愛車のバッテリー内にある電解液(「ただの」水ではありません)の量を定期的に確認するための大変重要な理由として、2つがあげられます。1つは自然蒸発と、もう1つはバッテリーの充電毎に、少量の電解液が水素と酸素に電解されることによる電解液の減少です。愛車のバッテリーを安全に確認してバッテリー液を補充する方法を知っておくことは車のメンテナンス上不可欠です。ご自身と愛車の両方を痛めることなくバッテリー液の量を調べるには、下記の詳細な説明にあるステップ1から始めましょう。

パート 1 の 4:
バッテリーの清掃とセルキャップの開栓

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    バッテリーの位置を確認しましょう。大半の車では、ボンネットを開けるだけでバッテリーにアクセスできます。
    • バッテリーによっては、エンジンルーム下部の、フロントバンパーの後ろ側と前輪の間に位置するものがあります。そのような時は車の底部からアクセスして、整備のためにバッテリーを取り外さなければなりません。
    • BMWやメルセデス•ベンツの大半とその他いくつかの車種では、バッテリーはトランクの隔離された仕切り内に取り付けられています。
    • キャデラックの特定のモデルのように、バッテリーが後部座席の下部に取り付けられているものもあります。
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    清掃しましょう。液量を確認する前に、バッテリー上部とバッテリー端子の周辺に付いた汚れや屑を取り除きます。この作業は、セルキャップの開栓時に、バッテリーセル内に異物が落下しないようにするために大変重要です。バッテリーの付近にある金属の腐食遅延や防食にも効果的なため、バッテリーの表面は清潔に保ちましょう。
    • 路上から拾う汚れやわずかな腐食の清掃一般には、アンモニア系のガラス洗浄剤を用います。洗浄剤は、バッテリーに直接ではなく、ぼろ布に吹き付けてから汚れを拭き取ります。ペーパータオルの利用も可能ですが、その際は、タオルがバラバラにほぐれてしまう前に取り替えます。
    • 重度の腐食には、重曹と水を混ぜたペーストを使用します。この際も、直接バッテリーに重曹を塗布するのではなく、濡れたぼろ布につけてから汚れを拭き取りましょう。ぼろ布に重曹をつけて拭く作業を何度も繰り返す必要があるかもしれません。その後、ガラス洗浄剤でボロ布を湿らせて、重曹を拭き取りましょう。バッテリーの外部に重曹が残っていると、端子や周辺にある金属類の腐食が早まります。
    • ここで先走りをしないようにしましょう。清掃のこの段階で必ずバッテリーセルの開口部を覆います。洗浄剤がセル内に落ちたり流れ込んだりしないように注意をしましょう。
    • 注記:望むのであれば、清掃とメンテナンスを行う前に車からバッテリーを取り外して、作業が終わった後にバッテリーを取り付け直すこともできます。特にバッテリーが手入れのし辛い場所にある時には、この方法が安全です。ただし、バッテリーを取り外すと、一部あるいは全ての電装類(時計やラジオ放送局のプリセット等)が初期化されます。車からバッテリーを取り外さずに整備ができるのであれば、全体としては多くの整備時間が節約できるのが普通です。
    • バッテリーからバッテリー端子を取り外して、熱湯を入れたカップに端子を浸す方法もあります。熱湯が腐食部分を溶解するため、表面が綺麗になります。バッテリーに端子を取り付け直す前に、端子が「完全に」乾いていることを確認しましょう。
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    バッテリーセルを開けましょう。通常、それぞれのバッテリーセルの開口部を塞ぐために、細長い長方形をした2個のプラスチック製カバーが取り付けられています。カバーは、プラスチック製のパテナイフかネジ回しで徐々に抉り開けます。カバーがすぐに緩まない場合は、カバーの外周部を数箇所抉ってみましょう。
    • バッテリーによっては、6個の独立した丸型カバーがついているものがあります。この場合は、カバーを反時計周りに回して取り外します。
    • 「メンテナンスフリー」のラベルが貼られているバッテリーは、カバーを開けるように設計されていません。メーカーは、こうしたバッテリーにバッテリー液を追加しないように助言しています。バッテリーの性能が落ちた時は、交換しなければなりません。
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    必要に応じて清掃を続けましょう。セル開口部のカバーを開けると、さらに汚れが見つかるかもしれません。ガラス洗浄剤で湿らせたぼろ布を使って、開口部から汚れを拭き取りましょう。
    • セル開口部の清掃には、重曹を使ってはいけません。少量のガラス洗浄剤を使い、開口部から異物(洗浄剤や汚れ、ペーパータオルの屑など)が混入しないように細心の注意を払います。
    • この手順を省かないようにしましょう。バッテリーの上部を清掃しておくと、腐食の再発低減に役立ちます。これは、良好な接続性を保つためのバッテリーメンテナンスに不可欠な工程です。
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パート 2 の 4:
残存液量の確認

