感情を切り離す方法

共同執筆者 Trudi Griffin, LPC, MS

瞬間的に激しい苦痛や圧倒されるほどの恐怖を覚えた時に、感情を麻痺させたり何も感じないようにして一時凌ぎをすることがありますが、それは時には健康的なことです。自分を傷つけてしまうのではないか、または危険薬物に走ってしまう恐れがあるかもしれないと不安を感じる時、職場や学校、あるいは危険な場所にいるために感情のままに振る舞うのが適切ではないと思う時、更に信頼できない人が近くにいるために感情を表すことを不安に感じる時などは、感情から距離をおけると精神的負担が軽くなることがあります。強い感情から自分自身を健康的に切り離すためには、複雑な感情の対処方法を学び、自分自身また自分のニーズに注意を向け、感情を麻痺させるためのテクニックを習得することで大いにメリットが得られるでしょう。

方法 1 の 3:
感情に対処する

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    強い感情が起こる理由を考える 上手く感情を切り離すには強い感情を起こした原因を知る必要があります。人が強い感情を抱く原因として次の3つが挙げられるでしょう。
    • 非常に敏感になっている。
    • ある状況が辛い過去の出来事を思い出させる。
    • 状況をコントロールできず、そのために憤りや大きな不満を覚える。
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    感情の切り離し方には健康的な方法と不健康な方法があることを理解する 時々感情から自分を離したいという気持ちになるのは自然で普通のことです。特に、耐えがたい苦痛や圧倒されるほどの大きな感情を覚え自分がコントロールできなくなる時などは尚更です。ただし、他者への感情を全く切り離してしまうと、罪悪感なしに人に対して犯罪を犯すいわゆる精神病質に繋がる可能性があります。[1]極端に感情を断ち切ろうとする行為は、過去のトラウマが原因することもあります。
    • 激しい感情から時々自分自身を切り離したいと思うのは完全に健康なことです。 私たちは常に強い感情に対処できるとは限りません。ただし、絶えず人から孤立している、または何も感じない状態が頻繁にあると、精神障害に苦しむ可能性があるかもしれません。
    • 精神系セラピストとの相談や治療が必要だと思われる症状には次のようなものがあります。社会的に孤立している、社会的活動を回避する傾向がある、拒絶に対して強い恐怖がある、うつ状態または不安症を繰り返す、学校の勉強や職場の任務が遂行できない、頻繁に人と対立したり口論や喧嘩などを起こす、などです。
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    自分の感情を受け入れる 逆説的ですが、起こった感情を正当で正常なものとして受け入れられると、その感情を忘れたい時に簡単に切り離すことができます。[2]時として、良くない感情に襲われると私たちはそれを押しのけたいと思います。しかしその感情は、自分が置かれた状況や自己認識についての貴重な情報を提供するものです。[3]身体的な痛みと同様に、恐怖、怒り、悲しみ、不安、ストレスといった否定的な感情は脳が私たちに問題があることを警告していると考えられます。
    • 怒りなどのつらい感情が起こった時には「私は_____のせいで怒っている。しかしこの怒りは、この状況に自分がどう対応しているかを知らせてくれるものだ。だから、どう対処すべきかを決めるのに役立つはずだ。 つまり、怒っても大丈夫だ」と自分に言い聞かせましょう。怒り自体は問題ではありません。問題なのは怒りを感じた後どんな行動に出るかです。無視して押し殺すこともできますが、そうするとさらに大きな感情となって戻ってくる可能性があります。
    • 感情を受け入れそれに対処する健全な方法が見つけられると、感情に影響されなくなり、必要であれば健全な形で感情を切り離すことができます。
    • 感情が起こった瞬間に焦点をその感情とは無関係の別のものに合わせ[4]、同時に深呼吸をして落ち着きを取り戻しましょう。1つ目の「焦点を別のものに合わせる」という行為は、不安を抑えるための認知プロセスであり、2つ目の「深呼吸」は体に鎮静反応を起こすための行動です。
    • 昼寝をする、芸術作品の制作に没頭する、散歩に行く、マッサージを受ける、ペットと戯れる、お茶を飲む、音楽を聴く、パートナーとのキスを楽しむなどで対処することも可能です。[5]
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    安全な環境で感情を表す 安心して感情を表せる場所があると、そうした方が良い時に感情を切り離すことができるため、そのような場所を確保することが不可欠です。 毎日、自分の気持ちと向き合う時間を作りましょう。
    • 一人になってから泣く練習をしましょう。自分に嫌がらせをしている人の前で泣けば、相手をさらに挑発したり、嫌がらせの行為を続行させてしまうでしょう。そのような時は深呼吸をして、今いる状況とは全く無関係の物事を考えるようにしましょう。状況に完全に対処する必要性がなくなり泣かずに済むでしょう。しかし、寂しさを閉じ込めてしまうのは健康的ではありません。事態がおさまり相手がその場を去るのを確認できたら、泣くようにしましょう。
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    感情や思考を書き出す[6]  泣かないように我慢するのが不健康であるのと同様に、怒り、混乱、その他の否定的な感情を内側に閉じ込めてしまうのも不健康です。それらの感情や考えをノートやパソコンを使って書き出せば複雑な感情の処理及び対処ができます。結果として、必要に応じて感情を切り離すことができるようになります。
    • 日記や自分だけのノートに感情を書き出しましょう。
    • 悪いことに思いを巡らすのを避けるためにも、状況の見方や考え方を変えられる方法を見つけましょう。例えば「あの人は本当に嫌なヤツ!」と思ったら、「しかし、その人は困難な生活を送っていたのかもしれない。その時の怒りや悲しみに対処するためにあんな風に振舞っているのだろう」などと書き留めることもできるでしょう。少しでも相手に共感できると、厄介な人や状況に対処するのに役立ちます。
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    気を逸らす 他のことを考えたり実践したりしましょう[7]。単に感情や状況を無視しようとしても効果はありません。何かを考えないようにすると、益々それについて考えてしまうことがあります。それは「シロクマ現象」と呼ばれます。ある研究で被験者がシロクマについて考えないようにと言われたところ、彼らが考えたことはシロクマのことだけだったという結果があります。[8]動揺させるものを考えないようにするのではなく、それとは全く別のものを考えるようにしましょう。
    • 気を逸らすのに効果的なアクティビティを行いましょう。例えば、ガーデニング、ゲーム、料理、友人とのおしゃべりなどを楽しむ、または映画を見に行く、雑誌を読む、楽器を弾く、油絵を描く、スケッチするなど色々試しましょう。[9]
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    行動を起こす 散歩やサイクリングなどの有酸素運動を活発に行いましょう。有酸素運動はエンドルフィンの分泌を高めることが証明されており、良くない感情が起こってもそれを冷静にコントロールし、嫌な気分にさせる相手への感情を別のものに変えることができるようになるでしょう。[10]気を逸らし、精神的な安定をもたらすには運動が非常に効果的です。
    • 次のような運動を実践しましょう。ハイキング、ボート漕ぎ、カヤック乗り、ガーデニング、掃除や洗い物、縄跳び、ダンス、キックボクシング、ヨガ、ピラテス、ズンバ、腕立て伏せ、腹筋、ランニング、ウォーキング、その他のスポーツ。
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方法 2 の 3:
自分に焦点を当てる

