傷の消毒方法

共同執筆者 Fran Strulovitch, MD

この記事には:傷の消毒傷の管理16 出典

傷を負った直後の処置は、傷の治癒に重要な役割を果たします。軽傷の場合には、通常、適切な消毒と手当を行えば、合併症を起こさずに傷が治癒しますが、傷の消毒をしなかった場合には、感染を起して専門的な手当が必要になることがあります。傷の消毒方法および医師による手当が必要な場合を見極める方法を知っておくことが重要です。幸いなことに、消毒の手順は難しくありません。

パート 1
傷の消毒

  1. 1
    傷の状態を調べましょう。怪我の処置で最初に行うべきことは、傷を詳しく調べることです。傷の性質および重症度を見極める必要があります。以下の点に注意を払って、傷を詳細に調べましょう。[1]
    • 出血量を調べます。出血の勢いを確認しましょう。一定の勢いの出血か、あるいは脈打つような出血かを見極めましょう。
    • 傷口に異物が入っているかどうかを調べます。釣り針やガラス片のような異物自体が傷の原因かもしれません。
    • 傷口やその周辺に土や破片などが残っているかどうかを調べます。
    • 骨が突き出ている、骨の上部の筋肉が腫れている、手足が動かせないなど、骨折の形跡の有無を調べましょう。特に転落による負傷の場合には、こうした点が見られるかどうかに注意します。[2]
    • 腫れ、大きな青あざ、腹部の痛みなどの内出血の形跡の有無を調べましょう。[3]
    • 動物に襲われた場合には、噛み跡や複数の傷がないかどうかを調べます。有毒の蛇や昆虫の生息地に住んでいる場合には、そうした動物に襲われた場合の傷の様子を知っておくことが役立ちます。
  2. 2
    病院で診察を受ける必要があるかどうかを見極めましょう。軽傷の場合には自宅で手当ができますが、重傷の場合にはすぐに医師の診察を受けましょう。以下のような場合には、病院に行って診察を受けましょう。
    • 傷口からの出血が多く、脈打つような出血の状態(あるいは出血が止まらない状態)
    • 傷の深さが1cm以上に達している(傷口の縫合が必要となる可能性がある)
    • 重度の頭部外傷がある[4]
    • 骨折や内出血の形跡がある[5]
    • 傷口が汚れており、ここ最近、破傷風ワクチン接種を受けていない[6] (この条件は、特に錆びた金属物による負傷の場合には重要)
    • 抗凝血剤を使用している(この条件は、特に頭部外傷の場合には重要)
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    止血をしましょう。布やガーゼを折り畳んで傷口に当て、余った部分は傷の周囲に巻きつけます。布やガーゼの上から傷口を優しく押さえつけます。できれば、負傷した箇所を心臓よりも高い位置に持ち上げます。
    • 負傷した箇所を高く持ち上げると、血流を減少させ、出血を抑えることができます。[7]
    • 10〜15分が経過しても出血が止まらない場合には、すぐに病院で手当を受けましょう。[8]
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    小さな異物を取り除きましょう。傷口に除去可能な異物(小石、破片、釣り針など)がある場合には、注意深く取り除きましょう。
    • 可能であれば、消毒したピンセットを使用して小さな異物を除去します。
    • 傷口から大きな異物を除去するのは避けましょう。傷口が広がり、出血が増加する恐れがあります。[9]
    • 傷口に大量の破片があり、特に傷が広範囲の場合には(道路での擦過傷など)、病院で手当を受けましょう。破片の除去のために痛みを伴う洗浄が必要となる際には、局部麻酔の使用が望ましいかもしれません。
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    傷口を洗浄しましょう。出血が止まったら、次に、傷の箇所に温水をかけながら徹底的に洗浄します。傷口の洗浄は、早期の治癒を促すために最も重要な処置です。[10] 効果的な洗浄方法には、以下のようなものがあります。
    • バルブシリンジ(一般的な薬局で入手可能)に、蛇口から出した温水、または通常の生理食塩水(緊急時には、大きなボトル入りのコンタクトレンズ用保存液も使用可)を入れて使用します。バルブシリンジから傷口の上に液体を絞り出します。約2リットル分、これを繰り返して傷口を洗浄します。顔面や頭皮の傷の洗浄は、これよりも少量の液体で行うことができます。顔面や頭皮には多くの血管があり、出血により自然と傷が洗浄されます。
    • 静脈カテーテルチップが付いた60ccのシリンジを使用すると、洗浄に最適な量と水圧を得ることができます。捲れた皮膚の裏側や他の難しい箇所にある傷口も直接洗浄できます。医師の手当を受けに行くと、医師はこのタイプのシリンジを使用する可能性が最も高いでしょう。
    • 蛇口から温水を流して傷の洗浄をすることもできます。最低2リットル、すなわち、大きな炭酸飲料のペットボトルに相当する分量の温水を傷口に流しかけます。傷口全体から破片を除去し、捲れた皮膚の下部がきれいになるまで洗浄を続けましょう。
    • 火傷は冷水で優しく洗浄し、冷却しましょう。 [11] 化学薬品による熱傷の場合には、洗浄することで化学薬品が希釈され、皮膚組織への損傷を軽減できます。
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    傷に包帯をしましょう。傷口を洗浄した後、清潔な包帯を巻きます。包帯は体の動きを制限するため、傷口が塞がって治ります。また、包帯には新たな傷と感染を防ぐ役目もあります。
    • 傷自体よりも少し大きいサイズの包帯を使用します。[12]
    • 市販の包帯は、ほとんどの傷に対応可能です。その主力となるガーゼは傷口に巻きつけるか、傷の大きさに合わせて5cmx5cm、あるいは10cmx10cmのものを使用します。
    • 火傷、擦り傷、または傷口が複雑な傷の場合には、非粘着性パッド、あるいは綿花パッドで傷口を覆います。ガーゼを使用すると、乾燥した血液や治りかけの皮膚がガーゼに付着します。
    • 膿瘍や刺創など、傷口を開けておく必要のある傷の手当には、ヨウ素を染み込ませたガーゼが最適です。[13]