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    それぞれのセル内の残存液量を比較しましょう。開口部から覗き込むと、個々のセル内の残存電解液量が分かります。各セルは、等量の電解液で覆われているはずです。
    • 残存液量が等量でなければ、それは以前に誤って液を入れすぎたせいかもしれません。その場合は、通常の整備間隔で入れすぎた液量が正常な範囲内まで下がってから、適量を補充します。
    • 残存液量が明らかに不均一であれば、少量の液漏れか、ケース割れが考えられます。その場合は、バッテリーの交換が必要です。目立った漏れがなければ、蒸留水「のみ」を用いて最大安全量までバッテリーセルを満たし、数週間後にもう一度、均一な液量を保っているかどうかを確認します。
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    電解液量が減少しているかどうかを確認しましょう。電極の一部が空気に触れているようならば、電解液は少なすぎます。電解液が電極を完全に覆っていないと、バッテリーは十分な能力を発揮できません。
    • 電極が空気と接触すると、数日の間に接触部分が劣化します。
    • 電解液の液面が電極の上部より1cm程度下にある場合は、電極全体が覆われるまでバッテリーに水を補充すると、若干容量は落ちますが、使用可能な状態に戻せます。(水の補充方法については、当wiki記事のパート3を参照しましょう。)それ以上電極が露出していた場合は、バッテリーの交換を考慮する必要があるでしょう。
    • 電解液が少ない理由は、過充電にあるのかもしれません。その際は、整備工場でオルタネーターを点検してもらうことを検討しましょう。
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    電解液が正常な量であるかどうかを確認しましょう。電解液の液面が電極上部の1cm程度上にあるか、セル開口部からセル内へ延びるフィラーチューブの下部から3mm程度下にあれば、液量は正常です。
    • この場合はバッテリー液を補充する必要はありません。キャップを元に戻して、3ヶ月後に再び点検を行います。
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    電解液が上限量であるかどうかを確認しましょう。安全上限液量は、フィラーチューブの下部にちょうど触れる程度です。
    • フィラーチューブの下部側壁付近には、大抵1組の切り込みが設けられています。そのため、チューブが電解液に接触すると、メニスカス(チューブの縁にある液が若干もりあがる現象)によって、液面に目のような形状をした特徴のある模様が生じます。チューブが液面に接していないときには、メニスカスは生じません。
    • 目のような形状のメニスカスは、補充をやめる目印として設計されています。液量とメニスカスが生じているかどうかをはっきりと見るために、懐中電灯を用いる必要があるかもしれません。
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    上記の液量は、自動車用鉛酸バッテリーにのみ適用されることを念頭に置きましょう。当記事に含まれる情報と異なる場合には、常にバッテリー販売店もしくはメーカーのアドバイスに従います。
    • ゴルフカート用や床洗浄機用バッテリー、ニッカド電池には、異なる電解液量が必要かもしれない点に注意しましょう。
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パート 3 の 4:
液量の調整

