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ファッション関係に限らず、自身のオリジナルブランドの立ち上げは、これぞ『夢とビジネスのコラボレーション』に他ならないでしょう。幼い頃「大人になったら〇〇になりたい」と漠然と思い描いていた夢も、年齢を重ねる中、次第に夢と現実を区別して捉え始める人が大半でしょう。しかしながら今日世間の注目を集め、大成功を収めているオリジナルブランドも、最初は名も知れぬ人物が、自身の夢を具現化すべく、小さな1歩を踏み出すところからスタートしています。夢を提供することで自身の夢を叶える、大きな可能性に期待感が高まるオリジナルブランドですが、ビジネスとしてこの業界に参入する以上、踏まえておくべきノウハウは少なくありません。経営者すなわち責任者として、立ち上げに際して押さえておくべきポイントや、見過ごしてはならない注意点などを確認し、心躍るチャレンジに踏み出しましょう。

方法 1
方法 1 の 4:

ビジョンを描く

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    これからの展開を見据える 新たなビジネスにチャレンジする以上、個人差こそあれどそこには「成功して儲ける」という目的が必要で、利益が出せなければビジネスとして成立しているとは言えません。とりわけ「夢だから」「好きだから」など、個人の価値観や想いが占める比率が高いオリジナルブランドの立ち上げも、世間的にはビジネスと位置づけられる以上、それは同じです。「ビッグビジネスに育て上げて成功を収めてみせる」のか、あるいは「オリジナルブランドを世の中に供給することが夢の実現で、その先は赤字にさえならなければ満足」なのか、見据えるゴール地点は人それぞれで当然です。たとえば想定するビジネスの規模により、準備すべき資金、製造販売の規模やルートなどは自ずと異なります。まずは机上の青写真として、今後どのような展開を望むのか、子どもの頃に夢を膨らませたように、近未来の自分の姿を思い描いてみましょう。
    • こうして見据えたビジョンに手を加えながら、段階を踏んでビジネスへとその形を整えていきましょう。この作業は現実を前に、夢を1つずつ削り落とす(断念する)作業ではなく、現実を冷静に見据えつつ、夢とビジネスを両立させる方法を模索する作業です。
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    メリットを確かめる 次にこのチャレンジがあくまでビジネスである点にも視線を合わせ、自身にとってのメリットをすべて挙げて検証しましょう。オリジナルブランドを取り扱うことで、コンセプトから商品の製造工程、供給方法にいたるまで、自身の判断でビジネスを展開できるメリットは、大きなやりがいにつながります。次にオリジナルブランドの立ち上げに際しては、特別な資格を必要としない、さらに誰にでもチャンスが与えられているという点も見過ごせません。取り扱う商品が準備できれば、実店舗を構えなくとも、オンラインショップやSNSを通じた販売が可能です。このようにオリジナルブランドビジネスは、開業に際して勉強して資格を取得するなど、プラスアルファの下準備が求められない、誰もがチャレンジできる間口の広さが魅力です。
    • 古着などの中古品を扱う場合には、所轄の警察署に古物商許可申請からの取得が必要です。[1]
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    デメリット(リスク)を検証する 業種を問わず未知なるビジネスに新規参入する以上、自身に想定されるデメリット(リスク)と冷静に対峙の上、より具体的な事業計画を練り上げる作業が求められます。ここで混同してはならないのが、デメリットの検証作業と物事を消極的に捉えてしまう、誤った慎重な姿勢です。たとえば資金繰りに窮してしまい、取引先関連への支払いが滞ってしまえば、ビジネスそのものが止まってしまうだけでなく、社会的信用も失いかねません。その原因がたとえば2020年の新型コロナウイルス問題など、自身ではどうしようもない出来事であった場合、こうした展開を過剰に恐れてしまっては、夢に向かって歩み出すことはできません。さまざまな視点から想定される限りのリスクを洗い出し、どのような対策が講じられるのか、望まぬ展開を回避すべく注意すべき点が何であるのかなど、事業を継続させる上で必要な『次の一手』を考えてみましょう。
    • この作業を通じ、自身の中に「怖さ」が勝ってしまったのであれば、残念ですが一旦棚上げする選択も、勇気ある正しい判断です。オリジナルブランドの立ち上げには年齢制限はありません。今後の人生経験を通じ、「今がその時」と直感したタイミングで再チャレンジしたとしても、遅過ぎることはありません。
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方法 2
方法 2 の 4:

立ち上げのパターンを知る

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    業界で経験を積んで立ち上げる 業界での勤務経験をきっかけに、オリジナルブランドを主軸商品に据えた独立開業を考える人は少なくありません。商品の企画、発注、仕入れ、店舗運営など、ビジネスの基礎となる実務知識と自身の経験値に一定の自身があれば、一国一城の主として勝負してみたいと考えるのは自然な流れでしょう。今日トップブランドとして各ジャンルで多くのファンを魅了するオリジナルブランドも、こうしたスタートから今日の地位を確立しているという経緯を思えば、挑み甲斐は十分と感じられて当然です。就活の結果として入社した業界の仕事に興味を抱き、その道で経営者としての成功を目指す人も含め、最も一般的なパターンであると考えられます。
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    専門知識を学んだ上で立ち上げる 趣味が高じた結果、自ら積極的に関連する専門知識を学び、結果として先述の業界従事者に相当する知識を有する人もいます。最初はブランド品そのものに興味を有するところから始まり、気づけばビジネスを含めた、より広い部分に興味を抱く流れもまた、多くの人の心を虜にする、ブランド品と称される存在ならではの魅力でしょう。あるいはこうしたブランド品の魅力に大きな可能性を感じ、将来的にオリジナルブランドを立ち上げる、ブランド品とビジネス双方を当初から視野に入れ、計画的に準備を進める人も見られます。ただし業界における人脈や実務経験が不足しがちなので、商品関連の知識以外にも、組織の運営や数値管理など、ビジネスを円滑かつ継続的に運営する知識の習得が望まれます。[2]
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    未経験から独学で立ち上げる 業界勤務や専門的に学んだ経験を持たずして、いわば「好きが高じて」「情熱に任せて」オリジナルブランドを立ち上げることは、決して不可能ではありません。自分なりの明確なコンセプトがあり、それが消費者に受け入れられる流れとなれば、自身のブランドを世に送り出すことは可能と言えるでしょう。しかしながら中長期的な事業計画を持たず、出たところ勝負で自身のやりたいように商品を市場に供給するばかりでは、いわゆる固定ファン層の育成は期待できません。さらに経営面の知識が不十分で、金銭面のトラブルにつながるリスクを招いてしまうなど、いわゆる「素人経営」「お店屋さんごっこ」に終始せぬよう、経営者足るべき勉強に勤しむ姿勢が求められます。
    • 自社ブランドを目指す未経験者を対象とした講座など、ノウハウを学ぶ姿勢に応えてくれる相談会が注目を集めています。内容を十分吟味の上でこれらを活用するのも一案です。[3]
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方法 3
方法 3 の 4:

