失神に対処する方法

共同執筆者 Ronn Callada, ANP, RN

この記事には:周りの人が失神した際の対処法自分が失神した際の対処法12 出典

失神とは、突如として意識を短時間失うことで、通常は問題なく正常な意識に戻ります。[1]失神は脳への血流が一時的に不足し、血圧が下がったときに起こります。ほとんどの場合は1、2分の間に意識を取り戻します。[2]脱水症状、超時間座っていた後に急に立ち上るといった動作、深刻な心臓の異常など、原因は多岐に渡ります。では、周りの人、あるいは自分が失神した際にはどう対応すればよいのでしょうか。

1
周りの人が失神した際の対処法

  1. 1
    まず失神した人を手助けするときは落ち着きましょう。誰かが気絶しそうなことに気づいたら、抱きかかえてゆっくりと地面に着くように手を貸します。失神する人は、転倒を手で防ぐことができません。その際に地面を打たないように手助けすることで、頭部やその他の大きな怪我を避けることができます。
  2. 2
    仰向けに寝かせましょう。軽く叩いたりゆすったりして、意識が戻るか見てみましょう。大抵は気絶してもすぐに(通常は20秒~2分間ほどで)意識を取り戻します。[3]
    • 人は気絶して倒れると、頭部が心臓と同じ高さになります。この状態だと心臓から脳に血液が行き渡りやすいため、失神してからすぐに意識を回復することもあります。[4]
    • 気絶した人の容体が回復したら、失神の原因となりうるような持病や症状があるかどうかを尋ねましょう。頭痛、けいれん、しびれや耳鳴りなどの症状、胸の痛みや呼吸困難などは、すべて警戒すべき症状です。このような場合は、救急車を呼ぶ必要があるでしょう。[5]
  3. 3
    意識が回復したら休ませましょう。ネクタイや襟など、身体を締め付けるものは緩め、楽な体勢をとらせます。
    • 患者を地面に寝かせたまま、少なくとも15~20分は休ませます。これは脳に血液が循環するのに十分な時間を与えるためです。[6]
    • 患者をあおぎ、呼吸を楽にしてあげましょう。公共の場で誰かが失神すると、何が起こったのかと周囲の人が集まってくることがあるでしょう。患者にとって助けとなる人以外には、下がってもらいましょう。
    • 意識が回復して安定したら、水や食事を患者に与えます。食事や水は蘇生を助けます。脱水症状と低血糖値は失神の一般的な原因です。
    • すぐに立ちあがろうとしたら止めましょう。数分の間は横になっているよう患者に勧めます。これは脳が完全に回復するための血流を確保するためであり、加えて急に立ち上がることでさらなる失神を引き起こす可能性があるからです。意識を回復した患者の中には、事態を軽視してすぐに立ちあがったり歩こうとしたりする人がいます。
    • 頭部の外傷やその他失神に付随する症状(呼吸困難や胸の痛み、激しい頭痛など)、またはもともとの状態(妊娠、心臓病など)によっては医師に相談する必要があります。
  4. 4
    患者の意識が回復しない場合は脈を測りましょう。[7]救急車を自分で呼ぶか、誰かに呼んでもらいましょう。この場合は誰かに自動体外式除細動器(AED)を探してきてもらう必要もあります。脈を測るときは、最も強く脈拍が感じられる首に手をあてましょう。人差し指と中指を首の気管支の横に当てて、脈動を探知します。[8]
    • 気管支の両側に同時に指を当てないようにしましょう。両側を抑えることで、脳への血流を阻害する恐れがあるからです。
    • 脈が確認できたら、患者の両足を60㎝ほど持ちあげます。こうすることで脳への血液循環を促します。
  5. 5
    脈が止まっていたら、心肺機能蘇生法を試みます。心肺機能蘇生法のやり方がわからない場合は、周囲に専門の医療関係者がいないかも確認しましょう。[9]
    • 患者の横にしゃがみます。
    • 片方の手の付け根を患者の胸部の真ん中に当てます。
    • もう片方の手をその上にのせます。
    • くれぐれも肘を曲げないように注意しましょう。
    • 上体の体重を乗せて、患者の胸部を押します。
    • 腕をまっすぐに押しこみ、少なくとも5㎝ほどは胸部を圧迫しましょう。
    • 毎分100回ほどのペースで胸部を押します。
    • 救急車が到着するまで心臓マッサージを続けてください。
  6. 6
    慌てずに対処し、患者を安心させましょう。介助する人が落ち着いて事態に対処できれば、状況は大きく変わります。