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    セルに注ぐ水は、蒸留水に限定しましょう。蒸留水は、大半の薬局や自動車用品店で購入できます。セル内の電解液量が少ない(電極が露出している)場合は、各セル内の電極全体が覆われる程度に蒸留水を補充します。充電器を使用してバッテリーを充電するか、通常と同じように数日間自動車を運転します。蒸留水の補充は、バッテリーが満充電時に、安全最大量であるフィラーチューブの下部と液面がちょうど接触する程度にとどめます。
    • セルに蒸留水を補充する際は、清潔なじょうごやスポーツドリンクボトル、大型のスポイト等を用いて、流量の制御と正確な液量の最終調整が確実に行えるようにします。ごみや洗浄剤がセル内に入らないように、特に注意を払わなければなりません。
    • 蒸留水以外の水道水や井戸水、濾過水といった水は、ミネラル分や化学物質(市水であれば塩素など)、あるいは他の不純物をセル内に持ち込むため、バッテリーの寿命が短くなります。[1]
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    バッテリーが弱っていたり、あがっている時は、水でセルを充填するのは避けましょう。バッテリーが弱っていたり、あがっているために水を補充するのであれば、電極をちょうど覆う程度にします(あるいは液量が正常値内であれば、そのままにしておきます)。
    • バッテリーが弱っていたり、あがっている状態で充電を行うと電解液量が増加するため、バッテリーを充電する際には、液量増加分の隙間を残しておきましょう。(満充電のバッテリーには、この現象は生じません。)
    • 電解液量は、バッテリーが熱くなる時にも増加します。
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    こぼれた水を拭き取り、閉栓しましょう。バッテリー全体が汚れやごみのない状態であることを確認した後、きれいにしたセルキャップをバッテリーに戻します。
    • 誤ってバッテリーに水を入れすぎた時は、バッテリー上部に電解液があふれ出ていないのであれば、補充をやめてそのままにしておくのが最善です。バッテリー上部に電解液があふれ出ている場合は、あふれ出た液が酸性であることを念頭におき、肌や服に付着しないようにしましょう。
    • ぼろ布かペーパータオルでセル開口部から電解液を拭き取ります。ぼろ布やペーパータオルが、したたり落ちるほど電解液を吸収して、自動車の一部や他のものに液が垂れないようにしましょう。バケツに入った水で、ぼろ布やペーパータオルをすすぎます。手袋をして、手に水が付かないようにしましょう。
    • 作業が完了した後、すすぎ終わったぼろ布やペーパータオルは、普通のごみと一緒に捨てます。周りに飛び散らないように気をつけながら、下水にバケツの水を流します。酸の残留物が周りの物に付着しないように気をつけましょう。最後に、ガラス洗浄剤を湿らせたぼろ布で、あふれ出た電解液が接触したところすべてをきれいに拭きます。
    • 過補充をしたバッテリーは、ひと月の間毎週、電解液があふれ出ていないかどうかを目視で確認して、必要があれば、上記に記した方法であふれ出た液を拭き取ります。
    • 過補充であふれ出た電解液のために失われる硫酸量は、バッテリーの稼働にとっては無視できるほどごく少量です。硫酸の流出分は、補充しない方が良いでしょう。(酸の不足よりも過剰な酸の方がバッテリーの寿命を縮めます。)
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パート 4 の 4:
安全に対する十分な注意

