タイミングベルトの交換方法

共同執筆者 Jay Safford

この記事には:購入備品緩める取り付け

一般的にタイミングベルトの問題は予告なく発生します。故障の前兆となる軋み音もしません。調子よく走っていた車が突然ゴツンという音と共にエンジン停止してスタートできなくなった場合は、おそらくタイミングベルトに問題があるのでしょう。エンジンのタイミング設定は正確である必要があり、不適切だとバルブとピストンの衝突が起こり、とても高額なエンジンの修理が必要となります。タイミングベルトが壊れた場合でも、バルブがタイミングベルトの破損によって損傷されていないかをベルトを交換する前に確めておきましょう。タイミングベルトの破損がバルブの損傷につながるかどうかは自動車の整備書に記載されています。

パート 1
購入

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    新しいベルトを古いベルトの取り外し前に購入する 保守点検を行う場合は古いベルトの取り外し前に新品のベルトを用意しても良いでしょう。しかしベルトが壊れたり滑る場合は、購入するベルトが自分の車に適しているかを比較するため、新品の購入は古いベルトを取り外すまで控えましょう。
    • 大多数の車が旧来の鉄製タイミングチェーンではなく、ゴム製のタイミングベルトを用いています。タイミングベルトはどの自動車用品店でも数千円で入手できます。エンジンにより異なりますが、144,000~192,000km毎に一度はタイミングベルトの交換が必要でしょう。
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    車についての情報を集める 車の製造元やモデル、年式、さらにはエンジンタイプや排気量も調べる必要があります。同じ年式のモデルでも仕様が異なる場合があるため、車輌番号についての情報も役立つでしょう。新品のベルトはディーラーや自動車用品店で購入できます。
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    組立に必要なガスケットや専用接着剤も必ず購入しておく 必要となる物については部品を購入する店のスタッフが教えてくれるでしょう。滞りなく作業ができるように、交換用のガスケットをはじめとする必要な材料を揃えたタイミングベルト専用キットもあります。[1]

