ソフトローとハードロー(国際法)を識別する方法

この記事には:法的義務を特定する言葉を分析する解釈と施行を理解する12 出典

国際法学者たちは国際法を述べるにあたり、”ハード”と”ソフト”いう言葉をよく使う。学業のためであれ世界情勢を把握するためであれ、国際法を学ぶものにとってハードローとソフトローを区別するのは困難なこともある。さらに厄介なことに、そもそも国際法は独立国家の主権概念に基づくため、多国間協定は完全にソフトでもなければハードでもない。条約や国際協定の条項を読めば、鍵になる要素がソフトやハードの程度を示すことがわかる。これらの要素を認識することによって、国際法がどのように国の政策と外交関係に作用するかがわかる。

パート 1
法的義務を特定する

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    ソフトローとハードローの単純な違いはハードローには法的拘束力があるのに対して、ソフトローにはそれがないことである。この違いがあることによって、法的拘束力のない協定を法律と呼ぶのがふさわしいのかという論議が学者の間で広められる。それにもかかわらず、ある種類の協定は自動的にハードローとされる。[1]
    • 慣例的にハードローとみなされる主な例は条例である。国が条約を批准する際、条約が国内法と矛盾する場合は条約を優先させるために国内法を変更する義務がある。
    • アメリカ合衆国では条約は国内外的ともに法的拘束力がある。上院が条約を批准した後、議会が条約条項を遵守するために必要な連邦法を可決する。[2]
    • 国連安保理事会決議は国連憲章25条に基づき、全加盟国を法的に拘束する。 [3]
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    法的拘束力の程度を定める。法的義務が高い国際協定はハードローであることが多い。
    • 国際契約は該当国の利益向上を目的とするため、契約を違反することはまずない。それを認識して、協定自体に法的拘束性のある言葉はあまり使われない。
    • 人権や規範的原則に関する協定は”盟約”と呼ばれることがある。一般的にこれらの協定は条約と同様に法的拘束力があるが、その法的義務が強制されないことがある。[4]
    • 国は条約に署名しつつも、ある条項に関しては留保することができる。留保によって、受け入れがたい特定の条項に対する国の法的義務を減らせる。[5]
    • 法的拘束力が全くない国際協定はソフトローである。これらの協定は署名国の主権や独立性を保持しながらも協定の趣旨には賛同するという条件付きであることが多い。[6]
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    拘束力のない協定が外交関係を築くこともある。国際協定の拘束力の有無に関わらず、多数の国が協定の趣旨に賛同するときは賛同国が他国に対して応じるように政治的圧力をかけることができる。
    • 特定に国に対してのみ拘束力がある国際法もある。例えば、欧州人権裁判所が下す判決はその特定の案件に関する国のみを法的に拘束する。しかしその判決が類似案件を扱う他の裁判所や国際機関の意見を左右することもある。[7]
    • 当該国が詳細に関して反対することもあるが、ソフトローは多国間協定の広い原則を規定する。これらのソフトな協定は未来のハードな協定の基礎になる。[8]
    • 条約の趣旨には同意するが批准まで至れない国であっても、条約の全体的な推進力を守る国内法を採択することができる。

パート 2
言葉を分析する

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    詳細かつ的確な言葉を探す。一般的にハードローはより明確な言葉を用いるのに対し、ソフトローはより曖昧で一般的な要素を含み、理想や道徳的または倫理的原則に訴えかける言葉を用いる。
    • 明確な言葉で宣言することは該当国の義務範囲を理解するのに有効であり、将来の自己中心的または日和見主義的な行動を抑制できる。

    • ハードローは条件や義務の例外を示す明確な言葉を用いるため、協定の目的を覆す抜け道を利用する国が現れなくなる。
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    理想を述べる言葉と義務を生み出す言葉を見分ける。"する"や”しなければならない”という動詞は行動を要求することを意味するのに対し、”してもいい”や”することができる”という動詞は行動を許可されていることを意味する。
    • ハードローは当該国が遵守すべき要求や義務を含む。慣例的に、協定においては一定期間内に義務を果たさない国に対して制裁やその他の罰則を加える。
    • 対照的にソフトローは協定の範囲内で許可される事項を明記するが、特別な行動をおこさなければならないわけではない。
    • 協定が参加国に期間内に問題点や実現性の調査を約束する場合でも、具体的な措置を要求しない場合はソフトローである。
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    鍵となる用語が協定でどのように定義されているか把握する。国際法文書は外交官や首長、政府や業界のトップが解釈すべき命令的な言葉を用いる。ハードローかソフトローかを相対的に見極めるのに、定義の長さと特異性が重要である。
    • ソフトローは広義な用語を使い解釈に幅を持たせるのに対し、ハードローは規制の対象を詳細に述べる。ハードローの長い記述の例として、欧州連合が許可するフルーツジャムや類似製品に使う原材料の定義は12ページにも及ぶ。[9]
    • 全てのハードローに詳細な定義があるわけではない。例えば欧州人権条約には”非人道的で虐待的な待遇”といった鍵となる用語が多数あるが、解釈はいかようにもできる。それによって協定の草案が難航する場合など柔軟性をもたせることができる。[10]
    • 可能な限り用語を狭義に定義しておくと、後に自己中心的解釈を議論する余地を狭めグレーの領域を排除する。ただし、国々の共存のため異なる解釈を許容しながらも全体的に同じ概念に賛同する限りソフトローを作成できる。

パート 3
解釈と施行を理解する

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    協定解釈の責任がどこにあるか見極める。ハードローは慣例的に協定解釈の権限を独立第三者に委譲するのに対し、ソフトローは当該国に解釈を委ねる。
    • 拘束力のある解釈と紛争の解決を第三機関が生み出すのは国際組織では最も一般的で、その決定は加盟国に拘束力を持つ。例えば国際海洋法裁判所は1982年の国際海洋法条約によって国家間の紛争を解決する。
    • これらの国際裁判所の下す判決は、該当の紛争に関与する当事者のみに拘束力を持つ。 [11]
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    協定に含まれる施行手段を定める。国際法と国の主権が複雑に相互作用するため、これ以上ないハードローでさえも強制措置に欠けることがある。
    • 国連条約では、加盟国が集団武力を用いた協定の施行を理事国に要求することができる。これが国際法における最強の施行手段である。
    • 現実主義の法学者は国際法における施行措置の欠如を指摘し、すべての国際法が本質的にはソフトであると主張する。
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    協定が独立国際組織を作るのか、それとも利用するのか。
    • 欧州連合などの国際統治機関が最も強い施行力を持つ傾向にある。欧州連合には独自の政府機関もある。
    • ハードローは独自の機関を設けて協定を解釈し施行する。その例として、欧州人権条約は欧州人権裁判所によって解釈そして施行される。[12]

記事の情報

この記事はClinton M. Sandvick, JD, PhDが共著しています。 クリントン・M・サンドヴィックはカリフォルニア州にて7年間にわたり民事訴訟の弁護士を務めてきました。1998年にウィスコンシン大学マディソン校からジュリス・ドクター号(法務博士)を、2013年にはオレゴン大学から米国史の博士号を授与されています。

カテゴリ: 法律

他言語版:

English: Know the Difference Between Soft Law and Hard Law (International Law), Español: saber la diferencia entre el derecho indicativo y el derecho imperativo (derecho internacional), Deutsch: Den Unterschied zwischen Hard Law und Soft Law erkennen (internationales Recht), Français: faire la différence entre le droit international souple et le droit international dur, Tiếng Việt: Phân biệt luật mềm và luật cứng trong luật quốc tế

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