子供をいじめから守る方法

子供のいじめは認識されている事例だけで、年間40万件超との報告もあり、それらが氷山の一角という現実は、忌々しき事態と言わざるを得ません。そうした中でも極めて悪質とされる事例については、『いじめ重大事態』に該当することから、早期発見ならびに報告が法律で義務付けられています。それにもかかわらず、いじめの発生件数は減少の兆しも見せず、その内容はより悪質かつ残酷さを増し、被害者が最悪の選択に及んでしまうケースが後を絶たない現状です。最終的に自身の子供を守れるのは『親』に他ならず、我が子を正しく守ることができる親である必要性から、最早目を逸らすことは許されません。不運にも我が子がいじめの対象となってしまった時、親として子供を守り通す上で必要な知識や行動など、身につけておくべき諸々は少なくありません。[1]

方法 1 の 3:
子どもを守るための鉄則と覚悟を確かめる

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    いかなる状況下でも子供を守り抜く かつて学校は『行かなければならない場所』とされていた時代が、長く続いていました。親は登校を嫌がる子供を叱ってでも通学させ、子供もまた、親に叱られるからと、重い足を引き摺って登校するのが『当然』とされた時代がありました。こうした価値観の中で子供時代を過ごした世代が、今日親の立場となり、自分たちが悩んだ以上に複雑かつ深刻な、いじめ問題との対峙を迫られています。子供がいじめに遭っている事実、もしくは可能性を確かめた時、今日親としてなすべきことは、励まし背中を押して学校に向かわせるだけではありません。今後どのような展開が生じ、いかなる状況下に子供が置かれようとも、最後まで子供を守り抜く覚悟を親として自身の中に確かめ、抜本的な問題解決に臨みましょう。[2]
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    初動を躊躇しない 子供にとって、自身がいじめの対象となっている事実を、親を始めとする大人に告げることは、いじめる側に対峙する以上の、ある種の勇気が求められる行動です。ここで安易に大人が乗り出すのは得策ではないと、無用に様子を伺うばかりの時間を過ごしてしまっては、子供が自分1人で抱えている負の感情が、急激に膨らんでしまいかねません。その場その場の思いつきだけで、子供を問い詰めてしまう行為に及ばぬよう、まずは親として何ができるのか、どのように対処すべきなのかを、落ち着いて見極めましょう。
    • インターネットを活用して、関連情報を閲覧するのも大切な作業ですが、匿名の体験談などは参考程度に、より信憑性が高いと思われる事例を見極める姿勢が望まれます。
    • 親にとっても子供のいじめとの対峙は初体験である以上、ついつい躊躇する場面が想定されますが、わずかでも気になる点は無視することなく、速やかに熟考した上で行動につなげましょう。
