手汗を防止する方法

共同執筆者 Chris M. Matsko, MD

この記事には:簡単にできる処置食生活における配慮生活習慣の改善医療的処置(症状が深刻な場合)14 出典

大量の手汗が原因で居心地の悪い思いをしたり、人の目が気になったりした経験がある人もいることでしょう。採用面接や初めてのデート、他人の手に触れるようなイベントでは、できれば手汗などかきたくないものです。ここでは、日常生活の中で実践できる手汗への対処法を紹介します。

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簡単にできる処置

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    手に制汗剤を塗布しましょう。手足専用の制汗剤がたくさんあります。市販の制汗剤は、汗腺に一時的に蓋をして発汗を抑えます。[1]単なるデオドラント剤ではなく、必ず「制汗剤」を購入しましょう。制汗剤とデオドラント剤では、種類も目的も異なります。
    • すでにかいてしまった汗に対処するのではなく、毎日のボディーケアに制汗剤を取り入れて、いつ出るともわからない手汗の防止に努めるのも効果的かもしれません。
    • 皮膚科医またはかかりつけの医師に相談して、さまざまな制汗剤についてアドバイスを得るとよいでしょう。
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    活動内容に適した服装を心がけましょう。ゆったりとした服を着ると体温調節を行いやすくなり、肌の露出部分にかく汗を軽減できます。綿や羊毛、絹素材は一般に通気性が高く、暑い時に着るには最適です。運動時には、汗を逃がしやすいスポーツウェアを着用するとよいでしょう。
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    ベビーパウダーまたはコーンスターチを両手に擦り込みましょう。こうしたパウダーは水分を吸収しやすく、目に見える汗の量を抑える効果があります。また、汗によって滑りやすくなりがちな手の滑り止めとしても効果的です。ただし、あまり大量に使用すると、かえって汗をかきやすくなる可能性があります。軽く振りかける程度で十分です。
    • パウダーは、最終的には必ず洗い流しましょう。
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    手を使う作業の合間には頻繁に休憩を取りましょう。筆記やタイピング、工事などといった作業は大きな摩擦や熱を生じ、体力を必要とします。こうした作業を行う際には必ず定期的に休憩を取り、体温調節を行いやすくしましょう。柔らかい布やタオルで手を拭うのも効果的です。また、休憩中に手を洗ったり涼しい場所に移動したりするなど、この記事で紹介する他の制汗方法と休憩とを組み合わせることも可能です。
    • 可能であれば、終日にわたって異なる作業を交互に行いましょう。タイピングを30分間行った後は別の作業に移り、しばらくしてから再びタイピング作業に戻る、という具合です。これによって体を休めることができます。
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    手のひらや指を風に当てましょう。両手をポケットしまい込んだり、手袋や指輪で覆い尽くしたりしてはいけません。長時間にわたって狭い空間に手を入れたままにすると、手が熱を持って汗ばんだり、びっしょりと濡れたりする可能性があります。大量の汗をかいた部分に冷たい風が当たると寒気や不快感を覚えることもありますが、発汗を抑える上では効果的です。
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    ハンカチやハンドタオルを常に持ち歩き、必要なときに手を拭いましょう。綿素材のちょっとした布でも、しばらくの間、両手をサラサラに保つことができます。頻繁に拭う必要はなく、ひどく汗ばんだときに使用する程度で構いません。吸水性に優れた綿素材のものが最適です。使用済みの布を入れるためのポリ袋を携帯するとよいでしょう。
    • ハンカチや布を事前に消毒用アルコールに浸しておくと、消毒効果や清涼効果も期待できます。