パート 2
備品

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    マイナス側のバッテリーケーブルを外す カーラジオのセキュリティコード(装備されている場合)がある場合は、修理後のリセットが簡単に行えるようにラジオ局の設定を確実にメモしておきます。
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    オルタネーターベルトを取り外す 車のモデルによりますが、事前にサーペンタインベルトを外さないとタイミングベルトに手が届かない車種もあります。ナットを緩め、必要ならばオルタネーターを押してベルトを弛ませてからベルトを外します。[2]
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    パワーステアリングのポンプ、オルタネーター、エアコン用コンプレッサー等の付属部品をすべて取り外してタイミングベルトのカバーに手が届くようにする エアコン用コンプレッサーに付いた気圧維持用の部品は取り外さないでおきます。これらの殆どは、システムの可動を妨げることなく緩めたり脇へ寄せることが可能です。タイミングベルトに手を届かせるため、必要ならばバルブカバーの構成部品も取り外しましょう。
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    ディストリビューターキャップが装着されている場合は取り外す ディストリビューターキャップを動かすために固定用クリップをこじ開ける必要があるかも知れません。また、キャップを押えているネジも全て外します。[3]
    • 電子イグニッションを採用する最近の車では、ディストリビューターに替えてカムとクランクシャフトのポジションセンサー(角センサー)を装備しているものが一部にあります。ここで重要となるのは、1番シリンダーの上死点(TDC)を見際めることです。上死点は車種により異なるため、エンジン修理マニュアルを参照しましょう。
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    タイミング(点火時期)マークを揃える クランクシャフトのボルトをレンチかソケットで回してエンジンを回転させ、クランク(シャフト)プーリーにあるタイミングマークがタイミングスケール(定規)の0度の印と一列に揃うように合わせます。
    • ディストリビューターのローター(回転部)が、ディストリビューターハウジングのインデックスマークと一列に揃い、1番シリンダーの点火位置に来ていることを示しているかどうかを確認します。揃っていない場合はエンジンを再度360度回転します。
    • ピストンとバルブが干渉し合っているエンジンの場合、ベルトに損傷がないと確信できない限りこの作業は行わないようにします。タイミングベルトの破損によるバルブ損傷が発生していない状態で、カムシャフトを回さずにクランクシャフトだけを回転させると、バルブを曲げる(傷める)ことになるでしょう。
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    タイミングベルトのカバーを外すためにハーモニックバランサーのプーリを外す必要があるかを見極める カバーがクランクシャフト先端上部を覆っているため、プーリーを事前に外さないとカバーが外せないことが多々あります。このような場合には追加のシールがカバー装着時に必要となり、更にはクランクシャフトプーリー及びギアの脱着・アラインメント用特別工具も必要となることを覚えておきましょう。
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    タイミングカバーを所定の位置に固定するボルトやネジを外す エンジンからこのカバーを外します。2つに分割されたタイミングカバーのあるエンジンもあります。タイミングベルトのカバーを外す上で邪魔になる構成部品や付属のドライブベルトがあれば全て取り外します。車種によって取り外すべき部品は異なるため、整備書で確認しましょう。
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    クランク及びカムシャフト上のタイミングマークのアラインメントを点検する 殆どのエンジンのプーリー及びスプロケット(あるいは両方)には、点か指標線が記されています。これらの印は、ブロックやシリンダーヘッドあるいは付属のシャフト上に記された、対応するマークと一列に揃えるためのものです。カムシャフトのスプロケット上に記されたインデックスマークが、1番カムシャフト・ベアリングタワーの分離線と一列に揃うエンジンもあります。
    • これは破損したタイミングベルトを交換する場合にとても重要となります。車種に合わせた正しいアラインメントの調整方法を整備書で確認し、新しいタイミングベルトの装着前に不適切な点は全て修正しておきましょう。これらのマークをタイミングベルトのカバーに付いたラベルに記しているエンジンもあります。
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    ベルトの周辺のオイル漏れを調べる カムシャフト及びクランクシャフトのシール周り、またバルブカバーとオイルパンの周辺も点検します。ウオーターポンプ及びポンプ用のホースからのクーラント漏れも点検します。漏れは新しいベルトの装着前に直すべきでしょう。

パート 3
緩める

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    整備書を参照しながら、ベルトテンショナーを固定する据付けボルトを専用のカム固定工具で緩める テンショナーを完全に取り外すのは交換する場合だけにします。その代わりに、ベルトからバネ付きテンショナーを遠ざけるように回し、緩めた位置で据付けボルトを締め直して固定しておきましょう。
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    テンショナープーリーの亀裂やへこみ傷などを点検する テンショナープーリーを回し、ベアリングの緩みや磨耗を示す「ガタガタ」あるいは「ブーン」という音がしないかを確認します。古いタイミングベルトの内側の減り方にバラツキが見られる場合は、ベアリングの磨耗によるテンションプーリーとタイミングベルト間のミスアラインメント(不揃)が発生しているかも知れません。
    • ベアリングの破損や劣化の徴候があるときはテンショナープーリーを交換します。恒久的に油が塗られた状態のテンショナープーリーのベアリングは、乾燥や摩耗、緩み、破損、凍結が起きることがあるため、古いものは交換するのが最善策でしょう。

