性別違和を診断する方法

共同執筆者 Paul Chernyak, LPC

この記事には:精神科を受診する子供の性的違和の兆候を見分ける10代の若者と成人の性別違和の兆候に気付く

性別違和とは、 生まれたときの生物学的な性と心理的な性のアイデンティティーの狭間で苦痛を感じることを指します。[1]この違和感は年齢に関係なく生まれ、大抵の場合、その感情は生涯続きます。一般的な治療法は、心理的な性に性転換をすることです。トランスジェンダーの人々の多くは人生を通して違和感を感じますが、性転換を行って社会から受け入れられることで、メンタルヘルスが大きく向上します。精神科を受診して、専門家による診断を受けましょう。

パート 1
精神科を受診する

  1. 1
    精神科を予約する 性別違和は、精神科での専門的な受診で診断することができます。予約をして、自分の性自認(ジェンダー・アイデンティティー)について話す機会を設けましょう。受診中は、精神科医や臨床心理士により、個人的または家族に関連した質問をされるでしょう。幼少期や青年期について、または自分自身や身近な人の考えや感情についても聞かれるかもしれません。[2]
    • 成人が専門家による性別違和の診断を受ける場合は、自分の性への「違和感」が2年以上継続している必要があります。
    • 子供の場合は、生物学的な性が心理的な性と異なることを6ヶ月以上訴えた場合に、性別違和と診断されます。[3]
    • 性を専門的に取り扱っている精神科医や臨床心理士を探しましょう。LGBTQのコミュニティーセンターや地域の精神科で情報を得られるでしょう。
    • 別の手法での援助も、探してみましょう。信頼のおける精神科医や臨床心理士にかかることも大切ですが、支えてくれる友達や家族に囲まれたり、または支援団体に入ったりするなど、他のサポートを受けることも大切です。
  2. 2
    閉じ込められている感覚に気付く 性別違和や性同一性障害を感じる大人や子供の多くは、自分自身ではない体、または自分自身の性自認とは異なる体に閉じ込められていると感じるでしょう。[4]また、間違った体で生まれてきてしまったと感じるかもしれません。こういった感情を精神科の専門医に話し、また、いつその感情を感じ始めたのか、どのくらい継続しているのか、また自分やあなたの子供に現在どのような影響を及ぼしているのかについても話しましょう。
    • 性別違和を感じる人は、なぜこの体で生まれたのか、なぜ違う性別になってしまったのか、など疑問に思うでしょう。
    • トランスジェンダーの人の中には、性別違和を感じずに自分の体に満足しながらも、生物学的な性と内面の性とが異なると訴える人もいます。こういった人々の多くも、性転換や地域支援によって恩恵を受けることができます。
  3. 3
    孤独な感情を話す 性別違和を訴える幼い子供・十代の若者・大人は、孤独を味わい、自分自身を孤立化させたり、引きこもったりすることもあります。[5]性別違和は、社会的関係に影響を及ぼしたり、性自認について恥ずかしいと感じさせたりします。精神科を受診する際は、どんな小さなことでも良いので、自分自身や子供が経験している孤独や孤立について話しましょう。
    • 自分のアイデンティティーをさらすのが怖いという気持ちから、意図的に親密な関係や友情を築くことを避けることもあるでしょう。
  4. 4
    性別違和と同性愛の違いを把握する 精神科の専門家からは、性的指向と性的違和についても聞かれるでしょう。性的指向と性的違和は、根本的に異なるものです。同性愛者とされる人は、同性に惹かれます。性的違和を感じる人は、生まれながらの性と内面の性の間に内なる葛藤が存在します。[6]
    • 性的違和と同性愛者であることが、同時に起こることもあります。女性から男性へ性転換をした人が、男性を好きになるのがその例です。自認している性と性的指向は別物であり、互いに影響を及ぼしません。