パート 2
傷の管理

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    傷の状態を毎日調べましょう。48時間が経過した後は、傷を毎日調べます。慎重に包帯を外し、感染や他の合併症の徴候がないかどうかを確かめます。感染の徴候を発見した場合には、医師に連絡をします。
    • 包帯が傷口にこびり着いて簡単に剥がれない場合には、温水に浸します。[14]
    • 傷口が露出している間に、感染の徴候を評価します。感染の徴候には、傷口周辺の皮膚の赤みや、負傷した手足の赤みの進行などがあります。膿が出た形跡や、緑がかった黄色の膿がないかどうかを確認します。[15]
    • 指で傷に優しく触れながら、傷の箇所が熱を帯びていないか、腫れが悪化していないかどうかを調べましょう。こうした症状は、特に皮膚に赤みが見られる場合には、警告サインである可能性があります。
    • 体温を計測して発熱がないかを調べましょう。38度以上の熱がある場合には警戒が必要です。すぐに病院で手当を受けましょう。
    • 皮下感染の場合には、医師による傷の切開が必要になるかもしれません。感染した傷の状態によっては、抗生物質、または全身麻酔による手術が必要です。これは、傷口が適切に洗浄されなかった場合に、特に多く見られます。
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    傷口を洗浄しましょう。傷がきれいな場合には、清潔さを保つために再び洗浄します。傷口に流水を1分間かけます。凝固した血液は石鹸と水で洗い流します。
    • 石鹸と水を使用して、傷周辺の皮膚および傷口が大きく開いていない箇所を洗浄します。石鹸を泡立てて、バースデーソングを2回歌い終わるまで洗えば、洗浄は完了です。
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    抗生物質を塗りましょう。洗浄が終わったら、綿棒で抗生物質入りの局所軟膏を少量すくい取り、傷口に塗りましょう。こうすることで、感染の機会を防ぐことができます。[16]
    • これは、徹底的な洗浄の代わりにはなりません。軟膏は控えめに塗りましょう。傷口がふやけている場合には、乾燥させてから軟膏を塗ります。
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    傷に包帯をしましょう。傷の上に清潔な包帯をします。傷の確認検査を行う期間は、包帯を清潔で乾燥した状態に保ちます。
    • 傷が治るまで、傷の検査を毎日繰り返します。
    • 最低でも最初の数日間は、できるだけ傷の箇所を高く持ち上げたままにします。これには、痛みと腫れを最小限に抑える効果があります。

ポイント

  • 縫合や他の医療処置が必要な傷の場合には、医師から指示された通りに傷の手当を行いましょう。

注意事項

  • 傷に感染が生じた場合は、早急に医師の診察を受けましょう。
  • HIVを始めとする血液感染の病気があることに注意しましょう。他の人の傷を洗浄する際には、ゴム手袋をはめ、血液に直接触れないようにするのが賢明です。

出典

  1. Bret Nicks, Elizabeth Ayello, Kevin Woo, Acute Wound Management : Revisiting the approach to Assessment , Irrigation and Closure, Journal of International Emergency Medicine, 2010, Dec, 3 (4) 399-407)
  2. http://www.webmd.com/a-to-z-guides/understanding-fractures-symptoms
  3. http://www.webmd.com/first-aid/internal-bleeding-causes-signs
  4. http://www.mayoclinic.org/first-aid/first-aid-head-trauma/basics/ART-20056626
  5. http://www.webmd.com/first-aid/internal-bleeding-causes-signs
  6. Center for Disease Control. Tetanus Vaccines for Wound Management.
  7. http://www.dhhs.nh.gov/dcbcs/bds/nurses/documents/firstaid.pdf
  8. Hoffman, R. Benz E.J. Jr., and L.E. Heslop. Hematology: Basic Principles and Practice. Laboratory Evaluation of Hemostatic and Thrombotic Disorders
  9. http://www.dhhs.nh.gov/dcbcs/bds/nurses/documents/firstaid.pdf
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記事の情報

この記事はFran Strulovitch, MDが共著しています。 ストゥルーロヴィッチ医師はイリノイ州のバーバンクに住む救急医療専門医です。32年以上外来診療を行っています。シカゴ大学プリツカー医科大学院から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 救急処置・緊急医療

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