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プラスチックのひび割れを補修するのは難しいと感じるかもしれませんが、最も一般的なプラスチックは熱可塑性なので、加熱して成形することが可能です。プラスチックのひび割れをうまく補修する秘訣は、最適な方法を見つけることです。通常、小さなひび割れは、接着剤や湯、プラスチックのパテで補修できますが、大きなひび割れは、はんだごてで溶接する必要があるかもしれません。適切な方法を選べば、プラスチックのひび割れを補修するのは思ったより簡単です。

方法 1
方法 1 の 4:

プラスチックのひび割れを接着剤で補修する

  1. 1
    プラスチックの小さなひび割れを補修するには、プラスチック用の接着剤を使いましょう。プラスチックの割れ目を接着するには、プラスチック素材が貼りつくように特別な配合で作られたプラスチック用の接着剤を使います。プラスチック用の接着剤は模型などにもよく使われているので扱いやすく、大人なら安全に使えます。途中で足りなくならないように、ひび割れた部分全体を接着するのに十分な量を用意しましょう。[1]
    • プラスチックには大部分の瞬間接着剤も使えますが、念のため使用方法を見てプラスチックに対応しているか確認しましょう。
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    割れ目に接着剤を塗りましょう。接着剤をそっと絞り出し、割れ目の端に塗ります。はみ出した場合に備えて、布や雑巾を近くに用意しておきましょう。余分な接着剤は、固まる前にすぐに拭き取ります。接着剤はすぐに乾くので、ひび割れをくっつける用意が整ってから塗りましょう。[2]
    • 強力な接着剤には強い刺激臭があります。接着剤を使用する際は換気の良い場所で作業するか、マスクをつけましょう。
    • 強力な接着剤が皮膚に付着すると剥がす際に痛みを伴うので、手袋をつけて手を守りましょう。
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    割れ目をぴったりつけて押さえます。端に接着剤を塗ったら割れ目の両側を丁寧に揃え、ぴったり合わせましょう。接着剤が固まるまで1分間押さえ、その後ゆっくりと手を放します。[3]
    • 割れ目を固定するために、C型クランプを使っても良いでしょう。
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    接着剤を完全に硬化させましょう。プラスチックのひび割れを接着した後は、接着剤が完全に硬化するまで使用を控えることが非常に重要です。硬化に要する時間は接着剤によって異なるので、使用方法を見て確認しましょう。補修したプラスチックを使用する場合は、少なくとも1時間は待ちましょう。[4]
    • 接着剤が硬化するまで待てない場合は、接着剤を速く乾かしましょう。
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方法 2
方法 2 の 4:

湯を使う

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    プラスチックの小さなひび割れを湯で補修しましょう。プラスチックは少し加熱するだけでひび割れを補修できるくらい軟らかくなることがよくあるので、高温で加熱する必要はないかもしれません。プラスチックを湯に浸けると十分軟らかくなるので、成形して割れ目をくっつけることができます。軟らかくなったプラスチックは、冷水に浸けるとすぐに硬化します。[5]
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    湯と冷水をそれぞれ容器に入れます。ひび割れた部分を浸けるのに十分な量の湯をボウルや容器に入れましょう。別の容器に冷水を入れ、補修したプラスチックをすぐに浸けられるようにそばに置きます。[6] プラスチックを浸けた時に湯や水が溢れないように、量を加減しておきましょう。
    • 沸騰している湯にプラスチックを浸けるのはやめましょう。
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    ひび割れたプラスチックを湯に浸けます。ひび割れた部分さえ軟らかくなれば成形できるので、全体を浸ける必要はないかもしれません。プラスチックの種類によっては、軟らかくなるまでに少し時間がかかることもあります。少なくとも30秒は浸けましょう。[7]
    • 湯から時々出して、成形できるくらい軟らかくなっているか確認しましょう。
    • プラスチックをトングで掴んだまま湯に浸けても良いでしょう。
    • プラスチックを湯に入れたら、かき混ぜたり動かしたりしないで浸けておきます。
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    湯からプラスチックを取り出し、割れ目をぴったり合わせましょう。プラスチックが軟らかくなり、指で成形できるようになったら湯から取り出します。割れ目を合わせて密着させましょう。ただし、割れ目の端を強く押すと表面が歪むので気をつけましょう。[8]
    • プラスチックを湯から取り出す際は、オーブンミトンをつけるかトングを使いましょう。
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    プラスチックを冷水に浸けて硬化させます。割れ目の両側を密着させたら、そのまま固めるために、温かいプラスチックをすぐに冷やす必要があります。容器に入れた冷水にプラスチック全体を浸けましょう。プラスチックを動かさずに、少なくとも30秒浸けます。
    • プラスチックを冷水に浸ける際はC型クランプで割れ目を固定してもかまいませんが、あまりきつく挟むと固まったときに跡が残るので注意しましょう。
    • プラスチックを冷水から取り出し、完全に硬化していることを確認してから使いましょう。[9]
    • プラスチックのできるだけ広い範囲を冷水に沈めましょう。全体を冷やすと成形した部分が固まりやすくなります。
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方法 3
方法 3 の 4:

アセトンでプラスチックのパテを作る

  1. 1
    アセトンでプラスチックのパテを作り、ひび割れを埋めましょう。アセトンは、プラスチックを完全に溶かすことができる強力な溶媒です。アセトンでプラスチックを溶かし、ひび割れを埋めるのに最適なパテを作りましょう。ただし、このパテで大きな穴や割れ目を埋めると均等に硬化しない可能性があるのでやめましょう。[10]
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    ガラス容器にアセトンを入れます。アセトンはプラスチックを溶かすので、コップやバケツのようなプラスチックの容器を使うのはやめましょう。[11] ガラスや陶器のボウルを用意して、数枚のプラスチック片を浸けるのに十分な量のアセトンを注ぎます。使用後、溶けたプラスチックがきれいに落ちない可能性があるので、捨ててもかまわないボウルを使いましょう。
    • アセトンから有害なガスが発生する可能性があるので、換気の良い場所で行うかマスクをつけましょう。
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    数枚のプラスチック片をアセトンに浸けます。ひび割れを埋めるためにプラスチックを溶かすので、いらないプラスチック片を使いましょう。完全に溶かしてから使用するので、どんな形でもかまいません。[12] できれば、補修するプラスチックと同じ種類のプラスチックを使いましょう。
    • 肌が荒れる可能性があるので、アセトンを肌につけないように注意しましょう。
    • 補修するプラスチックと同じ種類のプラスチックがなければ、できるだけ色を合わせましょう。
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    アセトンにプラスチック片を1晩浸けて溶かします。プラスチックはゆっくり溶けて、どろっとした懸濁液になります。[13] プラスチック片が完全に溶けるのにかかる時間は、その大きさや種類によって異なります。少なくとも8時間以上浸ければ溶けるでしょう。
    • プラスチック片を細かく切ってからアセトンに浸けると速く溶けます。
    • 溶けたプラスチックに大きな塊が残っている場合は、さらに時間をかけて溶かす必要があるかもしれません。
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    余分なアセトンを捨てましょう。アセトンに浸けたプラスチックは、完全に溶けるとアセトンと分離して沈殿します。溶けたプラスチックだけが残るように注意しながら、シンクにアセトンを捨てましょう。アセトンの刺激臭を吸い込まないように気をつけます。[14]
    • アセトンはプラスチックを溶かして植物にダメージを与えるので、ゴミ箱や屋外に捨てるのはやめましょう。
    • 容器に残った少量のアセトンはすぐに蒸発します。
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    溶けたプラスチックをブラシで塗り、ひび割れを埋めましょう。アセトンを完全に取り除いたら、溶けたプラスチックのパテを割れ目に塗ります。細い絵筆や綿棒を使ってパテを塗り、ひび割れを埋めましょう。割れ目がきちんと埋まるように注意しながら、できるだけ均等に塗ります。[15]
    • 補修の跡が目立たないように、割れ目の裏側に塗りましょう。
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    塗ったプラスチックを完全に硬化させましょう。塗ったプラスチックは本体のプラスチックに貼りついてすぐに固まり始めますが、使用する前にしっかり硬化させる必要があります。硬化が不十分だと割れ目が開くかもしれません。使用する前に、少なくとも1時間は硬化させましょう。[16]
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方法 4
方法 4 の 4:

プラスチックを溶接する

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    プラスチックの大きなひび割れは、はんだごてで補修します。シンプルなはんだごては、プラスチックのひび割れを補修するのに最適な道具です。こて先が細く、割れ目だけを集中的に加熱できるので、プラスチックの他の部分を溶かしたり歪ませたりする心配がありません。はんだごては使いやすく、ほかの材料を使わずにプラスチックを補修できます。[17]
    • はんだごては多くのホームセンターで販売されており、価格は1,000円~2,000円くらいです。
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    はんだごてを予熱します。はんだごてのコードをコンセントに差し込んでスイッチを入れ、最低温度に設定しましょう。はんだごてが熱くなるまでしばらく時間がかかるかもしれませんが、その間に他の準備をします。設定温度に達する前にはんだごてを使用すると、均等に溶接できない可能性があるのでやめましょう。[18]
    • はんだごてを予熱する際は、可燃物の上に置かないように気をつけましょう。
    • こて先に付着しているものを取り除き、きれいにしてから予熱しましょう。
    • プラスチックは金属よりもはるかに溶けやすいので、はんだごてを205度以上に設定する必要はありません。
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    割れ目の両側をくっつけて押さえましょう。はんだごてが熱くなったら、両端が重ならないように注意しながら割れ目を密着させます。プラスチックの他の部分を曲げたり引っ張ったりしないように気をつけましょう。割れ目の両側をつけられない場合は、小さなプラスチック片で継ぎ当てします。プラスチック片と割れ目の両側をはんだごてで溶かしてつけましょう。[19]
    • クランプで割れ目を固定すると、両手ではんだづけをすることができます。
    • プラスチック片で継ぎ当てする場合は、種類と色が同じプラスチックを用意し、ひび割れの大きさに合わせて切りましょう。
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    はんだごてで割れ目の両側を溶かします。割れ目の両側が溶けてくっつくように、熱くなったこて先を軽く当てましょう。溶接部分が滑らかになるように、割れ目を均等に加熱します。使用する前に、プラスチックを完全に冷ましましょう。[20] プラスチックを溶接する際は、炎が上がったりたくさんの煙が出たりすることはありません。
    • はんだごては非常に熱くなるので周囲のものに当てないように注意し、火傷をしないように慎重に扱いましょう。
    • プラスチックを溶かすと有害な気体が発生します。この気体を吸い込まないように換気の良い場所で作業するか、マスクをつけましょう。
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    プラスチックを完全に冷ましましょう。プラスチックを硬化させるためには、完全に冷やす必要があります。溶接部分が硬化する前に使用するともう1度ひび割れる可能性があり、そうなると修復が難しくなるかもしれません。プラスチックを何度も溶かすと、見た目が悪くなります。[21]
    • 修復したプラスチックを使う場合は、少なくとも1時間冷ましてからにしましょう。
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    はんだごての電源を切り、片づけましょう。プラスチックの溶接が終わったらはんだごてのスイッチを切り、コードを抜いて冷まします。こて先を拭いて溶けたプラスチックなどを取り除き、安全な場所に保管しましょう。
    • こて先についたプラスチックを取り除くために、ブラシでこする必要があるかもしれません。
    • こて先をきれいにするために洗浄剤を使ってもかまいませんが、必ずコードを抜いてから洗いましょう。
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注意事項

  • アセトンは有害な化学物質です。アセトンが肌に付かないように注意し、刺激臭のある気体を吸い込まないようにしましょう。
  • 強力な接着剤からは有毒な気体が発生する可能性があります。換気の良い場所で使うか、マスクをつけましょう。
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