土壌のpH値を下げる方法

共同執筆者 Andrew Carberry

この記事には:pH値を測定するpH値を下げる酸性の土壌を好む植物を知る26 出典

化学の世界では、pHとは特定の物質がどれほど酸性あるいは塩基性なのかを示す指標です。pH値がゼロに近いほど酸性度が高く、逆にpH値がほぼ14という場合は塩基性が高いということを指しています。また、pH値7が完全に中性ということになります。ガーデニングや園芸では、酸性の土を使用すると植物の生育に深刻な影響を及ぼします。ほとんどの植物はpH値6.0~7.5を許容できるものの、pH 値の幅が狭いほうがよく育つ品種も存在します。そこで、ガーデニングに真剣に取り組んでいる人は、土壌のpH値の調整ができるようになると良いでしょう。[1][2]ステップ1を参考に、土壌のpH値を下げる方法を習得しましょう。

パート 1
pH値を測定する

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    土壌のpH値をテストする pH値を変えるために何かを加えたりする前に、まず現在のpH値が理想の数値からどれほど離れているのかを確かめましょう。地元のホームセンターや園芸センターで専用キットを購入することができます。全農で土壌診断の申し込みも受け付けています。
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    使用予定場所に5つの小さな穴を掘る 土壌のpH値は市販のキットで簡単に測定することができます。ホームセンターや園芸センターで販売されていて、比較的安価に手に入ります。まずは測定したい場所の土のサンプルを採取しましょう。小さな穴を5つ掘ります。それぞれ、15~20センチメートル程度の深さで充分でしょう。一か所に固まらず、範囲を広げて採取するようにしましょう。こうすることでpHの大まかな平均値を把握することができます。[3]掘り起こした土は必要ありません。
    • ここで紹介する方法は最も一般化されたものです。実際に測定を行う時は、購入したキットに記載されている方法で行うようにしましょう。
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    それぞれの穴からサンプルを採取する シャベルや鋤などを使い、穴の内部から土を薄くスライスするように削ぎ取りましょう。このスライスが三日月のような形状で1.3センチメートルほどの厚みがあるようにしましょう。それぞれの穴のサンプルの大きさが同じだとより理想的です。取り出したサンプルを1つずつ清潔で乾燥したバケツに入れていきます。
    • それぞれのサンプルは1リットル弱、あるいはそれ以上の量を採取できると良いでしょう。どの測定方法でも足りるはずです。
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    バケツのなかで土を混ぜ、新聞紙の上に伸ばして乾かす 湿り気が全く感じられなくなるまで土を乾かしましょう。
    • 次の手順に進む前に土がしっかりと乾燥すしていることを確認しましょう。湿気が残っていると正確なpH値を測定できないこともあります。[4]
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    キット使って採取したサンプルのpH値を測定する 購入したキット次第で詳細な手順は変わってきます。小さな試験管に土を入れ、付属の液体を数滴たらし、よく振ってから数時間待つといった方法が多く用いられています。[5] 時間が経過すると液体の色が変わってきます。その色とキットに含まれている表の色を照らし合わせてpH値を割り出すことができます。
    • その他の方法を用いたキットももちろん存在するので、取り扱い説明書に従って作業を行いましょう。例えば、より最新型のキットには金属製の探針を使って、ほぼ即座に土壌のpH値を測定することができる電子機器などもあります。その他にも全農で土壌診断の申し込みを受け付けています。

