マニュアル車を運転する方法

共同執筆者 Ibrahim Onerli

ギア操作で発進と変速を行うというマニュアル車の基本的な仕組みは、誰にでも理解できるでしょう。マニュアル車を運転するには、クラッチやシフトレバーの操作に慣れ、発進と停車、さらに様々なスピードでのシフトチェンジを練習する必要があります。

パート 1 の 4:
基本を学ぶ

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    平坦な場所に車を停めてエンジンを切ります。特にマニュアル車を初めて運転する場合は、ゆっくりと慎重に練習を進めましょう。運転席についたらシートベルトを着用し、練習中は窓を開けておくと便利です。エンジン音がよく聞こえるので、シフトチェンジのタイミングがつかみやすくなるでしょう。[1]
    • 左のペダルはクラッチ、真ん中はブレーキ、右はアクセルです。(左から右に「ク」「ブ」「ア」と覚えておきましょう。)この位置は運転席が左右どちらにあっても同じです。
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    クラッチの役割を覚えましょう。初めて見る左側のクラッチペダルを踏み込む前に、少し時間をとって基本的な機能を理解します。[2]
    • クラッチにはエンジンとタイヤを切り離す役割があります。エンジンとタイヤのいずれか、もしくは両方が回転している際にクラッチペダルを踏み込めば、各ギアの歯を削ることなくギアを切り替えることができます。
    • シフトアップ、シフトダウンにかかわらずシフトチェンジする前に、クラッチペダルを踏みましょう。
    専門家情報

    マニュアル車の運転を練習するときに一番起こりやすい失敗は、クラッチをつなぐのが早過ぎてエンジンが止まってしまうことです。

    Ibrahim Onerli

    Ibrahim Onerli

    自動車教習所教官
    イブラヒム・オネーリは、ニューヨーク市の自動車教習所「Revolution Driving School」の共同オーナーであり、8人程からなる教官チームの訓練と管理を行うマネージャーでもあります。危険の予測と回避や安全確保を学ぶディフェンシブドライビングとマニュアル車操作の専門教官として活躍しています。同校は、安全運転を教示することで世界をよりよい場所に変えることをミッションに掲げています。
    Ibrahim Onerli
    Ibrahim Onerli
    自動車教習所教官
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    クラッチペダルを一番下まで踏み込めるように、座席の位置を調節しましょう。左足でクラッチペダル(ブレーキペダルの隣にある左側のペダル)を一番下まで踏めるように、座席を前に移動します。[3]
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    クラッチペダルを一番下まで踏み、そのままの状態にします。クラッチペダルの動きがブレーキペダルやアクセルペダルとどのように異なるかを確認しておきましょう。また、クラッチペダルからゆっくり着実に足を離すことにも慣れておきましょう。
    • オートマ車しか運転したことがない場合は、左足でペダルを踏むことに戸惑いを感じるかもしれませんが、練習すれば両足を同時に使うことに慣れるでしょう。
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    シフトレバーをニュートラルに入れます。シフトレバーが、中央に位置するニュートラルにあるときは、左右に抵抗なくシフトレバーを動かすことができます。次の場合はギアがつながっていません。[4]
    • シフトレバーがニュートラルに入っている。
    • クラッチペダルを一番下まで踏んでいる。
    • クラッチペダルを踏まないと、シフトレバーは動きません。
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    シフトレバーがニュートラルにあるのを確認し、キーを差込口に入れてエンジンをかけます。特に初心者は、エンジンをかける前にサイドブレーキが引いてあることを確認しておきましょう。[5]
    • シフトレバーがニュートラルにあれば、クラッチペダルを踏まなくてもエンジンがかかる車もありますが、新しい車の中にはクラッチペダルを踏まないとエンジンがかからないタイプもあります。
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    シフトレバーをニュートラルにしたまま、クラッチペダルから足を離します。車が平坦な場所にあれば動くことはありませんが、坂道にあると下り始めるでしょう。発車の準備が整ったら、(サイドブレーキが引いてある場合は)サイドブレーキを解除します。
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パート 2 の 4:
1速で前進する

