agar Tetap Tenang dalam Situasi yang Penuh dengan Tekanan, Čeština: Jak zachovat chladnou hlavu ve stresových situacích, Tiếng Việt: Bình tĩnh trong tình huống căng thẳng, Nederlands: Kalm zijn in een stressvolle situatie, ไทย: สงบสติอารมณ์เมื่ออยู่ในสถานการณ์ที่เคร่งเครียด, 한국어: 스트레스 받는 상황에서 차분해지는 법, हिन्दी: तनावपूर्ण स्थिति में शांत रहना सीखें (Be Calm in a Stressful Situation), Türkçe: Stresli Bir Durumda Nasıl Sakin Olunur

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