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    子供の味方というスタンスを徹底する 子供にとって親は最後の砦であると同時に、絶対的な信頼を寄せられる大人であり、この親子の絆(信頼感)は、時代を問わず不変であると言えるでしょう。たとえるなら正義のヒーローであり、その姿を確かめられるだけでも、子供の心に大きな勇気と安心感が沸き上がる、いじめという現実から自身を救ってくれるに違いない存在です。だからこそ子供がいじめに遭っている事実を、勇気を振り絞って告げてくれた、もしくは確固たる証拠を掴んだのであれば、自分は子供の味方であると、はっきりと伝えてあげましょう。少々陳腐な比喩になりますが、たとえるなら往年の正義の味方が颯爽と登場して、悪の存在の前に立ちはだかり、背中に正しい弱者を庇いつつ大見栄を切る『あの感じ』です。「親が味方になってくれると約束してくれているのだから、これで大丈夫だ」と、まずは子供が長い間抱え続けていた、恐怖感や不安感などの負の感情を、少しでも軽減させてあげましょう。
    • 深刻ないじめの場合、被害者の子供は自ら立ち向かう意思をすでに失っており、現実逃避だけを心の中で願っている可能性が無視できません。「一緒に立ち向かう」のではなく「親が守ってあげるから安心して何でも正直に話してごらん」のスタンスで接しましょう。
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    学校に行きたがらない子供を責めない 子供が心底学校に行きたくないのであれば、休ませてあげましょう。『義務教育』とは子供が授業を受ける義務を負う教育ではなく、国(大人)が成長過程の子供に必要な教育を施す義務があることを指す言葉です。「自分(たち)がついているから心配しないで登校しなさい」「何かあったら対応してあげるから」などと、学校に行くように背中を押す対応は、必ずしも正しい判断とは言い切れません。とりわけ「男の子なのにそんな弱腰でどうする」などと子供を鼓舞する対応は、本人を精神的に追い詰めるだけでなく、親に対する負の感情の芽生えが懸念されます。子供はいじめの被害者であり、自身の心身を守る手段として「学校に行きたくない」と声にしている現実を真正面から受け止め、SOSを発している子供を責めない姿勢を徹底しましょう。
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    常に子供の気持ちを尊重する いじめの事実を親に告げた直後から、子供はそれまでとは違う、新たな幾つもの不安との対峙を始めます。人生経験に長けた大人の目には、子供に実践を薦めたい対処法がいくつも思い浮かび、ついつい進言したくなりがちですが、基本は聞き役(受け止め役)に徹しましょう。我が子の訴えが単なる弱音と聞こえてしまい、歯痒く感じられる場面があったとしても、子供の気持ちを尊重することを最優先で、不安を1つずつ丁寧に取り払ってあげましょう。[3]
    • 自分の親が腰を上げたことで、さらに学校内や友人間における自分の立場が悪くなるのではとの不安は、多くのいじめの被害者が共通して抱く不安です。単に「自分に任せておきなさい」だけでは、子供は状況が悪化するのではとの懸念を膨らませてしまいかねません。子供の気持ちをきちんと把握していることを、親が自ら言葉にして子供に伝え返す作業も、子供の安心感につながるコミュニケーションの1つです。
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方法 2 の 3:
いじめの実態を見極める

