今はそれどころじゃないという時に自分の感情に呑み込まれ、身動きが取れなくなってしまったことがあるなら、この記事が参考になるでしょう。人間の情動は身体的な刺激と認知(思考)の組み合わせであり、つまり感情が考え方に影響を与え、また逆に考え方が感情に影響を与える、ということが多くの研究で証明されています。[1]感情を自己制御する能力は身につけていくことができるという研究もあります。[2]身体的措置をとったり、感情をいつもと違う観点から見直したり、感情の仕組みを理解することで、自分自身の感情のコントロール能力を向上させることができるのです。

方法 1 の 5:
身体的アプローチ

  1. 1
    呼吸を整える 感情は、認知(思考)と身体的反応のコンビネーションで産まれます。脳はまず物理的な刺激に反応し、それを感情として解釈します。例えば、「恐怖」の感情については、脳はまず口内の乾きや心拍数の上昇などの自動的な生理反応を処理し、こういった処理を「恐れの感情に関連する処理である」と判断するのです。[3]従って、呼吸を整えることによって、こういった生理的反応に先制攻撃をかけることができます。呼吸を整えるのは、初歩的な情動コントロール方法の一つです。[4]
    • 怒りなどのストレス反応は、心拍数と血圧を上昇させます(心臓病の原因としていつもイライラすることが挙げられるのはこういった理由からです。)[5][6]
    • できれば快適で静かな場所を選びます。ストレス刺激要因がない環境であれば、刺激に関する脳の活動を抑えるのに役立ちます。[7]
    • まずいつも通りに呼吸します。そして非常にゆっくり鼻から息を吸い込みます。肺に空気が満たされるにつれ、胸と腹部が広がるのを感じましょう。広がっているかどうかは、下腹部に手を置くと確認できます。4まで数えながら息を吸います。
    • 息を止めて4まで数えます。ゆっくりと口あるいは鼻から息を吐きます。4つ数えながら息を吐いていきます。1分間に6〜10回の深呼吸をすることを目安に、これを繰り返します。[8]
  2. 2
    うつむかない 読んで字のごとくです。気分は身体に現れるものです。佇まいなどの非言語的コミュニケーションは、他者からどう見られるか、ということだけでなく、自己認識にも影響を与えます。[9]顔の表情は心の動きを反映するものであり、顔の表情や頭部の動きに注意してみると、感情のコントロールの面で有益であることに気付くでしょう。
    • 顎や口をリラックスさせましょう。口を固く一文字に結んだり、歯を食いしばったりすると、緊張したり不安を感じるものです。こういったしぐさは、多くの場合、怒りの兆候でもあります。口や顎の周辺の力を抜いて楽にします。[10] (必要であれば、下に説明する漸進的筋弛緩法を利用して筋肉をリラックスさせる方法を学びましょう。)
    • 微笑んでみましょう。笑うと、実際に幸せな気持ちになる、ということは研究でも明らかです。[11]
    • 頭を上げ、周りの人と目を合わせるように努めます。誰かと話している時は少なくとも50%、そして相手の話を聞いている時は約70%は目を合わせましょう。自信なさげだったり、不安を抱えた人物であるといった印象を与えず、他の人の話にもきちんと耳を傾ける人物である、というポジティブなボディランケージになります。[12]
  3. 3
    ボディーランゲージを積極的な印象に変える 積極性や自信は一定の身動きで伝わってくるものです。佇まいを変えることは、自分の感情のコントロールにも役立ちます。身体的言語は、一般的に認識されているよりずっと身体と密接な関係を持っています。そしてまた、気持ちの持ちようにも大きく影響を及ぼします。[13][14][15]
    • 「パワーポーズ」を試してみましょう。体が大きく開いた「ハイパワー」のポーズを取る被験者グループと、身体を縮こませた「ローパワー」のポーズをとる被験者グループを比較した研究があります。この実験では、「ハイパワー」のポーズをとったグループで、テストステロン値の上昇が見られました。一方、「ローパワー」のポーズをとったグループでは、不安を感じさせるストレスホルモン、コルチゾールが増加しました。[16]ボディーランゲージは化学物質レベルでも情動的影響を及ぼすのです!
