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「ヨーガ」の語源はサンスクリット語で「結びつける」という意味になります。西洋で行われているヨーガ体操は、人体内に存在する根源的生命エネルギーであるクンダリニー制御のために、何千年も前に作られた行法を起源とします。しかし、このヨーガ体操は広大なヨーガの体系の一部に過ぎません。ヨーガの本質は瞑想であり、ヨーガ体操の目的は、体の健康の維持の他に、瞑想に入るための体と心の準備になります。このヨーガの瞑想法を実践するために、瞑想に適した場所を選び、十分な事前準備をすることで、ヨーガの瞑想が大変有意義な体験となるでしょう。

パート 1
パート 1 の 3:

瞑想に適した環境を作る

  1. 1
    静かな場所を選びましょう。乱雑で騒がしい場所は瞑想に向いていません。さらに、瞑想を始めるにあたり、気持ちが休まる環境が理想的です。騒々しい場所でも、高度なヨーガ行者なら外からの影響を受けずに瞑想を行うことが出来るかもしれませんが、瞑想初心者にとっては、気が散って瞑想に集中することは困難になるでしょう。
    • 瞑想に理想的なのは、IT機器や電子機器のない場所、または、心の中で意識して除去しなければならないような雑音を、遮断できる場所になります。
    • 瞑想には、照明の人工的な光の下よりも、窓から自然光が差し込む場所が適しています。
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    自然な暖または涼を取れる場所、そして新鮮な空気を取り入れることの出来る場所を選びましょう。ヒーターまたはクーラーの使用は、作動音が邪魔になるのはもちろんのこと、機械から作られる熱風や冷風は、自然の心地よい太陽の暖かさや涼しいそよ風と比べものになりません。屋外でヨーガの瞑想法を行うことが難しい場合は、暖炉や温水暖房機のような、放射熱で温めている場所を選びましょう。また、ドアや窓を開けて新鮮な外気を取り入れ、室内の空気の循環を良くしましょう。
    • さらに、化学合成物質の使用を最小限に留めた場所を選ぶなど、場所には徹底的にこだわるのも良いでしょう。天然のオイルワックス塗装された木の床は、静電気が起こりにくく、またヨーガの瞑想を行う上で良い効果をもたらします。
    • 空気汚染の酷い地域では、屋内で瞑想を行うほうが良いでしょう。
    • 大人数でヨーガを行うスタジオでは、空気中の酸素が減って二酸化炭素が増えるため、息苦しく感じるかもしれません。
    • ヨーガマットを使用すると、さらに快適に行えるでしょう。
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    食事の時間を考慮して瞑想の時間を設定しましょう。瞑想中、満腹の状態では眠気に襲われてしまい、空腹の状態では気が散ってしまいます。瞑想時間は、例えば食後数時間経ってからというように、お腹が落ち着いている時間帯に設定しましょう。[1]
    • 食後ではなく、食前に軽いスナックを取ってから瞑想をするという選択肢もあります。
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    瞑想前に、軽いストレッチやエクササイズをしましょう。短いウォームアップをすることで、身体はより柔らかくリラックスし、瞑想に集中するために最適な状態になります。また、身体が柔軟であればあるほど、より長時間座ることも可能になります。[2] 軽めのひねりや前屈などを行いながら、数分間、体幹と背骨に意識を向けましょう。[3] 以下に紹介するスクシュマヨーガのエクササイズも、瞑想前に取り入れると大変役に立つでしょう。
    • 2本の指で眉毛を軽く数回つまむ。
    • 目で円を描くように眼球を回す。左右に数回行う。
    • こめかみから顎の線をこする。
    • 耳を掴み、下方に優しく引っ張る。[4]
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パート 2
パート 2 の 3:

