レビュー論文とは、対象論文の要約と批評的評価を行う論文です。該当分野の文献を紹介する目的でレビュー論文を課題として出す教授も多いでしょう。また専門家が他の専門家の著作の批評を依頼されるケースも多く見られます。正確に要約を行う上で、対象論文の主要な論点と展開される議論を理解することが不可欠です。論文の主題、論拠の展開、さらなる研究への意義についての論理的評価は、レビュー論文の重要な要素となります。ここではレビュー論文を書く上でのガイドラインを紹介します。

パート 1 の 2:
論文を書く準備をする

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    レビュー論文とは何かを理解する レビュー論文は、一般読者ではなく、論じられる主題に精通した読み手を対象として書かれるものです。[1]レビュー論文では、論文に提示された基本的な考え方、論拠、立場、および結論の概要を述べた後、該当する分野での貢献度と全体的な有効性を批評します。
    • レビュー論文では意見以上の内容を提示します。論文中での考察について、自分自身の研究の考え方、理論、成果を元に反証を構築する作業になります。具体的な事実に基づき、自分自身の論理的思考を通して批評的な評価を行います。
    • レビュー論文は対象記事の研究に的を絞ります。考察範囲外の別の研究は持ち込みません。[2]
    • レビュー論文は概説および批評を行う場です。
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    論文の構成を練る 批評する論文を読む前に、レビュー論文の構成を理解しておく必要があります。これは評論を書く目的で論文を効果的に読む方法を会得する上で役立つ知識です。レビュー論文は以下の部分によって構成されます。
    • 論文の概要: 重要な論点、主張、付随情報に的を絞ります。
    • 論文の長所: 論文の優れた点、鋭い主張、洞察力の高い観点を指摘します。
    • 論理の食い違う点、穴、矛盾点の特定[3]: 主張を裏付けるに十分なデータあるいは研究成果が含まれているかを査定します。論文中で解決されていない点があるかどうかも精査します。
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    論文の下読みをする 題目、要約、導入部、見出し、各段落の開始文、および結論をざっと読むことから始めます。次に冒頭の数段落、そして結論を読みます。[4] この作業で筆者の主張および主要な論点が特定できるでしょう。次に論文全体を通して読みます。最初に読む時には、大局的視点で読みます。つまり論文で主張される議論と論点の全体像を掴むことを目標とします。
    • 不明な言葉や問題点、疑問点を書き留めます。
    • 論文を完全に理解するために、熟知しない用語や概念についてリサーチします。
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    論文を詳細に熟読する 二度、三度と読み返します。ペンや蛍光ペンを使い、重要なセクションについてのメモを取ったり、線を引きます。要点とそれを裏付ける事実に蛍光ペンを引きます。[5]
    避けるべきこと: すべての段落に蛍光ペンを引くのは無意味です。重要な点だけに集中します。
    心がけること: 非常に重要な点については、メモやクロスリファレンスを添付します。
    • 論点と既得の知識との関連性を意識して考察を行います。ゼミで議論したことや他の論文から学んだことを思い出します。この論文の主張は、今までに学んだことと合致するのか、それとも反駁するものなのか、この分野の既知の事実に基づいて構築された議論なのか、といった点に注目し、対象論文と該当分野の他の論文との類似点や差異を見極めます。
    • 論文の意義に注意します。論文の内容を正しく理解しましょう。対象論文の内容を確実に把握することが、レビュー論文を書く唯一の方法です。
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    自分の言葉で論文の内容を書き出す 体裁にこだわらず、短い文章や箇条書きにします。自分の言葉で言い換えた内容を書き出します。議論、研究、主張の内容に集中し、重要な論点を漏れがないようにカバーします。正確性の維持に留意します。
    避けるべきこと: 文章編集や言い回しの推敲に時間をかけてはいけません。これは自分の頭の整理のために行う作業です。
    心がけること: 正しく理解しているかを検証するために、明確で論理的な構造で記述します。
    • 形式はどうであれ、論文の主な論点と、その論拠となる研究結果や議論の要旨をまとめる作業となります。厳密に言って、これは論文の要点の言い換え作業であり、自分の意見は取り込みません。
    • この作業の後、レビュー論文では論文のどの部分を考察したいかを見定めます。理論的方法、内容、証拠の提示およびその解釈が検討対象になりえます。論文の中心的課題については必ず考察すべきですが、論文の特定の側面を取り上げたい場合もあるでしょう。この作業は、レビュー論文を講義内容に沿わせたい場合にも有益です。[6]
    • 書き出した要約から不必要な情報を削除します。さほど重要でない論点や論拠は消去するか線を引いて消します。修正した要約は、レビュー論文の冒頭で登場するサマリーのたたき台として使用できます。
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    評価の概要を準備する 要約の各項目を確認し、論議が正確かつ明確であるかを判断します。効果的な論調、該当分野への新たな貢献、改善が必要な点を書き留めます。長所と弱点のリストを作成しましょう。特定の問題についての議論が明確にまとまっていれば、長所となります。新規の情報や問題の解決が提示されていない場合は、弱点となります。例えば、論文中で周知の調査結果を誤って報告している場合、それを弱点として指摘することができます。反証には具体的な例や参考文献を用います。評価の概要を作成するにあたり、上記の点についての自分の考察を書き留め、確認のために事実関係を調べます。批評および考察を進める際には、以下の点を考慮します。
    • 何を目的として書かれたのか?
    • どんな理論的枠組みおよび前提が採用されているか?
    • 中心概念は明確に定義されているか?
    • 提示された証拠はどの程度適切か?
    • 既存の文献や分野にどう適合されるか?
    • 主題に関する見識を進展させるか?
    • 論調は明瞭か?[7]
      避けるべきこと: 表面的な意見や私的な反動的感情を持ち込んではいけません。
      心がけること: 自分自身が持つ先入観を意識します。自覚することで、先入観に左右される可能性は避けられます。
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パート 2 の 2:
レビュー論文を書く

