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ファスナーは基本的に頑丈に作られてはいますが、時々壊れたり、途中で動かなくなることがあります。こうなると、イライラしたり、衣服全体を交換しなくてはならないのかと心配することもあるでしょう。しかし、壊れたファスナーの修理には様々な方法があり、衣服を交換する必要はありません。少し手をかければ、固着したり壊れたファスナーの修理や、それ以外のトラブルへの対処も可能です。

方法 1
方法 1 の 5:

動かないファスナーの修理

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    グラファイト(黒鉛)で滑りを良くする ファスナーがまったく動かなくなってしまった場合、潤滑剤を塗って動かすことができます。ファスナーの歯(務歯、エレメント)にグラファイトを塗って滑りを良くしてみましょう。
    • 潤滑専用のグラファイトスティックを購入するか、なければHBの鉛筆を使う。
    • 鉛筆をファスナーの歯に沿って上下に動かす。スライダーが固まっている部分の歯だけでも構わない。
    • 歯に沿って滑らかに動くようになるまで、スライダーを少しずつ上下に動かす。[1]
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    洗濯洗剤を塗る グラファイトに効果がなかった場合、ごく少量の洗濯洗剤を固着したファスナーに塗ってみましょう。洗剤にはより強い潤滑効果があるため、ファスナーの滑りが良くなる場合があります。洗濯洗剤を潤滑油として使うには、以下の方法を試してみましょう。
    • 少量の洗剤を小さな皿に入れる。 
    • さらに少量の水を加える。
    • 混合液に綿球か綿棒を浸す。
    • 浸した綿球(綿棒)でファスナーの歯に洗剤液を塗りつける。
    • 綿球(綿棒)を置き、スライダーを動かしてゆっくりとファスナーを動かす。ごくわずかしか動かない場合は、スライダーを元の位置に戻す。この手順をスライダーが動くようになるまで繰り返す。[2]
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    洗濯して滑りを良くする グラファイトも洗濯洗剤も効果がなかった場合は、一度洗濯してから再度挑戦すると良いでしょう。洗濯によって、最終的に、ほこり、汚れ、その他ファスナーの動きを阻害するものを落とすことが目的です。洗濯後に、さらに潤滑剤を塗ってみましょう。
    • 修理したい衣服を一点だけで洗いましょう。そうすると、他の衣服から出た糸くず、綿埃、ゴミなどがファスナーに引っかかることがありません。[3]
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方法 2
方法 2 の 5:

外れたファスナーの修理

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  1. 1
    ファスナーの歯に溜まったものを取り除く ファスナーの歯周辺に何かが蓄積していると、それが邪魔をしてファスナーが開いてしまうことがあります。そのため、ファスナーの歯を掃除して、閉まりを阻害するものを取り除く必要があります。
    • 小皿に水と洗剤を入れ、泡立つまでかき混ぜる。
    • 洗剤水に清潔な布を浸し、ファスナーの歯を拭き取る。
    • 別の清潔な布を水道水で濡らす。
    • ファスナーの歯から洗剤を拭き取る。
    • スライダーを上下に動かして開閉してみる。[4]
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    曲がった歯をまっすぐに直す 上記の方法が上手くいかない場合は、曲がった歯を修理する必要があるかもしれません。ペンチ(プライヤー)などの適当な道具を使って、歯をまっすぐにします。
    • 必要があれば繰り返す。
    • 歯を土台のテープから引き抜いてしまわないように気をつける。
    • ファスナーを普通通りに開閉し、直ったかどうか確かめる。[5]
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    ファスナーと歯を閉め直す スライダーを取り外さず、一番下まで動かします。ファスナーの歯を指で真っすぐにし、一列に並べます。ゆっくりとスライダーにファスナーを送り込んでいきます。その際に、少し力を入れる必要があるかもしれません。ファスナーが下止め(一番下にあるストッパー)まで動くことを確認しましょう。
    • この手順を数回繰り返す必要があるかもしれません。[6]
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方法 3
方法 3 の 5:

スライダーのトラブルの修理

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    上止め(一番上のストッパー)を取り外す ファスナーのストッパーを外すにはおそらくかなりの力が必要です。ペンチでてこの原理を使う場合は、力を入れすぎてファスナーを壊さないように注意しましょう。上止めがついたままでは見えない歯があり、スライダーも調べられないため、まずは取り外すことが大切です。[7]
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    上からスライダーを外し、調べる 横から見て、スライダーの上と下の間の溝(隙間)が均等かを調べます。溝が不均等だと、スライダーが歯にきちんとかみ合わないことがあります。
    • スライダーが曲がっていたり、隙間がある時は、ペンチで真っすぐにします。
    • スライダーを直せない場合は、交換が必要です。裏面にサイズが表示されているはずですが、表示がない場合はスライダーの大きさを測りましょう。ファスナーの部品はミリメートルで測ります。スライダーの大きさが5㎜であれば、サイズ5になります。地域の手芸店かオンラインで交換用のスライダーを購入しましょう。[8]
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    スライダーを交換する スライダーを修理・交換した後はそれをファスナーの歯に戻さなくてはなりません。以下の手順で行いましょう。
    • 一番下に四角いタブがある側に戻す。
    • 一番上の歯をスライダーの中に押し込む。
    • 必要があれば、マイナスドライバーで歯をスライダーの溝に押し込む。
    • スライダーを小刻みに動かし、ファスナーの一番下まで動かす。[9]
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    スライダーが動くことを確認する 歯に沿ってきちんと完全に上下するか、正常に動くかを試してみます。この段階で起こる可能性のあるトラブルがいくつか考えられます。
    • スライダーを交換したのにファスナーが外れる場合は、交換したスライダーのサイズが間違っている可能性があります。別のサイズを試してみましょう。
    • 元々あったスライダーを曲げた場合は、溝の隙間が依然として不均等かもしれません。再度スライダーを外し、曲げ直しましょう。 きちんと作動するまで続けます。[10]
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    上止めを交換する スライダーを交換したら、上止めを一番上の歯の上に取り付ける必要があります。上止めで止めておかないと、スライダーが外れてファスナーが正しく機能しません。
    • 上止めをペンチで正しい位置にぎゅっと止め付ける。
    • 4、5回しっかりと押さえつけて固定する。
    • 反対側の上止めも取り付ける。
    • 片方の上止めだけを交換する場合は、下にタブのある側にする。[11]
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方法 4
方法 4 の 5:

欠けた下の歯の修理

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    下止めを外す 下止めは、スライダーが一番下まで行った時に止める部品です。下の歯が欠損した場合には、古い下止めを取り外さなくてはなりません。
    • 衣服をしっかりと押さえ、下止めを引き外す。
    • 必要があれば、ペンチを使っててこの原理で力を加える。[12]
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    ファスナーの付け根の留め布を外す 留め布はファスナーをしっかりと衣服に留めつける部分です。留め布を取り外すことで、すべての歯が露わになります。ファスナーがきちんと動くようにするには、歯を全て修理する必要があるため、これは大切な工程です。
    • 衣服を裏返しにして、開口部の一番下にある留め布(内側にあり、ファスナーの下部を覆う折込部)を見つける。
    • リッパーで留め布の縫い目をほどく。[13]
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    より大きな下止めをつける 新しい大きい下止めをつけ足すことで、欠けた歯をカバーできます。こうするとファスナーが正しく機能するようになり、引っかかりや固着がなくなります。
    • 下止めはミリメートルで測定する。閉じたファスナーの幅を測定して必要なサイズを確かめる。
    • 衣服を外表にする。
    • 新しい下止めが欠けた歯を覆い隠すように、下止めの先を古い下止めの上の生地に直接押し込む。
    • 衣服を裏返し、下止めがファスナーに垂直についているかを確認する。
    • 正しい位置に、ペンチで先端をしっかりと止め付ける。[14]
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    開口部に再度留め布を取り付ける 新しい下止めをつけたら、ファスナーの下部の留め布を縫い直して、衣服とつなぎ合わせる必要があります。大して難しい作業ではありません。
    • 衣服を外表にする。
    • ほどいた留め布を、ミシンか手縫いで再度縫いつける。[15]
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方法 5
方法 5 の 5:

急なトラブルの応急処置

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    引手が壊れたら、ペーパークリップや新しい引手に交換する 新しい引手についている小さな金属の輪を丸ペンチで広げ、その輪をスライダーに引っ掛けます。丸ペンチを使って金属の輪を閉じ、新しい引手を止めつけます。
    • 出先で新しい引手やペンチが手元にない時は、応急処置としてペーパークリップを引手として使いましょう。古い引手か、スライダー本体にクリップを通すだけで完了です。[16]
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    下がってくるズボンのファスナーにはキーリングを使う ズボンのファスナーがいつの間にか開いてくるのは、最もイライラするファスナートラブルの一つでしょう。応急処置として、キーリングを引手に取りつけます。ファスナーを上げ、キーリングをズボンのボタンに引っ掛けます。[17]
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    手でファスナーを閉める ファスナーが正しく機能しない場合は、両方の歯を手で噛み合わせることで一時的にファスナーを閉じることができます。応急処置をするには、一番下の歯から上に、ファスナーが閉まるまで歯を噛み合わせていきます。
    • ファスナーの上部にボタンがついていれば、ファスナーが開かないようにボタンも閉めましょう。
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ポイント

  • 一つの方法だけでやめるのではなく、根気強く取り組みましょう。
  • 地域の手芸店で手伝いやアドバイスをお願いしましょう。
  • グラファイトを白や薄い色のファスナーに使ってはいけません。
  • グラファイトや洗剤がない場合、上記以外にも様々なものが潤滑剤として使用できます。リップバーム、ガラス用洗剤、ろうそく、ワセリンなどを試してみましょう。 使用の前に、潤滑剤を目立たない場所に少量つけ、衣服にシミやダメージを与えないことを確認しましょう。
  • 普通の引手の代わりに、かわいいキーチェーンをつけても良いでしょう。
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必要なもの

  • 新しいスライダー 
  • ペーパークリップ 
  • 新しい下止め 
  • ペンチ 
  • グラファイト 
  • 食器用洗剤 
  • 留め布 

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このwikiHow記事について

Chloée Ohayon-Crosby
共著者 ::
コスチュームデザイナー、ワードローブ専門家
この記事の共著者 : Chloée Ohayon-Crosby. クローイー・オハヨン・クロスビーはカリフォルニア州ロサンゼルス在住のコスチュームデザイナー、ワードローブ専門家です。ファッションコンサルタントとして8年以上の経験を有し、パーソナルスタイリスト、映画や舞台、そして商業用スタイリスト、イメージコンサルタント、コスチュームデザイナーとして活躍。アシスタントデザイナーとして高級アパレル会社「Chloée」に、フリーランスのスタイリストとして「Glamour Italia」に勤務していました。パリ国立高等美術学校にて芸術・スタジオアートを、パリにある世界的に有名なファッション専門教育機関、エスモードにて服飾デザインと商品化計画学を習得。 この記事は47,375回アクセスされました。
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