化学の収率を計算する方法

共同執筆者 Meredith Juncker, PhD

化学では、化学式に基づき、化学反応で理論上得ることができる生成物の最大量を理論収量と言います。実際には、多くの化学反応の反応効率は完全ではありません。実験をすると、より少ない収量しか得られないでしょう。反応効率を表すのが収率で、「収率=(収量/理論収量)x 100」という公式で求められます。収率90%の場合、反応が90%の効率で起こり、原料の10%が無駄になったことを意味します(反応が起こらなかったか、生成物を逃してしまったということです)。

パート 1 の 3:
限界反応物質を調べる

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    まず釣り合いのとれた化学反応式を書きます化学反応式は、反応物質(左辺)が反応して生成物(右辺)になるのを書き表したものです。化学反応式が与えられる設問もあれば、記述問題等で自分で書くのを求められる場合もあります。原子は化学反応の過程で生成されたり破壊されたりしないので、左辺と右辺の分子が持つ原子の数は、等しくなければいけません。[1]
    • 例えば、酸素とグルコースは反応して二酸化炭素と水になります。
      左右両方に炭素原子(C)6個、水素原子(H)12個、そして酸素原子(O)18個があります。よって、反応式は釣り合いが取れています。
    • 自分で反応式の釣り合いを取るように求められた場合、この記事を読みましょう
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    各反応物質のモル質量を計算します化合物に含まれる各原子のモル質量を調べ、それらを足し合わせてその化合物のモル質量を求めます。化合物一分子当たりで計算しましょう。[2]
    • 例えば、酸素分子1つ() には酸素原子が2つ含まれます。
    • 酸素のモル質量は約16 g/molです(周期表を見ればより正確な値が分かります)。
    • は酸素原子2個x 16 g/mol = 32 g/molです。
    • もう一つの反応物質であるグルコース()のモル質量は、(6 C x 12 g C/mol) + (12H x 1 g H/mol) + (6O x 16 g O/mol) = 180 g/molです。
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    各反応物質の量をグラムから物質量に変えます。ここで、自分が行う実験内容に目を向けましょう。各反応物質の量をグラムで書きます。そしてその値を化合物のモル質量で割り、物質量で表します。[3]
    • 例えば、40gの酸素と25gのグルコースを反応させたとします。
    • 40 g / (32 g/mol) = 1.25molの酸素
    • 25g / (180 g/mol) = 約0.139molのグルコース
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    反応効率を求めます。1molは物質量の単位で、原子、イオン、電子、分子といった要素粒子6.02214076×1023個分として定義されています。これにより、各反応物質の元の分子量を求めることができます。1つの反応物質の物質量をもう1つの物質の物質量で割り、2つの分子の比を求めましょう。[4]
    • ここでは1.25molの酸素と0.139molのグルコースを反応させました。酸素とグルコースの分子の比は、1.25 / 0.139 = 9.0です。つまり、グルコース分子1個に対して酸素分子9個を反応させたということです。
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    この反応における理想的な比率を求めます。先に書いた反応式を再度見ましょう。この反応式から分子の理想的な比率が分かります。この比率を用いれば、両方の反応物質が同時に反応しきります。
    • 反応式の左辺はです。係数を見ると、酸素分子が6個、グルコース分子が1個あることが分かります。この反応における理想的な比率は、酸素6/グルコース1= 6.0だということです。
    • 反応物質の分母と分子は先に比率を求めたものと合わせる必要があります。片方では酸素/グルコース、もう一方ではグルコース/酸素としてしまうと、誤った結果が出てしまいます。
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    比率を比較して、限界反応物質を見つけます。化学反応では、1つの反応物質が他の反応物質よりも先に反応しきります。反応で得られる生成物の量は、その物質によって決まります。算出した2つの比率を比較し、限界反応物質を見つけましょう。[5]
    • 実際の比率が理想的な比率よりも「大きい」場合、分子の反応物質が必要以上に多いことを意味します。比率の分母の反応物質が限界反応物質です。
    • 実際の比率が理想的な比率よりも「小さい」場合、分子の反応物質が足りていないので、その物質が限界反応物質です。
    • 上記の例の場合、酸素/グルコースの実際の比率(9.0)が実際の比率(6.0)より大きいことが分かります。よって、分母の反応物質であるグルコースが限界反応物質です。
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パート 2 の 3:
理論収量を計算する