パート 2
pH値を下げる

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    有機物を加える 有機性の堆肥、肥料やマルチ材を用いると、土壌のpH値が徐々に下がって(酸性化して)いきます。[6]加えた有機物の腐敗が進むことでバクテリアやその他の微生物が発生し、有機物を食べて増殖します。その結果、酸性の副産物が生じます。有機物によって土壌のpH値を変えるには腐敗させる時間が必要であることから、長期的に計画する必要があります。逆に短期間で劇的な変化はありません。園芸を行っている人の多くは土壌にこうした有機物を加え、じっくりと穏やかにpH値を下げることを毎年行っています。ただし、粘土質の土壌には不向きです。
    • 有機物を土壌に加えると、pH値以外にも、水はけや通気が良くなるという利点もあります。[7]
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    硫酸アルミニウムを加える より手早くpH値を下げたい人は、有機物を用いた方法は採用しない方が良いでしょう。その代わりに、園芸用品の専門店などで販売されている酸性の土壌添加剤を使ってみましょう。その中でも、例えば硫酸アルミニウムは比較的早く結果が現れます。硫酸アルミニウムは土の中で分解された瞬間から酸を生成します。つまりガーデニングにおいてはほぼ即座に効果が現れ始めるということを意味しています。[8] こうした特性から急いでpH値を下げたいという際に使ってみましょう。
    • 元のpH値次第で使用する硫酸アルミニウムの量は大きく変わります。1平方メートルあたり545グラム程度の硫酸アルミニウムを用意すると、目安として、例えば7.0は6.0に、6.0は5.0にpH値が1つ下がると考えられていますが、一概には言えないので注意が必要です。[9] その一方で添加物を使いすぎてしまうと植物に有害となります。こちらのウェブサイト(英語)等を参考に、より正確な使用方法を調べましょう。
    • 広範囲のpH値を下げる場合は硫酸アルミニウムを使わないようにしましょう。アルミニウムが蓄積し、土壌の毒性が高まります。[10]
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    硫黄を加える 硫黄もまたpH値を下げるうえで便利です。硫酸アルミニウムと比べると安価で、少量で効果が期待できる一方、時間がかかります。これは土壌の中でバクテリアによって代謝され、硫酸に変換されなければならないためです。[11] 土壌に含まれる水分量、バクテリアの数、気温等で違いは生じるものの、目に見える効果が現れるまで最大数か月を要します。
    • 硫酸アルミニウムとくらべると、全体的に少ない純粋硫黄華の量で同程度のpH値の変化を見込むことができます。一般的に、1平方メートルあたりのpH値を下げるために90グラム程度の硫黄が必要とされています。[12]こちらのウェブサイト(英語)等を参考に、より正確な使用方法を調べましょう。
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    硫黄コーティング肥料を加える 硫黄や硫酸アルミニウムの様に、硫黄コーティング肥料(尿素が含まれているもの)もまた、徐々に土壌のpH値を下げて酸性度を高める働きがあります。添加剤としての尿素は、比較的反応が早く、土壌に加えてから1~2週間で効果が現れます。[13]硫黄コーティング肥料は様々な肥料に原料として混ぜられています。植物の生育を促すために土に栄養を与えようと考えていた人は、こうした尿素配合の硫黄コーティング肥料を使うことで二度手間を省くことができます。
    • 硫黄コーティング肥料は製品ごとに内容の構成が異なります。購入した製品に記載されている使用方法をよく読み、目的に適した量を用いるようにしましょう。
    • 硫黄コーティングされた尿素は、栄養素をすべて一度に分配するのではなく、植物が必要としている量をゆっくりと持続放出するタイプの肥料です。
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    もう一つ酸性添加剤を加える これまでに紹介した他にも土壌のpH値を下げる添加剤は多数存在します。そうした成分の多くは、肥料に混ぜられて販売されていますが、一部は単品で購入することも可能です。必要となる量は購入した製品によって大きく変わってくるので、パッケージに記載されている内容をよく確認するか、園芸専門店のスタッフに聞いてみましょう。下記の添加剤を参考にしましょう。[14]
    • リン酸2アンモニウム
    • 硫酸鉄
    • 泥炭
    • 硝酸アンモニウム
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    アルカリ植物を育てる 土壌のアルカリ性(塩基性)が非常に高く、酸性の土壌を必要とする植物に不向きな場合は、アルカリ性の土壌を好む植物を栽培し、植物の寿命に合わせてpH値を下げていくようにしましょう。アルカリ植物が育ち成熟し、そして衰えていく際に土に帰っていく有機物がバクテリアの生育を促し、徐々に土壌のpH値を下げていきます。これは、有機物をマルチ材として加える方法と原理は似ています。土壌の中に有機物が堆積するようになるには、まず植物が育たなければならないので、土壌のpH値を下げる方法の中でも最も時間がかかる選択肢と言えるでしょう。アルカリ植物は下記を参考にしましょう。[15]
    • 特定の常緑の低木(ツゲの木、カリフォルニアライラック等)
    • 特定の落葉性の低木 (ライラック、モックオレンジ、レンギョウ種など)
    • 特定の多年生植物(Picksやヘレボルス)