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    自分自身を見つめる 健康的に感情を切り離す方法として、自分を第三者として見つめることが挙げられます。[11]これは「第三の目(内なる目)」と呼ばれることもあり、外から自分自身を観察するための目を指します。
    • 一人でいるときに「自分は今何を感じているか」「どんなことを考えているか」といった心の状態に焦点を当て自分を観察しましょう。「今日の調子はどう? 今何を考えている?」などと自分に問いかけましょう。
    • また、公共の場所でも自分を観察してみましょう。自分の発言、行動、感情表現に意識を向けましょう。
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    自分の正当性を認識する 自分の正当性を認識することが、感情を切り離す上で非常に重要です。つまり、自分の考え方や感じ方が妥当であると確信をもつことが大切です。
    • ポジティブな独り言を言いましょう。「湧き起こる感情をそのまま感じることに問題はなく自然なことだ。感情を表に出したくないと思っても、このように感じること自体全く悪いことではない」と自分に言い聞かせましょう。
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    精神的な境界線を設定する 精神的境界線を設けることの目的は、他人の言動に対する許容度に限度を設け、自分のニーズを優先させることです。可能であれば、特定の同僚や近所の人など自分を苛立たせたり動揺させたりする個人から離れましょう。
    • 自分の感情や相手にして欲しいこと、またはやめて欲しいことを直接相手に伝えて境界線を引きましょう。例えば兄にからかわれたら、「そのようにからかわれると、怒りを感じる。お願いだからやめてくれないかな」と伝えたり、「からかうのをやめないなら、お兄ちゃんの側にはもういないようにするよ」などと、相手が境界線を超えてきた場合に、実践しようと決めている言動を伝えるのも良いでしょう。怒りを爆発させずに冷静に話し合いましょう。
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方法 3 の 3:
感情を切り離すテクニックを使う

