X
wikiHowは「ウィキ」サイトの一つであり、記事の多くは複数の著者によって共著されています。 この記事は、著者の皆さんがボランティアで執筆・推敲を行い、時間をかけて編集されました。
定年を機にようやく有り余るほどの時間を手に入れたというのに、退屈することにも飽きている現状が、ただ哀しく苛立たしいばかりの人は少なくありません。自他共に仕事人間一筋で生きて来た数十年間の休日は、時折の家族サービスとテレビと昼寝以外、これといって思い浮かばないかもしれません。そんな一家の大黒柱の様子は、妻(もしくは夫)だけでなく家族にとっても胸が痛むだけにとどまらず、次第に重苦しい空気感が誤魔化せなくなってしまいます。だからこそ長年頑張り続けたご褒美として与えられた時間を使って、日々の楽しみであり生き甲斐となる趣味を探してみましょう。どのタイミングでも始められ、その楽しみ方も各自の自由な趣味を見つけられれば、みなさんの晩年はより心豊かな毎日となること間違いありません。
ステップ
方法 1
方法 1 の 2:
「ど・れ・に・し・よ・う・か・な」を楽しむ
-
1かつて「やりたかった」ことを思い出す まずは子どもの頃にやってみたくてもできなかった、許してもらえなかった、純粋無垢な心で憧れたことを思い出してみましょう。[1] 天命を知る年齢を過ぎた人生経験を通じ、無意識のうちに随分固くなってしまった頭の中に残っているはずの、思いのままにあらゆることに興味を抱いた、遠い日の記憶です。たとえばお小遣いではとても手が出なかった大きなプラモデル作成も、十分な時間と相応の資金力がある現在であれば、障害となるハードルは見当たりません。学生時代には終ぞショーウインドの内側から出てきてくれなかったエレキギターも、シニア向けのレッスンに通うことで、講師の指導を受けられる環境が整っています。当時我慢せざるを得なかった、それが叶っている友だちを恨めしそうに眺めるばかりだった、そんな趣味にチャレンジできる現在の環境、これを活かさぬ手はありません。
-
2楽しそうな同世代に目を向ける 各々が高級カメラを携え和気あいあいの一団も、被写体が決まれば一転して静寂に包まれ個々の世界に没頭する、そんな写真撮影が趣味のシニア層の一団を目にしたことがあるかもしれません。共通の趣味を楽しむ者同士だからこそ、初対面同士でも話題が尽きることはありません。さらには「自分の方がよりハイレベルなカメラを所有したい」「彼に負けない作品を撮影したい」といったライバル心もまた、趣味を楽しむスパイスとなるから不思議です。「楽しそうだな」と素直に羨ましく感じたのであれば、そうした同世代が集うサークルなどにまずは顔を出してみるところから、自身の趣味を模索してみるのも一案です。
- 若い頃には電車内で盛り上がるシニア層の一団を横目に、「うるさいなあ。いい年をしてグループ交際かよ」と眉を顰めた記憶を引っ張り出してみましょう。自身が今、そんな世代となった現実を受け入れられれば、思い切って参加してみることで、男女を問わぬ新たな出会いや、思わぬ趣味のヒントが得られる可能性が期待できます。
-
3自分なりに調べる 物事を順序だてて考える性格の方であれば、自身の衝動や感情任せばかりではなく、情報を集めてそれらを分析するような作業も、ひとつの探し方と言えるでしょう。『趣(おもむき)を味わう』と綴る趣味ですから、その味わい方には堅苦しい決め事はありません。思いつく趣味が本当に何も見当たらないのであれば、焦らず無理せずランダムにそれぞれを吟味する作業を通じ、興味を抱く趣味のヒントに出会えるかもしれません。
- 候補となる趣味は見据えられている一方、なぜか腰が重い、あと1歩が踏み出せないなどの場合、自身にブレーキをかけている理由を見極める作業は無意味ではありません。ただし過剰に理詰めで掘り下げ過ぎてしまうと、趣味が『義務』『ノルマ』になってしまい、心から楽しめなくなりかねません。
- その趣味を始めることで期待できるメリットやワクワク感など、プラスのイメージを探す作業を心がけ、肩肘張らずにあれこれ考えてみましょう。デメリットや楽しめなかった際に懸念される損失の部分にばかり意識を向けてしまうと、理想の趣味との出会いのチャンスそのものを遠ざけてしまいます。
-
4空想を膨らませる 未知なる趣味を始めることで、その後どのような展開が期待できるのか、あれこれ空想を膨らませることで、次々と新たなアイデアが浮かんできます。最初に思いついた趣味を楽しみ続けるうちに自然と新たな趣味と遭遇するなど、思わぬ展開が生じる可能性を頭の中で妄想を楽しんでみましょう。
- パソコンで趣味に関する情報を検索しているうちに、パソコン操作そのものが楽しくなり始め、ブログに興味を抱いたと仮定しましょう。文章を綴るのが楽しくなり、やがて応募した小説が入選して作家デビュー、あるいは挿入する画像へのこだわりから、カメラに没頭するなど、妄想はどんどん膨らんでいきます。