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    クラッチペダルを一番下まで踏み込んで、シフトレバーを1速に入れます。1速は通常左上にあり、各ギアのレイアウトはシフトノブに図で示されています。[6]
    • 車によってギアの配置が異なるので、あらかじめ自分の車のギアのレイアウトを確認しておきましょう。エンジンを切った状態(クラッチをつなげたまま)で、シフトレバーを操作していろいろなギアに切り替える練習をしても良いでしょう。
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    クラッチペダルを踏んでいる足をゆっくり離します。足を徐々にクラッチペダルから離し、エンジンのスピード音が下がり始めたらペダルを一番下まで踏み込みます。エンジンスピードの低下音を即座に認識できるようになるまで、このステップを繰り返しましょう。これがクラッチの接触点です。[7]
    • 発進時や走行中にシフトチェンジをする場合は、十分な動力を得るためにこのタイミングでアクセルを踏みます。
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    アクセルペダルを踏みながらクラッチペダルから足を離します。発進するためには、エンジンの回転数が少し下がるまで左足をクラッチペダルから離し、それと同時に右足でアクセルペダルを軽く踏みましょう。アクセルペダルを軽く踏む右足とクラッチペダルをゆっくり持ち上げる左足のバランスを取ります。アクセルとクラッチのタイミングの合わせ方をつかむまで、何回か練習する必要があるでしょう。
    • 別の方法として、エンジンの回転数が少し下がるまでクラッチペダルを持ち上げ、そのタイミングでアクセルペダルを踏んでクラッチをつなげる方法もあります。この時点で車が動き始めます。クラッチペダルから足を離したときにエンストしないくらいまで、エンジンの回転数を上げておきましょう。マニュアル車のクラッチペダルに慣れないうちは、この手順は少し難しいかもしれません。
    • 1速で順調に前進し始めたら、クラッチを完全につなげます(クラッチペダルから完全に足を離します)。
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    初めて発車する際は、少なくとも何回かエンストする覚悟で臨みましょう。クラッチペダルから足を離すのが早過ぎるとエンジンが止まります。エンストしそうな音がしたら、クラッチペダルをそのままの位置で維持するか、少し踏み込みましょう。エンジンが止まった場合は、クラッチペダルを一番下まで踏んでサイドブレーキを引き、シフトレバーをニュートラルに入れてエンジンを切ります。慌てる必要はありません。落ち着いて、通常通りにエンジンをかけなおしましょう。
    • クラッチペダルを一番下まで踏み込んだ状態とペダルを全く踏んでいない状態の中間(クラッチが完全につながっていない状態)でエンジンの回転数を上げ過ぎると、クラッチの部品が無駄に摩耗し、トランスミッションのクラッチ部品から白煙が発生したり、ギアが滑る原因となったりします。クラッチが完全につながっていない状態を半クラッチと呼びます。半クラッチでエンジンの回転数を上げ過ぎないように気を付けましょう。
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パート 3 の 4:
走行中の変速と停止

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    ギアを高速に切り替えるタイミングを覚えましょう。走行中、エンジンの回転数が2500から3000に達したら次のギアに入れ替えます。たとえば、1速で走行していたらギアを2速に入れましょう。ただし、実際のシフトチェンジのタイミングは車によって異なります。エンジンの回転数が上がり、空回りし始める音に気付くようになりましょう。[8]
    • クラッチペダルを一番下まで踏んでクラッチを切り、シフトレバーを1速から左下(ほとんどの場合は2速)へ移動します。
    • シフトチェンジのタイミングを知らせる「シフトタイミングランプ」やインジケーターがタコメーターに搭載された車もあります。この場合は、エンジンの回転数を早く上げ過ぎる心配がありません。
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    アクセルペダルを少しだけ踏み、クラッチペダルからゆっくりと足を離します。走行中のシフトチェンジも、停車時に1速にギアを入れた時と同じです。エンジン音を聞き回転数を見て、エンジンが発する合図を感じ取りましょう。ペダルに載せた左右の足をタイミングよく上下します。練習を重ねてコツをつかみましょう。[9]
    • ギアを入れてアクセルを踏んだら、クラッチペダルから完全に足を離します。クラッチペダルに足を載せたままにするのは良くない習慣です。足を載せていると圧力がかかり、クラッチを無駄に摩耗してしまいます。
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    スピードを落としながら低速ギアにシフトダウンします。現状のギアに対してスピードが遅すぎると、エンストするときのように車が振動します。走行中にシフトダウンするにはクラッチペダルを踏み、アクセルペダルを踏みながらシフトレバーを(たとえば3速から2速へ)移動します。その後アクセルペダルを踏みながら、クラッチペダルから足を離しましょう。[10]
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    完全に停車します。コントロールを保って停車するには、1速まで徐々にシフトダウンしていきます。完全に停車するときになったらアクセルペダルに載せた足をブレーキペダルに移動して、停車できるように踏み込みましょう。時速16㎞程度までスピードを落とすと車の揺れや振動が始まります。クラッチペダルを一番下まで踏み、シフトレバーをニュートラルに入れてエンストを防ぎましょう。ブレーキペダルを踏み込んで完全に停車します。[11]
    • シフトレバーの位置にかかわらず、クラッチペダルを一番下まで踏み、シフトレバーをニュートラルに入れながらブレーキペダルを踏めばいつでも止まることができます。ただし、車をコントロールしにくくなるので、この方法で停車するのは緊急停止が必要な場合に限りましょう。
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パート 4 の 4:
練習と問題解決