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    「賢い心」を使う 弁証法的行動療法と呼ばれる認知療法がありますが、これは個人に現実逃避を乗り越える苦悩耐性の高め方を教える素晴らしい治療法です。人間には感情的な心と理性的な心がほぼ独立して存在していますが、「賢い心」には感情と理性の両方が混在しています。感情的苦痛から自分を切り離したり遠ざけたりするための鍵は、この「賢い心」を使うことにあります。つまり脳の論理的な部分と感情的な部分のバランスを上手くとることで状況の対処方法を見つけることが大切です。感情的に反応するだけでなく、状況について冷静に考えてみましょう。
    • 「感情は自然なもの。強い感情でさえも抱くことに何の問題もない。落ち着いた後で、なぜあんな強い反応を示してしまったのかを考えて理解することは可能だ」と自分に言い聞かせ、自分の感情を正統なものだと認めましょう。
    • 「1年後、5年後、10年後にこれがまだ重要だろうか。自分の人生にどのくらいの影響を及ぼすだろうか」などと自分に問いかけましょう。
    • 考えていることが事実なのかフィクションなのかを自問しましょう。全体像を見るようにしましょう。
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    マインドフルネスを通じて心理的距離を維持する 心理的距離が保てると、人に共感を示さなければならない、しかし相手の感情に圧倒されたり過度に影響を受けたりしたくないという場合に役立ちます。マインドフルネスは人の感情に飲まれないように距離を保ちつつ、その人に共感の気持ちを表すのにとても効果的な方法です。
    • レーズン、キャンディー、リンゴなどを注意深く味わいながら食べてみましょう。[12]まず、色や形など表面的な事柄に焦点を当てましょう。次に、それらを手にした時の感触を確かめましょう。どんな質感ですか。温かいですか、冷たいですか。最後に少しだけ口に運んでゆっくりと噛み締めて味を確かめ、その瞬間に自分が何を感じているかに焦点を当てましょう。食べている自分、食べるという体験そのものに細心の注意を払いましょう。
    • マインドフルウォークに行きましょう。20分ほど散歩に出かけましょう。散歩そのもの、また周囲に意識を向けましょう。空気はどのように感じられますか。暑いですか、寒いですか、風は強いですか、穏やかですか。どんな音が聞こえますか。鳥のさえずり、人々の会話、車のクラクションなどが聞こえますか。動いている体はどのように感じられますか。何が見えますか。木々が風に揺れていますか。動物が動き回っていますか。[13]
    • 焦点を「今、この瞬間」に当てましょう。自分の思考、感情、物事に対する感情的反応はしばらく忘れましょう。マインドフルネスとは「今、この瞬間」に焦点を合わせる訓練です。現実世界のこの瞬間に集中し、自分自身の反応を認識し、苦痛をもたらす思考や感情をいったん受け入れた後で手放し、思考は真実ではなく概念として考えることに焦点を当てましょう。
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    深呼吸をする[14] ストレスが溜まると体は自然に緊張し思考が廻り始めます。酸素不足になると問題がどんどん膨らみますが、ゆっくりと深く呼吸をすることで酸素不足が解消され悩みも治まって行きます。
    • 楽な姿勢をとり、鼻から深く息を吸い口から吐く練習をしましょう。呼吸と呼吸による体全体の変化に深く焦点を合わせましょう。横隔膜を使って呼吸しましょう。横隔膜を使うと、呼吸の度に腹部が大きく膨らんだり縮んだりします。風船に空気を入れたり、抜いたりする感覚です。少なくとも5分間行いましょう。
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    グラウンディングの練習をする グラウンディングとは意識を現実世界のこの瞬間におき地に足をつけ、地球のエネルギーと繋がることです。これは、辛い感情から距離をおくテクニックで、感情を切り離すのに最適です。
    • 次にグラウンディングのテクニックを紹介します。頭の中で100まで数える、架空の羊を数える、部屋にあるものの数を数える、都道府県の名前を全部言う、考えられる全ての色を言うなどです。今の状況を忘れさせるもの、論理的で非感情的なものは何でも試しましょう。
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    マインドフルネスの習慣をつける やがて心はいつまでも物事に固執しないようになり、論理的に、また感情に左右されずに色々なことが考えられるようになります。練習を重ねれば重ねるほど、感情的苦痛から距離をおくことができるようになるでしょう。
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このwikiHow記事について

認定カウンセラー
この記事はTrudi Griffin, LPC, MSが共著しています。 トゥルーディ・グリフィンはウィスコンシン州に住む認定カウンセラーで、依存症と精神衛生を専門としています。個人治療や地域医療の場で、依存症、精神病、心的外傷に苦しむ患者のカウンセリングにあたっています。2011年にマーケット大学にて臨床精神衛生カウンセリングの修士号を取得。
カテゴリ: 人間関係
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