セクハラをやめさせる方法

日本労働組合総連合会の調査によると、職場でセクシャル・ハラスメント(セクハラ)を受けたことがある人は、38%に上っています。[1] 現代の日本社会で、職場でのセクハラは深刻な問題となっており、女性のみならず、近年は男性も苦しんでいます。セクハラは誰にでも受ける可能性のあるものです。もしセクハラを受け、それをやめさせたいなら、速やかに会社に相談したり、同僚と連携を取ったり、場合によっては外部機関に相談し、法的手続きをとりましょう。

方法 1 の 4:
会社に相談をする

  1. 1
    人事部に伝える セクハラを受けた場合は、下手に大事にはせず、まずは冷静に、社内のみで問題に対処できないかを検討します。自分の勤めている企業の人事部に報告してみましょう。人事部はその名の通り、社員の部署異動をしたり、社員が気持ちよく働けるような環境を作ることを任務としている部署です。人事部に報告すれば、彼らが調査に乗り出してくれます。
    • 人事部がセクハラを認定すれば、加害者に懲戒処分、異動、解雇といった対策をとります。[2]
  2. 2
    加害者の上司に相談をする セクハラは大抵、上司から部下に対して行われます。このパターンの場合は、加害者より上の立場にいる上司、それが難しければ加害者とは別の上司に相談を持ちかけてみましょう。加害者も自分の社内での地位を気にしているので、自分より立場が上の人間に注意されたら、セクハラ行為をやめざるを得ません。[3]
  3. 3
    セクハラ相談窓口に相談をする 大きな会社だと、社内に「セクハラ相談窓口」が用意されていることがあります。社内の専門機関だからと言って、自分の個人情報が社内中に通知されることはありません。被害者のプライバシーは完全に守ってもらえます。セクハラ相談窓口は、セクハラ相談を受けると調査に乗り出してくれます。[4]
    • セクハラ相談窓口の担当者は、人事部などと事実関係を調査して、被害者と加害者の配置転換や加害者の謝罪、被害者のメンタルケアをしてくれます。[5]
    広告

方法 2 の 4:
仲間を作って対処する

  1. 1
    なるべく2人だけにならないようにする セクハラ被害に遭って、1人で人事部や上司に相談をするのは勇気の要ることです。部内の後輩や同僚など仲間に打ち明け、ともに対処に乗り出してもらう方法もあります。自分が加害者と一緒になるとき、どこかに行くときは、仲間に声をかけて同席・同伴してもらい、加害者と2人きりにならないようにしましょう。[6]
    • 昼食、終業後の帰宅、会議室での会話、それら加害者がつけ込んできやすい状況を、仲間に同伴してもらうことで予防します。
  2. 2
    記録に残して周囲に見せる セクハラ被害者、被害者から相談を受けた同僚は、加害者の行動や発言を記録しておきましょう。ボイスレコーダーやスマートフォンを使い、加害者の性的な言動、不快な言動の音声を録音します。こうしておくことで社内にセクハラの実態を広められ、またセクハラを受けている事実を証明する客観的な証拠になります。[7]
  3. 3
    第三者に上司や人事部へ伝えてもらう セクハラを受けたら、信頼のできる仲間に相談するとともに、その仲間に上司や人事部にセクハラの内容を間接的に伝えてもらいましょう。自分以外にセクハラ行為の証明者がいると、伝えられた相手も客観的な評価を下せ、対処に乗り出してくれる確率が上がります。第三者に伝えてもらうには明確な証拠が必要ですので、加害者にバレないように連携をとり、録音や加害者の言動をメモするなどして、セクハラ被害の証拠を集めましょう。
    広告

方法 3 の 4:
外部機関に相談をする

  1. 1
    女性の人権ホットラインに相談する あなたが女性で、社内では対処しきれなさそうなひどいセクハラを受けている場合は、法務省管轄の機関『女性の人権ホットライン』へ相談しましょう。[8] 『女性の人権ホットライン』は、女性の人権問題に関する様々な相談を受け付けています。セクハラは人権侵害の一種です。相談を受けると法務省の人権擁護機関が調査に乗り出し、事実の有無を判断して、当事者間の関係調整を行ったり、加害者へ改善を求めてくれます。[9]
    • 同じく法務省が管轄する機関に『みんなの人権110番』があり、こちらの機関でも相談を受けると対処に乗り出してくれます。[10]
  2. 2
    雇用環境・均等部に相談する 会社が取り合ってくれなかった場合は、労働局の管轄下にある『雇用環境・均等部』へと相談しましょう。『雇用環境・均等部』は男女雇用機会均等法に関する諸問題を扱っています。[11] 男女雇用機会均等法にはセクハラの防止義務を盛り込んでいるため、セクハラはこの法律に抵触します。[12] 『雇用環境・均等部』はセクハラに関する相談を受けると、調査をしてくれて、事実が認められれば是正勧告を行ってくれます。
    • 労働局は、各都道府県に主に1つずつ設置されています。[13]
  3. 3
    NPOに相談をする セクハラ被害の相談は労働問題関連の事柄を扱うNPOでも行っています。たとえば『NPO法人POSSE』では、相談者が訪れると話を聞き、法や制度に則った解決策を提示してくれます。精神面でのサポートもしてくれますので、もし誰にも頼れる相手がいない、精神的にひどい苦痛に悩まされているという場合は、NPOに相談を持ちかけましょう。[14]
    広告