成功に導くポイントを踏まえる

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    失敗例を検証する 人は誰もが無意識のうちに、憧れの存在に近づきたい・近づこうとしてしまう傾向があり、これが新たなブランド立ち上げに、大きな負の作用をもたらすケースがあります。いわゆる「人気ブランドのそっくりさん」「二番煎じ狙い」と映ってしまうケースで、そこに盗作などの悪意が一切存在せずとも、エンドユーザーが好意的に迎え入れてくれる展開は期待できません。新規ブランドを市場に浸透させ、立ち位置を確保するためには、既存のブランドとは一線を画し、なおかつ奇をてらい過ぎない、絶妙なさじ加減の個性が求められます。自身のブランドのコンセプトを、より綿密かつ入念に練り上げる必要がある大きな理由が、ここに歴然と存在しています。またこのオリジナリティーに関しては及第点をクリアしていたとしても、以下に挙げる注意点を見過ごしてしまった場合、事業を軌道に乗せることが難しくなり、軌道修正が必要となる可能性が高まります。[4]
    • 市場のニーズを無視した商品の製造供給 どれだけ自信作であったにせよ、それが「ひとりよがり」「自画自賛」に終始してしまっては、エンドユーザーの心を掴むことは叶いません。ターゲットとなるユーザー層や購買力など、市場のニーズを無視した商品供給では、結果的に不良在庫を増やしてしまうリスクが避けられません。
    • 広く浅い無計画な品揃え より大勢のエンドユーザーのニーズに応えようとするあまり、より多くの種類の商品を揃えようとした結果、製造コストが高くなってしまい、ビジネスとして成り立たなくなってしまう展開には要注意です。小ロッド製造は原価を高くしてしまうため、立ち上げ当初は主力商品を絞り込み、状況を見ながら品揃えを充実させていく対応が大切です。常に市場のリサーチを怠らず、売上の上昇比率とかけ離れない範囲で、少しずつ慎重にカテゴリーを拡大させましょう。
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    成功体験例に学ぶ ブランド立ち上げの成功体験例は、インターネット上や書籍など、さまざまな媒体を通じて紹介されており、後に続こうとする人にとって、心強いお手本の役割を担っています。本人の談話形式や第三者による紹介形式など、記事の内容はさまざまですが、ここで注意すべきなのが「鵜呑みにしない」「自身を完全に重ね合わせない」ということです。ジャンルを問わずすべてのビジネスシーンは、刻一刻と状況を変化させ続けており、一昔前の成功事例のノウハウをそのまま用いるだけでは、同等の成功は期待できません。またオリジナルブランド立ち上げという、同一の目標に向けてのチャレンジであったにせよ、成功者と自身では、資金力も人脈も個性も考え方も異なります。1つの成功例を参考に、すなわち自身の挑戦の叩き台とするのであれば、綴られていない行間を深く推察するなど、文字にされていない部分にも意識を向け、あくまで自分流にアレンジして活用する姿勢が大切です。
    • 第三者の成功体験例には、何らかの感情の芽生えが避けられません。結果的にその内容に振り回されてしまわぬよう、あくまで参考例として、適正な距離感を意識しつつ、自身にとってメリットが期待されるヒントを探しましょう。[5]
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    ここまでの計画を振り返る 新規事業への挑戦には、猪突猛進一辺倒ではなく、常に確認と修正を重ねる姿勢が求められます。ブランド立ち上げという夢の実現に向け、アクセルを全力で踏み込むばかりでは、肝心の進むべき方向を違えてしまったり、踏まえておくべき作業が欠落してしまうリスクが高まるばかりです。精一杯のリサーチからの試行錯誤を経て、新事業のアウトラインが固まりつつあるこの段階で、今一度これまでの流れを冷静に振り返り、より明確かつ強固な骨組みを確かめましょう。この確認作業を通じ、不安点や疑問点が解決あるいは払拭できたのであれば、いよいよ自身のブランドの責任者(経営者)としての第一歩を踏み出す時の訪れです。ここからいよいよ先述の、それまで描き見据えてきた『夢』を『ビジネス』に重ね合わせる、起業家としての本格的な活動が始まります。
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方法 4
方法 4 の 4:

