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介護疲れは在宅介護を続けている誰の身にも起こり得る、心身がすり減るような思いに包まれてしまう、深刻な問題です。介護にまつわる悩みやストレスを自分1人で抱え込んでしまい、休みの見当たらない毎日を過ごす中、ついには「もうどうにもならない」と、心が折れてしまうケースは少なくありません。こうした悪しき展開から、いわゆる『介護うつ』状態に陥らないためには、介護疲れの兆候をいち早く自覚し、自身に合ったストレス解消法を実践することが大切です。在宅介護に追われて精一杯の毎日が続く中、多くの介護者は、自分自身の心身のケアがお留守になりがちです。まずは介護疲れのシグナル、原因、予防法、適切な対処法など、踏まえておくべき正しい関連知識を確かめる作業を通じ、無理なく実践できる介護疲れの解消法を考えてみましょう。[1]

方法 1
方法 1 の 2:
介護うつを理解する

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    危険サインを知る 介護者がうつ病を発症した状態を指す『介護うつ』は正式な病名ではありませんが、本人や周囲の人が気づかぬうちに症状が進行するケースが多々見られる、注意が必要な病気です。介護うつの進行を未然に防ぐためにも、どのような初期症状が見られるのかを知り、危険サインを察知する対応が望まれます。以下に挙げる症状を自覚し、それが連続して2週間以上継続した場合、うつ病発症の可能性が疑われます。過剰に恐れを抱かず、自身の心身に正直に、冷静な自己判断に努めましょう。[2]
    • 食欲不振 好物を食べても美味しいと感じなくなり、食欲自体が低下して食事量が減り、体重減少が見られます。
    • 睡眠障害 眠れない、寝つきが悪い、夜中幾度も目覚める、早朝に目覚めてしまい十分な睡眠時間が確保できないなどの症状が現れます。
    • 焦燥感・不安感 原因不明の焦りや恐怖感を覚え、苛立ちから神経過敏となり、周囲の僅かな物音や変化にも心が乱れるケースも伝えられています。
    • 疲労感・倦怠感 体がやたらと疲れやすく、だるさが抜けず、全身が重く感じられます。肩凝り、頭痛を伴う人も見られ、やる気が失せて無気力状態に陥ります。
    • ゆううつ 気分が滅入り他人とのコミュニケーションが億劫になり、自分の殻の中に閉じこもるようになります。
    • 思考力低下 思うように物事を考えられず、ネガティブな思考が目立つようになり、自己否定から自殺願望を抱く人も見られます。
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    なりやすい人の特徴を知る 介護うつになりやすい人には、以下に挙げる共通した特徴が見られるとされています。自身がどの程度該当しているのかを知ることも、うつ病回避の初期対応の1つです。
    • 真面目・几帳面 自身の介護に対し、常に高いレベルと全力投球を求めがちです。自分自身のことよりも介護を優先させてしまい、結果的にストレスを膨らませてしまう傾向が否めません。
    • 責任感が強い 「自分の家族の介護は自分が頑張らなければならない」との責任感から、心身の不調を自覚していても第三者に頼ることなく、自分1人ですべてを抱え込んでしまい、自身を追い詰めてしまいがちです。
    • 完璧主義 手抜きを一切許さず、介護に対しても「こうあるべきだ」との理想と信念を曲げることができません。被介護者の存在(気持ち)が二の次となる、ひとりよがりな介護に走った結果、ストレスを溜め込んでしまう悪循環が懸念されます。
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    原因を知る 多くの介護うつは、複数の原因が複雑に重なり、心身に悪しき影響を及ぼすことが、発症の原因とされています。[3]