パート 3
酸性の土壌を好む植物を知る

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    シャクナゲやツツジなどの低木を育てる際は土壌のpH値を下げる シャクナゲやツツジといった花が咲く種類の低木を適切な環境で育てるには、やや酸性の土壌が必要となります。こうした植物は、北米の太平洋岸北西部といった降雨量の多い地域の原産であることが多く、頻繁な降雨が土壌のpH度を下げる働きをしています。[16] このような種類の低木には、4.5~5.5のpH値が最も適しています。ただし、6.0までは許容範囲と考えられています。[17]
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    ベゴニア種やアジサイ種を育てる際はpH度を下げる ペチュニアやベゴニアといった鮮やかな色の花を咲かせる植物の多くは、酸性の土壌で最も元気に生育します。こうした花の中には、「やや酸性」から「非常に酸性」の土壌に変えるだけで花の色に驚くような違いが生まれます。例えば、pH値が6.0~6.2の土壌でアジサイを育てるとピンクの花が、pH値が5.2~5.5の土壌で育てると紫あるいは青の花が咲きます。[18]
    • pH値が低い環境で咲いた花の青い色はアルミニウムの働きによるものです。アジサイの場合、土壌のpH値が低いことでアルミニウムが吸収しやすくなり、これが花びらの色に反映されています。[19]
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    常緑樹を育てるためにpH値を下げる 針葉樹の多くは、やや酸性の土壌で育ちます。例えば、トウヒ、モミ、マツは全てpH値が5.5~6.0の環境を好みます。また、こうした種類の木の葉の部分には、アルカリ性の土壌に接触すると、有機物として腐敗していきながらpH値を下げる効果があります。
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    特定のベリー類を育てる場合もpH値を下げる 最も広く知られて人気のあるベリー類の一つにブルベリーが挙げられます。ブルーベリーは酸性度の高い土壌を好み、4.0~5.0のpH値が理想とされています。この他にも酸性の土壌を好むベリーがいくつか存在します。例えば、クランベリーはpH値4.2~5.0、グースベリー、カラント(スグリ)、エルダーベリーは5.5~6.5が最も理想的です。[20]
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    シダ類に対しては、中性よりもややpH値を下げる 庭で育てることのできるシダ類のほとんどは7.0よりもやや低いpH値が理想的です。アルカリ性の土壌を好むシダであっても、ある程度の酸性度であれば許容することができます。例えば、アジアンタム属のシダは7.0~8.0を好みますが、6.0前後の酸性度の土壌でも育ちます。[21] 4.0の酸性度でも生育できる種類まであります。[22]
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    園芸専門の情報源を参照して酸性の植物を調べる 酸性の土壌を好む植物は非常に多く、ここでは紹介しきれません。さらに学びたいという人は、包括的な園芸情報誌など参考にしても良いかもしれません。園芸専門店や本屋で様々な種類の冊子が販売されています。例えば、The Old Farmer's Almanac(英語)といった園芸図鑑には様々な種類の植物と適したpH値の一覧が含まれています。(こちらから参照することができます。)また、こちらから日本語で幾つかの植物の適正pH値を調べることができます。

ポイント

  • スプレータイプの土壌変質剤を購入することもできます。
  • 土壌の酸性度を変える際、化学物質を使いすぎないことが大切です。使いすぎると長期的に土壌と環境に有害となることもあります。
  • 適切でないpH値の土壌では植物はよく育ちません。これは土壌に依存した栄養成分がいくつかあり、酸性度が異なるとこうした栄養成分が無くなってしまうためです。
  • 元素状硫黄の効果は複数の季節の間持続するでしょう。
  • 元素状硫黄は春の間に撒きましょう。すでに植物が植えられた状態だと、とても撒きづらくなります。
  • 土壌のpH値は、その場所の水はけから浸食に至るまですべての要素に影響を及ぼします。
  • 可能な限り自然な堆肥を使用しましょう。土の栄養価が高まり植物の生育も促します。堆肥は芝生や料理のあとの野菜かすなどの良い再利用方法です。
  • 元素状硫黄と堆肥は生物反応を起こす一方で、硫化アルミニウムと硫酸鉄は化学反応を促します。

注意事項

  • 硫化アルミニウムを大量に使用しすぎると土壌が汚染されます。
  • 尿素、硫化アルミニウム、硫黄を植物の葉の上にこぼしてしまった場合は、たっぷりの水で洗い流しましょう。こうした成分が残留すると、葉は「火傷」してしまい、見た目が損なわれます。

出典

  1. https://www.extension.purdue.edu/extmedia/HO/HO-241-W.pdf
  2. http://www.organicgardening.com/learn-and-grow/how-lower-your-soil-ph
  3. http://www.lowes.com/cd_Test+and+Improve+Soil_1258058669_
  4. http://www.lowes.com/cd_Test+and+Improve+Soil_1258058669_
  5. http://www.thegardenhelper.com/acidsoil.html
  6. http://www.organicgardening.com/learn-and-grow/how-lower-your-soil-ph
  7. http://www.dummies.com/how-to/content/how-to-improve-garden-soil-with-organic-matter.html
  8. http://www.clemson.edu/extension/hgic/plants/other/soils/hgic1650.html
  9. http://www.clemson.edu/extension/hgic/plants/other/soils/hgic1650.html
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記事の情報

この記事はAndrew Carberryが共著しています。 アンドリュー・カーベリーは2008年より、学校の菜園や農場、そしてそれらに関する教育プログラムに携わってきました。現在は非営利団体、「Winrock International」において、地域社会に基づくフードシステム計画の開発に取り組んでいます。

カテゴリ: 園芸・ガーデニング

他言語版:

English: Lower Soil pH, Español: bajar el pH del suelo, Français: abaisser le pH du sol, Português: Diminuir o pH do Solo, Русский: понизить pH почвы, Italiano: Abbassare il pH del Terreno, Deutsch: Den pH Wert des Bodens senken, Bahasa Indonesia: Menurunkan pH Tanah, Nederlands: De pH verlagen van je grond, العربية: خفض درجة حموضة التربة, Tiếng Việt: Giảm độ pH trong đất, 中文: 降低土壤酸碱度

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