- こうした展開はスポーツ、日曜大工、料理、絵画など、挙げればキリのないあらゆるジャンルに共通する、実際に始めてみた人にだけが期待できる、特別な楽しみです。
広告
方法 2
方法 2 の 2:
候補の中から絞り込む
-
1先入観や固定概念を横に置く 「ゲートボールに参加するにはまだ若い」「こんな年齢では若い人たちは受け入れてくれないだろう」など、負の感情につながる先入観を抱く必要はありません。また趣味探しに際しては、定年まで勤め上げる中、多くの方々が無意識の習慣となりがちの『自分の意見を押し殺して大衆に右へ倣え』をする必要もありません。趣味は個人個人の心の宝物であり、第三者にはあれこれ無責任に揶揄する権利も資格もありません。先人を名乗る人たちが発信する、その趣味に関するコメントも、あくまで一個人の主観で語られている見解に過ぎません。こうした情報はあくまで鵜呑みにせず参考程度に捉え、あくまで自身の気持ちを最優先で、自らに芽生えた興味の種子を育てましょう。
- 若い頃上司に昼食に誘われ、予算オーバーで食べたくもない和定食を、待ち列で過ごした後の残り時間で渋々急いで食べた、そんな苦笑いの経験を思い出してみましょう。周囲からの強引な勧めや無責任な負の情報に惑わされると、新たな趣味を始めるに際しても同様の立ち位置に誘われかねず、注意が必要です。
- 新学期のクラス替えで一目惚れした、遠い日のクラスのマドンナとみなさんがこれから夢中になる趣味は、乱暴に言えば一緒です。「定年退職日から〇〇日以内に真剣に趣味に没頭せねばならない」なる法律も規則もありません。焦らず心の赴くままに色々探していれば、必ず出会いの時が訪れます。
-
21人で楽しむ趣味を吟味する 個人で密かに楽しむ趣味は数え切れませんが、必ずしもすべてがインドア系とは限りません。たとえば毎日通り過ぎるお気に入りの街の風景を、四季を通じて観察し続け、日々新たな発見と遭遇するのも、心躍る『観察日誌』というアウトドアの趣味に違いありません。軒先に残るツバメの巣に前年見かけた雛が無事に巣立ち、翌年親鳥として帰って来た姿を、写真や絵や文章でネット配信すれば、そこから見知らぬ誰かとのつながりが芽生えるかもしれません。先述の内容と重複しますが、こうした何らかのアクションを、別の趣味のヒントを次々と運んでくれます。
- 個人で没頭する趣味のひとつに、マニアックなアイテムの収集が連想できます。相応の軍資金がなければ手を出せないイメージが拭えませんが、この点だけを理由に早々に断念する必要はありません。本当に興味を抱いたのであれば、手元にコレクションが1点だけだったとしても、自身にとって心躍る趣味であれば、そこから自然と世界が広がります。
-
3仲間と楽しむ趣味を考える 仲間と楽しむ趣味に関しても、スポーツやハイキングなどアウトドアのそれらが連想されがちですが、こちらもまたその限りではありません。共通の話題で会話が弾み、互いが有する関連知識や情報を交換する楽しみは、上記のようなグッズ収集など、インドアの趣味に於いても同じです。趣味を楽しんでいれば、無理に募らずとも、仲間は少しずつ増えていきます。沢山の仲間(友人)を得るために趣味を始めるのか、趣味を通じた仲間が増える展開に期待しているのか、自分の中で確認しておくと良いでしょう。ただし前者の目的で、内心今一つ意に沿わない趣味に興じているフリをしてしまうと、自身の中にストレスを蓄積させるばかりでなく、趣味そのものが可哀想です。
- 社会人になってからの友人ではなく、幼なじみや学生時代から続いている親(悪)友との出会いを思い出してみましょう。趣味はシニア世代となった自分に今一度、あの頃の出会いを運んでくれる可能性に満ちています。
-
4家族も喜ぶ趣味を連想する 編み物やミシン掛け、料理などに凝っているシニア層は、潜在的に少なくないと言われています。趣味だからこそ採算度外視で料理の腕を振るう、孫のセーターを編んでくれる、お手製の水筒ケースやカバンを縫ってくれるおじいちゃんやおばあちゃんは魅力的です。家族の喜ぶ笑顔を確かめられれば、次の作品にも自ずと力が入ります。手先が器用で物づくりが得意な方であれば、チャレンジしてみる価値と魅力十分の選択肢でしょう。
-
5思いのままにチャレンジする 最後にもう1度繰り返しておきます。趣味は第三者が優劣を論じたり評価したり、また自分自身が遠慮や卑下するものではありません。求められるものはルールとモラル、そして分相応の予算内で楽しむ自己管理の意識です。趣味に没頭するあまり、家族や周囲の第三者に迷惑が及んでしまう、大金を注ぎ込んで金銭面のトラブルを招いてしまう状況は、当事者として回避しなければなりません。思いのままにチャレンジから、趣味が届けてくれる達成感、満足感、優越感、あるいは挫折感など、さまざまな感動と感情を、すべてひっくるめて楽しみましょう。広告
この記事は役に立ちましたか?
広告