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電気自動車やハイブリッド車を除く大半の車には運転手のハンドル操作を楽にするための油圧式パワーステアリングが装着されています。パワーステアリング機構はラックアンドピニオン、ピストン、リザーバータンクで構成されています。ラックアンドピニオンは前輪につながっています。ラックアンドピニオン内部にはピストンがあり、ハンドル操作を可能にするパワーステアリングポンプからの油圧で作動しています。また、パワーステアリングフルード(液)の入ったタンクはポンプに装着されているか、手の届きやすい別の場所に取り付けられています。(フルードが不足するとハンドル操作が難しくなり、緩衝剤の役割を果たすフルードなしではポンプやラックアンドピニオンに損傷が生じる可能性があります)パワーステアリングフルードの量は定期的にチェックして、必要があればフルードを追加しましょう。

ステップ

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    リザーバータンクの位置を確認します。ハンドルが重いと感じるか、ハンドルをまわすとパワーステアリングから甲高いうなるような音がするようなら、パワーステアリングフルードが不足していると考えられます。パワーステアリングフルードはリザーバータンクの中にあり、タンクはステアリングポンプ近辺に取り付けられているか、離れた場所にある場合はチューブでポンプとつながっています。必ず明確な表示があるはずです。タンクはプラスチック製か金属製のどちらかでしょう。
    • タンクの位置が分からない場合は、オーナーズマニュアルを参照して位置を確認しましょう。パワーステアリングのリザーバータンクは大半の車で同じような位置に取り付けられていますが、新しい車種では、コストやスペース削減のために旧型車種とは異なる位置に取り付けられていることがあります。
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    パワーステアリングフルードの量をチェックします。タンクが半透明のプラスチック製の場合、タンク内のオイル残量が目視できます。リザーバータンクが金属製や中が見えないプラスチック製の場合は、タンクのキャップについているレベルゲージでチェックします。
    • 車種によっては、しばらくエンジンをかけたままにした後でないとフルードの量を測ることができないものや、アイドリングの最中にハンドルを左右に何度か切る必要があるものもあります。
    • その他の車種では、レベルゲージに段がついていたり、エンジン暖機時には「HOT」、エンジンをしばらく停止していた後には「COLD」という表示の出るタンクもあります。さらにはフルードの許容量の「最高」「最低」レベルを示すタンクもあります。必ず正しい表示レベルを基準にしてフルードの量を確認しましょう。
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    パワーステアリングフルードの残量をレベルゲージで調べます。レベルゲージでパワーステアリングフルード量を確認する場合は、まずリザーバータンクから取り出したレベルゲージに付着しているオイルを一旦拭き取り、もう一度タンク内に完全に戻してから、再度取り出してレベルを調べます。
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    パワーステアリングフルードの色をチェックします。汚れていないパワーステアリングフルードは透き通った飴色か淡いピンク色をしています。
    • パワーステアリングフルードが茶色や黒色に変色している場合は、ホースやシール、Oリングのゴムなどの破片がタンクの中に入り込んでフルードを汚していることを示しています。愛車を整備工場に持ち込み、フルードの交換とともに、パワーステアリングの部品交換が必要かどうかも相談しましょう。
    • パワーステアリングフルードは実際の色より濃く見えることがあります。レベルゲージを拭き取った時のぼろ布か、紙タオルについたフルードのしみの色を観察しましょう。しみの色が適正な色をしていれば、フルードは汚れていないことになります。
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    適正な量までフルードを追加します。リザーバータンクに目印がついている場合は「HOT」もしくは「COLD」と記された正しい位置までフルードを追加します。レベルゲージで注入量を測る場合は、徐々にフルードを追加して、リザーバーからフルードがあふれ出ないように気をつけましょう。
    • 愛車のパワーステアリング機構に適した粘度(濃度)がある推奨されたパワーステアリングフルードのみを用いるようにしましょう。
    • メーカーは、トランスミッションフルードをパワーステアリングフルードの代わりに使用することを推奨していません。フルードには多くの種類があり、間違ったフルードを使用するとパワーステアリングやシールを傷めることになるかもしれません。
    • パワーステアリングフルードをタンクに入れすぎないように注意しましょう。入れすぎるよりは少し足りないぐらいのほうが良いでしょう。パワーステアリングフルードは、温度の上昇とともに膨張してその機能を発揮します。フルードを入れすぎた状態で運転すると、膨張によって過剰な圧が発生し、高価な修理が必要となるダメージを引き起こすかもしれません。
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    タンクキャップを元に戻します。キャップを押し込むかねじ込むかは車種により異なります。ボンネットを閉める前に、キャップがしっかり締まっていることを確認しましょう。
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ポイント

  • パワーステアリングフルードの汚れを定期的に点検しましょう。急激にタンク内のフルード量が減少したり、頻繁にフルードを追加しなければならない場合は、パワーステアリング内のどこかに漏れが生じていることが考えられます。ハンドルを切る際にノイズが聞こえるようであればフルード不足です。
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注意事項

  • パワーステアリングフルードはオーナーズマニュアルの指示に従った間隔で交換しましょう。フルードの性能はエンジンや使用環境によって時間の経過と共に劣化し、パワーステアリングの部品の消耗原因となります。フルードの交換はパワーステアリングポンプやラックアンドピニオンの交換よりずっと安価に済みます。
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必要なもの

  • ぼろ布か紙タオル
  • じょうご
  • パワーステアリングフルード

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出典

  1. http://news.carjunky.com/car_maintenance/how-to-check-power-steering-fluid-cdh085.shtml
  2. http://www.automd.com/40/how-to-check-power-steering-fluid/
  3. ロドニー・ラフ、ネブラスカ州オマハ。ラックアンドピニオンの漏れに対処しなければならなかった個人的経験。

このwikiHow記事について

HM
共著者 ::
自動車修理・デザインスペシャリスト
この記事の共著者 : Hovig Manouchekian. 自動車修理・デザインスペシャリストのホヴィグ・マナウチェキアンは、1925年創業の家族経営自動車修理工場「Funk Brothers Auto」マネージャーです。自動車業界での経験は30年以上、自動車修理とメンテナンスを専門としています。エンジン修理、バッテリー交換、フロントガラス周りの部品交換やメンテナンスなど、よくある車のトラブルに造詣が深く、その豊富な経験と真面目な働きぶりで、同社がアンジーズ・リストのスーパーサービス賞を5年連続受賞する原動力となりました。 この記事は26,747回アクセスされました。
カテゴリ: 車・乗り物
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