    • 精神的ストレス 被介護者が認知症の場合、懸命の介護に対して感謝の言葉ならぬ罵声を浴びせられるなど、理不尽と感じてしまう場面が少なくありません。また献身的な介護を続けるも、症状が改善どころか悪化しているように思えれば、虚無感に包まれてしまいます。その他、介護で仕事を休まねばならず、心の中で日々大きくなる職場に対する負い目、介護が中長期化する中、出口が見えない毎日に対する不安感など、いずれも精神的ストレスに直結する原因です。
    • 孤独感 特定の誰か1人に在宅介護の負担が集中してしまい、家族間のトラブルが生じ、結果的に介護者が孤立してしまうケースです。家族に相談相手もなく、自分自身を追い詰めてしまう悪循環が、うつ病発症の引き金となってしまいます。
    • 肉体的負担 被介護者の入浴・移動介助が中長期的に必要となれば、介護者の肉体的負担は大きくなり、肉体疲労が蓄積してしまいます。介護者が仕事と介護を両立させている場合、過労から体調不良やうつ病を生じる事例が報告されています。
    • 経済的負担 介護に充当できる金銭面の余裕がなく、外部の介護サービスが活用できない場合、そのしわ寄せは介護者とその家族に及びます。介護のために離職せざるを得ない場合、収入が途絶えてしまい、経済的困窮がより深刻となり、将来への不安感からうつ病を発症するリスクが高まります。
    • 燃え尽き症候群 介護者が自身の心身の限界を超えて頑張り過ぎてしまった結果、すべてが嫌になってしまい、不満や怒りが爆発してしまう『燃え尽き症候群』は、被介護者が亡くなった後に発症する場合もあり、注意が必要です。
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    予防法を知る 発症すると完治までに時間を要するとされる『介護うつ』を回避すべく、日常的に実践可能な予防法を理解しておきましょう。[4]
    • 1人で抱え込まない 在宅介護のすべてを自分1人でこなすことは極めて困難です。自分自身の心身に万一があれば、求められる介護のレベルが保てなくなり、被介護者にとっても望ましくない状況が避けられません。普段から無理をし過ぎない姿勢で、必要と感じたのであれば、臆せず第三者に相談もしくは協力を頼みましょう。
    • 自身のストレスを自覚する 自身のストレスから目を背けず、ストレスが蓄積している事実を受け入れ、手遅れになる前に発散させることで、心のガス抜きを繰り返しましょう。
    • 第三者に相談する 介護の悩みが生じたのであれば、家族、親戚、知人、専門のカウンセラーなどに相談しましょう。誰かに聞いてもらえただけでも心が軽くなり、アドバイスを受けることで問題解決につながるヒントが得られるなど、第三者への相談に期待されるメリットは少なくありません。
    • 関連情報を集める 介護に関する専門知識が不十分なままの孤軍奮闘は、介護者自身を追い詰めるリスクが見過ごせません。インターネットや関連書籍、地域包括センター、市区町村の相談窓口などを通じ、介護に関する情報を集め、必要な知識を増やしましょう。地域の行政や福祉団体が参加費無料で開催する講習会や研修会は、認知症に関する知識や入浴・移乗介助時の体重移動のコツなど、実践的な知識を学べるチャンスです。こうして得られた知識やノウハウが、介護者自身の心身の負担の軽減につながります。
    • 外部のサービスを利用する 訪問ヘルパーに介護の一部を依頼する、デイサービスやショートステイを活用したり、介護者が自身のプライベートタイムを確保することで、心身のリフレッシュを図りましょう。外部の専門家と接点を持つことで、普段自身が見落としていた被介護者への接し方や要着目点など、新たな気づきが得られることも、外部サービス利用のメリットです。
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方法 2
方法 2 の 2:
疲れを回避する方法を実践する