パート 4
取り付け

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    スプロケットからベルトを滑らせて外す タイミングベルトの張りを弛めると、ベルトは簡単に滑らせてスプロケットから外せます。長期間使用してきたタイミングベルトはプーリーの溝にへばり付き、ネジ回しで優しくかき出さないと外れないことがあります。新しいベルトの装着作業に移る前に、タイミングベルトのプーリー及びウオーターポンプも交換する必要があるかを調べておきましょう。
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    新しいベルトに交換して組み立てる エンジン整備書に示されたトルクに関する仕様に特に注意し、タイミングベルトに適度のトルクをかけていきます。中でも特に強いトルクが要求されるクランクシャフトプーリーの据付けボルトの締付けには注意を払いましょう。
    • 油圧式タイミングベルトテンショナーを装着している場合は、ツメ(固定用クリップ)を外した後にピストンをシリンダー内部に押し込むために、テンショナーを取り外す必要があるかもしれません。万力に挟み、穴が一列に揃って固定用ピンが穴に通せるようになるまで圧縮します。、ピンが一度所定の位置に納まり、ベルトをピン(テンショナーがタイミングベルトを張るために引張られたピン)と共に取り付けたら、テンショナーを再装着できます。

ポイント

  • 相応の出費にはなりますが、特定車種とエンジンに合ったベルト交換法に触れているディーラーマニュアルを初心者は買うべきでしょう。このマニュアルはメカに対するある程度の専門知識があると想定されるプロの整備士用で、ベルトテンショナーのバルブやボルトに掛けるトルク、留め具の位置などについて非常に詳しく書かれています。
  • 常にメーカーとモデルに関わる特有の指示に従うことは、メカにあまり慣れていない場合には特に重要となります。ディーラーマニュアルは安いものではありませんが、元は一回の修理代で取り戻せるでしょう。
  • バネ付(実装)タイミングベルトテンショナーを外せばすむ車に対し、モーターのマウントでテンショナーの据付けボルトが隠れ、特別工具を使用しないとボルトに届かない車種があります。大多数のエンジンで用いられているのが一般的なソケットとレンチで動かせるバネ付テンショナーですが、オスの六角レンチを必要とする車も中にはあります。
  • タイミングベルトが破損した場合、ベルトの破損によるエンジンバルブの「曲げ」が起きていないかを見極める必要があります。バルブが曲がってしまった場合はさらに大掛かりな修理が必要となります。これを引き起こすエンジンは「干渉エンジン」と呼ばれ、ベルト破損時にバルブとピストンが接触します。一方「非干渉エンジン」と呼ばれるものではベルトの破損によるバルブとピストンの接触は起きません。
  • タイミングベルトは消耗品です。保全管理面からみて97,000kmから127,000km毎にベルト交換をするのが良いでしょう。干渉エンジンにおいては、ベルトの破損による同期性の逸失でバルブとピストンの衝突が発生し、高額な修理に繋がり兼ねません。適宜のベルト交換実施がこのような出費を避けるため最善策といえます。ベルト破損によるエンジンへの大ダメージが発生するまで『待つ』のは止めましょう。
  • バルブとピストンを同期させるのがタイミングベルトの仕事です。タイミングが狂ったエンジンベルトはピストンとバルブの接触を引き起こします。ちょうど第一次世界大戦中の戦闘機の機関銃のようなもので、タイミング調整のメカニズムがなかったら、自分のプロペラを打ち砕いてしまうのと同じです。

必要なもの

  • 取り外す様々なボルトやナットに適したレンチ
  • ネジ回しやバール、また活用可能なその他工具
  • 自車用の整備書:可能ならば具体的なトルク仕様とタイミングに関する記載があるもの
  • 新品のタイミングベルト、ガスケット、接着剤及びシール
  • ウオーターポンプやオイルシール等の追加必需部品

記事の情報

カテゴリ: 自動車

他言語版:

English: Change a Timing Belt, Español: cambiar la correa de distribución, Français: changer une courroie de distribution, Русский: заменить ремень ГРМ, Português: Trocar uma Correia Dentada, Italiano: Cambiare una Cinghia di Distribuzione, Deutsch: Einen Zahnriemen wechseln, Bahasa Indonesia: Mengganti Timing Belt, العربية: تغيير "سير توقيت" محرك السيارة, Čeština: Jak vyměnit rozvodový řemen

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