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    マニュアル車の運転に慣れた人と一緒に、簡単なコースで練習しましょう。有効な運転免許があれば公道を一人で運転することができますが、マニュアル車の運転に慣れた人に付き合ってもらうと、ちょっとしたコツをつかみやすいでしょう。広い(空いている)駐車場など平坦な場所で発車し、交通量の少ない郊外の道路を走りましょう。何度も同じ場所を走行し、マニュアル車の運転に必要な様々な技術を身につけましょう。[12]
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    初めのうちは、急な坂道での停車と発車を避けましょう。マニュアル車の運転に慣れないうちは、信号のある急な坂道を通らないように計画を立てましょう。坂道で車を後退させずに発進するためには、シフトレバー、クラッチ、ブレーキ、アクセルのタイミングを合わせ、絶妙に連動させる技術が必要です。[13]
    • ブレーキペダルから離した右足をアクセルペダルへ素早く滑らかに移動すると同時に、左足をクラッチペダルから離す必要があります。車が後退しないように、必要であればサイドブレーキを引きましょう。その場合は、車が前進し始めたら忘れずにサイドブレーキを解除します。
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    特に坂道で駐車する方法を覚えましょう。オートマ車と違って、マニュアル車には「パーキング」レンジがありません。駐車の際にシフトレバーをニュートラルにしただけでは、特に上り坂や下り坂に駐車した場合は、車が坂を下ってしまう可能性もあります。駐車するときはもちろんサイドブレーキを使いますが、坂道に駐車した車が動かないようにするにはサイドブレーキだけでは不十分です。[14]
    • 上り坂に駐車する場合はシフトレバーをニュートラルにした状態でエンジンを切り、シフトレバーを1速に入れてサイドブレーキを引きましょう。下り坂の場合も同じですが、シフトレバーはリバースに入れます。こうすると、タイヤが坂を下る方向へ動きにくくなります。
    • 坂が急な場合や慎重に対処したい場合は、タイヤが動かないようにタイヤの後ろにタイヤ止め(角度のついたブロック)を置きましょう。
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    車の進行方向を変える際は、完全に止まりましょう。車を完全に停止してから進行方向を変えれば、ギアボックスが故障する心配がありません。ギアボックスの修理費用はとても高額です。[15]
    • 特にリバースから1速にシフトチェンジする場合は、必ず完全に停止しましょう。マニュアル車のほとんどは、低速度でバックしている状態から1速や2速にギアを入れることが可能ですが、クラッチがひどく摩耗してしまうので避けたほうが無難です。
    • シフトが間違ってリバースへ入るのを防止するために、ロックアウト機能が搭載された車もあります。リバースギアを使用する前にこのロック機能について理解し、それを解除する方法を確認しておきましょう。
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ポイント