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    真実を見極める感性を研ぎ澄ませる いざ親が子供のいじめ問題解決に腰を上げたとしても、一筋縄では行かないとの声は少なくありません。加害者並びに学校が、悪意の有無はさておき、それぞれの保身から事実の隠蔽やすり替えに及んだ事例は、これまでに数多く伝えられています。とりわけ毎年春に異動のある学校は、「前任者在職時に生じたことなので分かり兼ねる」なる、鉄板の言い訳を躊躇なく駆使してこないとも限りません。さらには加害者と目星をつけた家族が結託し、不当なパワーバランスが『1対多』となることから、真実そのものが捻じ曲げられてしまうリスクも無視できません。子供のいじめ解決に臨むに際しては、強靭な意思と常に冷静に真実を見極める感性を研ぎ澄ませ、臆することなく立ち向かう決意が求められます。[4]
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    いじめられているサインを見過ごさない 先述の通り、子供が親にいじめられている事実を告げることは稀であり、むしろ悟られないように無理して振る舞う傾向が見られるとされています。しかしながらいじめには必ず、その兆候を示唆する『サイン』が存在します。親として以下に挙げるサインを見過ごさず、その可能性に気づいた際にも、慌てて子供を問いただしたりせず、まずはより正確な現状の把握に努めましょう。[5]
    • 急に元気がなくなる ある日を境に、あるいは数日前から一変してしょげ返ったような素振りが目につき始めます。
    • 帰宅後部屋に閉じこもる 帰宅直後の自分の表情や姿を親に見られたくない場合、服装や持ち物、身体にいじめの痕跡が刻まれている可能性を疑いましょう。
    • 登校時間になると体調不良を訴える 学校で自身の身に悪しき何かが生じていることを訴える、SOSの可能性を視野に入れましょう。
    • わざとらしく陽気にふるまう 悩んでいる自身を悟られないための、子供なりの精一杯の自衛策の1つの可能性は小さくありません。
    • 不自然に成績が下がる いじめによる精神的な悪影響以外にも、教科書に落書きされたり取り上げられる、高得点を理由にいじめられるなど、正常に学習できない状況下に置かれているとも考えられます。
    • 友人からの電話にでない・親の前で着信メールに対応しない 誹謗中傷メールの着信など、ネットを用いたいじめが日常化している、典型的なシグナルです。
    • 持ち物がやたらとなくなる・それまでと一転してお金を欲しがる 金品をたかられている証拠と言えるでしょう。
    • 服が不自然に汚れている・破れている 洗濯時に気づくケースが散見される、肉体的いじめの証拠と思われる痕跡です。擦り傷や打撲を負っている場合は要注意度高の状況です。
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    子供の不安を取り除いてあげる 先に挙げた内容と重複しますが、子供の不安を取り除いてあげるべき回数に制限はありません。大人すなわち自分の親が乗り出してくることで、今後自分を取り巻く環境に果たしてどのような変化が生じるのか、被害者の子供は常に不安を抱え続けています。いじめ問題に関する会話を交わしたのであれば、その都度不安を払拭する言葉を伝えましょう。「大丈夫。なぜなら~」と、その理由も子供の年齢や置かれた状況に応じ、噛み砕いて説いてあげることで、子供もまたその都度、心の中に落ち着きを取り戻してくれることでしょう。
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    情報を集める 情報収集に際しては、子供の知り合いの同級生や登下校が一緒の子供の保護者に尋ねることで、学校における子供の様子の把握に努めましょう。最初の段階から、いじめの証拠集めであることを明言するのではなく、あくまで我が子の様子を知りたい一保護者のスタンスを意識しましょう。いじめの影を早い段階で他の保護者に察知されてしまうと、巻き込まれたくない、関わりたくないとの意識から、自然と箝口令が敷かれてしまう展開が懸念されます。また子供に悟られぬよう、持ち物をチェックしましょう。以下に挙げる例を始め、いじめの証拠が些細なところに刻まれているケースは少なくありません。[6]
    • 教科書に子供の直筆以外の悪しき落書きや破れ、折曲がりなどの痕跡がある。
    • ノートの隅にいじめを示唆する直筆の記述がある。
    • 誹謗中傷のメールの着信が(大量)に残されている。
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    子供からの聞き取りを通じて証拠を固める 子供がいじめに遭っていることを話してくれたのであれば、可能な限り多くの情報を、子供の口から引き出してあげましょう。事情聴取的な問い正しに走らぬよう十分に配慮の上、子供がそれまでの出来事を1つ話す毎に、心が軽くなれるようなコミュニケーションに努めましょう。先にも触れた通り、加害者側が簡単にいじめの事実を認め、謝意を示してくれることはまずないと踏まえた対処が不可欠です。加害者の子供が「自分はやっていない」と嘘の主張をすれば、親もそれを信じ、結果「やった・やっていない」の水掛け論になってしまった事例は、これまで数え切れません。信憑性に疑う余地がない、より多くの確固たる証拠を加害者側と学校に突きつけることが、いじめがあった事実を証明する上で不可欠です。
    • いつ・誰が・どこで・どのようないじめに及んだのかを確かめましょう。加害者が複数の場合、全員を特定しましょう。
    • いじめの現場の目撃者が存在していたのであれば、それが誰なのかも特定しましょう。
    • どのようなことを言われた(された)のか、具体的に確認しましょう。
    • 怪我を負わされた、持ち物を壊された、略奪されたという場合、持ち物の破損や汚損の証拠写真を撮り、現物はその状態を維持して保管しましょう。子供の気持ちを聞き、怪我など心身にダメージが残っている場合、病院で診断書を作成してもらいましょう。
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方法 3 の 3:
保護者としての行動を起こす