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食生活における配慮

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    水分補給をしっかりと行って体を冷ましましょう。体温が高いと、体は熱を下げようとして発汗します。体温調節は体内の水分を使って行われるため、水分補給を十分に行うことが大切です。また、過剰な発汗を抑えるには、常温や温かい飲み物よりも冷たい飲み物のほうが効果的です。冷たい飲み物には深部体温の上昇を抑制する作用があります。[2]
    • 最も良いのは水を飲むことですが、好みのお茶やノンカロリー飲料を冷やして飲んでも構いません。おいしいと感じる飲み物のほうが水分補給を実践しやすくなります。[3]
    • スポーツドリンクでも構いませんが、こうした飲み物は激しい運動を行うアスリート向けに開発された製品であり、運動を行わない人にとっては必要のない多量の炭水化物や電解質を含んでいます。
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    加糖食品は摂取しないようにしましょう。糖分を多く含む食品には血糖値を急激に上昇させる作用があり、めまいや眠気、発汗を引き起こす可能性があります。糖分に対して体が敏感な人は、こうした食品の過剰摂取によって発汗量が増すことがあります。さらに、反応性低血糖などの症状を抱える人では、糖分摂取後に発汗や頭痛を起こしたり、イライラしたりする可能性があります。[4]
    • 精白パンやジャガイモなどは加糖食品ではありませんが、単糖類に属するこれらの食品も同様の症状を悪化させる恐れがあります。こうした食品は摂取しないようにするか、小麦パンやヤムイモなど、複合糖質を多く含む他の食品で代替するなどしましょう。
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    辛い食品やカフェインを含む飲み物は摂取しないようにしましょう。特に暖かい日にはこうしたものを摂取しないほうがよいでしょう。香辛料やカフェインには、体に発汗信号を送る特定の神経伝達物質を活性化する作用があります。[5]カフェインをあまり含まない飲み物や菓子類、刺激が少ない食品を選びましょう。
    • デカフェコーヒーにも微量のカフェインが含まれているため、気を付けましょう。カフェインに対して体が敏感に反応する人には、悪影響を及ぼす恐れがあります。
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    果物や野菜、全粒食品を十分に摂取しましょう。こうした食品には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、身体機能を整える作用があります。全粒食品は血糖値レベルを安定させて、手のひらの発汗を抑制します。生の野菜や果物には水分が含まれているため、体温調節を行いやすくなります。これらを冷やして摂取すると特に効果的です。
    • いろいろな種類の植物性食品を摂取することが難しければ、食生活にマルチビタミン剤を取り入れるのもよいでしょう。
    • 野菜や果物に限った食事方法には、よく「デトックス」効果があると言われていますが、そのような事実は一切ありません。[6]急激な食事制限を行うよりも、これらの食品を毎日の食事の一部として取り入れるほうが効果的です。
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    ヨウ素を多く含む食品は控えめに摂取しましょう。こうした食品にはタマネギやジャガイモ、ブロッコリー、アスパラガス、クランベリー、牛肉、七面鳥肉、乳製品などがあります。どれも健康的な食品ではありますが、ヨウ素の過剰摂取は代謝機能疾患である「甲状腺機能亢進症」を引き起こす恐れがあります。大量の発汗はその症状の一つです。[7]
    • 甲状腺機能亢進症であるかどうかは医師にしか判断できません。メタボリックシンドロームが疑われる場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。
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    健康的な体重を維持しましょう。体重が平均値を上回る人や肥満症の人などは、汗をかきやすい傾向にあります。[8]運動(特に激しい運動)を行うと人は発汗しますが、健康的な体重を維持して適度な運動を行っていれば、日常生活における発汗量は減少します。

