心臓疾患を防ぐ方法

共同執筆者 Carolyn Messere, MD

この記事には:心臓に良いものを食べる生活習慣を変える医師の助けを得る27 出典

血管疾患、冠動脈疾患、不整脈、先天性心疾患、そして感染性心内膜炎など、心臓血管に関連する数々の症状を総称して心臓疾患と呼びます。[1] 心臓疾患は深刻な病気ですが、心臓に良い食生活を送る、活動レベルを維持する、ストレスの軽減に努める、また禁煙をするというような、いくつかのシンプルな対策をとれば、発症のリスクを抑えることができます。要素によってはコントロールできないものもありますが、コントロールできる要素を注意深く管理すれば、心臓疾患から自分を守ることができます。

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心臓に良いものを食べる

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    発展を続ける科学に注意を払う 飽和脂肪の摂取をタブー視するような長年の考え方がありますが、血管疾患による死亡率の上昇と、飽和脂肪の摂取との絶対的な関連性を否定する研究結果が近年明らかにされました。[2][3][4]実際に、低脂肪ダイエットを行うと、炭水化物の摂取量が脂肪分にとってかわるため、心臓疾患を発症するリスクが上昇します。[5] 心臓に良い食品の摂取を心がけているなら、食物の最新情報を常に把握しておきましょう。
    • それでも飽和脂肪が多くの副作用を引き起こし、心臓に悪影響を及ぼすことに変わりはありません。揚げ物や既製食品、マーガリンや市販の焼き菓子など、飽和脂肪を多く含む食品の摂取量を控えましょう。[6]
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    オメガ3脂肪酸を含む食品の摂取量を増やす オメガ3脂肪酸は不飽和脂肪酸(良い脂肪質)の一種ですが、心臓疾患の発症を防ぐ効果があります。オメガ3脂肪酸はサーモン、サバ、フラックスシード、クルミ、またはいくつかのビタミンやミネラルのサプリメントから摂取できます。[7]
    • 週に2回、天然物の魚(通常、養殖物はオメガ3脂肪酸の含有量が落ちます)を食事のメニューに加えましょう。[8]
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    1日の野菜とフルーツの摂取量を増やす 1日で10つ(10サービング)の生鮮、もしくは冷凍の野菜や果物を食べる努力をしましょう。これらの食品に含まれる植物性物質は心臓疾患の発症を防ぎます。[9]
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    全粒穀物を選び、炭水化物の総合摂取量を控える 全粒穀物は数々の栄養素や食物繊維の摂取源として非常に優れています。これらの成分は、血圧を規制して全般的な健康状態の向上に役立ちます。全粒穀物は精製された穀物と比べて栄養成分的にも優れていますが、炭水化物の総合摂取量を控えると、心臓血管の健康状態を改善できることが研究によって明らかにされています。[10][11]
    • 精製された穀物を原料とする食品を、全粒穀物のものに切り替えましょう。
    • 全粒小麦粉、全粒粉100パーセントのパン、食物繊維を豊富に含むシリアル、全粒粉100パーセントのパスタ、玄米、雑穀米、大麦を選びましょう。
    • 精白または漂白された小麦粉製品、精白パン、白米、餅、エッグヌードル(中華麺)、うどん、ケーキ、パイ、ドーナツ、バターポップコーン、そして高カロリーの菓子類の摂取を避けましょう。
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    食べる量をコントロールする 心臓のためには「何を食べるか」を考える必要がありますが、心臓の健康を全面的に改善したいなら「どれ位食べるか」が重要なポイントであることを覚えておきましょう。過食を避けましょう。過食はコレステロールやカロリー摂取量の増加、また余分な脂肪の蓄積につながります[12]健康的な食生活を送るためには、食事の量をコントロールすることが極めて重要です。見た目で確認できるようになるまでは、計量カップや計量スプーン、キッチンスケールを使用して食べ物の分量をはかりましょう。下記の例えを覚えておくと、適切な分量を見分ける役に立ちます。
    • スマートフォン大:85グラムの脂肪分の少ない肉類
    • ゴルフボール大:30グラムのナッツ類
    • 野球のボール大:120グラムの野菜類