    • 楽に立ち、座ります。立つときには両足を肩幅分広げ、左右平均に体重をかけます。もぞもぞしたり、くねくねしたり、頻繁に片足からもう一方の足に重心を移さないようにしましょう。こういったしぐさは、自信のなさの表れととられます。
    • 身のこなしをスムーズかつゆったりとさせます。消極的なボディランゲージは、緊張し、殻に閉じこもった内気な人物という印象を与え、他に対して壁をつくります。ぎこちなく落ち着きのない動きでなく、ゆったりした態度でスムーズな身のこなしを心がけましょう。何かを指し示すときには、指は差さず、開いた手のひらを使って、注意を引きます。[17]
  4. 4
    運動をする 気持ちを入れ替えるためにちょっと走ってくる、という人はかなり多い筈です。運動すると、身体にエンドルフィンと呼ばれる自然と気分を高める化学物質が放出されます。[18]規則的に運動を行う人は、そうでない人と比べ、より精力的で、落ち着いていて、肯定的な人生観を持つ、という研究もあります。[19]ガーデニングや散歩などの緩やかな運動もこういったメリットをもたらします。
    • 運動をすると身体も温まります。[20]身体が温まるとほっとした気分になる人も多いでしょう。
    • 最後まで走りきる、一定の距離を泳ぎきる、など、運動中にゴール設定をすると、達成感も得られます。ゴールを達成すると、自信が上向きになり、自分自身をコントロールできていることを思い出す助けになるでしょう。[21]
  5. 5
    休憩を取る 気持ちが腐った時は、ペースを変え、今までと違う様々な刺激に触れてみましょう。脳は、壊れたレコードのように、何度も何度も同じことを繰り返してしまう傾向があります。同じことをループして何度も繰り返し考えることは、これは「反芻」と呼ばれる現象ですが、精神衛生上よくありません。反芻癖がつくと、問題を解決したり、別の視点から対処するといった建設的な姿勢ではなく、単に問題を自分の中に抱えてふつふつと煮てしまうことになります。一時的にでも環境を変えてみることは、反芻癖の悪循環から脱却する上で役立ちます。[22]
    • たった2分の気晴らしでさえ、反芻のループから抜け出すのには有効です![23]
    • 好きな趣味や祈りの時間など、自分にとって意義があり、ポジティブな気持ちになれる活動を見つけましょう。友人や家族など、大切な人とのお喋りする時間を持つのもよい考えです。周りの美しいものの素晴らしさを味わう余裕を持ちましょう。[24]
  6. 6
    瞑想する 瞑想は脳のストレス刺激への対応を配線し直し、自分自身のコントロール力を高めます。[25]瞑想によって集中力が向上し、免疫システムが強化され、ストレス反応が軽減され、自己制御が強化される、とする研究結果もあります。[26] 1日たった20分の瞑想でも、健康上、大きなメリットがあります。[27]
    • 瞑想には多種多様なタイプがあります。自分に合った瞑想方法で鍛錬を行いましょう。
    • 「最適な覚醒」、つまり弛緩と覚醒とのバランスを見つけることが瞑想における目標です。[28]瞑想中にリラックスし過ぎていると、瞑想を通り越して眠りに落ちてしまうでしょう。またあまりにも意識が覚醒している場合、あれこれの雑念を頭から追い払うのに苦労するかもしれません。[29] いったん始めてみると、瞑想の仕方を学ぶには、一貫した訓練が必要であると身をもって感じるものです。一人で試すより、瞑想のクラスに参加するほうが「頭を空っぽにする」のに有効だと感じる向きもあるでしょう。
    • ウェブにはMP3形式でダウンロードできる瞑想ガイドも提供されています。MITのサイトでは、リラクゼーションとマインドフルネスの両方の瞑想方法を紹介しています(英語のみ)。[30]UCLAのMindful Awareness Research Centerでは、瞑想ガイド音声付きの音声ファイルがダウンロードあるいはストリーミングできます(サイトは日本語表示を選択することができますが、音声ファイルは英語かスペイン語となります)。[31]
  7. 7
    マインドフルネス瞑想を実践する マインドフルネス瞑想は独特な種類の瞑想であり、多くの科学的研究によって有効性が確かめられています。[32] マインドフルネス瞑想は集中力を高めます。マインドフルネス瞑想は自分の感情や自分自身を批難することなく、ありのままに受け入れることを目指しており、感情的バランスをコントロールするのに役立つでしょう。[33] アイオワ州龍門寺の住職、ワインコフ彰顕和尚は、以下のステップを提唱しています。[34]
    • 静かで快適な場所を見つけます。楽な姿勢をとり、きつい服や着心地の悪い服は適度に緩めましょう。
    • 何度か深呼吸をして、目に見えるものに注意を払います。どんな色が見えますか?どんな形でしょうか?どれくらいの大きさでしょうか?周辺の詳細に集中します。
    • ある程度見えるものに集中した後、目を閉じます。耳に聞こえるものに集中します。音がしますか?高い音でしょうか、低い音でしょうか?短い音、それとも長い音でしょうか?
    • ある程度聞こえるものに集中した後、気持ちに注意を向けます。服の着心地はどうでしょうか?風は吹いているでしょうか?爽やかでしょうか、熱風でしょうか? 座っているのは固い場所、それとも柔らかい場所でしょうか?
    • 最後に、呼吸だけに意識を集中します。数分間、自分の呼吸に集中します。ゆっくりと呼吸することだけに集中しつつ、意識の流れを観察します。
    • 無の境地に至らず、何か考えが頭に浮かんでも、自分を責めません。浮かんでは消える考えはそのままにして、意識を呼吸に戻します。
    • 未来を推測したり、過去を悔やむことなく、今現在の瞬間を意識することが目標です。
    • 暫く呼吸に集中した後、今度は逆の順序で外界に意識を戻していきます。気持ちに、次に耳に聞こえてくるもの、そして最後に見えるものに注意を向けます。
  8. 8
    漸進的筋弛緩法の訓練をする 漸進的筋弛緩法(PMR)は、身体の筋肉を体系的に緊張させたり弛緩させたりすることで、緊張を和らげる方法です。身体の緊張は、不安やイライラする感情につながるとされます。PMRは、積極的に身体的緊張を解放することで、感情をコントロールする方法です。[35]
    • 静かでリラックスした環境、15分ほど一人になれる場所を選びます。気が散ったり、他から邪魔されない場所が適しています。
    • 座って楽にします。ぴったりした衣服は緩め、深く呼吸します。
    • 訓練は、つま先から始めて徐々に上半身に進んでも、額を出発点にして下半身に向かって進めても、どちらでも構いません。いずれにせよ、体中の筋肉群を「漸進的」に訓練していきます。
    • 出発点と決めた筋肉群から練習を始めます。例えば、頭部から始めるなら、まず額の筋肉群を緊張させます。眉をできるだけ高く上げます。5秒間上げたままにしてから、力を緩めます。次にできるだけ強く眉をひそめます。5秒間上眉をひそめたままにしてから、力を緩めます。
    • 5秒間緊張を保持してから力を緩める、という訓練を他の筋肉群でも行います。目、唇、手、前腕、上腕、胸、肩、背中、腰、尻、太もも、ふくらはぎ、足、そしてつま先、と訓練を続けます。
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方法 2 の 5:
感情を別の観点から見直す

  1. 1
    自分の感情の刺激要因を特定する 誰もが同じことにむっとしたり怒ったりするわけではありません。すべての人が同じことに幸福感を感じるわけでもありません。自分自身の感情パターンに注目してみましょう。自分は何に怒りを感じるかを意識するように努めます。自分自身に正直になることで、多くのことが見えてきます。
    • 日記を付けてみましょう。怒りを感じたことやイライラしたことだけを書くのではなく、その感情につながった状況を記録します。何がきっかけとなったのでしょうか? その時、どんな気分でしたか? どういった反応をとったのですか? 後になって違う反応をとればよかったと思いましたか? 日記をつけることによって、自分自身の感情の動きを大局的に見ることができるようになります。[36]臨床心理学者のベス・ジェイコブスのサイト「Writing for Emotional Balance(感情のバランスをとるためにペンをとる)」に記載された日記を書く上で役に立つ情報(英語)が参照になるでしょう。
    • 自分でも意外に感じるほど何かについて強い感情を持っていることに気づいた場合は、それはなぜなのかを自問自答してみましょう。それは本当に友人が新しいiPhoneを手に入れたからなのでしょうか? 何が本当の問題だったのでしょうか? 自分はどう反応「すべき」だったと思いますか? どうしてその反応の方が良かったと思うのでしょうか?
