優れた提案書を作成する能力は、学校、経営、地質学に至るまで、あらゆる分野で重要となるスキルです。提案書の目的は、適切な人々に情報を提供し、問題対処案に関する支援を得ることです。アイデアや提案を明確かつ簡潔に、魅力的に伝えられれば、承認される可能性が高くなります。説得力のある魅力的な提案を書く力は、多くの分野で成功への鍵となるでしょう。科学分野での提案書や出版提案等、提案書には様々な種類がありますが、基本的なガイドラインは共通しています。

パート 1 の 2:
提案書を書く準備をする

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    対象読者を絞り込む 提案書を書き始める前に、対象となる読者について考えてみましょう。読み手にとって提案書で議論される事柄は、既知なのか、それとも初めて目にする内容なのかをはっきりさせておきます。提案書の焦点がぶれないためにも、議論を効率よく展開させる上でも、これは大切な準備段階です。読み手は忙しく、提案書も慌しくしか読めない(あるいは飛ばし読みする)と想定する方がよいでしょう。提案に格別な思い入れを持って貰えると期待すべきではありません。提案書の議論を展開する上で、効率性と説得力が重要な鍵を握ります。[1][2]
    • 提案書が対象とする読み手はどういう人々なのでしょうか? 読み手は議論される内容について、どの程度の知識を持っているのでしょうか? どの程度解説を盛り込むべきなのでしょうか、あるいはどの程度の背景情報を追加すべきなのでしょうか?
    • 読み手に何を伝えたいでしょうか?自分にとって望ましい決定を読み手が下すためには、何が必要なのでしょうか?
    • 読み手が納得のいく文調で記述するように心がけましょう。読み手は何を聞きたいのでしょうか? 最も効果的に読み手に響くには、どのような論調で進めるべきでしょうか?自分の主張をうまく伝えるにはどうしたらよいでしょうか?
  2. 2
    問題を定義する 議論される問題については書き手にとっては既に明白でしょうが、それを読み手にも分かりやすく伝えなければなりません。また議論される内容についての書き手の理解が浅い、という印象を読み手が持たないようにしなければなりません。提案書では証拠と証明を通して主張の根拠を示さねばなりません。そうしないと、書き手の「エートス(独自性)」も「ペルソナ(人格)」も伝わりません。読み手を説得するには、適切な問題設定から始めます。問題設定の上で考慮すべき点は以下の通りです。
    • どのような状況で問題が発生するのか?
    • 問題の原因は何か?
    • 想定される原因は本当の原因なのか、それとも他の原因も考えられるのか? 本当の原因についての確証はあるか?
    • この問題についてなんらかの措置がとられたことがあるか?
    • 以前の措置は成果を生んだのか? どうしてそのような結果に終わったのか?
    • 以前の解決努力が実を結ばなかったのなら、その失敗の原因は何だったのか?
      避けるべきこと:該当分野での周知の情報の要約は必要ありません。
      心がけること:問題を把握するために詳細な調査と検討を行ったことを示します。
  3. 3
    解決策を定義する 解決策は明解で分かりやすいものでなければなりません。議論する問題を明確にした後、それをどのように解決するかを論じます。なるべく絞り込んだ、実現性が高い解決策を提示しましょう。[3]
    避けるべきこと: RFP(提案依頼書)に対して提案書を準備する場合、提案内容はRFPの要件を満たすべきであることを忘れないようにします。
    心がけること: 最低予算額にあまり固執せずに解決策を展開します。
    • 提案内容は、問題をきちんと定義した上で、そもそも関心が薄く懐疑心を抱きやすい読み手が納得してプロジェクトにゴーサインを出すような解決策を提供しなければなりません。[4]提案内容を支持してもらうのはたやすいことではありません。提案する解決策は理にかなっているか、実現可能性が高いか、実施準備にはどれくらいの期間が必要か、という点についてもよく考えを練りましょう。
    • プロジェクト全体の目的の観点から解決策を検討します。プロジェクトが絶対に達成しなければならないゴールが第一の目的です。必須ではなくとも達成することが望まれるゴールは、副次的目的です。
    • 解決策を練る際のもう一つの有益な方法は、「成果」と「成果物」の観点です。成果は、プロジェクトの目標の定量可能な結果です。例えば、業務プロジェクトについての提案書で、目的が「利益の増加」である場合は、「利益の1千万円増加」が成果となります。成果物とは、プロジェクトが産み出す製品やサービスを指します。例えば、科学プロジェクトの提案では、ワクチンや新薬が「成果物」となります。成果および成果物はプロジェクトの「価値」の判断基準となるため、読者の期待はそれに集中します。[5]
  4. 4
    文調に留意する 提案内容や読み手に応じ、特定のスタイルに沿って提案書を準備する必要があります。読み手の期待するものは何でしょうか? 論じられる問題について興味を持っているのでしょうか?
    避けるべきこと: 専門用語、曖昧な略語、不必要に複雑な言語の過度な使用は避けます(「職場不均衡の修正」)。
    心がけること:可能な限り直接話法を用い、簡潔な記述に終始しましょう(「従業員の解雇」)。[6]
    • 説得力のある提案書にするにはどうしたらよいのでしょうか? 心に訴える提案書を作成することは可能ですが、議論の基盤は常に事実にのっとるべきです。例えば、パンダ保護プログラムの立ち上げを提案する場合、未来の子供たちがもう決してパンダを見られないことがどれほど悲しいかを説明することができるでしょうが、そこで終わりにするべきではありません。説得力のある事実と解決策に議論の軸足を置かなければなりません。
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    提案書の骨子の作成 これは最終的な提案書に含まれるものではありませんが、議論の要旨を事前にまとめておくと、実際に提案書を書く時に役に立ちます。提案書に含める関連事項の詳細データも揃えておきましょう。[7]
    • 問題点、解決策、つまりどう解決するか、どうしてその解決策が最適なのかを要約し、結論を加えて骨子としてまとめます。重役向けの提案書を作成する場合は、プロジェクトの予算分析やプロジェクト組織の詳細等も含めなければなりません。
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パート 2 の 2:
提案書を書く