方法 4 の 4:
弁護士に相談をする

  1. 1
    証拠を集める 行きすぎたセクハラを受け、セクハラ加害者を罰したい、金銭を支払わせたいというときは、労働問題を扱っている弁護士に依頼をします。弁護士は依頼を受けると調査・調停に動いてくれますが、それを円滑にするには、セクハラを受けている客観的な証拠を集めなければいけません。セクハラを受けそうになったら、スマホなどを使って録音を必ずしましょう。デスクにカメラを仕込んで、セクハラを受けている状況を撮影しておくと証拠としてより強くなります。証拠を集めたら弁護士に調停の依頼をしましょう。
    • もし精神的に苦痛を負っていたら、心療内科に行き「心的外傷を負っている(PTSD)」という内容の診断書をもらいましょう。乱暴をされた場合も同様に病院で診断書を受けます。
    • メモや日記をとり、同僚や友人に送りましょう。損害賠償や示談金を引き出したり、訴訟を起こすときには物的証拠や証人者として効果を発揮します。[15]
  2. 2
    内容証明郵便を送る まずはいきなり交渉や訴訟に出ず、セクハラを受けたことを証明する「内容証明郵便」を弁護士名義で加害者に送ります。普通の手紙と形式はなんら変わりませんが、郵便局の判があれば、その手紙を送ったことを証明できます。内容証明郵便の手紙に記載する事項は、「いつ、どういったセクハラを受けて、どうなったので、損害賠償を〇〇円請求する」というものになります。この郵便が弁護士名義で届くと、加害者は交渉に応じてくれやすくなります。[16]
  3. 3
    示談金などの金銭的な交渉をしてもらう 依頼を受けた弁護士は、証拠が集まると加害者に対して示談金、賠償金の交渉を行ってくれます。示談金は軽度のもので10万円〜30万円、強制わいせつ・強制性交など極めて悪質なセクハラになると示談金は100万円以上にもなることがあります。被害者がセクハラを受けて退職に追い込まれた場合は遺失利益が発生し、また加害者の社内地位が高い場合は、請求される金額が高くなる傾向にあります。[17] ほとんどセクハラ の調停はこの示談交渉で終わります。
  4. 4
    刑事事件として訴える 強制わいせつ・強制性交などは、刑事事件としても扱うことが可能です。もしこのような悪質なセクハラを受け、金銭を受け取っても解決しないほどに加害者への処罰感情が強いなら、刑事告訴をしましょう。[18] 強制わいせつ罪が成立すると、加害者は6ヶ月以上10年以下の懲役刑に処されます。[19] 強制性交については2017年に厳罰化され、今は『強制性交等罪』と名称が変更されていて、加害者には5年以上の有期懲役が科せられます。[20]
    • 『強制わいせつ』は、刑法第176条規定によると「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者、とされています。
    • 『強制性交等罪』は、刑法第177条によると「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交をした者、とされています。[21]
    広告

ポイント

  • セクハラ の種類には「対価型」と「環境型」があります。「対価型」は、加害者の性的な言動に対して被害者が拒否した場合に減給、降格、退職など被害者にとって不利益となる行為を行うことです。[22]
  • 「環境型」は、加害者の性的な言動に対して被害者が労働意欲を失ったり、パフォーマンスが発揮できなくなったなど、被害者が職場で仕事をする上で著しい悪影響を及ぼす行為を行うことです。[23] 会社環境全体がセクハラに当たる状況です。
  • はっきり拒否をするのも大事です。加害者は自分が何も言わないのでつけ上がっていることが往々にしてあります。性的な発言や接触をされて不快に思っていることを率直に伝えると、相手は萎縮し、セクハラ行為をやめることがあります。[24]

広告

注意事項

  • セクハラには、どんな行為がセクハラに当たるか、国が決めた基準があります。自分の権利を過剰に主張し、客観的にはセクハラに当たらない行為までなんでもセクハラにするのはやめましょう。相手が萎縮してしまうだけでなく、そのうち自分の社内での立場まで悪くしてしまいます。
  • セクハラを受けているかどうかは、主観的な判断だけでなく客観的な判断をもって初めて成立します。客観的にセクハラと認められるためには、明確な証拠が必要です。証拠集めは怠らないようにしましょう。
広告

このwikiHow記事について

wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、著者の皆さんがボランティアで執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。
カテゴリ: 企業問題
このページは 79 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告