パート 2
子供の性的違和の兆候を見分ける

  1. 1
    兆候に気付く 女の子がやんちゃな行動をしたり、男の子が母親や姉妹の服を着て遊ぶのは普通の行為といえます。新しいことや好みを探求することは、一般的な発達の過程です。多くの場合、時間が経過するにつれてこういった行為をしなくなるか、行動に変化が見られます。しかし、性自認の不一致があると、子供は苦しみ、発達を通して継続的に性別違和を感じます。[7]
    • 「間違った」性に生まれたと感じることの苦しみが、どのように子供に影響するかを把握しましょう。
  2. 2
    子供の「自分の性別が間違っている」という主張に気付く 子供は、自分自身の性とは違う性であると他人に話しているかもしれません。[8] 男の子が自分は女の子だと言ったり、女の子が自分は男の子だと主張するのがその例です。
    • 中には、自認している性に基づいた名前を自分につける子供もいます。例えば、「かずお」という名前の男の子が、自分の持ち物に「かずこ」と書いたり、「かずこ」と呼ばれると喜んだりします。
    • 自分の性別について周囲の発言を訂正したり、男の子が「男の子はここに並びましょう」と言われても並ばずに大人を驚かせたりもするでしょう。
  3. 3
    おもちゃやアクティビティへの反応を観察する 大人がその子の性別に合うと理解しているアクティビティに、子供が強い嫌悪感を示すことがあります。例えば、自分を男の子だと性自認している女の子にとってのおままごとや女の子のように着飾ること、または自分を女の子だと性自認している男の子にとってのカウボーイごっこやレスリングなどが当てはまります。また、性自認に合わない性に関連する特定のおもちゃで遊ぶことを拒否することもあります。逆に、自分の本当の性により関連するおもちゃやアクティビティを好むでしょう。[9]
    • こういった拒否反応は、ただ単に嫌悪感を表すものや、性自認とは異なる性別で認識されることへの恐怖感から来ることもあります。また、中には拒否反応を示さない子供もいるでしょう。
  4. 4
    体への嫌悪感を認識する 自分の体に嫌悪感を示すことも性別違和の兆候ですが、それだけでは性別違和を感じていることにはなりません。自分の生殖器を認識し始めた子供がそれに嫌悪感を示すこともありますが、よくあることです。しかし、他に性別違和の兆候を見せている場合は、自分の生殖器へ嫌悪感を示すことが性別違和のサインになることもあります。
    • 例えば、自分を男の子だと認識している女の子は、ペニスを生やしたいと思い、逆に自分を女の子だと認識している男の子は、ペニスを取り除きたいと思います。こうした子供は、自分の生殖器が成長と共に変化することを求めたり望んだりします。[10]
    • 例えば、性別違和を感じる女の子は「大きくなったら、ペニスが生える」と言うことがあります。
    • もし、男の子がペニスを取り除きたいと言ったら、それはとても痛みを伴い安全ではない行為であることを説明しましょう。ペニスがあっても女の子のように振舞えること、大きくなってからもペニスが必要ないと感じるなら、病院で適切な処置の元で取り除けるということを、はっきりと分かるように説明します。
  5. 5
    生物学的な性と逆の性の友達が多いかを把握する[11] 振る舞い方以外で性別違和を判断する方法としては、性別違和を持つ子供は、自然と自認している性の友達と遊びたがるということが挙げられます。生物学的に同性の友達よりも、異性の友達を選んで遊ぶでしょう。
    • 子供の友達について考えてみましょう。同性の友達よりも異性の友達と遊ぶことを好んでいないかを、思い出してみましょう。
    • 異性の友達を持つこと自体が性別違和の兆候ではないということを、念頭に置きましょう。子供が異性の友達を作ることには、他にも様々な理由があります。
  6. 6
    子供が自分の体について話すときの振る舞いを観察する 性別違和を持つ子供は、自分の体に強い嫌悪感を表します。また、異性の体になりたいという強い欲求や願望を示すこともあるでしょう。[12]
    • 例えば、性的違和感を感じている女の子は、自分の膣に強い嫌悪感を示したり、ペニスを生やしたいと言ったりするでしょう。
  7. 7
    思春期における極度の苦悩に注意する 性別違和を持つ子供は、思春期に極度の苦しみを抱えるようになるでしょう。そういった子供にとっては、異性の体になりたいにもかかわらず、自分の体がより生物学的な性に沿った形に変化していくことを見ることが、動揺やトラウマにつながります。[13]
    • 性別違和やLGBTQに悩む10代の若者にとって、自殺が最大の危険因子です。[14]自殺の兆候がないか、観察しましょう。
    • 自殺の兆候がある子供には、すぐに第二次性徴遮断薬の服用を勧めましょう。トラウマとなる思春期の性徴を止めることで、子供の苦しみを和らげ、自殺のリスクを減らすことができます。状況にもよりますが、しばらく第二次性徴遮断薬の服用を続けたり、性自認に沿った性別として思春期を送るためにホルモン剤を服用し始めたりすることもあるでしょう。