  2. 2
    気分を落ち着かせる言葉を繰り返す 感情の波にのまれそうになったら、自分にとってポジティブな意味を持つ言葉を繰り返しましょう。ポジティブな自己確認を繰り返すことによって、状況を制御することができなくても、自分自身の感情的反応についてはコントロールを取り戻すことができます。[37]ポジティブな意味を持つ言葉には以下のような例があります。
    • 「こんな苦しい状況は今だけだ。」
    • 「どうにか乗り越えられるはずだ。」
    • 「もっと悪い状況でも無事に切り抜けたことがあった。」
    • 「最悪だが、命にかかわるわけじゃない。」
    • 「冷静に乗り切れるはずだ。」
    • 「私は自分自身の感情のコントロールを失っていない。」
    • 「こんなことに腹を立てる価値はない。」
  3. 3
    直面する状況についてのおかしな点や馬鹿げた面に注目する ユーモアは自分の感情と距離をとる上で役に立ちます。自分の感情に向かい合う際、ユーモアがあれば、気持ちの上で楽になります。またユーモアは、自分の感情についての見方を修正する上で役に立ちます。[38]
    • 例えば、大きなイベントでのスピーチで失敗してしまった等、恥ずかしい思いに呑み込まれてしまう場合もあるかもしれません。恥ずかしさで一杯でどうにもならなくなってしまうと、そこから這い上がるのは難しいかもしれませんが、自分のへまを「笑える失敗」だと思えれば、恥ずかしいという感情に圧倒されにくくなるものです。
    • ユーモアは他のタイプのプラス思考よりも苦痛を軽減するのに役立つと考えられています。笑える出来事や物には脳を使うものなので、感情に振り回される余裕がなくなるわけです。[39]
    • ユーモアで怒りを和らげることもできます。例えば、上司に頭にきて、つい心の中で罵ってしまう場合、上司が実際その言葉通りだったら、と想像してみるのも手です。上司のことを「このタヌキじじい!」と思ったときに、上司が実際にタヌキだったら、と想像してみるのです。三つ揃えスーツを着て、書類かばんを大切にかかえたタヌキを。そういった、たわいない想像をしてみると、自分の気分を自分自身でコントロールできていると感じることでしょう。[40]
  4. 4
    小さい目標を設定する 社会的、情緒的なストレスを感じると、自分の感情のコントロール力を高めたいと思うものです。一般的に、自分の生活をコントロールできていると感じる人は、そう思わない人々よりも健康で、長生きだとされています。[41]達成しやすいゴールを設定することで、自己コントロールが取れているという感覚を得ることができます。ゴールを達成したら、お祝いをしましょう。満たされた気持ちになり、自信も増し、コントロール力の向上を感じるはずです。
    • ゴールは規模の大きい目標である必要はありません。楽器で好きな歌を演奏できるようになる、1週間健康的な食事をとる、等の小さな目標を設定します。
    • 「Think big!(でっかく考えろ)」と主張する人も世の中にはいますが、「小さく」考えるほうが、より成功につながる可能性が高いのです。「もっと健康になる」等の大きいゴールを、「週に3回歩く」や「週に2回ウエイトリフティングをする」等の達成率の高い小さなゴールに分割して取り組みましょう。[42]
  5. 5
    日々よきものを味わう 積極的に感謝の気持ちを持つように訓練すると、ストレスが軽減され、コントロール力の向上を感じ、問題解決につながる、という研究結果も報告されています。一日のうちで喜びや美しいものを見出せるちょっとした時間を持つように心がけましょう。[43]
    • メンタルな「写真」を残しましょう。次に落ち込んだ時やストレスを感じた時にその時の素晴らしい経験を思い出せるようにしておきます。できれば他の人とその経験を分かち合いましょう。同じ経験を人と共有すると、記憶も強く残るものです。[44]
    • 感謝する練習は、ただありがたく感じるだけでは足りません。何かについてどう感じるかは、通常コントロールすることは不可能です。しかし、練習すれば、脳が感謝の思いを認識するのに慣れていき、ありがたいという気持ちを抱くことが習慣化します。[45][46]
    • 自分が恵まれていると思う点を数えてみます。人間は得てして良い経験よりも悪い経験を覚えているものです。陳腐に聞こえるかもしれませんが、感謝の気持ちの日記をつける時間を割きましょう。簡単な感謝状を書いたり、感謝の祈りを唱えると、自分の人生のよい出来事をよく覚えていられる、と言われています。 [47]
  6. 6
    自分に厳しくしない マイナス思考は、ポジティブな態度で物事を肯定的に見ることによって克服できます。楽観的あるいは悲観的といった性格が健康に影響を及ぼす可能性がある、という研究報告もあります。楽観主義者は、より優れたストレス管理能力を持ち、寿命が長く、うつ病や不安神経症に罹る可能性が低く、より健全な免疫システムを持つ傾向があると観察されています。コップに半分の水が入っているのを見て「もう半分しかない」でなく、「まだ半分ある!」と思うようにしましょう。[48]
    • ネガティブな独り言をポジティブな思考に変換しましょう。意識しなくとも自分自身についてのマイナス思考の堂々巡りは終わらせることができます。一日の間に何度か自分自身をチェックして、マイナス思考は退治しましょう。
    • 例えば、見かけや体重について頻繁に悩んでいることに気がついた場合、そういったことについてのポジティブな点に注目してみます。「太ってる」とか「今日はさえないな」というマイナス思考を「体の調子がよくてよかった」とか「新しいメガネだと目がぱっちりとみえる」といった、自分自身の価値をポジティブに肯定する思考に転換しましょう。
