学術論文の要約とは、審査付きの学術誌に掲載される研究や調査の概要を分かりやすく伝えることです。論文の主旨を簡潔に説明することにより、重要ポイントに焦点を当て、それに対する考察を提示するという役目を果たします。特に大学生や研究助手にとっては、研究や調査に関する論文の要約は日常的な作業です。少し練習を重ねれば、学術論文を読みながら効率よく要点を押さえ、概要を起草し、要約を作成できるようになります。

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    学術論文の抄録を読む 抄録(アブストラクト)とは、論文筆者が研究内容を短い段落にまとめた概要を指します。抄録は学術論文にほぼ必ず含まれており、文字数は200~400字程度(英語で書く場合は約100~200ワード)です。学術論文の流れをまとめ、研究内容の最も大切な箇所を押さえたものが、抄録です。
    • 抄録は、別の研究者が論文の主旨を素早く把握し、異なる研究への応用性を判断する際によく使用されます。例えば、ネズミの免疫システムの反応に関する文献を集めている場合、200字ほどの抄録を読むだけで、自分の研究との関連性を容易に把握できるだけでなく、自分の研究結果を裏付ける結論であるのか、違う結論であるのかを確認することもできます。
    • 学術論文の抄録と要約は異なり、抄録と同じような内容の要約は望ましくありません。[1]一般的に、要約には抄録の中に記述しきれない研究内容や結論の詳細が含まれます。[2]
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    研究の背景や文脈を把握する 論文著者が議論や分析する点、研究内容や主題の重要性、同じトピックに関する他の論文との関連性等について、十分に理解しましょう。こうすることで、要約に相応しい議論、引用、データを見つけ出すことができます。
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    結論を先に読む 学術論文の大筋をつかみ、複雑な議論が導くところを把握するため、研究の最終地点である結論を先に読みましょう。あらかじめ結論を読むことで、論文著者の意図を読み取ることが一段と容易になります。
    • 結論を読んだ後に、自分の研究と関連性があると判断した場合のみ、論文全体を読みましょう。反対意見を示す文献を探している場合は、自分の論文の主題を支持する文献を参考にする必要は特にありません。
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    学術論文の意図を特定する 論文著者の意図をつかむのに時間を費やしてしまうことがないよう、一度読んで主旨を理解する習慣を身につけましょう。論文を読み進めながら、主旨が述べられている箇所に下線を引いたり蛍光ペンでマークしたりすることで、同じ論文を何度も読み返す必要がなくなります。
    • 論文の「主題文」が述べられることが多い、1段落目や2段落目に特に注意を払って読むことが大切です。主題文をしっかり把握し、研究を通して著者が証明しようとしている議論や考えを断定しましょう。
      • 「前提」「仮説」「結果」「典型的」「一般的」「明確」など、主題文の中でよく使われるキーワードをもとに、主題文を探しましょう。
    • 主題文を見つけたら、下線を引くかマーカーで目立たせ、空いたスペースがあれば直接メモを書き込みましょう。論文全体とのつながりを理解するため、常に主題文に着目しながら論文を読み進めます。
    • 人文科学の文献は、例えばポストモダン詩学やフェミニスト映画論といったように、抽象的な考えを主張する論文が多いため、明確で簡潔な主題文が見つかりにくいことがあります。論文の要点が不明確である場合は、論文著者の分析を使いながら、論文の主旨をできる限り分かりやすく自分の言葉でまとめましょう。
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    学術論文全体に目を通す 要点に印をつけながら、論文を読み進めます。論文の冒頭に記述されている著者の主張に繋がるように、重要であると思われる概念や考えに着目しましょう。
    • 研究過程の具体的な段階や発達について述べられる小節(サブセクション)のタイトルに着目すると、研究の様々な視点や側面について知ることができます。小節のタイトルには、太字で大きめのフォントがよく使用されます。
    • 学術論文は、硬くてつまらない文体であることが多い書きものです。例えば、カエルに与えられたグリセリン水溶液の化学式の立証に関する、500ワードの文章を読むことは、必ずしも必要であるとは限りません。論文の主旨がつかめて、詳細内容の必要性が理解できていれば、学術論文を一語一語読む必要はありません。
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    読み進めながらメモを取る 学術論文から情報を集める場合、効率良く情報収集を行うことが重要です。節や小節のタイトルに注意を払いつつ、論文のセクションごとをペンで囲んだり印をつけたりして、積極的にメモを取りながら読みましょう。[3]
    • 論文の主なセクションには、序論、研究手法、研究結果、結論、参考文献リストが含まれます。
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下書きを書く

