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プラスチックを溶かす必要がある機会はいろいろとあります。例えば、破損したプラスチック片の鋭い端を滑らかにしたり、プラスチックを溶かして旋盤加工をするなど、プラスチックを別の形に成形して再利用する場合などがあるでしょう。目的に関わらず、自宅でプラスチックを溶かす際は、直接熱を加えるか化学薬品を使用するのが最も簡単な方法です。このような方法なら、全般的に安全で楽に加熱できます。少し注意して適切な種類のプラスチックを使用すれば、プラスチックを安全に溶かし、全く新しい姿に生まれ変わらせることができるでしょう。

方法 1
方法 1 の 3:

オーブンでプラスチックを溶かす

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    耐熱容器にプラスチックを入れる オーブンでプラスチックを溶かす際に使用する容器は、オーブンに入るサイズ、かつ溶けた時にプラスチックがあふれ出ない大きさのものを選びましょう。使用可能なものとしては、今後調理に使用しない天板やセラミックタイルなどがあります。
    • プラスチックが完全に溶けて液体になった時に、オーブン内の側面などに付着しないようにするのが重要です。こぼれたり飛び散ったりして付着すると、取り除くのが困難になる場合があります。[1]
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    オーブンを約150℃で予熱する この温度に設定しておくと、徐々にプラスチックが溶けます。一方で、ゆっくりと溶けていくため辛抱が必要です。ポリプロピレンなどの大半の一般的なプラスチックを溶かす際には、オーブンを過度に熱する必要はありません。熱すぎるとプラスチックが焦げる恐れがあるため注意しましょう。[2]
    • 実際に温度が高すぎると、プラスチックからすぐに煙が出て焦げてしまうでしょう。
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    適切な換気を行う 徐々に溶かすとしても、空気中に煙や臭いが放出される可能性は高いでしょう。その煙を吸い込まないようにするため、窓を開放してその場の空気が循環していることを確認します。換気扇があれば稼働させましょう。
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    プラスチックが焦げるのを防ぐため、溶かしている間は目を離さない オーブン内のライトをつけ、扉越しにプラスチックの様子を観察していれば、焦げるのを防ぐことができます。煙が出たり焦げる前に、プラスチックが丁度溶けた時点でオーブンから取り出しましょう。
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    プラスチックをオーブンから取り出す 鍋つかみを使用し、プラスチックが入っている容器を慎重に取り出します。プラスチックが熱いうちに、型に直接流し込むとよいでしょう。または、後でプラスチックを新たな形に切る場合は、溶かす時に使用した容器の中でそのまま冷まします。
    • 溶かしたプラスチックは型に流し入れて成形することも可能です。市販の耐熱鋳型を使用したり、型を手作りするのもよいでしょう。特殊な形を作る場合は、木材で型を手作りするのが最善策かもしれません。
    • 冷めて固まったプラスチックは好きな形に切ってやすりをかけるとよいでしょう。
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方法 2
方法 2 の 3:

ヒートガンでプラスチックを溶かす

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    プラスチックに表示されている番号や特性を踏まえ、安全に溶かせるかどうかを判断する プラスチックには様々な種類があり、溶融可能かどうかなどを含め、それぞれ異なる特性があります。例えば、プラスチックに三角形の中に数字の「5」が表示されている識別マークがあれば、ポリプロピレンです。PPと表示されることもあり、加熱して冷却すると再成形が可能です。[4] 注:ただし、日本では近年、「1(ポリエチレンテレフタレート)」「プラ(それ以外のプラスチック)」の2種類のみの表示で統一されています。
    • 一方で、軽くて空気が多く含まれる発砲スチロールは加熱すると溶けて崩れます。このタイプのプラスチックを溶かすのは避けましょう。
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    ヒートガンを購入する ヒートガンは一般的に塗料を剥がしたりパテなどを柔らかくするために使いますが、プラスチックを溶かす際にも使用可能です。ヒートガンはホームセンターやオンラインの小売店などで購入できます。[5]
    • ヒートガンは温度調節ができるタイプと、一定の温度を保つタイプがあります。温度範囲は約50℃から600℃程度のものが一般的です。
    • ヒートガンは一部の業者からレンタルすることも可能ですが、5千円以下で購入できるものが多いため、複数回使用する予定があれば購入するのが最善策です。
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    狭い箇所でテストし、プラスチックが溶けるか変形して崩れるかを確認する まず最初にプラスチックを3cm程度に切り取り、溶かしてテストします。加熱してから冷却すると、熱可塑性か熱硬化性かを判断することができます。熱可塑性プラスチックは加熱可能で、冷却すると再び固体になります。熱硬化性プラスチックは熱によって変形し、繰り返し加熱しても同じように再成形はできません。
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    屋外の耐熱作業台の上にプラスチックを置き、保護具を着用する ヒートガンから出る熱に耐えられる場所で作業します。はんだ付け作業台、金属シート、コンクリートブロックなどのコンクリート片などが適しています。次に、保護手袋と保護マスクを着用しましょう。[6]
    • 屋外で作業すると、プラスチックが溶ける際に出る煙などを吸い込むリスクを最小限に抑えることができます。
    • プラスチックを加熱すると、ダイオキシンなどの有害な煙が発生する恐れがあります。吸い込まないようにするため、煙や臭いをフィルターでカットする機能付きの保護マスクを着用しましょう。[7]
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    弧を描くようにヒートガンを動かしながらプラスチックを均一に加熱する ヒートガンの電源を入れて低温に設定し、プラスチックを徐々に加熱します。ヒートガンの温風吹き出し口をプラスチックの表面から少なくとも数センチ離し、溶けるまで継続的に動かしましょう。[8]
    • プラスチックを少し溶かして滑らかにしたり曲げるだけであれば、弱い熱で十分でしょう。プラスチック片を完全に溶かす場合は、ヒートガンで繰り返し表面に熱をあてる必要があります。
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    プラスチックを徐々に溶かす 焦らずに、ごく短時間で直接高温の熱をあてないようにします。ゆっくりと時間をかけて溶かし、プラスチックが熱くなりすぎたり焦げるのを防ぎましょう。[9]
    • 弧を描くようにプラスチック全体に熱をあてます。こうすると、可能な限り全体が均一に溶けるでしょう。
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    溶かしたプラスチックを型に注ぐか冷ます 溶けたままの形を維持して後で切ったりやすりをかけたりする場合は、まず冷ましてから作業台から取り外しましょう。プラスチックを成形する場合は、熱いうちに型に流し込みます。
    • プラスチックが熱いうちは、保護手袋を着用せずに直接プラスチックや容器に触れないように注意しましょう。
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方法 3
方法 3 の 3:

化学薬品を用いてプラスチックを溶かす

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    アセトンを購入してプラスチックを溶かす アセトンは、塗料を剥がしたりマニキュアを落とす際によく使用される溶剤ですが、一部の種類のプラスチックを溶かす場合にも使用できます。ホームセンターや美容用品店、オンラインショップなどで購入可能です。[10]
    • プラスチックを溶かす場合には、他の材料が含まれる純度の低いアセトンよりも純粋なアセトンのほうが効果的なため、アセトン100%の製品を購入するようにしましょう。
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    アセトンでプラスチックが溶けるかどうかを確認する 溶かす予定のプラスチックに少量のアセトンを塗布してテストします。テスト時にプラスチックが溶けるようであれば、アセトンに浸すと溶解作用が発生します。[11]
    • 例えば、アセトンはABS樹脂を溶かす場合に効果的です。ABS樹脂は、多目的に使用される硬質プラスチックです。
    • また、アセトンは発砲スチロールを瞬時に溶かし、粘着性のあるドロドロの質感にします。
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    プラスチック素材以外の容器にプラスチックを入れる この工程ではプラスチックを溶かす化学薬品を使用するため、確実に溶けない容器を使用します。金属製やガラス製のボウルを使うとよいでしょう。
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    アセトンの扱いには注意する アセトンは皮膚を刺激する可能性があります。目に入ると痛みを伴い、炎症を起こす恐れがある上に、可燃性が非常に高い溶剤です。このような特性があるため、使用時には注意が必要です。耐薬品性の保護手袋や飛沫を防止する保護メガネを着用し、裸火または発火源となり得るものの近くではアセトンを使用しないようにしましょう。[12]
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    プラスチックをアセトンに浸す 使用するアセトンの量は、溶かす予定のプラスチックの量や種類によって異なります。プラスチックがアセトンに浸る程度の量を注ぎ、すぐに溶けるかどうかを確認します。溶けない場合はアセトンを追加で注ぎ、溶液をかき混ぜてプラスチックが好みの質感になるまで溶かしましょう。[13]
    • プラスチック片の狭い箇所のみをアセトンで溶かす場合は、綿棒で表面に塗布します。この方法は、硬いABS樹脂の割れ目を溶かして直す場合などに便利です。
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    プラスチックをアセトンから取り出す 大量のアセトンを用いてプラスチックを溶かした場合は、ピンセットで取り出すようにします。次に、冷水でプラスチックに付着しているアセトンを洗い流すか、アセトンをそのまま蒸発させましょう。[14]
    • 少量のアセトンを用いてプラスチックの狭い箇所を溶かした場合は、その部分を冷水で洗い流すか、アセトンを蒸発させるだけでよいでしょう。
    • プラスチックがまだ柔らかいうちに、好きな形に成形しましょう。
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ポイント

  • プラスチックに傷がある場合は、溶かすと傷が埋めやすくなります。
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必要なもの

オーブンでプラスチックを溶かす場合

  • プラスチック
  • 耐熱の作業台または容器
  • オーブン
  • 鋳型(任意)
  • 保護マスク(任意)

ヒートガンでプラスチックを溶かす場合

  • プラスチック
  • ヒートガン
  • 溶かす際に使用する耐熱容器または作業台
  • 保護マスク
  • 保護手袋
  • 鋳型(任意)

化学薬品でプラスチックを溶かす場合

  • プラスチック
  • アセトン
  • 耐薬品性の容器
  • 保護手袋
  • ピンセット(任意)

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