  7. 7
    自分自身を責めない 失敗について自分自身を厳しく批判することの問題点は、マイナス思考に簡単にのまれてしまい、コントロール不能になることです。「厳しい自己批判ゾーン」にはまってしまうと、気をもんだり、不安を感じたり、自分の感情をコントロールできなくなってしまいます。間違いを犯したのが友人だった場合、どう対処するかを考え、自分に対しても友人に対するのと同じレベルの寛容な態度を維持することを心がけましょう。 [49][50][51]
    • 自分を責めないことは、自分の行動に責任を負わないことと同義ではありません。失敗を認めた上で、自分自身を痛めつけずに次に取るべきステップを選択すればよいのです。
    • 例えば、ダイエット中だったとしましょう。友達とお茶に行き、クッキーとラテを楽しんだ後、「ダイエット中なのに食べてしまった。なんて自分は弱いんだろう。」とすぐに後悔して落ち込んでしまいませんか? こういったマイナス思考は、自分がとった行動をただ非難するだけで、何の役に立つものでもありません。
    • いったんクッキーを食べてしまったら、それについてどう感じるかは必ずしもコントロールすることはできません。恥ずかしくなったり、罪悪感さえ感じるかもしれません。しかし感情はコントロールできなくとも、自分の行動をコントロールすることはできます。失敗してしまったという感情にのまれて、クッキーをさらに10個むさぼってしまう選択肢もあるでしょうが、自分自身に寛容になって、必要以上に自分を責めずに元の道に戻ることを選ぶこともできるはずです。「クッキーを食べてしまった。だけれどそれで一貫の終わりだというわけではない。夕食はサラダにして、ヘルシーな食生活に戻ろう」といったように。
  8. 8
    完璧主義を排除する 完璧主義は、改善への努力とよく混同されます。しかし、完璧主義は実際には、不可能な基準を遵守し、欠陥を却下する、という認知的「歪み」なのです。完璧主義者は、物事を受け入れるにはそれが「完璧」でなければならないと感じており、情緒的に脆弱になる傾向があります。自分自身に(他者にも)現実離れした完璧な行動を期待するわけにはいきません。完璧主義を捨てられれば、気持ちのコントロールがずっとうまくいく筈です。[52][53]
    • 完璧主義は、逆に目標の達成を妨げる、という研究結果もあります。人間は間違いを犯すものです。間違いは間違いと認め、そこから何かを学ぶことができれば、それが成功につながるでしょう。
  9. 9
    思ったことを人に話す 怒りを氷解させる最善の方法は、その気持ちを誰かに話すことです。たとえペットの犬相手でも効果的です。何かについて話すことで、物事がより明確に把握できるようになり、脳内で状況を整理するのに役立ちます。また他者とつながっていると感じることで、周りに支えられている安心感が生まれ、姿勢がポジティブになり、自分自身や他者に対する態度も向上する、とする研究もあります。[54]
    • ポジティブなニュースや経験を他の人と共有すると、より多くの幸福感が得られるものです。出勤途中に見つけた美しい樹について友達に携帯でメールを送ったり、薫りの高いコーヒーを同僚と一緒に楽しんでみましょう。[55]
    • 自分の気持ちを他人に話すことで、より広い視野で物事を見られるようになります。急に前に割り込んでくる無礼な車には腹が立つでしょうが、それも喉もと過ぎれば熱さを忘れるような出来事でしょう。自分が経験したことについて人に話すことは、出来事をより広い視点で俯瞰することにつながります。その際、実はささいな出来事なのに、大きな問題として拡大解釈している自分に気づく場合もあるでしょう。
  10. 10
    心理カウンセラーやセラピストとのセッションを検討する 重大な問題を抱えていなければ精神衛生の専門家に診てもらう必要がない、という考えは都市伝説であり、正しい見解ではありません。自分の気持ちとどう向かい合い、コントロールするかの戦略を心理カウンセラーやセラピストから学ぶこともできるのです。歯医者さんで歯のクリーニングをしてもらったり、健康診断を受けるのと同様の心積もりでセラピストに行くことを検討してみます。健康で「あり続ける」ための予防措置となるでしょう。
    • 認知行動療法(CBT)は、思考プロセスと感情とのつながりに焦点を当てる療法です。感情をより効果的に処理する方法を特定し、個人のニーズに合わせた対処戦略を構築するのに役立ちます。[56]
    • 気が動転したり、不安を覚えたり、悲しくなった時でも、社会的に期待されるのは「もっと頑張りましょう」かもしれません。これも有害な都市伝説です。極端な感情を常時抱くのは「正常」な状態ではありません。「我慢して呑み込む」、「自分で問題を解決する」といったことが不可能な場合もあるのです。不安やうつ病などの症状は、通常、時間が経てば自然に治る、というものでもありません。助けを求めるのは必ずしもあなたが弱いから、というわけではありません。助けを求めることが、前に進もうとする勇気ある第一歩となります。
    • 自分の感情が人間関係、仕事、学校、あるいは日常生活に支障を及ぼしていることに気づいたら、専門家の助けを求めるべきです。精神衛生の専門家は、生活にバランスをもたらし、正常に機能を回復させる方法を見つける手助けをしてくれるでしょう。
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方法 3 の 5:
ものの見方を修正する

  1. 1