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    ボディメカニクスを活用する 介護を通じて蓄積する肉体的疲労を軽減するには、身体の負担をより軽減する工夫が大切です。力だけに頼って被介護者の体を支え、向きを変える作業は、介護者と被介護者双方に負担が感じられるだけでなく、安全面のリスクも懸念されます。ここで知っておきたいノウハウが、これは力学の原理を活用して体の負担を軽減する技術の『ボディメカニクス』です。疲労をより軽減し、腰痛発症を防ぐ効果が期待されるなど、介護現場における活用が注目されています。以下のポイントを正しく踏まえた上で、実践してみましょう。[5]
    • 重心は低く、両足を広げ、被介護者を支える足場面積をより広く確保しましょう。安定感が出ることで、無駄な力を使わずに支えられます。
    • 可能な限り被介護者に近づきましょう。より近い距離で自身の体全体で支えることで、特定の部位に負担がかかる状況を回避できます。
    • てこの原理を応用しましょう。起き上がる際に自身の腰を支点に、回転する要領で被介護者の起き上がりを介助すれば、無理な腕力を用いずに起こすことができます。
    • 被介護者の体を小さくまとめましょう。相手の手足が広がっていると支え辛くなるため、腕は身体の上に置き、膝を揃えることで、介助が楽になります。
    • 自分でできることは被介護者自身にやってもらいましょう。被介護者の身体機能の劣化を防ぐ効果にもつながります。相手の体調を注意深く見極め、決して無理はさせない注意が必要です。
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    自分だけの時間を楽しむ 在宅介護を自分1人だけで担ってしまった場合、自分の時間が実質ほとんど確保できなくなりがちです。買い物は駆け足で美容院に行くのも一苦労、夜中の睡眠時間中も被介護者が気になる、トイレや入浴タイムですら意識を外せないとなれば、ストレスの蓄積は避けられません。こうした状況下では、視点を変えて僅かな工夫を施すことで、自分の好きなことを楽しめる、あるいは自己啓発につながる、時間と空間を確保しましょう。具体的にどのような時間の過ごし方が、自身の気分転換になるかは人それぞれですが、介護に追われて忘れがちだった、以前の日常を思い出してみましょう。テレビや動画鑑賞など、受け身の気晴らしばかりに走らず、自らが何かを『行う』気分転換を通じ、日々の生活にメリハリをつけてみましょう。
    • 好きな食べ物を買ってきて、お気に入りの音楽を聴きながら味わう。
    • 手芸や絵画などが好きであれば、空き時間を活用して創作にチャレンジする。
    • ペン字の練習など、簡単に始められて成果を実感できる独習を日課にする。
    • インターネットを活用して、類似した環境で頑張っている、共通する趣味を持つ、新たな友人を探す。
    • 家族の協力や外部の介護サービスの活用が可能であれば、日帰りの小旅行など、日常の介護生活中心の生活環境を飛び出し、非日常の環境に自身を置く。
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    介護施設の利用を視野に入れる 自宅介護に限界を感じ、介護うつを発症しかねないと自覚した場合、介護施設の利用を視野に入れましょう。ここまで自宅介護を続けて来た以上、最期まで世話を続けたい、続けねばならないと思い込みがちですが、介護施設の利用は被介護者を見捨てることではなく、罪悪感を覚える必要はありません。むしろ心身が披露した状態で自宅介護を続け、結果投げやりな介護となってしまうリスクを回避することが、現状における適切な判断です。それぞれ異なる特徴を有し、提供されるサービスが異なる複数の種類の中から、自分たちにとって最適な介護施設の利用を検討してみましょう。[6]
    • デイサービス 送迎付きで、日中のみ日常の介助やレクリエーションに参加させてもらう施設です。
    • ショートステイ 最大30日以内で入所できる短期入所生活介助施設です。
    • 有料老人ホーム・特別養護老人ホーム 被介護者の生活の場を完全に施設内に移動する場合の選択肢です。
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    自分流の介護スタイルを模索する 介護疲れを回避し、より確実に解消する最重要ポイントは、介護を自分1人だけですべて背負わず、自身を無用に追い込まぬよう、自分の弱さを許す心の余裕です。在宅介護者の役割は要介護者を支えることであり、自らが満足納得できる介護を実践するばかりの、一方通行の作業ではありません。ましてや介護疲れから介護うつを発症してしまうなど、誤った『看護に殉じてしまう』状況は、絶対に回避すべき展開です。大変な介護生活の中に楽しみ、充実感、達成感を見出すことができる、介護鬱とは無縁の自分流の介護スタイルを確立すべく、決して無理し過ぎずに、地道な模索を続けましょう。誰もが理想と描く介護、それは介護者と被介護者すなわち家族のそれぞれを、互いにいたわり合える介護です。
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ポイント

  • 介護疲れは介護うつ発症につながるリスクが見過ごせません。兆候を知らせる危険サインを見落とさない、初期の冷静な判断が求められます。
  • 介護うつは複数の原因が時に複雑に作用することで発症します。介護生活が続く中、該当する自覚症状を見落とさぬよう、正しい関連知識を理解しておきましょう。
  • 介護疲れは肉体面と精神面の双方に生じます。前者は体への負担の軽減効果が得られるノウハウを駆使することで、後者は自分なりに工夫することでの軽減対応が望まれます。
  • 介護者と被介護者(家族)を互いにいたわり合える介護を心がけましょう。
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注意事項

  • 自宅介護に限界を覚え、外部の介護サービスを活用する選択を下すことは、被介護者(家族)を見捨てることではありません。
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