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    題目を決める 批評の主眼を反映する題目にします。宣言的・記述的・問いかけ的な題目など、どのタイプを採用するかを決めます。[8]
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    対象論文の引用 題目の下に、完全な形式および適切な体裁で引用を挿入します。[9] 評論は次の行から書き始めます。引用部分と自分の評論の間に行を空けません。
    • 英文論文の場合、米国現代語学文学協会(MLA)の形式では以下のようになります。Duvall, John N. "The (Super)Marketplace of Images:Television as Unmediated Mediation in DeLillo's White Noise."Arizona Quarterly 50.3 (1994):127-153.Print. 日本語の場合の形式は以下の通りです。ジョン・N・デュヴァル(1994), 「イメージの市場(スーパーマーケット): デリーロ著『ホワイト・ノイズ』における媒介されない媒介としてのテレビについての考察」, 『アリゾナクォータリー』1994年503号, pp.127-153, アリゾナクォータリー社.
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    対象論文を特定する 論文題目、著者、雑誌名、初版出版年を引用して評論を開始します。
    • 例: 「コンドームの使用はAIDSの蔓延に繋がる」という記事は、カソリック司教であるアンソニー・ジマーマン氏によって執筆された。
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    導入部を書く レビュー論文の導入部には同定文を用います。論文の中心主題、議論、著者の主張に言及します。著者のテーゼ(主題文)も論じる必要があります。テーゼが複数の観点を持つことや、論文中では明瞭でない場合もあります。テーゼが明らかでない場合は著者のテーゼを自分で組立てなければなりません。[10]
    避けるべきこと: 「私」のような一人称の使用は避けます。
    心がけること: 三人称話法と正式な学術的文章形式を使用し、論文の全体的な基調とします。
    • 導入部は論文の10~25%程度にまとめます。[11]
    • 自分のテーゼで導入部を締めくくります。準備した問題点の指摘を行います。 例:いくつかの優れた論点はあるが、本記事には偏見が散見され、また他の研究におけるコンドームの有効性分析のデータが曲解されている。[12]
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    対象論文の概要をまとめる 準備として作成したまとめを参照し、主要な論点、議論、結論を自分の言葉でまとめます。主張がどのように論文で証明されているかを明らかにします。論文の結論も必ず含めましょう。レビュー論文の長さについては教授や出版社からの要件に左右されるかもしれませんが、概要部には数段落を割くのが適当です。
    避けるべきこと: 該当分野の専門家の熟知する特定例、統計、予備知識については記述する必要がありません。
    心がけること: スペースが許す限り、各セクションの主要論点をカバーします。
    • 直接引用の使用は控えめにします。
    • 書いた概要を見直します。何度か読み直し、自分の書いたことが対象論文を正確に記述しているかをしっかり確認します。
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    批評的評価の記述 準備した評価の概要を利用し、数段落を使って著者の議論の優れた点を指摘し、対象論文が明確で完全かつ有用な議論であるかについての自分の意見を明らかにします。ここがレビュー論文の核心となります。また対象論文の該当分野への貢献度と重要性を評価します。[13] 主論点と議論の批判的評価を行います。論点が主張を支持するものであるか、また偏見があるかどうかを判断します。論文に賛同するか否かを明らかにし、その理由を充分に展開します。対象論文を読むことでどのような読者が恩恵を受けるのかを述べ、評価部分の締めとします。
    避けるべきこと: 関連性の薄い批評を長々と記述することは避けましょう。
    心がけること: 反論と賞賛が一貫した主張として自分のテーゼとなっているかを確認します。
    • 批評の論拠となる論文や文献あるいは証拠を引用します。
    • 批評のためには概要部分が非常に重要となります。評価を意義のあるものにするには、概要部で著者の主張が明確化されていなければなりません。[14]
    • 批評部は対象論文が好きか嫌いかを記述するものではありません。あくまでも論文の重要性および妥当性を論じる場であることを忘れないようにします。[15]
    • それぞれの意見について、主題文および論拠となる主張を提示します。例えば、意見部分の最初の文章で特定の長所について言及し、次の数文でその論点の重要性についての議論を展開します。
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    レビュー論文の結論を書く 対象論文の主要論点、そしてその重要性、正確性、明確性についての自分の意見をまとめます。妥当ならば、該当分野でのさらなる研究や議論への影響についても言及します。
    • この部分は全体のおよそ10%程度にまとめます。
    • 例: 本レビュー論文では、アンソニー・ジマーマン氏の「コンドームの使用はAIDSの蔓延に繋がる」という記事について評価を行った。この記事は論拠となる詳細情報に欠き、不正確な情報に基づく偏見および先入観で議論が進められている。上記の問題点のために、記事の主張は根拠薄弱であり、信頼性に欠けるものとなっている。[16]
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    校正する もう一度自分の論文を読み返します。文法、文体、また言葉の使用についての間違いがないかを確かめます。余計で不要な情報は必ず削除しましょう。
    • 対象論文の重要な問題が特定され、議論されているかを再度確認します。[17]
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