    将来志向になる 人間というものは感情的になると、理論的思考が欠如することがしばしばあります。現実感を失ってしまい、その時の感情にのまれてしまいます。「この怒りは明日どうなっているだろうか」、と考えることで、感情に振り回される状態に打ち勝ちましょう。「この怒りは一週間後、どうなっているだろうか? 一ヶ月後にはどうなっているだろうか?」と想像してみると、感情は波に似て、一時的な起伏の感覚である、ということが思い出せるでしょう。感情が一時的なものであることを認識することは、気持ちを整理する上で役に立ちます。[57]
    • その瞬間は感情の嵐に圧倒されるかのように感じるかもしれません。少し冷静になって、自分の感情と経験している出来事を区別して考えるように努力しましょう。また、沸き起こった感情が何なのかを特定してみます。こういった対処をとることによって、その瞬間に自分が何を感じているかの自覚が生まれ、適切な措置を講じることが可能となるため、より上手く感情のコントロールをとれるのです。[58]
    • 誰しも後で後悔することがあるものです(その失敗が重大な結果を生んでしまう場合もあるでしょう)。人間は自分の感情にひっぱられて行動してしまうことがあるからこそ、こういった後で悔やむことになる失敗を起こすのです。怒りを感じたら、その感情を今の時点で上手く処理しないと、明日自分でどう思うのだろう、と考えてみましょう。不安になったら、将来的な状態を想像してみます。自分をこんなに不安を感じさる出来事について、6ヶ月後にはどう思っているでしょうか? こういうやり方で、過去の「今その時」の経験を元に行動すると、より効果的に感情の嵐に対処することができるかもしれません。[59]
  2. 2
    自分の感情に抗わない 感情についての心の葛藤の原因の1つは、感情をコントロールしなければならないという「義務感」です。義務と考えるのではなく、単に感情はいつでも存在するものだ、と認めてしまいましょう。[60]感情はもともと良いものでも悪いものでもありません。怒り、恐怖、そして幸福感さえも、どう対処するかによって、有益にも有害にもなるのです。自分の感情を「ただ今のところ」そう感じているだけだ、とありのままに受け入れましょう。[61]
    • ネガティブな感情を押し殺したり、無視しなければならないかのように感じる必要はありません。こういった姿勢は逆に感情への執着心につながる恐れがあります。自分の感情を批評しようとせず、ただ感情が起こったことをそのまま認めましょう。
    • 自分自身に対して寛容かつ優しくあるべきです。感情に呑まれないかと心配しすぎてしまうことはよくあることです。自分の感情をつい批難してしまうこともあるでしょう。例えば、怒ったり、悲しんでしまうことに罪悪感を感じることもあるでしょう。[62]自分の気持ちを受け入れるのに苦労する場合、これが友人の場合だったら、と考えてみます。大切な人に対するのと同じように自分自身に対しても寛容で客観的であるように心がけましょう。
  3. 3
    ストーリーを変える 感情は、現実と同様、「一定」ではありません。ある状況にどう対処するかは、その状況をどう解釈するかに大きく左右されます。状況の解釈そして対処の仕方を変えることで、感情を実際に変化させることができます。[63]
    • 例えば、バーで知り合いと言い合いになってしまったとします。アルコールも入っており、誰もが賞賛に値する行動をしているわけではありません。この知人があなたの母親について軽口を叩きます。それに対して体が即座に反応します。心拍数は急上昇し、顔は真っ赤になり、呼吸が浅くなり、彼を張り倒したい衝動に駆られます。
    • この時のあなたには、二つの選択肢があります。生理学的刺激のまま行動することもできるでしょうし、状況についてよく考え、どう反応すべきかを判断することもできるでしょう。その状況についてよく考えてみる方がより適切な道です。この知り合いは酔っていて、しかも彼はあなたの母親を実際に知っている訳ではありません。彼の判断力はアルコールで損なわれており、きっと翌日後悔することでしょう。生理的反応に身をゆだねるかわりに、相手に地元の即興劇グループのウェブサイトの情報でも与え、そばを離れることにするのが、より賢い道でしょう。
    • 相手の行為に報復したい、という最初の衝動を克服できれば、この出来事からの立ち直りも早いはずです。あなた自身は自分の行動を翌日後悔する必要がないのですから。また、この知り合いが言ったこと自体は腹立たしいにしろ、「お前のかあさん」ネタの冗談は必ずしも個人的なものではなく、アルコールによって引き起こされた判断ミスだったことは明らかです。
  4. 4
    「実際に」反応を引き起こす原因を検証する 日によって同様の出来事が不愉快になったりそうでなかったりする場合があります。それは個々の状況が必ずしも同じではないためです。自分が動揺しているのが、出来事自体のせいなのか、状況のためなのか、あるいはまた他に理由があるのか、よく自分自身で検証してみましょう。[64]
    • 例えば、普段なら笑い飛ばせる冗談でも、きつい一日を過ごした後で聞いた場合、心に痛みを感じる場合があるかもしれません。怒りや欲求不満にまかせて相手を怒鳴りつけるかわりに、冗談を言った人は実際に自分の心を傷つける目的でジョークを言ったのかどうか、と考えてみましょう。親しい友達であれば、恐らくあなたを傷つけるつもりはなかったでしょうし、実際、友達の言葉ではなく、自分自身の疲労や頭痛などが原因でそういう反応が出た可能性もあります。
  5. 5
    マイナス思考を建設的観点で見直す マイナス思考の「壊れたレコード」である反芻については既に説明しました。反芻の代わりに、「適応型自己反省」方法を試してみましょう。このプロセスは感情から距離をとるのに役立ちます。状況に対処するために自分ができることに集中しましょう。[65][66][67]