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生活習慣の改善

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    高温多湿の場所は避けましょう。こうした場所では、体温を下げようとして体が発汗を促します。周囲の気温が高ければ体温は上昇します。高温になる時期に屋外で過ごすことが多い人は屋内の涼しい場所で定期的に休憩を取るか、一時的に日陰やパラソルの下に移動するなどしましょう。
    • 暑い季節になると、カフェや図書館、博物館などの公共の場所ではたいてい冷房が効いています。暑さしのぎや休憩目的でこうした場所を利用しても、特に問題はないはずです。
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    せっけんと水による手洗いを頻繁に行いましょう。あまりピンと来ないかもしれませんが、冷たい水で手を洗うと体温を下げることができ、過剰な発汗が抑制されます。せっけんを使用すれば両手の健康を保つことができ、細菌も繁殖しません。手洗いの後には必ず柔らかい布でしっかりと水分を拭き取りましょう。
    • ただし、過剰な手洗いは手の乾燥を招きます。回数を抑えるか、手洗いの後にローションを使用するなどしましょう。
    • アルコールを主成分とした手の除菌剤にも清涼効果があります。[9]
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    低温のシャワーを浴びて、体の発汗を抑えましょう。暑い日や長い一日の終わりに浴びるひんやりとしたシャワーは、体温を下げるのに抜群の効果を発揮します。ただし、あまり頻繁に浴びないように気を付けましょう。過剰なシャワーは、必要な油分まで洗い流して肌の乾燥を招き、健康的な発汗を阻害する恐れがあります。シャワーを浴びた後には保湿剤やボディーローションを制汗剤と併用するとよいでしょう。
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    不安やストレスをコントロールしましょう。ストレスの多い状況下では、通常よりも発汗量が増す場合があります。[10] ヨガや瞑想、マッサージなどといった運動を日常的に行って、ストレスを軽減しましょう。深呼吸や「漸進的筋弛緩法」などのさまざまなリラックス方法を試してみるとよいでしょう。あるいは声を出して笑うだけでも構いません。午前中にヨガを行い、終日にわたって深呼吸を心がけるなど、上記の方法を自身の生活に適した形で組み合わせて、種々のストレスを軽減します。
    • 温かい湯に浸かると体温は上昇しますが、ストレス(および汗)の軽減に効果的です。

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医療的処置(症状が深刻な場合)

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    多汗症の可能性について、医師に相談しましょう。多汗症は大量の発汗を特徴とします。発汗量が急激に増加した、日常生活に支障が出る、これといった理由もなく夜間に発汗するなどといった場合は、医師の診察を受けたほうがよいかもしれません。医師からは、日常生活全般やこれまでの症状について質問を受けることがあります。[11]
    • 市販の制汗剤を勧める医師もいれば、初めから強力な塗布薬を処方する医師もいます。
    • 多汗症などの疾患(治療が可能)の有無を診断できるのは医師のみです。
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    「イオントフォレーシス」について、医師に尋ねてみましょう。イオントフォレーシスとは、手などの患部に微量の電流を流して行う治療のことです。症状に改善が見られた例がこれまでに多数報告されています。効果は一時的なものです。1日2回の投与を数日間続けると、数週間にわたって発汗量が軽減します。その後は再び薬を投与する必要があります。[12]
    • 自宅で使用できる治療用の装置を勧める医師もいます。イオントフォレーシスは、ペースメーカーを使用している人や妊婦には使用できない可能性があります。
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    ボトックス注射を検討しましょう。顔のシワ対策として広く知られるボトックスですが、手の神経を麻痺させて発汗を抑える効果もあります。この方法は、足の裏などといった他の部位にも使用可能です。他の方法に比べて多額の費用がかかる場合もあります。効果は一時的なもので、有効期間は6~12カ月程度です。[13]
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    手術について、医師に相談しましょう。過剰発汗を促す神経に処置を施す外科手術がいくつかある他、問題となっている手の分泌腺を除去する手術もあります。外科手術による治療効果が定着するまでには1カ月程度を要するため、元に戻すことも可能です。[14]しかし、これは手術を軽視してよいということではありません。手術には多額の費用がかかり、副作用を伴う危険性もあります。

ポイント

  • 手は握りしめたりポケットにしまい込んだりせず、開いたままにしておきましょう。
  • ベビーパウダーやタルカムパウダーは携帯に便利で、使用方法も簡単です。ただし、トイレに行ったり手を洗ったりした後には、その都度、改めて振りかける必要があります。
  • 長時間にわたり、手を同じ場所(テーブルの上など)に置いたままにするのはやめましょう。

記事の情報

この記事はChris M. Matsko, MDが共著しています。 クリス・M・マツコ医師はペンシルバニア州在住の内科医です。マツコ医師は2007年にテンプル大学医学部から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: ビューティー・ファッション

他言語版:

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