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生活習慣を変える

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    太り過ぎの場合は体重を減らす 余分な体重を支える必要があると心臓に負担がかかり、将来心臓疾患を発症する恐れがあります。特に胴回りにぜい肉がついていると発症のリスクが上昇します。現在、未来を問わず、太り過ぎが引き起こす合併症を避けるためにも、出来る限り努力をして健康的な体重を維持する必要があります。[13]
    • 米国心臓協会サイトの計算機(英語)を使ってBMI(ボディマス指数)を確認しましょう (ここをクリック)
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    週に5回、30分間エクササイズをする 適度なエクササイズを毎日30分間、週に5回行うと、心臓疾患を発症するリスクを負わずにすみます。幼少期から体を動かす習慣をつけて、その習慣を生涯を通して維持すると、高い確率で健康体型を保てるようになり、心臓もその利益に授かります。[14]
    • 適度なエクササイズを30分間、それを週に5回行うのが目標ですが、エクササイズを短時間に分けて行ってもかまいません。例えば、午前中と午後に15分間づつ、もしくは10分間のエクササイズを1日のどこかで3回行います。
    • 代わりに、25分間の激しいエクササイズを週に3日、何らかの筋力トレーニング(中~高強度)を週に2日行うのもよいでしょう。
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    ストレス管理をする ストレスは動脈にダメージを与え、その結果心臓疾患を発症することがあります。それを避けるためにもストレス管理のテクニックを習得しましょう。[15]メディテーション(瞑想)やその他のリラックス方法を使って、ストレスレベルを コントロールしましょう。
    • ある研究ではメディテーションには血圧を効果的に下げる働き(収縮期血圧:平均4.70 mmHg、拡張期血圧:平均3.2 mmHg)があることが明らかにされています。[16]
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    十分な睡眠をとる 睡眠不足はあらゆる健康障害を引き起こし、肥満や高血圧、そして心臓麻痺に発展することさえあります。睡眠の質を改善し、毎晩確実に7時間から8時間の睡眠をとる対策をたてましょう。
    • カフェインの摂取を制限しましょう。午後2時を過ぎたらカフェインを完全に断ちます。
    • 毎晩決まった時間に就寝して睡眠と覚醒のサイクルを調節しましょう。
    • 定期的にエクササイズをしてセラトニンの分泌を促進しましょう。
    • 寝具に横たわってテレビを鑑賞したり、ノートパソコンを使うことを避けましょう。