    • 例えば、同僚とのやりとりで腹の立つことがあって、どうしてもそれに執着してしまう場合、自分が建設的な見方をしているかどうかを検証してみます。単に「ほんとに彼女は頭にくる!」と思っているのではありませんか?「彼女は私の気持ちを何度も傷つけた」と何度も何度も繰り返しているのではありませんか?それは反芻です。
    • 状況を建設的観点から眺めてみましょう。「なぜ彼女の発言にこんなに腹が立つのだろう?彼女に対する自分の気持ちに向かい合うにはどうしたらよいのだろう?」と、問題に対処する具体的な解決策を考えることによって、苦悩に押しつぶされずに自分のコントロール力を維持することができます。
    • 状況を第三者の目で見てみましょう。自分の体験を、自分自身のものとして「再現」するのではなく、第三者の視点で検証してみます。例えば、自分のことを「私」の代わりに「彼 / 彼女」等の第三人称を使ってこの一件を見直してみます。「彼女はその友人(=自分)はいつも遅刻してくると言っていた。彼女の発言は彼をひどく傷つけた。彼は実際、よく約束に遅れてくるので、図星だから傷ついたのかもしれない。彼女が『いつも』と言ったのは必ずしも真実ではないため、それもきつい言葉だと感じた一因かもしれない。」[68]
    • 反芻はうつ病、アルコール依存症、摂食障害、心疾患につながるリスクが高いという研究結果もあります。[69]反芻し始めたらそれに気づくこと、そして悪循環を打ち破るために行動を起こすことが重要となります。
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方法 4 の 5:
ゆがんだ思考パターンを避ける

  1. 1
    認知の歪みを認める 認知の歪みは、脳が作り上げた無益な「習慣」であり、以前の経験に基づいた偏った考え方です。誰かから聞いたことや誰かのしたことによって形成される場合もあります。[70]認知の歪みに関する重要な点は、こういった考え方は非合理的であり、自分自身のためにならない、ということです。認知の歪みを認識する能力は習得することができます。そしていったん意識できれば、それを是正する努力も実行可能となります。[71][72]
    • 認知の歪みは、特定の行動や状況への対処法等、それまでに学んできたことから生成されるものであり、誰しも時に経験するものです。[73]
    • 認知の歪みを認識するには、自分がどう物事を「見ているのか」に特に注意を払わねばなりません。自分の気持ちを批判しないように気をつけましょう。悲しい、腹だたしい、幸せ等の感情を変化させることはできませんが、頭の中での悪しき「習慣」を変える能力は学ぶことができます。
  2. 2
    認識フィルターに屈しない 完全に悪な出来事も完全に善である出来事もありえません。認識フィルターは、状況についてのネガティブな詳細に焦点を当てるあまり、ポジティブな面があたかも存在しないように感じさせます。こういった不可能かつ無益な基準を自分自身(他者にも)課してしまうと、全か無かの融通の利かない考え方になり、悲しみをもたらし、自分が無価値であるかのように感じることもあります。[74][75]
    • 例えば、映画の開始時間に遅れて予告編を見逃してしまった場合、失敗したというマイナス思考を乗り越えられないと、認識フィルターによって残りの本編が楽しめなくなることがあります。
    • 物事の本質を見つめることで、認識フィルターの罠に陥らないようにしましょう。物事は完璧でなければすなわち失敗だ「というわけではない」のです。あらゆる状況にはポジティブな面もあることを忘れないようにしましょう。映画の例に戻ると、楽しい予告編を見逃してしまったことは事実ですが、そもそも映画の本編を見に映画館に行ったわけで、映画自体を見逃したわけではないのです。失敗してしまった小さな出来事にこだわり続けるのではなく、経験できたことを楽しむように努めましょう。
  3. 3
    「破局化」に屈しない 早急に結論に飛びつく前に、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。必ず最悪な事態になるという思いこみがあると、大惨事は起きてしまうものです。破局化の思考に囚われてると、すぐにコントロールを失い、圧倒され、自分には手に負えない、と感じてしまいます。[76][77]
    • 例えば、「この試験で自分は落第してしまう」という破局化の思考を持つと、以下のような状況になります。「試験で落第した。単位を落とすだろう。退学になるかもしれない。就職も恋愛もできずに一生実家の地下室で暮らすことになるに違いない。」
    • 冷静に自分の立てた前提の証拠を検証することで破局化の思考から抜け出しましょう。試験で落第点を取ってしまいました。そのクラスでその試験の占める重要性はどれくらいなのでしょうか?一つの試験に落ちたとしても単位を取得できるのではありませんか? 実はそうでしょう!また単位を落としたとしても、退学処分になるでしょうか?そんなことはありません。実際には、ただ単位を取り直せばいいだけです。
    • すぐに結論づけをせず、自分の思考を「論理的」に検証してみましょう。
  4. 4
    「個人化」に屈しない どんな感情を持つにしろ、誰しも世界の中心であるわけではありません。個人化は、他人の行動はすべて自分への直接的な反応である、と思ってしまう現象です。他人は「自分を貶めようとするものだ」という世界観も個人化の一つです。[78][79]
    • 例えば、廊下ですれ違った同僚がむっとした表情をしていたとします。個人化の見方を持っていると、この一件だけで、彼女は「わたし」に腹を立てていると想定しまうのです。