瞑想前に適したアーサナ(体位)を行う

  1. 1
    背骨を正して座りましょう。良い姿勢を保てれば、座る場所は床でも椅子でも構いません。姿勢を正しくしようとするあまり、身体に力が入らないように気をつけましょう。一般的なヨーガの瞑想のイメージにあるように足を組んで座る必要はありませんが、もし足を組んで座る場合には、瞑想を行うたびに上に組む足を変えるようにしましょう。[5]
    • 瞑想を行う上では、まず身体が快適な状態であることが重要になります。
    • 顎を僅かに引くと、背骨を真っ直ぐに保ちやすくなります。
  2. 2
    深い呼吸法を練習しましょう。深く長い呼吸を行うことで、身体が瞑想の準備に入りやすくなります。さらに、呼吸に意識を向けることで集中力が高まり、体と心がリラックスしていきます。いくつかある呼吸法の1つに、ナーディ・ショーダナ・プラーナヤーマ(片鼻呼吸法)という方法があります。左右の鼻から交互に呼吸するこの呼吸法のやり方は、以下の通りになります。[6]
    • 右手の人差指と中指を眉間に置き、親指を右鼻、残りの指を左鼻に乗せます。
    • 親指で右鼻を塞ぎ、左鼻から深く息を吸い込みます。
    • 左鼻を薬指と小指で塞ぎ、親指を離して右鼻から息を吐き出します。[7]
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    サマスティティ(直立の姿勢)を練習しましょう。サマスティティとは、床に垂直になるように真っ直ぐしっかりと立つ、不動のポーズです。ただひたすら、身体のバランスと真っ直ぐ立つことに意識を置きます。その姿勢でバランスが取れたら、お祈りをするように胸の前で合掌します(アンジャリ・ムドラ)。息を吸いながら合掌のまま両手を上方に伸ばし、息を吐きながら胸の前に戻しましょう。[8]
    • 体と心が落ち着くまで、この動きを1~2分行いましょう。
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    牛のポーズを行いましょう。両手と両膝をついてテーブルの形になります。両手は肩の延長線上になるように、床に対して直角に置きます。両膝は腰の真下で、床に対して直角になるようにします。ゆっくりと息を吸いながら、頭を持ち上げ上半身(胸部)を天井の方に向け、同時に背をそり腹を床の方へ沈ませます。息を吐きながら、背骨を真っ直ぐ元の状態に戻しましょう。[9]
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    ヴァジラ・アーサナを行いましょう。ヴァジラ・アーサナは、いわゆる正座になります。正座が難しい人は、次の説明にそって座ってみましょう。足を揃えて立った姿勢から、腰を下ろしていきます。両手を身体の両側に置いて支えにしながら、左の踵を左の臀部、右の踵を右の臀部に近づけていきスクワットの状態になります。少し前かがみになり、体重を膝に移しましょう。足の甲を床につけ、踵の間に臀部をのせて座ります。正しい正座の姿勢を安定させながら、数分間そのままの坐位で普通呼吸を行いましょう。[10]
    • 正座の完成形では、両足の親指のつま先がついた状態になります。
    • 体幹に意識を置き、背筋を真っ直ぐ伸ばして座りましょう。
    • ヴァジラ・アーサナは、直立のポーズの中でも、それほど困難なく背筋を真っ直ぐに保つことができるポーズの1つでしょう。
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    ウジャイ呼吸法を行いましょう。ウジャイ呼吸は呼吸音が伴う鼻呼吸で、ゆっくりと滑らかに行います。この呼吸法を行うことで、エネルギーを得られると同時に、心が鎮まっていきます。
    • 床に足を組んで座ります。
    • リラックスした状態で、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。
    • そして、鼻からゆっくりと息を吐き出しましょう。 
    • 呼吸をゆっくりと滑らかに行い、呼吸の音に意識を向けましょう。[11]
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パート 3
パート 3 の 3:

体と心、そしてそれらを超えたところにまで意識を向ける

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    雑念を消していきましょう。日々の生活を送る上で、雑念や心配事はつきものです。ヨーガの瞑想では、まずそのような雑念を受け入れることから始めます。自分の中に存在する混沌とした雑念を認識することで、取り除くべき雑念が明確になり、瞑想を深める過程でそのような雑念から自分を切り離すことができるようになっていきます。[12]
    • 気が散るものを感じたり聞いたりしてもそのままにし、その良し悪しを判断してはいけません。ただ、そのままにしておきましょう。
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    自分の体を内観しましょう。体の内側の背骨の付け根部分、尾てい骨あたりに意識を向けます。身体の軸である背骨に沿って、徐々に意識を上に持っていきます。体の部位ごとに意識を向けながら、じっくりと観察しましょう。
    • 五感(味覚、嗅覚、視覚など)を自覚しましょう。
    • 湧き上がってくる考えや感情、そしてそれらを受け入れる過程を認識しましょう。
    • 身体の各部位の相互作用について考えてみましょう。
    • 瞑想中に、緊張または痛みがある部分に気づきましょう。
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    心を制御し、集中力を高めましょう。瞑想において、より高いレベルの集中力を得るために、内観を行いながら徐々に心を鎮めていく必要があります。身体と呼吸に意識が向いていない限り、心を穏やかな状態で安定させることは不可能です。心を自覚するために、以下「心の4つの要素」と呼ばれるものを理解し実践してみましょう。
    • 自分の心と、心の持つ印象、エゴ、判断、区別について観察します。
    • 見解は、肯定的、否定的に関わらず、そのまま受け入れましょう。
    • 思考の流れが次から次へと移る様を観察しましょう。
    • 心が集中する対象物が移っていくことを避け、一点に集中できるように訓練しましょう。[13]
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    1つの対象物に集中しましょう。今この瞬間に集中することが瞑想になりますが、瞑想を始めたばかりの頃は、注意力が散漫になり意識が様々なところへ飛んでいくでしょう。しかし、雑念に囚われ注意がそれるたび、できるだけ対象物に意識を戻すようにしていると、瞑想が上達していくに従って、そういった雑念も気にならなくなっていきます。[14] 集中する対象物の例として、以下の様なものがあります。
    • 紙に描いた1つの点
    • タイルの中心点
    • 床材の一部分のデザイン
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    ゆっくりと目を開けましょう。瞑想後には、目をゆっくりと開き、身体を少しずつ動かしながら徐々に意識を身体に戻していきます。体の内部の変化や意識の変化を、細かく自覚しましょう。[15] ヨーガの瞑想を終了する一連の動きとして、以下を参考にしましょう。
    • 数回ほど、軽く拳を握る。
    • ふくらはぎの筋肉をほぐす。
    • 笑顔は顔の筋肉に集中できるだけでなく、心をリラックスし安定させるため、瞑想の効果をより一層高める要素にもなります。[16]
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ポイント

  • 集中することが苦でない人は、より長く、より回数を増やし瞑想を実践するよう心がけてみましょう。
  • 瞑想の記録をつけるといいでしょう。
  • 瞑想は平常心で続けられることが理想的です。
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このwikiHow記事について

Susana Jones, C-IAYT
共著者 ::
認定ヨガセラピスト
この記事の共著者 : Susana Jones, C-IAYT. ディナ・ガルシアはフロリダ州マイアミ市にて「Vida Nutrition and Conscious Living」を経営する開業栄養士です。ボール州立大学にて栄養学の学士課程を、カリフォルニア州立大学フレズノ校にて栄養管理学の実践研修を修了。管理栄養士会にて管理栄養士(RD)の認定資格を取得。フロリダ州認定管理栄養士の資格を保有。栄養士として15年以上の経験があり、来談者たちが自分自身を慈しみ、自信を取り戻ヨーヨーダイエット(ダイエットで体重増減を繰り返す)、過食症、食べることへの罪悪感を克服し、 この記事は6,975回アクセスされました。
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