この記事の共著者 : Laurel Schwartz, MSW. ローレル・シュワルツは非営利団体「Crisis Text Line」にてクライシスカウンセラーを務めています。2019年にコロンビア大学にて社会福祉学の修士号を取得しました。Crisis Text Lineでは24時間年中無休でクライシスサポート(危機支援、人生相談)を提供しており、相談者はショートメール経由で「741741(米国のみ)」を送信することで、訓練を受けたクライシスカウンセラーからカウンセリングを受けることができます。現在までアメリカ国内にて100億件以上のメッセージのやり取りが行われています。
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親になったばかりで家庭の管理に奮闘している人もいれば、課題に頭を抱えている生徒もいるでしょう。誰でも「手助けが必要だ」と感じたことがあるはずです。「恥ずかしい」「断られるかもしれない」などという理由から、助けを求めるのは簡単なことではないと感じる人もいるでしょう。しかし、心配はいりません。自分はどのような手助けを必要としているのかをはっきりさせれば、丁寧かつ明確に助けを求めることができます。お願いされた人は喜んであなたを手助けしてくれるはずです。
ステップ
自分はどのような助けを必要としているのか理解する
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1リストを作る 手一杯の状況に圧倒されて、救いの手を求めたくなることもあるでしょう。自分の要求を明確に伝えられるように準備をしておくことが大切です。例えば、最近手術を受けたため、身の回りの世話をしてもらう必要がある場合、次のようなリストを作るとよいでしょう。[1]
- 食料品の買い出し
- 予約している歯医者に子供を連れていく
- 犬の散歩
- うつ状態に対処するための心の支え
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2それぞれの重要性に順位をつける 援助が必要だと感じることに対し、1~10で重要性を表します。10は援助が必須であることを示し、1に近づくにつれ、重要性は低くなります。こうすることで、自分が最も必要としている援助は何であるのかを理解しやすくなるでしょう。重要性が高いものから順に援助を求めるとよいでしょう。例えば、手術を受けた後にうつ状態になるのは普通のことです。うつ状態では身の回りのことをこなすのが困難になるため、うつ状態の辛さを緩和するために必要となる援助の重要性は「10」で表すべきでしょう。
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3手助けしてくれそうな人をリストに書き出す 助けを求めるのはなかなか気が進まないと感じるかもしれませんが、喜んで手助けしてくれる人があなたの知り合いにもきっといるはずです。家族や親しい友人に頼ることから始め、他にも助けの手を差し伸べてくれそうな人がいるか考えてみましょう。リストには以下のような人を挙げましょう。[2]
- パートナー
- きょうだい
- 子供
- 親友
- 近所の人
専門家情報24時間年中無休のクライシスサポートCrisis Text Line
24時間年中無休のクライシスサポート家族や地域社会に頼りましょう。「Crisis Text Line」のカウンセラーは次のように述べています。「援助してくれる家族がいるならば、簡単なことを手伝ってくれるようお願いする、ストレスを感じている時に話し相手になってもらう、自分の時間を数時間確保するために用事を頼むなどしてみましょう。地域社会の援助を利用することも可能です。例えば、育児支援や食事支援を提供している地域もあります。しっかりと自分自身を評価してあげましょう。あなたはできる限りのことを精一杯やっていますよ」
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4どの人に何を頼むか決める リストに書き出した要求をそれぞれ見比べて、どの人に何を頼むか考えます。姉が心理セラピストならば、うつ状態にどう対処すればよいか尋ねてみましょう。犬の散歩ができる年齢の子供がいる場合は、子供に犬の散歩を頼みましょう。パートナーに仕事を休むなどしてもらい、子供を歯医者に連れて行ってもらいましょう。近所の人が買い物に行く際は、ついでにあなたの買い物も少ししてきてくれないか頼んでみましょう。自分と相手の関係性を考慮に入れ、その人に適したことを頼むようにします。[3]
- 「業務委託」と同じことです。信頼できる相手に必要な仕事を任せることで、自分が困難な状況に置かれている場合は特に、ストレスが軽減するでしょう。
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5助けを求めることは健全かつ賢明であると理解する 誰かに助けを求めるからといって、あなたが弱い人間というわけではありません。むしろその反対で、人に助けを求めることができるのは、あなたが自分の要求を声に出して訴えられる強い人間であるからです。自分から助けを求めることをしなければ、誰もあなたを助けることはできません。助けを求めることは賢明であると理解しましょう。助けてもらわなければ、あなたの状況は良くなるどころか悪化するかもしれません。[4]広告
頼み事をする
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1適切な時を選ぶ 相手が明らかに忙しそうにしている時、または何かに気を取られている時に頼み事をしてはいけません。例えば、先生が授業を開始しようとしている時に課題に関する質問をするのはやめましょう。同様に、上司が急いで帰ろうとしている時にアドバイスを求めるのもやめたほうがよいでしょう。[5]
- 適切なタイミングかどうか判断できない場合は、相手に聞いてみることです。「手伝ってもらいたいことがあるんですけど、お話できる都合の良い時間はありますか?」などと聞いてみましょう。
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2遠慮せずに言う 助けてほしいと訴えない限り、大抵の場合は助けてもらえないでしょう。自分から進んで手助けすることを躊躇してしまう人もいます。助けが必要ならば、遠慮せずに頼みましょう。[6]
- 初めて訪れた場所で迷子になってしまったら、道を尋ねましょう。近くの店に入って尋ねるか、バスの運転手にどのバス停で降りればよいのか聞くなどしましょう。
- 「自分には助けを求めることなどできない」と弱気になってしまう場合もあるでしょう。しかし、ある程度の弱さを見せたほうが、手助けしてもらいやすくなるのです。助けを求めることに対して、弱さ、不安、恥を感じる必要はありません。
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3具体的に述べる 自分の心を他人に読んでもらえるわけではありません。単に「助けが必要です」と言うのではなく、どのような助けが必要なのか、具体的に述べましょう。例えば、先生に「よく分からないんですけど、手伝ってもらえませんか?」と言う代わりに、「Xを求める方程式が分かりません。例題を出しながら教えてもらえませんか?」と言うとよいでしょう。[7]