  • 停車状態からの発車がうまくできない場合は、クラッチペダルからゆっくりと左足を離すようにしましょう。クラッチの接触点(車が動き出す地点)にきたら一時的にクラッチペダルを静止状態にし、再びペダルから左足をゆっくりと離していきます。
  • クラッチの扱いを練習するにはクラッチを一番下まで踏み、サイドブレーキを引いたまま1速にギアを入れます。クラッチからゆっくり足を離しながら、アクセルペダルを踏みましょう。車が少し動き始めたらサイドブレーキを解除して前進します。
  • エンストやノッキングしそうになったら、エンジンがアイドリングを始めるまで再度クラッチペダルを踏み、もう一度やり直しましょう。
  • エンジン音の変化を認識できるようになりましょう。そうなれば、エンジン回転数を確認しなくてもシフトチェンジのタイミングがわかるようになります。
  • シフトレバーを見なくてもシフトチェンジできるようになるまで練習しましょう。これができるようになれば、目を前に向けたまま交通状況に集中できます。初めのうちは、どうしてもシフトレバーを見たくなるかもしれませんが、前を向いたままシフトチェンジするのに慣れていく必要があります。
  • ギアの配置がシフトノブに表示されていない場合は、車に詳しい人に聞いてみましょう。1速のつもりがリバースにシフトしてしまい、建物や周りの人にぶつかってしまったら大変です。
  • ハンプ(減速のための凸型路面)の上を運転する場合は、クラッチを深く踏み、ブレーキペダルを軽く踏んで減速します。加速するときはクラッチからゆっくり足を離し、徐々にアクセルを踏みましょう。
  • 寒冷地では、長時間サイドブレーキを引いたままにするのは控えましょう。水分が凍結してブレーキレバーが戻りにくくなります。
  • 足をクラッチペダルの上に載せたままにするのは、お金のかかる悪い習慣です。クラッチの摩耗や動力の喪失につながり燃費も悪くなります。シフトチェンジをするときやタイヤの動力を急いで切りたい場合(砂利や氷の上でタイヤが滑った時など)にだけ、クラッチペダルの上に足を載せて一番下まで踏みましょう。クラッチペダルからゆっくり足を離すのは、停止状態から発進する時だけです。
  • 発車する際にクラッチがつながる位置を見つけにくい場合は、まずアクセルを踏み込み、そのあとでクラッチペダルから徐々に足を離してクラッチがつながるようにします。こうすれば、クラッチを適切な位置に合わせなくても車が動き始めます。上り坂の場合はアクセルペダルをもっと踏みましょう。
  • 上り坂で止まった際に、アクセルペダルに置いた足とクラッチペダルに載せた足でバランスを取って、車が後退しないようにするのはやめましょう。クラッチペダルを一番下まで踏み、ブレーキペダルをしっかり踏んで車を停止させます。上り坂で発進するにはにギアを1速入れ、上記の説明どおりにスタートさせましょう。

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注意事項

  • マニュアル車の運転はオートマチック車よりも経験が必要になるので、慣れるまではエンジン回転数の表示メーターを注意して見るようにしましょう。回転数をむやみに上げ過ぎるとエンジンを激しく傷める原因になります。
  • 車の進行方向に関わらずリバースにシフトする時は、車をまず「完全に」停止させましょう。動いている状態でシフトすると、マニュアル変速機にダメージを与えてしまいます。
  • 上り坂や急斜面では注意しましょう。ブレーキペダルとクラッチペダルを両方踏んでおかないと車が後退し、後ろにいる人や物にぶつかってしまいます。
  • エンストやエンジンスタートを何度も行ったらスターターとバッテリーを5分~10分くらい休ませましょう。こうすると、オーバーヒートやスターターの損傷およびバッテリーあがりを防げます。
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このwikiHow記事について

自動車教習所教官
この記事はIbrahim Onerliが共著しています。 イブラヒム・オネーリは、ニューヨーク市の自動車教習所「Revolution Driving School」の共同オーナーであり、8人程からなる教官チームの訓練と管理を行うマネージャーでもあります。危険の予測と回避や安全確保を学ぶディフェンシブドライビングとマニュアル車操作の専門教官として活躍しています。同校は、安全運転を教示することで世界をよりよい場所に変えることをミッションに掲げています。
カテゴリ: 車・乗り物
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