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医師の助けを得る

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    定期的に健康診断を受ける 血圧やコレステロール値、血糖値を定期的にチェックすると、健康維持に役立ちます。心臓疾患の主な要因として血圧、コレステロール値、そして血糖値があげられますが、頻繁に検査をして状態を把握すればコントロールをしやすくなります。[17] 
    • 血圧:血圧は2年ごとに検査します。数値が高い場合、または高血圧のリスクがある場合は、さらに頻繁にチェックする必要があるかもしれません。
    • コレステロール:コレステロールに関しては、詳しい情報が明らかにされており、全般的なコレステロールというより、小さい粒子のリポタンパク質を元に判断します。医師を受診してCRP(C反応性タンパク)の数値を検査しましょう。CRPが高値になると動脈の炎症につながり、心臓疾患を発症する原因になります。[18]CRPの数値は簡単な血液検査で調べることができます。
    • 糖尿病:糖尿病検査の推定年齢は45歳と言われていますが、医師に相談し、病歴やリスク要因を元に定期検査を始める時期を決めましょう。最近では糖尿病や心臓疾患の発症を防ぐために、前糖尿病(糖尿用予備軍)に対しても医師による治療が行われています。[19]
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    医師にメタボリック症候群について相談する 心臓疾患、梗塞そして糖尿病の発症リスクを上昇させる要因をまとめたものを、メタボリック症候群と呼びますが、この症状は一日を通して座りがちな生活習慣を持つ人に多く見られます。[20] 胴回りの過剰なぜい肉、高数値のトリグリセライド(中性脂肪)、高血糖、そして高血圧などがこの要因の中に含まれます。[21]
    • 自分に当てはまるリスク要因の治療に取り組んで、メタボリック症候群を克服しましょう。腹部肥満の場合は、エクササイズや食生活の改善をして体重を減らしましょう。アルコール摂取量の制限やストレス管理、またその他のガイドラインに従って心臓の健康状態を保ちましょう。[22]
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    医師に炎症が及ぼす影響について相談する 最近の研究では炎症がアテローム性動脈硬化症の重要な要因であることをが明らかにされました。炎症を診断するには、病院でCRP検査を受けるのが今の所もっとも確実な方法です。[23]
    • 炎症は筋肉量の低下、癌、リウマチや全身性エリテマトーデスなどの炎症性疾患、メタボリック症候群、動脈壁の損傷(多くの場合酸化LDLコレステロールが原因です)、喫煙、高血圧、高血糖が原因で起こります。[24][25]
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    禁煙のサポートを得る  喫煙は心臓疾患の大きな要因で、予防可能な死亡原因の第一位に位置します。喫煙しているなら、あらゆる手段を使って禁煙しましょう。禁煙プログラムや禁煙を助けるメディテーションについて医師に相談ましょう。[26]
    • ある研究では喫煙を2年間続けると、心臓血管疾患で死亡する確率が36パーセント上昇するということが証明されています。[27]
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    医師から「適度な飲酒」についてアドバイスを受ける 適度な飲酒は心臓になんらかの利益をもたらすことがありますが、飲み過ぎると危害を与及ぼします。女性は1日に1杯、男性は2杯(65歳以上の男性は1杯)にとどめます。それ以上の飲酒は心臓疾患を発症する原因になります。
    • 1杯でやめるのが難しい場合は、医師にアドバイスを求めましょう。
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    その他の健康問題について医師に伝える 家族に心臓疾患の病歴を持つ人がいるなら、その旨を必ず医師に伝える必要があります。心臓血管を健康に保ち、心臓疾患の発症を防ぐために、特別な注意を払うことが推奨されるでしょう。

ポイント

  • 心臓疾患の中には、遺伝から起きるものも多くあります。本人は完璧な健康状態にあっても、その人の両親(祖父母)に病歴があると、心臓疾患を発症する確率があります。家族の病歴を調べて特定の心臓疾患を発症する可能性があるかどうか確かめましょう。

注意事項

  • 心臓疾患は治療をせずに放置すると、命の危険につながる深刻な病気です。心臓疾患を疑っている、もしくは高血圧や、高コレステロール値、糖尿病など、心臓疾患に発展するリスクを負っている場合は、直ちに医師を受診しましょう。

出典

  1. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heart-disease/basics/definition/con-20034056?
  2. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24723079?access_num=24723079&link_type=MED&dopt=Abstract
  3. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22592684?access_num=22592684&link_type=MED&dopt=Abstract
  4. http://ajcn.nutrition.org/content/91/3/535?ijkey=4598b707f5b3a362c4d3e6dd4dffa97a3e688bb8&keytype2=tf_ipsecsha
  5. http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0033062015300256
  6. http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/HealthyEating/The-American-Heart-Associations-Diet-and-Lifestyle-Recommendations_UCM_305855_Article.jsp
  7. http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/HealthyEating/The-American-Heart-Associations-Diet-and-Lifestyle-Recommendations_UCM_305855_Article.jsp
  8. http://www.doh.wa.gov/CommunityandEnvironment/Food/Fish/FarmedSalmon
  9. http://www.heart.org/HEARTORG/GettingHealthy/NutritionCenter/HealthyEating/The-American-Heart-Associations-Diet-and-Lifestyle-Recommendations_UCM_305855_Article.jsp
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記事の情報

この記事はCarolyn Messere, MDが共著しています。 メッセレ医師はフロリダ州在住の内科医です。1999年にマサチューセッツ大学医学部から医学博士の学位を授与されています。

カテゴリ: 健康

他言語版:

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