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    目の保護のために安全ゴーグルを着用しましょう。バッテリー内の電解液は硫酸であるため、液が一切目に入らないようにするのは非常に重要です。電解液が目に入ると、重大な障害あるいは失明を起こす可能性があります。[2]
    • コンタクトレンズは目の保護にならないばかりか、問題を複雑にしかねません。通常のメガネは側面の遮蔽物が欠けているため、十分な保護にはなりません。
    • そのため、安全ゴーグルの着用は不可欠です。安全ゴーグルは、大半のホームセンターで購入できます。
  2. 2
    手の保護のために、使い捨て手袋を着用しましょう。少なくとも数分の間、流酸に持ちこたえられる種類の手袋を選択します。こうした手袋は、ホームセンターで取り扱っています。
    • ラテックス製やビニール製の手袋は、耐酸性に欠けています。ラテックス製やビニール製の手袋を使用する際は、電解液の飛沫がかかったら直ちに手袋を取り替えましょう。一定の時間がたつと、電解液の飛沫は手袋に浸透するため、皮膚が火傷を起こします。
    • ネオプレン製の手袋は1時間以上の耐酸性がありますが、一般のホームセンターでは見つけにくいかもしれません。ニトリルは、ネオプレンとは異なります。ニトリル製の手袋は、硫酸に対する耐性がラテックス製の手袋よりも劣るため、使用すべきではありません。
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    自分の肌を保護しましょう。着古した長袖の服と長ズボン、つま先を露出しない履物で肌をできる限り覆います。電解液の飛沫が服にかかると、1-2週間で繊維が腐食して穴が開くため、捨てても構わない古着を着用しましょう。
  4. 4
    電解液が皮膚に付着した際の対処法を覚えておきましょう。電解液の飛沫が皮膚に付着した際は、直ちに流水と石けんで洗い流します。
    • 肌のいずれかに灼熱感やピリピリ感がある場合は、電解液の飛沫がかかったのかもしれません。電解液は少量で火傷を起こします。
    • 手遅れになるまで、発赤や怪我に気がつかないかもしれません。電解液の付着が疑われる場合は、危険を冒さずに作業を一旦中止して、直ちに付着箇所を洗浄しましょう。
    • 作業が完了した後、使用済みの手袋とぼろ布はすべて廃棄します。他のものに接触したままにすると、接触物にダメージを与える場合があります。
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ポイント

  • ご自身で何をしているのかを理解できないときは、整備士に愛車を見てもらいましょう。多くの自動車用品店では、無償でこうした整備を行ないます。
  • バッテリーの整備を行う際は、清潔でごみのない状態に周囲を保ちましょう。
  • 自動車のエンジンがかかっている間は、セルキャップを決して外してはいけません。
  • 目を確実に保護しましょう。バッテリーの酸は腐食性が強く、失明する恐れがあります。
  • バッテリーセルの液量を確認したり、液の補充を行う際は、安全ゴーグルを着用しましょう。
  • セルキャップを外す際には、幅3cm程度のプラスチック製パテナイフを用いましょう。プラスチック製のパテナイフは、大半のホームセンターや住宅用塗料を販売しているお店で入手できます。代わりに、絶縁ハンドルがついたネジまわしの利用も可能ですが、誤ってネジまわしの金属部分が周りの金属部分に接触しないように注意をします。接触すると火花が発生して、バッテリー内の水素ガスに引火する場合があります。
  • バッテリーをきれいにしましょう。汚れ、特にバッテリーから発生する酸性の蒸気にさらされる汚れは、水分を吸収してわずかに伝導性を帯びます。汚れを通してバッテリーの外側表面に電流が流れるため、周辺の金属部品が腐食します。

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必要なもの

  • 安全ゴーグル
  • 手袋 ネオプレン製が最善です。ラテックス製やビニール製も許容範囲ですが、ニトリル製はバッテリーの酸に対する耐性がありません。
  • ぼろ布もしくはペーパータオル
  • 蒸留水
  • スポーツドリンクボトルか大型のスポイト、もしくはじょうご
  • アンモニア系ガラス洗浄剤
  • 重曹 (バッテリー端子に重度の腐食が見られる場合)
  • 幅3cm程度のプラスチック製パテナイフ(任意) セルキャップをこじり開ける際に用います。 絶縁ハンドルがついたネジまわしを慎重に用いる方法もあります。

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このwikiHow記事について

Rocco Lovetere
共著者
熟練整備士
この記事の共著者 Rocco Lovetere. ロコ・ラブティアは、カリフォルニア州の自動車修理所、「Rocco's Mobile Auto Repair」の共同経営者、そしてASE公認自動車技術士の資格を保有する熟練整備士です。1999年より自動車修理の仕事に従事しています。 この記事は42,695回アクセスされました。
カテゴリ: 自動車
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