開業に向けて動き出す

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    事業展開を見据える オリジナルブランドを世の中に供給するためには、コンセプトをより明確に見据えるべく、以下に挙げるそれぞれの作業が不可欠です。自身が思い描く世界観を表現した商品の販売を通じ、ビジネスとして採算が取れ、さらには利益を生み出し、新規購買層を獲得し続けるためには、いずれの作業も疎かにはできません。とりわけ未経験者にとっては難しい工程と言えますが、手探りで1つ1つ学びながら、経営者としてのスキルアップに努めましょう。当初は自身のブランドを立ち上げることがゴールだった意識から、ビジネスの難しさを楽しめる自身へと昇華させられれば、夢はさらに大きく広がることでしょう。
    • 販売形態を考える 実店舗を構えるのか、インターネット通販に特化するのか、双方を活用するのか、大きく分けて3つの選択肢が思い浮かびます。実店舗を構えるのであれば、物件の確保や自身を含めた販売スタッフの接客その他のスキルチェックなど、人材面を整えるだけでなく、内装その他に必要となる費用面の正確な算出および確保が不可欠です。インターネット上に開業するのであれば、独自のサイトを開設に加え、既存のモールサービスの活用など、より多くのエンドユーザーの目に触れられる、効率良い販売体型の構築がポイントとなります。
    • ターゲットを見据える 購買が見込まれるエンドユーザーのターゲットを絞り込みましょう。年齢・性別・職業・嗜好などを細かく設定し、見据えた客層の心を掴む商品と販売方法を熟考しましょう。
    • 主力商品を絞り込む 取扱商品の価格や品質などからカテゴリーを絞り込むことで、オリジナルブランドの特徴と存在感を際立たせましょう。競合するブランドと重複しない、進出していないマーケットを狙う手法が堅実であるとされています。
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    ブランド名を決める オリジナルブランド立ち上げの『幹』となるコンセプトを検討・決定し、ブランドネームを決定しましょう。エンドユーザーにコンセプトが伝わりやすく、記憶に残るブランドネームやロゴを考え出したのであれば、速やかに商品登録しておきましょう。既に商標登録されているものと偶然重複してしまった場合、後々トラブルに発展するリスクが想定されるため、こうした展開を防ぐ意味でも、商標登録は事業者にとって大切な作業です。[6]
    • ブランドネームやロゴを商品登録していない場合、これらを無断転用される可能性が懸念されるため、注意が必要です。
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    資金を準備する 新規オリジナルブランドの立ち上げには、事業計画で算出した費用の確保が不可欠です。自己資金だけでは賄い切れないケースも想定されるため、補助金や助成金、金融機関からの借り入れやクラウドファンディングなど、資金調達目的で活用できる選択肢を調べ、それぞれに関して正しく理解しましょう。また返済に窮してしまわぬよう、自己判断が難しい場合には、信頼できる専門知識を有する第三者の協力を仰ぎ、確実に実践できる返済計画の借り入れに留める姿勢が大切です。この段階になって、必要な金額と思い描くビジョンに差が生じたのであれば、事業計画を再度見直し、必要に応じて軌道修正することで、無謀な出店となってしまうリスクを回避しましょう。
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    商品をデザインする ブランドを立ち上げた人だからこそ満喫できる、心躍る作業です。自身が思い描くイメージをデザイナーに伝え、より精密なデザインを形にしてもらう方法も含め、自身を持ってエンドユーザーにお披露目できる商品づくりを満喫しましょう。
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    商品を製造する 決定したデザイン(設計図)に基づき、商品の製造を依頼しましょう。最初からコストダウン優先で大量発注してしまい、過剰な在庫を抱えてしまわぬよう、発注先の決定に際しては、極力最小ロットで製造を請け負ってくれる相手先を探しましょう。その他表示が必要と定められた情報を正しく記載してもらえるなど、適正な商品の製造を約束してくれる、全幅の信頼を寄せられるビジネスパートナーであるかどうかの見極めも大切です。
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    プロモーションを行う 狙った購買層により確実に届くと思われるメディアを見極め、積極的にプロモーションを展開しましょう。一昔前の広告宣伝費の負担が必要な宣伝に代わり、近年はSNSを活用したプロモーションが注目を集めています。より多くのエンドユーザーの目に触れ、自ブランドのコンセプトが明確に伝わる配信(情報発信)がポイントです。
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    開業する 必要な手続きや申請などを含めた販売体制が整えば、プロモーションと継続する形で、いよいよ念願の開業日の訪れです。この日を迎えるまで、時に悪戦苦闘と感じられた準備の日々が、走馬灯のように思い出されることでしょう。そんな夢の実現に向けて頑張り続けた努力が報われる瞬間が、最初の注文を確かめた瞬間です。自身のブランド商品が市場に受け入れられた、正真正銘の自ブランドデビューが叶った瞬間は、一生の記憶に刻まれる、感動的な成果に他なりません。この最初のエンドユーザーの期待に応え続けるべく、より素晴らしい商品の供給に、楽しみながら力を注ぎ続けましょう。
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ポイント

  • ブランドの立ち上げは、夢とビジネスを迎合させることで、無限の可能性が期待できる、挑み甲斐十分の起業の1つの形です。
  • 特に専門的な資格が求められず、本人のやる気と努力があれば、誰もがチャレンジできるメリットが魅力ですが、経済社会における事業である以上、そこには責任が求められます。
  • 準備段階から開業に至るには、確実になすべき作業を1つずつ堅実にクリアしつつ、自身のビジョンをより明確に見据え、現実離れせぬよう、適宜軌道修正を重ねましょう。
  • オリジナルブランドが市場に受け入れられるためには、エンドユーザーから寄せられる『信頼』が不可欠であり、誠実な製造販売の実践なくして、これを得ることは期待できません。
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注意事項

  • ブランド名やロゴは決定次第、速やかに商品登録することで、無断転用されるなどのトラブル防止を徹底しましょう。
  • 計画を進める途上で「無理だ」「不安が否めない」と判断したのであれば、そうした負の感情を残したまま強引に強行せず、時期を待ちましょう。
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