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    研究に関する簡単な説明文を書く 研究手法や調査形式を説明しながら序論から結論までのステップを列挙し、学術論文の一通りの流れを簡単に書き出しましょう。要約の目的は論文の要点をまとめることであるため、詳細を書く必要はありません。
    • 要約を書く準備として、まず読んだ論文について深く考えず覚えているままに書き出しましょう。こうすることで、要約する際に必要となる重要ポイントを見つけることができます。
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    論文の要点を押さえる 学術論文における重要な考えや概念など、要約に使用する重要ポイントを押さえましょう。小節のタイトルから議論の主旨がはっきりとしていることもあれば、主旨を見つけるのに手間を要することもあります。論文著者の主張を支持する重要な要素は、すべて要約に記述しましょう。
    • 研究内容によっては、理論的背景や研究者の前提に関する説明が必要となることもあります。科学論文では、研究を行う前に論文著者が設定する前提やそのプロジェクトの手順について分かりやすくまとめることが重要です。要約には、統計結果やデータ考察に関する簡単な説明を述べましょう。
    • 人文科学の分野においては、根本的な前提や著者の思想や学派、また論文中で提示される事例や概念について簡潔にまとめると、良い要約を書くことができます。
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    要約に使うキーワードを特定する 論文中に使用される重要なキーワードは、必ず要約の中でも使用しましょう。こういったキーワードは複雑な概念や意味を持つことが多いため、読み手が要約をしっかり理解できるように、それぞれキーワードの意味を十分に説明することが重要です。
    • 著者が作った用語に関する解説は、要約の中に必ず記述しましょう。
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    できるだけ簡潔にまとめる 要約は学術論文の原文ほど長くする必要はありません。要約の目的は、一次資料に基づく調査に使用したり、後の研究過程で使用したりする上で、研究に関する情報を凝縮して明確にまとめることです。
    • ほとんどの学術論文の場合、1段落を使って1つの要点について述べ、要約全体で1000~2000字程度(英語で書く場合は500~1000ワード程度)が要約の文章量の一般的な目安です。論文の重要ポイントをまとめた短い段落をいくつか書きましょう。
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要約を書く

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    人称代名詞(私、私たち、自分など)は使わない
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    できるだけ客観的な文体を保つ 要約は学術論文を批評するためのものではなく、概要を述べるためのものです。
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    まず研究課題を定義する 序論など学術論文の冒頭部は、研究の焦点や目標について述べる役割を果たし、これらの内容が要約のはじまりとなります。自分の言葉を使い、研究結果をもって論文著者が証明しようとする議論を説明しましょう。
    • 一般的に、科学論文には実験や研究の背景を説明する「序論」があり、要約する部分はあまりありません。序論の後に、論文全体の大筋を決める研究課題と実験手順が続きます。
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    論文著者が使った研究方法を説明する この箇所では、研究で使用されたツールや手法について述べられます。[4]つまり、直接調査またはデータ収集を通して、論文著者や研究者がどのようにその結論に至ったのかを簡潔にまとめる必要があります。
    • 研究や調査の手順の詳細すべてを要約の中に含める必要はありません。研究課題がどのように発展したのかに関する簡単な説明に抑えましょう。研究結果には処理されたデータが使用されることが多く、処理前のデータが記載されることもありますが、要約に必要なデータは処理後のデータです。
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    研究結果をまとめる 要約が果たす最も重要な役割の1つは、研究を通して論文著者が達成したことの解説です。[5]研究目的の達成状況、この研究から導き出された結論、論文中に説明される研究の意義といったように、著者が得た成果を簡潔に述べましょう。
    • 学術論文の中で最も重要な内容である「研究課題」「結果または結論」「結論に至るまでの過程」は、要約の中で必ず記述しましょう。
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    論文中に言及される要点をつなげる 要約によっては、論文著者が提示する様々な考えや概念がそれぞれどのように発展していくかを述べることが必要となります。要約の一番の目的は、自分の言葉を使いながら、議論を整理した上で著者の主旨を分かりやすく伝えることです。研究内容を明確にし、主旨を簡潔にまとめるように、論文中に言及される要点をつなぎ合わせましょう。
    • 人文科学の学術論文を要約する際、要点をつなぐ作業が特に重要となることがあります。例えば、17世紀イングランドの詩人ジョージ・ハーバートの神との関係性のような難解な議論を展開するには、「ハーバートの哲学ではなく日課を詳しく述べることにより、著者はハーバートの人情味あふれる人物像を描いた」といったような、模範的で妥当な要約が理想的です。
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    自分の結論を示さない 自分の意見を論じる必要がない限り、学術論文の要約は、研究に関する自分なりの解釈や私見を論じるためのものではありません。基本的に、要約の目的は自分の意見を加えたり内容を編集したりすることではなく、著者の主旨をまとめることです。
    • 学術論文の文体に慣れていないと難しく感じるかも知れませんが、一人称代名詞(私、私たち、自分など)は使わないように気を付けましょう。
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    論文の直接引用は極力避ける 直接引用は大学レベルの論文の中で使われることが多いですが、学術論文の要約においてはあまり重要ではありません。学術論文の要約を作成する際は、議論の意味や意図された内容への焦点を保ちながら、要点を自分の言葉で言い換えることに重点を置きましょう。
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    動詞は現在形を保つ 学術論文の内容を記述する際は、必ず現在形を使いましょう。こうすることで、全体を通して一貫性のある文体を保つことができます。
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    下書きを見直す 文章の質を高める上で、見直しの作業は不可欠です。要約を書き終えた後、原文である学術論文の流れに要約の内容がぴったり合うかどうかを確認しましょう。効果的に要約された論文は、読み手が特定のトピックに関する情報を探す際、その研究の概略を分かりやすく伝えます。
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Jamie Korsmo, PhD
共著者 by
英語学博士候補生
この記事の共著者 by Jamie Korsmo, PhD. ジェイミー・コースモはジョージア州立大学の英語学博士候補生です。 この記事は12,140回アクセスされました。
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