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土壌侵食は、雨や流水、風などの影響で土壌が流出または飛散する現象です。土壌侵食が起こると、土壌の栄養分が流出する、河川が泥流によってせき止められる、そして土地がやがて砂漠化するなどの問題が生じます。土壌浸食は自然現象ではありますが、人的活動が浸食をさらに悪化させる場合があります。

方法 1
方法 1 の 2:
土壌浸食の基本的な防止方法

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    植物や低木を植える 裸地では、浸食の主な原因である風や雨により表面の土が簡単に流出します。植物を植えると、根が土を掴み、葉が雨を遮って土の崩れを防ぎます。[1] 表層土を覆う芝、観賞用草本、繁殖力が高い低木などが、浸食の防止に適しています。
    • 裸地がある場合は、表土を覆う植物を植えて早めに浸食対策を行いましょう。
    • 土地がほぼ平地(3:1または18度以下の傾斜)の場合は、植物を植えることで浸食を防止できるでしょう。[2] 勾配がきつい土地は浸食速度が速いため、さらなる防止策が必要です。
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    マルチまたは石を敷く マルチや石は土を押さえつけ、種や若い苗が水に流されるのを防ぎます。また、水の浸透が遅れるため、土壌の流出を抑えます。マルチには、刈草またはバークチップが最適です。[3]
    • 直物を植える予定がない場合は、土をマルチで覆いましょう。植物の周りにマルチを敷くと、土の浸食防止効果と保温効果があります。

    注記:植物を植えると根が張って土をつなぎ止めるため、マルチや石は必要ないかもしれません。

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    浸食防止マットを敷いて斜面の植物を守る 浸食防止効果がある養生マットを種子や植物に被せて保護しましょう。急な斜面では、最も高い地点に小さな溝を掘り、マットの上端を手前に向けて溝に入れ、土を被せます。そして、マットを折り返して斜面を覆います。こうすると、雨水はマットの下ではなく、表面をゆっくりと流れます。[4]
    • 浸食防止マットは、ワラや不織布などの繊維を重ね合わせたシートです。このマットを使うと、マルチは流されたり、吹き飛ばされたりすることなく、その場に留まります。[5]
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    ヤシ繊維ロール(植生ロール)を設置する 急斜面の浸食を防ぐには、ワラやヤシの繊維で作られたロール状の植生基盤材を連結して設置する方法もあります。斜面を流れる雨水は、植生ロールに当たり速度を緩めて土壌に吸収されるため、泥流の流れを止めます。植生ロールを3~8m間隔で斜面に設置し、木杭または丈夫な植物を植えて固定します。[6]
    • 植物の種を植生ロールに直接蒔くと、やがて植物が生長してロールを固定します。
    • 植生ロールに直接種を蒔く場合でも、少なくとも根が土中にしっかりと張るまでは、ロールを木杭で固定する必要があります。
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    擁壁を設置する 浸食が著しい斜面は、土壌が安定するまで土砂崩れが続きます。斜面のふもとに擁壁を設置すると、土砂をくい止めて崩れを抑制します。やがて草類などの植物が生育し、土壌をつなぎ止めます。
    • 水が擁壁に溜まることなく横に流れるように、擁壁に2%の傾斜(斜面と垂直)をつけて設置しましょう。[7]
    • コンクリートブロック、岩、木材の擁壁が一般的です。木材を使う場合は、腐食しないように防腐処理済みのものを使いましょう。[8]
    • 花壇の周りや盛り土がされた場所にも擁壁を設置しましょう。
    • 擁壁の設置には、居住地域の自治体の許可が必要な場合があります。
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    水はけを改善する 建物の周辺には排水溝や排水管を設置し、雨水を庭から効率的に下水道へと排水する必要があります。適切に排水さていないと、多量の雨で庭の表土が流されてしまいます。
    • 雨水が大量に流れる場所には、有孔菅(穴のあいたパイプ)を地中に設置して暗渠排水を行いましょう。
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    可能であれば、水やりの量を減らす 水のやりすぎで表土が流れ、土壌浸食を助長する場合があります。可能であれば水の量を減らすか、点滴灌漑システムを設置しましょう。点滴灌漑では一度の給水量が少ないため、表土が流されることがありません。

    ポイント:点滴チューブを地中に設置し、根に直接給水してもよいでしょう。

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    土の圧縮を避ける 人間、動物、機械などの往来で、土は踏み固められます。土が圧縮されて粒子間の間隔が狭くなると、水が排水されにくくなって表土が流出します。土を踏み固めないために、敷石の上をを歩いたり、通り道を作ったりするとよいでしょう。特に、土壌が濡れている際は、注意が必要です。コンポストや堆肥を加えるとミミズが増えて土が柔らくなるため、この方法も効果があります。
    • 圧縮された土では根が十分に張れず、植物の生長も妨げられます。
    • 土が圧縮されると、常に土壌浸食の原因となります。圧縮土の上を流れる水はさらに勢いが増すため、他の場所にも浸食の被害を及ぼすことがあります。
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方法 2
方法 2 の 2:
農地の土壌浸食を防ぐ