    • 他人も自分と同様に感情を持っており、機嫌の悪い日もある、と意識することで個人化の世界観から抜け出すことができます。他人の行動はほとんどの場合、あなたとは無関係です。実際に誰かの気分を損ねたと心配になった場合は、どうしたのか直接聞いてみましょう。相手の言う事にびっくりするかもしれませんが、理不尽な個人化の視点からは逃れられるでしょう。
  5. 5
    「過度の一般化」に屈しない 「どうしていつもわたしにだけ悪いことが起きるのだろう?」 こういう考えに覚えがあるなら、過度の一般化の歪んだ世界観に陥っている恐れがあります。過度に一般化する世界観を持っている場合、特定の状況の結果を人生一般に当てはめようとしてしまいます。こういった見方によって、ついてなかった日が一日あっただけで、それが失敗の悪循環につながると解釈してしまう場合があります。[80][81]
    • 例えば、通勤途中でコーヒーをこぼし、自分にかかってしまったとします。過度の一般化の世界観を持っていると、この失敗が一日の失敗の連鎖の予兆であると解釈してしまいます。
    • 1つの出来事が必ずしもパターン化するわけではないことを忘れないようにすることで、過大化ぐせから抜け出しましょう。コーヒーをこぼしたことがいつも自分の身にふりかかる最悪な事態の連続の一環だとみなすのではなく、ある特定の出来事の結果に過ぎないことを忘れないようにします。コーヒーをこぼすのは愉快な出来事ではありませんが、所詮一日に起こる出来事の中でも取るに足らない瑣末な出来事に過ぎません。
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方法 5 の 5:
感情を理解する

  1. 1
    感情の仕組みを知る 感情を持つこと自体は悪いことではありません。実際、感情は新しいことに挑戦しようとしたり、興味深いゴールを目指したり、、世界を探検しようとしたりという意欲を掻き立ててるものであり、人間には必要な事象なのです。人間の感情は周りの世界を解釈し、他人とコミュニケーションをとる上で大切なものです。[82]感情に関する多くの心理学的理論が構築されてきましたが、心理学者の意見がほぼ一致している点は、感情は肉体的な覚醒と認知の組み合わせである、ということです。[83]
    • 心理学者スタンレー・シャクターが提唱した理論の一つに、情動の二要因理論があります。この理論では、人間が刺激を知覚すると、アドレナリンラッシュ、発汗、または心拍数の上昇等の生理学的反応が起こるとされます。これは覚醒と呼ばれます。次に、この認識が特定の感情となるために認知(思考)が使用されます。この覚醒をどう分類するかは、その状況について分かっていることだけでなく、以前に学んだ経験に影響を受けることになります。
    • 例えば、犬の鳴き声が聞こえた場合の反応はいくつかの要因に左右されます。心拍数が速くなるといった覚醒を経験するかもしれません。この覚醒をどう解釈するかは、状況についての手持ちの情報に左右されます。犬が唸っていれば、その覚醒は恐怖だと解釈されるでしょう。犬が吠え、尾を振っていれば、その覚醒を興奮と解釈するかもしれません。
    • 感情の解釈はまた、過去の体験によっても影響を受けます。犬好きなら、自分の感情をポジティブな感情と解釈する可能性が高いでしょう。犬に噛まれたことがあり、その記憶が生々しい場合、実際にその犬が嬉しそうにしていたとしても、自分は恐怖を感じている、と解釈する可能性が高いでしょう。[84]
  2. 2
    過去の経験に影響されていないか見極める 些細なことなのに、意外にも動転してしまい、自分自身でも戸惑うことがあるかもしれません。なぜ自分がそんな反応をしたのか理解し難い場合もあるでしょう。過去の経験、特にトラウマ的な体験によって、新たな経験の解釈が影響を受ける場合もあることを覚えておきましょう。そういった過去の体験に一定の解決がみられていない場合は、特に影響が強く現れるものです。[85]
    • 例えば、家族の誰かが亡くなったとします。通夜では、故人への尊敬と哀悼のバラが沢山飾られていました。数年後、自分の中でバラと愛する人の死との連想が強化され、バラの香りで過度に感情的になることがあるかもしれません。
    • 過去の体験で「誘発」される現象はPTSD(心的外傷後ストレス障害)である、と結論づけるのはよくある誤解です。臨床診断でPTSDと判断される基準をすべて満たさずとも、同様の情動的反応が起こる場合もあるのです。[86]
    • 誘発を引き起こす状況や感情が一貫して発生することに気づいた場合、経験豊富な専門家に相談して問題の改善に取り組みましょう。精神衛生学の専門家は、自分の感情のコントロール力を高め、強くて幸せで健康だと感じられる能力を向上させる治療を行ってくれるはずです。
  3. 3
    「情動伝染」に注意する この用語は病気に罹ることとは関係ありません。人間は外からの影響を受けやすいという事実を指すものです。人間の感情は、周りの人々がどう感じるかに影響を受けるものです。どのように感じるべきかについて、無意識のうちに周囲の人々からヒントを引き出しているのです(さほど親しくない人の結婚式で泣いてしまうことがあるのは、これが原因である場合もあるでしょう。)幸せで健康的な友人や愛する人に囲まれていれば、同様に幸福感を感じるものです。[87]
    • 同様に、感情的にカオス状態の人や、自分の感情にうまく対処できない人に囲まれていると、自分自身の感情をコントロールするのが難しくなるものです。
  4. 4
    自分の心理的欲求を見定める 誰しも「恵まれない人」と思われたくないでしょう。しかし、すべての人間には欲求があり、幸福感を感じるには、欲求が満たされなければなりません。自分の欲求を理解することは健全なことです!一般的に心理学では、1940年代にアブラハム・マズローが定義したピラミッド型階層モデルに従って、欲求を様々な段階に分類しています。自分の欲求のどれが満たされない可能性があり、その状況をどう改善できるかを考えてみましょう。[88]