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    生成される物質を確認します。化学反応式の右辺に書かれているのが反応によってできる生成物です。各生成物には理論収量、つまり反応が完全に起こった場合に得られる生成物の量があります。[6]
    • 引き続き上記の例を見ると、この反応はという化学反応式になります。右辺には二酸化炭素と水の2種類の生成物があります。二酸化炭素、の収率を計算しましょう。
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    限界反応物質の物質量を書き留めます。実験での理論収量は、完全な状態で生成される生成物の量を意味します。この値を計算するには、まず限界反応物の物質量を算出しましょう(この方法は限界反応物の見つけ方の部分で述べた通りです)。[7]
    • 上の例では、グルコースが限界反応物であることが分かりました。また、最初にあるグルコースの量が0.139molであることも求めてあります。
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    生成物と反応物質の物質量の比率を求めます。化学反応式を再度見ましょう。得られる生成物の分子数を限界反応物の分子数で割ります。[8]
    • バランスが取れた化学反応式はです。6個の二酸化炭素分子()ができます。一方、限界反応物であるグルコース分子()は 1個です。
    • 二酸化炭素とグルコースの比は6/1 = 6です。つまり、この反応ではグルコース分子1個から6個の二酸化炭素分子を生成できることを意味します。
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    この比率に反応物質の物質量を掛けます。その答えが、物質量で求めた生成物の理論収量です。
    • グルコース0.139molを反応させ、二酸化炭素とグルコースの比率は6だということが分かっています。二酸化炭素の理論収量は(0.139molグルコース)x (6mol二酸化炭素 / molグルコース) = 0.834となります。
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    結果をグラムに変えます。物質量での回答にその化合物の モル質量 を掛けてグラムでの理論収量を求めます。モル質量での理論収量の方が、多くの実験において扱いやすい値となります。
    • 例えば、CO2のモル質量は約44 g/mol です(炭素のモル質量は12 g/molで、酸素のモル質量は16 g/molなので、合計は12 + 16 + 16 = 44となります)。
    • 0.834mol CO2 x 44 g/mol CO2 = 36.7g。よって、この実験によるCO2の理論収量は36.7gです。
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パート 3 の 3:
収率を計算する

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    収率を理解します。算出した理論収量は、全てが完璧な状態で反応が起こることを仮定しています。実際の実験では、これは起こり得ません。汚染物質やその他の予期しない問題により、反応物質の一部が生成物に変化しないということが起こります。そのため、化学者は3つの異なる概念で収率を考えます。[9]
    • 理論収量は実験により得られる生成物の最大量です。
    • 実収量は実際に得られた生成物の量で、測りで直接測定されます。
    • 収率=実収量 ÷ 理論収量 × 100%。例えば、収率が50%であれば、最大である理論収量の50%の量が得られたということです。
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    実験の実収量を書き記します。自分で実験をする場合は、反応後の物質から純粋な生成物を集めて測りに乗せ、質量を調べます。宿題の問題や既存の記録に基づく場合、実収量は書かれているはずです。[10]
    • 実収量がCO229gだとします。
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    実収量を理論収量で割ります。どちらの値も同じ単位であることを確認しましょう(通常グラム)。回答は単位が無い比率になります。[11]
    • 実収量が29g、理論収量が36.7gです。。.
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    100を掛けてパーセンテージにします。その答えが収率です。
    • 0.79 x 100 = 79なので、この実験の収率は79%です。つまり、最大生成量の79%分のCO2が発生したということです。
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ポイント

  • 「収率」(最大量に対する収量の割合)と「誤差率」(収量と理論収量との誤差)とを混同する人もいます。正しい収率の公式は、収量 ÷ 理論収量 x 100です。収量と理論収量の差を用いれば、誤差率の公式になります。
  • あまりに差が大きい結果が得られた場合、単位を確認しましょう。収量と理論収量とが桁違いに違う場合、計算のどこかで誤った単位を使っていることが疑われます。各数値の単位に気をつけながら計算をやり直しましょう。
  • 収率が100%以上(かつ計算間違いが無い)場合、別の物質が生成物に影響を与えています。生成物を(乾かしたり濾過したりして)精製し、測り直しましょう。

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このwikiHow記事について

博士候補生(生物化学・分子生物学)
この記事はMeredith Juncker, PhDが共著しています。 メリディス・ジュンカーは生物化学と分子生物学の博士候補生です。ルイジアナ州立大学ヘルスサイエンスセンターにて、タンパク質と神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症等)の関連性に焦点をおいた研究に取り組んでいます。
カテゴリ: 化学
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