パート 3
10代の若者と成人の性別違和の兆候に気付く

  1. 1
    性別が矛盾しているという継続した感情に気付く 成人の場合、自分の体と自認している性別が根本的に違うということを、人生を通してずっと感じ続けているでしょう。また、完全にそれが不一致していることに何の疑いがない人もいるでしょう。[15]
  2. 2
    性別違和から来る憂鬱感や不安に対処する 青年期では、性別違和によって鬱病や不安感、問題行動などの兆候が引き起こされることがあります。性自認の問題に対峙しながら、青年期の葛藤を助長するこうした兆候にも悩まされるでしょう。[16]
    • 不安になったり精神的に落ち込んだりしていると感じたら、精神病の専門家にかかって治療を受けましょう。
  3. 3
    外見を変えたい・隠したいという願望に気付く 性別違和に悩む人の中には、自分の体を恥ずかしいと思う気持ちから、体を隠したり、なりたい性別に見えるようにしたりする人もいます。例えば、男性になりたい女性は、胸を隠すために大きめの服を着るなどして胸の膨らみを最小限に抑えたり、さらしを巻いたりします。また、女性になりたい男性は、顔ひげを隠すために、髪の毛を伸ばすこともあります。[17] 身体的な特徴は、恥ずかしい気持ちやきまりの悪さを引き起こすことがあり、それが性別違和に悩む人が体を隠す理由です。
    • 自分の外見で隠したり小さく見せたりしたいものがあるか、またその動機について考察してみましょう。
  4. 4
    生活パターンと行動を観察する 性別違和を感じている人が、性自認に合った服装を楽しむということはよくあります。心の性別と合ったスタイルや流行の服を選んだり、そういった店で買い物をするでしょう。また、本当の性別に合った振る舞いや話し方をすることもあります。[18]こうした生活パターンは、日常生活の一部であったり、人に隠れて行ったり、環境によって変わったりします。
    • 例えば、女性になりたい男性が女性らしい言葉遣いをしたり、男性になりたい女性が男性らしい振る舞いをしたりします。
  5. 5
    本当の性別として生きたいという願望を認識する 性自認に沿った生活パターンや振る舞いをすること以外に、多くの人が、日常的に隠すことなく性自認に合った生活を送っています。成人や10代の若者の中には、異性の典型的な生活を送ることを望む人や、身体的な変化や外科的な手術で、自分の本当の性別をより具体化する人もいます。[19]
    • こうした変化は、生活スタイルの選択、家の内装、服装、人付き合いの輪、私生活、仕事に影響を及ぼすことがあります。
    • トランスジェンダーに悩む人の中には、差別や社会的な影響を恐れて、本当の性を隠すことなく生きることに躊躇する人もいます。そうした人々の選択を尊重し、多大なサポートを提供しましょう。
  6. 6
    体を変えて、より快適に暮らすための段階を検討する 10代の若者や成人の場合は、ホルモン治療を始めることができます。また、成人は性別適合手術を受けることができます。[20]こうした治療は、自分の性別を明確にして、自分の体にそれを反映させる段階を踏むことへの強い決意の現れです。治療後でも、悲しい気持ち、自尊心に関わる問題、鬱病は継続する可能性があるということを念頭に置くことが重要です。

ポイント

  • 家族からのサポートがあるトランスジェンダーの子供は、家族から受け入れられていないトランスジェンダーの子供より、精神状態がより良好です。[21]
  • 子供に、試験的に一定の期間だけ自認する性別で生活させてみても良いでしょう。例えば、家族で旅行中だけ、「かずこ」ちゃんを「かずお」くんと呼んであげたり、その性自認通りの振る舞いや服装をさせたりします。子供が楽しみ、その生活を続けることを望んだら、その子供はおそらくトランスジェンダーでしょう。

注意事項

  • 性別違和に悩む10代の若者や成人は、抑圧されていると感じたり、自分のアイデンティティーを隠す必要性を感じたりするかもしれません。そういった感情は、自殺や自傷行為に繋がる危険性が高いので、死にたいという気持ちになってしまったら、すぐに助けを得ましょう。精神科救急や自殺ホットラインに電話をし、助けを得ると良いでしょう。

出典

  1. http://www.nhs.uk/conditions/gender-dysphoria/Pages/Introduction.aspx
  2. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001527.htm
  3. http://www.ifge.org/302.6_Gender_Identity_Disorder_in_Children
  4. http://www.nhs.uk/conditions/gender-dysphoria/Pages/Introduction.aspx
  5. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001527.htm
  6. https://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/001527.htm
  7. http://www.nhs.uk/conditions/gender-dysphoria/Pages/Introduction.aspx
  8. http://psychcentral.com/disorders/gender-dysphoria-symptoms/
  9. http://psychcentral.com/disorders/gender-dysphoria-symptoms/
続きを 表示する… (12)

記事の情報

カテゴリ: 性的少数者

他言語版:

English: Diagnose Gender Dysphoria, Español: diagnosticar disforia de género, Português: Diagnosticar a Disforia de Gênero

このページは 95 回アクセスされました。
この記事は役に立ちましたか?