    • 「生物学的および生理的欲求」 空気、食べ物、飲み物、住処、睡眠等、生活する上での基本的な必須要因が、この階層に入ります。これらが満たされなければ、他の階層の欲求を満たすのは難しくなります。
    • 「安全性および安定性」 生物学的欲求の上の段階です。人間は自分の環境内で安全かつ安心であると感じる必要があります。私たちは社会の秩序が守られ、法的規制が遵守されており、また毎日安定した生活が送れるという安心感を持ちたいと願っています。また自分の人生に関して少なくとも何らかの自己管理力を持っていると感じる必要があります。
    • 「愛および社会欲求」 私たちは自分がどこかに所属しているという感覚を与えてくれる「自分の領域」といったものを持っていると感じる必要があります。また、友情、親密な人間関係、愛し愛されている関係が必要です。ロマンチックな愛、職場における仲間意識、親密な友情等、多様な質のレベルでポジティブな関心を受け、また与える必要があります。地域社会の一員であると感じたい欲求です。
    • 「承認欲求」 この階層の欲求は他者からの尊敬および自己尊重感です。自分が自立しており、物事を達成および習得する能力があると感じることが必要となります。社会的地位ステータスや名声への欲求もあるでしょう。他者から感謝され、自分が有能であると感じたい欲求もあります。
    • 「認知欲求」 停滞状態や退屈にならないように、人間は何かしらの(圧倒されない程度の)課題を抱えていたいものです。これは、新しいことを学び、自分の環境と人間関係における意味を求め、新たな経験をしたいという欲求です。
    • 「自己実現欲求」 最高階層での欲求であり、この階層の欲求を意識するにはそれ以下の階層の欲求が少なくとも基本的なレベルでは満たされている必要があります。自己実現とは、達成感を意味します。自分が自分である根拠は何でしょうか? 個人的な成長経験をどう追求しているでしょうか? 人間は自分の価値観を把握し、その実現可能性を実感する必要があります。こういった種類の欲求は動的であり、この階層の欲求は常に変化し続けます。
    • 「自己超越」 人間には他者とつながりを持ちたいという欲求があります。殆どの人が他者の自己実現の達成を手助けしたいと欲しています。
  5. 5
    STOPP方法を試す STOPP方法は、この記事で学習したことをカバーするものです。[89][90]
    • 「ストップ (Stop)」 すぐに行動に移さないようにします。つまり「キレた状態」で行動しないということです。
    • 「深呼吸する (Take a deep breath)」 頭の中を整理し、集中力を取り戻す上で役に立ちます。
    • 「一歩下がる (Pull back)」 少し広い視野で状況を見しましょう。自分が体験していることや感じていることについて、自問自答してみます。
    • 自分のスキルを「実践する (Practice your skills)」 これまで学んできたスキルを実践し、穏やかな心持ちを保つことを心がけましょう。
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ポイント

  • 自分の気持ちを呑み込み、無視することと、コントロールすることとは違います。無理に感情を押し殺すと、後で爆発する場合もあります。こと感情に関しては、何事もタイムリーに向かい合うことが肝心です。
  • 感情への取り組みは時として時間が必要となります。乗り越えねばならない、と問題を受け入れることが最初の一歩となるでしょう。
  • くよくよ後悔しないようにしましょう。失敗してしまって、後で最悪な気分になることもあります。自分自身も自尊心もずたずたです。ああすれば良かった、と悩み続けるのでなく、起こってしまった問題をどう修正できるかを考えましょう。
  • アルコール、カフェイン、その他の刺激物はほどほどにします。身体がこういった物質の影響を受けると、感情をコントロールするのがずっと困難になります。[91]

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注意事項

  • 感情のコントロール法を学ぶとは、感情がネガティブであるか否かに拘らず、健全かつ有益な仕方で機能可能になる、という意味です。感情を「シャットダウン」あるいは「除去する」ことがゴールなのではありません。ネガティブな感情でさえも有益な経験となるのです。
  • 極端な感情、極度の気分変動、あるいは気持ちがコントロールできないと感じる場合は、精神衛生の専門家に相談しましょう。専門的な治療が必要かもしれません。
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出典

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このwikiHow記事について

Trudi Griffin, LPC, MS
共著者
認定カウンセラー
この記事の共著者 Trudi Griffin, LPC, MS. トゥルーディ・グリフィンはウィスコンシン州に住む認定カウンセラーで、依存症と精神衛生を専門としています。個人治療や地域医療の場で、依存症、精神病、心的外傷に苦しむ患者のカウンセリングにあたっています。2011年にマーケット大学にて臨床精神衛生カウンセリングの修士号を取得。 この記事は4,948回アクセスされました。
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