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    植樹をして地滑りを防ぐ 浸食が激しい土地や急な斜面では、樹木の根が浸食の防止に役立ちます。勾配のきつい斜面や川岸に在来種の樹木を植え、土砂の流出を防ぎましょう。[9]
    • さらに効果を高めるには、樹木の周りの裸地をマルチまたは草類で覆いましょう。
    • 樹齢が高い樹木は、若木より地滑りを防ぐのに有効です。ただし、十分に強い根を張るまでには、時間がかかるかもしれません。
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    耕起作業を減らす 農地の深く頻繁な耕起は、水食を受けやすい圧縮された土と、その上に風食に弱い緩い土の層を作ります。[10] コールターなどの深耕可能な農機を使い、不耕起栽培(農地を耕さずに栽培)を検討しましょう。[11]
    • このような保全耕起では農業機械の往来も減少するため、土壌の圧縮も防げます。

    ポイント:不耕起栽培が難しい場合は、土壌の深層部に影響がない、畝立て耕起(畝以外は耕起しない)やマルチ耕起(中耕を省き、土壌表面に作物の残渣を残す)を試してみましょう。[12]

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    弱い作物は帯状栽培で保護する 根の弱い作物や間隔をあけて植える必要のある作物は、浸食の被害に遭う可能性があります。そのような作物は、密生する草類や豆類などの浸食に強い作物と交互に帯状に植えましょう。[13]
    • 作物を斜面の等高線に沿って植えましょう。
    • 可能であれば、作物の列を卓越風(ある時期に最も頻繁に現れる風向き)に対して垂直に植えましょう。
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    雨季の間、土地を休ませる 牛が年中放牧されている牧草地は、良好な状態を保つことができず、土壌が浸食されやすくなります。雨季には放牧地を閉めて、牧草を回復させましょう。
    • ただし、牛を他の牧草地で飼育できない場合は、この方法は適していないかもしれません。
    • 可能であれば、牛を川岸や土壌の浸食の激しい場所から常に遠ざけましょう。[14]
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    放牧地の表土は、常に植物で覆われている状態にする 裸地は、植物で覆わている土地よりはるかに浸食されやすいため、少なくとも30%、できれば40%以上、植物で覆われている状態を維持しましょう。[15]
    • 作物の収穫後、作物残渣を土壌表面に放置してマルチとして利用しましょう。または、冬作物を植えてもよいでしょう。
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    斜面での水の流出は放水路でコントロールする 流出した水は、地面を流れながら狭い場所に集中します。集まった水が斜面に到達する地点が、特に浸食が起こりやすい場所です。舗装または防水処理をを施した放水路を設置し、水を安全な場所へ誘導しましょう。浸食によってできた深い溝があれば、その縁にも同様の水路を作ってさらなる浸食を防ぎましょう。
    • 谷を作って流水を池に誘導する方法もあります。斜面に数本の谷を作ると、流出量が減少するため、舗装水路を設置する必要がありません。[16]
    • 勾配が1.5:1(約67%、33度)以上の斜面には、放水路は適していません。[17]
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    斜面を棚作りにする 急な斜面に植物を植えるのは困難です。斜面に擁壁を設置し、棚作りで植物を育てましょう。擁壁の間の土を平らにならし、浸食を防ぎましょう。
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ポイント

  • 建造物を設置する場合は、土壌浸食に関する自治体の条例を調べましょう。
  • 強風や砂嵐が頻発する地域であれば、敷地の周囲にフェンスを設置したり、防風樹を植えたりしましょう。樹木は、フェンスより砂を止める効果があります。
  • 居住地域で土壌浸食に関する認識を広め、対策を講じましょう。公共の裸地があれば、改善計画を立てましょう。
  • 野菜を植える畝は、斜面の縦方向ではなく横方向に掘りましょう。[18]
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このwikiHow記事について

Andrew Carberry, MPH
共著者 ::
フードシステム専門家
この記事の共著者 : Andrew Carberry, MPH. アンドリュー・カーベリーは2008年よりフードシステム(食物の生産から消費に至る過程)関連の仕事をしています。テネシー大学ノックスビル校にて公衆健康栄養と公衆健康計画・管理の修士号を取得しています。 この記事は3,348回アクセスされました。
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