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    被害の事実と要望を文章化する 被害状況を文章にしておく準備は、いじめをやめさせるように学校側と交渉する上で、非常に重要な作業です。口頭で学校に相談した場合、学校側は事態の深刻さに十分な意識を向けてはくれないばかりか、被害者の保護者を「口うるさい父兄だから要注意」と、真逆の受け取り方に及んでしまうリスクが懸念されます。すべての学校がその限りではありませんが、基本的に厄介事はやり過ごしたい体質が、多くの深刻ないじめ問題の発端であるとも推察されます。とりわけ公立校の場合、勤務する教師は公務員です。市区町村の役所と同様、書面(文章)を提出することで、ようやく腰を上げてもらえるとの認識の上、訴えたい内容は文章で伝え、必ず複写を手元に保管しておきましょう。[7]
    • いじめの被害事実の文章化に際しては、学校側に求めたい対処内容を具体的に記載し、文章での回答を求めましょう。『加害者への厳重注意』『加害者と保護者の自分たちへの謝罪』『再発防止策の具体的な提示』の3点の要求を軸に、期限を切って回答を求める対応が一般的です。
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    学校側と交渉する 期限を切っての回答要求に対し、学校側が納得行く対応を取らなかった、あるいは動き自体を見せなかった場合には、学校側との一連のやりとりを文章化して、市区町村の教育委員会に相談しましょう。それでもらちが明かない場合は、都道府県の教育委員会、市区町村の人権擁護委員会など、相談先の対象を広げましょう。いじめは心身への暴力であり、警察への相談も選択肢の1つです。マスコミを利用する方法もありますが、興味本位の視線を集めてしまうリスクと背中合わせのため、安易な投稿などは慎む判断が賢明でしょう。[8]
    • ここまで尽力しても対応が望めなかった場合、子供の安全確保を最優先すべく、転校や転居を視野に入れましょう。そのような学校にこだわらず、転校(転居)で生活環境を一新することで、いじめのない学校生活を再スタートさせることが、子供の心の傷を癒すことにつながった事例も、数多く報告されています。
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    学校側と保護者の連携で子供を守る 学校側からの回答が納得行く内容で、加害者への厳重注意を通じて加害者を反省させ、謝罪が届き、具体的な再発防止策が講じられれば、被害者である子供に対する、一定の救済効果が得られたと判断できるでしょう。同時に毅然たる学校側の指導で加害者が自身の過ちを理解し、更生する機会を得られたのであれば、それは学校内における『いじめ撲滅』への大きな1歩です。心からの明るい表情で子供が登校する姿を見送るとき、親としてもまた、大きな難題をクリアした達成感と、人として一回りスキルアップした自身を、心の中に確かめることでしょう。そんな親に子供は全幅の信頼を寄せ、尊敬の念を抱き、いじめに屈しなかった自分自身に対しても勇気を覚えます。いじめは単に解決したから、それで終わりの問題ではありません。常に子供を守り続けられる親として、時に厳しく常に優しく、適正な距離感で子供を見守り続けましょう。
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ポイント

  • いじめの問題との対峙に際しては、いかなる場面でも子供を守り続ける、親としての確固たる決意が不可欠です。
  • 子供は基本、いじめの事実を親に話すことをためらいます。状況の悪化を防ぐためには、いじめのサインを見落とさない観察力が求められます。
  • 子供に「いかなる時も子供の味方である」ことを伝え、繰り返し安心させてあげましょう。
  • 学校側にいじめの対処を要望する際には、口頭ではなく文書を提出しましょう。
  • いじめは解決すれば終わりの問題ではなく、常に子供を守り続けられる親として、子供の成長と学校生活を見守りましょう。

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注意事項

  • 自分の子供時代のいじめと昨今のそれらは、その内容や悪質度などが大きく異なっています。記憶の中の基準に基づいた、子供や他の保護者、学校への対応は適切とは言い切れません。
  • 子供からいじめの事実や詳細を聞き出す際には、問い詰めてしまわぬように言葉を選び、親に正直に話すことで子供が安心感を覚えるコミュニケーションを心がけましょう。
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このwikiHow記事について

wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、著者の皆さんがボランティアで執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。
カテゴリ: 子供
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