2
自分が失神した際の対処法

  1. 1
    失神の前兆を知りましょう。失神しやすい体質の人はその前兆を理解することが大切です。失神が頻繁に起こるようなら、自身の症状についてノートやデータで記録をつけましょう。失神しそうであることを事前に察知できれば、適切な安全予防策を講じて深刻な被害を避けることができます。失神の兆候には以下のようなものがあります。[10]
    • 吐き気、めまいや立ちくらみ
    • 白または黒の斑点がちらついたり、視野がぼやける、または狭くなる
    • 暑く感じたり、汗ばんだりする
    • 胃のむかつき
  2. 2
    失神が起きそうだと感じたら、横になれる場所を探しましょう。両足を上げて、脳への血流を促します。
    • 地面に横たわれるような場所がない場合は、しゃがんで頭を両膝の間に入れましょう。
    • 10分~15分ほど休みましょう。
  3. 3
    深呼吸をします。鼻から吸って、口から吐くように深呼吸をしましょう。深呼吸には自身を落ち着かせる効果もあります。
  4. 4
    助けを呼びましょう。周囲の人に自分が置かれている状況を知らせるためにも、助けを呼ぶのが得策です。そうすることで誰かが倒れこむあなたを支え、安全な場所に寝かせて、必要な場合には医者を呼ぶことができます。
  5. 5
    失神する際は出来る限り安全に気を使いましょう。自分が倒れそうだということがわかる場合は、潜在的な脅威から身を守り、失神によるダメージを最小化する手段を講じることがとても大事です。
    • 例えば、鋭利な物体に倒れこまないような姿勢をとったりすることです。
  6. 6
    失神を予防するための措置を講じましょう。場合によっては、適切な対策を講じたり失神の原因を避けることで、失神発作を予防することができます。予防策には下記のようなものがあります。
    • 脱水症状に気をつけて、規則的な食事を心がける 特に暑い日は、充分に水分を補給することは必須です。規則的かつバランスのとれた食生活は、めまいやその他の不調を改善します。
    • ストレスをなるべく避ける 人によってはストレスを感じる環境や、動揺もしくは不安を煽るような状況が失神の原因となる場合もあります。したがって、このような状況を可能な限り回避して、精神の安定を保つことが大事です。
    • 薬物、アルコール、タバコは避ける これらは有害物質を含んでおり、一般的に健康的でないのはもちろん、失神を誘発することがあります。
    • 急に動かない 失神は時として、例えば座っていたり寝ていたりする状態から素早く立ち上がるなどの急な動作が原因となって起きることがあります。ゆっくりと立ち上がり、可能ならば安定したものにつかまってバランスをとりましょう。
  7. 7
    症状が改善しない場合は医師の診察を受けましょう。失神が定期的、もしくは頻繁に起こるようなら、掛かりつけの医者に相談しましょう。失神はより深刻な潜在的病状、例えば心臓の疾患や起立性低血圧などの兆候である可能性もあります。
    • 失神時に頭を打った場合、妊娠している場合、糖尿病にかかっている場合、心臓疾患やその他の病状を患っている場合、または胸の痛みや精神錯乱、息切れなどの症状が表れている場合は医師の診察を受けたほうがよいでしょう。[11]
    • 医師は病歴などを基に失神の理由を診断します。さらに心電図(EKD)や血流測定などのテストが行われることもあります。

注意事項

  • 妊娠中のホルモンバランスの変化によって失神が起きることは珍しくありません。妊娠後期では、大きくなった子宮が血管を圧迫し、心臓への血流に影響を与えることがあり、このために妊婦が失神を起こします。
  • 失神は男性よりも女性に多く起こります。また、75歳以上の方にも多く見られます。[12]

記事の情報

この記事はRonn Callada, ANP, RNが共著しています。 ロン・カラーダはニューヨーク州にあるがん治療センター、「Memorial Sloan Kettering Cancer Center」に勤務する正看護師です。ロンはアダルト・ナース・プラクティショナー(12歳以上の患者に対し一定レベルの診断や治療を行うことが許可されている上級看護師)の認定資格を保有しています。2013年に看護大学、「Stony Brook University School of Nursing」にて看護学修士号を取得しています。

カテゴリ: 救急処置・緊急医療

他言語版:

English: Deal With Fainting, Español: lidiar con los desmayos, Italiano: Trattare uno Svenimento, Português: Agir em Relação aos Desmaios, Русский: вести себя при обмороке, Deutsch: Mit Ohnmacht umgehen, Français: gérer un évanouissement, Tiếng Việt: Đối phó Chứng ngất xỉu, العربية: التعامل مع الإغماء, Nederlands: Omgaan met flauwvallen, ไทย: จัดการกับการเป็นลม, 한국어: 기절할 때 대처하는 방법, Bahasa Indonesia: Menanggulangi Pingsan

このページは 14,669 回アクセスされました。
この記事は役に立ちましたか?