- パートナーには、「もっと家のことを手伝ってほしい」と伝えるのではなく、「ゴミ出しをして、洗濯をしておいてくれる?」と頼んでみましょう。
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4前向きに頼む 多少は泣き言を言いたくなることもあるでしょう。助けを求めるのを躊躇してしまう人は、泣き言を言うことで無意識に自分を守ろうとしているのかもしれません。前向きな気持ちで頼んでみるとよいでしょう。[8]
- 同僚に「ものすごく忙しいの!午後の会議、私の代わりに出てくれない?」などと頼むのはやめましょう。自分が忙しいことは伝わるかもしれませんが、それではまるで同僚は暇だと思っているかのように聞こえてしまいます。代わりに、「私たちお互いに忙しいのは分かってるんだけど、あなたのほうがストレスの多い状況に対処するのが上手いと思うの。午後の会議、私の代わりに出てもらうことは可能?そうしてくれると私は自分の仕事に集中できるんだけど」などと頼んでみるとよいでしょう。
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5自分を卑下しない 誰もあなたが自分を卑下するのを聞きたくありません。助けを求める際に、自分を見下した話し方をしないようにしましょう。そうするのではなく、自信を持って振る舞えば、必要とする助けを得ることができるはずです。
- 「僕は本当に頭が悪いんだな。代数学は理解できる気がしない。もう一度、教えてもらえる?」などと言ってはいけません。代わりに、「すごく複雑だけど、やればできると思う。他の例題を見ながら教えてもらえるかな?」などと言うようにしましょう。
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6辛抱強く待つ 自分が望んでいた援助を得られない時もあるでしょう。がっかりした気持ちになるかもしれませんが、屈しないことが大切です。自分が必要とする手助けを得られるまで諦めてはいけません。[9]
- 上司に指導を受けた際に、自分が望んでいた役立つアドバイスを得ることができなかったと感じることもあるかもしれません。次回のセッションをキャンセルするのではなく、再度受けましょう。具体的な質問を準備した上で、次のセッションに望みましょう。
- 誰かに助けを求めたけれど、その人は助けてくれなかった場合、他の人に頼むことをためらう必要はありません。援助を得るには何人かの人に頼んでみることが大切です。
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7自分も手助けをすることで信用を得る 他人を助けることで知られていると、人からの援助を得やすくなります。「人助けをして役に立てる人」という自分の印象を周囲に植え付けておきましょう。同僚が仕事で手一杯になっていたら、助けてあげましょう。そうすれば、あなたが同じような状況になった時に恩を返してくれるはずです。[10]
- 友人が病気の時は、食料を届けてあげましょう。あなたが苦境に陥った際には、恩返しとして友人から同じような手助けを得られるでしょう。
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ありがたく援助を受ける
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1助けてもらったことを認める 助けを求めたことを恥ずかしく思うこともあるかもしれません。しかし、助けてもらったという事実を受け入れず、何事もなかったかのように振る舞うのはやめましょう。相手がしてくれたことに対して率直に感謝しましょう。助けてもらった後すぐに感謝の意を表すことが大切です。[11]
- 課題をチェックするために先生が授業後に一緒に残ってくれたのであれば、「お時間を取っていただきありがとうございます」と言いましょう。
- 自分が遅くまで仕事をしていた時に、子供が家事の手伝いをしてくれたならば、「夕飯の準備を始めてくれて、とても助かったわ」などと言いましょう。
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2誠実に振舞う 誰かに助けてもらう際に申し訳なさを感じるのは悪いことではありませんが、相手からすれば、あなたに手を貸すことができて嬉しく思っているかもしれません。例えば、「今晩、子供たちの世話をしてくれて本当にありがとう。私たち夫婦にはデートをする時間が必要だったの」などと言ってみましょう。心から手助けを必要としていたのだと示せば、誠実さが伝わります。
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3いかに助けられたかを伝える 相手に感謝の気持ちを伝える時は、具体的に述べましょう。相手があなたのためにしてくれたことを詳細に伝えます。心理セラピストにお礼を言うのであれば、「セッションをありがとうございました。不安障害を克服するための良いアドバイスをいただくことができました」などと伝えるとよいでしょう。[12]
- パートナーに対するお礼ならば、「今夜は夕飯を作ってくれてありがとう。職場での長い1日の後にゆっくりくつろげるのは最高だわ」などと言いましょう。
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ポイント
- 助けを求めるのは何も悪いことではありません。誰しも助けが必要になる時はあります。
- お礼を言い忘れないようにしましょう。
- 贈り物やカードを送って感謝の気持ちを伝えることもできます。
出典
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/turning-straw-gold/201106/how-ask-help
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/turning-straw-gold/201106/how-ask-help
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/turning-straw-gold/201106/how-ask-help
- ↑ http://www.huffingtonpost.com/marian-l-knapp/when-to-ask-for-help_b_11154958.html
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/in-practice/201610/7-effective-ways-ask-help-and-get-it
- ↑ http://kidshealth.org/en/teens/help-obstacles.html#
- ↑ https://www.psychologytoday.com/blog/in-practice/201610/7-effective-ways-ask-help-and-get-it
- ↑ http://fortune.com/2014/08/28/how-asking-for-help-actually-helps-you/
- ↑ http://kidshealth.org/en/teens/help-obstacles.html#