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乗り物酔いを起こしやすい人にとって、遊園地の乗り物を楽しむことは問題外でしょう。目や内耳、筋肉や関節は、動きの変化を感知して脳に情報を送ります。乗り物が揺れ始めると、体の各部が異なる情報を送るため、脳が混乱してむかつき感やめまい、最悪の場合は噴出性嘔吐を引き起こします。ジェットコースターだけがこうした問題を引き起こす訳ではなく、遊園地での乗り物酔いに対するアドバイスは、船や列車、飛行機や自動車に乗る際にも適用できます。乗り物酔いを克服するために、薬を服用したり、食習慣や姿勢といった乗り物酔いを悪化させる生活習慣を正しましょう。

方法 1
方法 1 の 2:

酔い止め薬を服用する

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    市販の酔い止め薬を入手しましょう。ジメンヒドリナート(但し、商品名は異なる)は抗ヒスタミン薬の一種で、大半の薬局で購入できます。酔い止め薬は、めまいや吐き気と関連がある脳内の受容体を阻害します。眠気を催すタイプと、眠気が少ないタイプの二種類の錠剤が購入できます。 遊園地の乗り物には、眠気が少ないタイプが最適でしょう。列車や飛行機での長距離移動で睡眠が取れるのであれば、眠気を催すタイプが効果的です。
    • 乗り物酔いを防ぐには、遊園地の乗り物に乗車する30分から1時間前に、最初の酔い止め薬を服用します。大人と12歳以上の子供は、乗り物酔いの予防もしくは治療の必要に応じて、通常4から6時間毎にジメンヒドリナートを服用します。12歳未満の子供は、必要ならばジメンヒドリナートを6から8時間毎に服用しますが、事前にかかりつけの小児科医に相談をしましょう。
    • 他にも類似の酔い止め薬があります。かかりつけの医師か薬剤師に、どの薬が自分に最適かを確認しましょう。
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    スコポラミンパッチを入手しましょう。スコポラミンの入手には、医師による処方箋が必要です。この薬は、ジメンヒドリナートによる治療が効果的ではない患者に処方されるのが一般的です。大半の場合、スコポラミンはパッチの形で処方されます。
    • 眠気や方向感覚の喪失、口腔乾燥や幻覚などを含む副作用の可能性について、医師に相談をしましょう。[1]
    • 緑内障や特定の医療上の問題を抱えている人は、スコポラミンが使用できない場合もあるため、必ず前もって医師に抱えている医療上の問題を伝えます。
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    スコポラミンパッチを貼りましょう。パッチは、同梱の説明書に従って使用します。乗り物酔いを防ぎたい時間帯の最低4時間前に、耳の裏側にパッチを貼るのが一般的です。パッチを貼る前に、耳の裏側を洗いましょう。保護用パッケージからパッチを取り出し、肌に貼り付けます。 パッチの取り扱い後は、手を良く洗いましょう。パッチは、必要な間もしくは説明書が指定する時間、貼ったままにします。[2]
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    生姜のサプリメントを試しましょう。生姜(学術名:ジンジベル・オフィシナーレ zingiber officinale) は安価で効果的です。生、あるいはトローチ剤/錠剤として摂取ができます。 生姜や生姜サプリメントは、スーパーや薬局などで入手できます。
    • 乗り物に乗車する前に、なま生姜を摂取したい時は、皮を剥いて小さく角切りにします。チューインガムの小片を思い浮かべながら、類似した大きさの角になま生姜を切ります。生姜の後味はぴりっとしているため、不快に感じる人が多くいます。そう感じる時は、錠剤かトローチ剤を選択しましょう。[3]
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方法 2
方法 2 の 2:

乗り物酔いを防ぐために計画的に乗車する

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    胃を落ち着かせるために食物を摂取しましょう。乗り物の乗車前後のいずれかに、クラッカーやジンジャーエールのような胃をすっきりとさせる食物を摂取します。口当たりの良い食物や高炭水化物で低脂肪な食物は、酔い止めに最適です。生姜を含む食品、パンやシリアル、穀物や果物を摂取しましょう。[4]
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    乗り物の最も安定した場所に座りましょう。安定した場所は乗り物によって異なります。ジェットコースターの最も安定した場所は、真中あたりが一般的です。後部と前部は真中よりも振り回される傾向にあります。自動車の場合は、前席が最も安定しています。船や飛行機でも、中央部が最も安定しています。[6]
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    頭と頸をまっすぐに保ちましょう。乗り物酔いは、通常体の各部位から相反する信号が送られる結果として発症するので、頭と首を常時まっすぐに保つようにしましょう。体をまっすぐに保てば、頭が振り回されないようになります。ジェットコースターへの乗車による頭や首の障害を避けたいのであれば、体をまっすぐに保つことは特に大切です。[7]
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    一点を見つめましょう。前をきょろきょろと見渡すとめまいが起きやすくなるため、どこにいても一点をじっと見つめるようにしましょう。 ジェットコースターに乗車している時は、前の車両を見つめるか、ただ目を閉じておきます。 乗船時は、水平線を見つめましょう。 そうすると船酔いを低減できます。[8]
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    活動を減らしましょう。 乗り物酔いには、簡素化が最も効果的です。 もちろんこれは、遊園地の乗り物のように多重活動がほぼ不可能な環境には当てはまりません。 しかし、飛行機や列車、船や自動車に乗っている時は、できるだけ多くの作業をしないようにしましょう。読書をしたり映画を見るのはやめて、乗り物酔いが治まるようにゆったりと座ってくつろぎます。[9]
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    P6のツボを押しましょう。心膜6として知られる経穴は、吐き気一般を緩和するといわれています。このツボは、手首にある内側のしわの中心部分から3cm程度肘方向に向かった所にあります。多くの旅行用品店では、このツボを押さえるボタンが組み込まれたリストバンドを販売しています。この手法は、乗り物酔いに対して効果があることが科学的研究によって報告されています。[10]
    • ツボへの刺激とツボを押す行為自体のどちらに吐き気を抑える効果があるのかについては意見が分かれています。[11] いずれにしても試してみると良いでしょう。
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  1. Stern RM, et al. Acupressure relieves the symptoms of motion sickness and reduces abnormal gastric activity. Alternative therapies in health and medicine. 2001 Jul-Aug;7(4):91-4.
  2. Miller KE, Muth ER. Efficacy of acupressure and acustimulation bands for the prevention of motion sickness. Aviation, Space and Environmental Medicine. 2004 Mar;75(3):227-34.
  3. めまいを止める

このwikiHow記事について

Laura Marusinec, MD
共著者 ::
学会認定小児科医
この記事の共著者 : Laura Marusinec, MD. マルシネック医師はウィスコンシン小児科病院の小児科医で、病院内の臨床実務評議会に参加しています。1995年にウィスコンシン医科大学医学部にて医学博士号を取得後、1998年に同大学病院小児科にて臨床研修を修了。全米医療ライター協会と小児緊急治療学会の会員です。 この記事は4,245回アクセスされました。
カテゴリ: 旅行中の健康
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