  1. 1
    導入部は揺るぎない文調で始める まずは読み手の興味を惹きつけることが肝心です。冒頭から読み手を興味津々に持っていければ理想的です。できる限り目的意識が明らかで、読む価値のあるものにしましょう。背景情報を上手く利用して読み手を惹き込みます。ここでは提案書の目的を記述します。[8]
    • なぜ問題を解決する必要があるのか、なぜ直ちに対処する必要があるのかを明白にする事実がある場合、そこから論議を開始するのが最適です。必ず守らなければならないのは、「意見」ではなく「事実」を述べることから始める、という点です。
  2. 2
    問題を提起する 導入部の後、肝心の本文に取り掛かります。ここで問題を明らかにします。読み手が状況についてよく知らない場合は、説明を加えます。ここはいわば「状況説明」部です。何が問題なのか、何が原因でこの問題が発生するのか、この問題によってどんな影響があるのか、を明らかにします。[9]
    • なぜ問題を解決する必要があるのか、なぜ今、解決する必要があるのかを強調します。問題を棚上げすれば、読み手にどんな影響を及ぼすかも論じます。疑問となりうる点については全て網羅し、研究結果および事実を元に論じることを心がけましょう。信頼できる情報源からの情報をふんだんに盛り込みましょう。
      避けるべきこと:感情や価値感への訴えかけだけに終始しないようにします。
      心がけること:読み手の最大の関心事や使命と、議題となる問題とを可能な限り結びつけて論じるようにします。
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    解決策を提案する ここが間違いなく提案書の肝です。解決策のセクションでは、「どのようにして問題に対処するのか」、「どうしてこのような対処を行うのか」、「その結果、どうなるのか」等を論じます。説得力のある提案を行うには、以下の点を考慮します。[10]
    • 喫緊の問題解決以上の影響を及ぼす見込みがある提案内容にしましょう。適用範囲が限定的な解決案は、影響力の大きい案と比べ、読み手の熱意が沸く可能性が低いことに留意します。例: 「マグロの行動をより詳しく把握することで、従来より包括的な経営戦略の構築が可能となり、次世代にも安定したツナ缶の供給が約束されます。」
    • 何らかの対処が必要である、という根拠をはっきり示すことは、解決策を明示することと同様に重要となります。読み手は懐疑的であり、提示される根拠を必ずしも額面通りに受け入れる訳ではないことを前提に書き進めます。例えば2,000頭の野生マグロの捕獲調査の実施を提案するとします。一体なぜそのような調査が必要なのでしょう? なぜそれが他の方法よりも優れているのでしょう? 他の方法と比べてコストがかかる対処策を提案しているならば、どうしてもっとコスト安の案をとることができないのでしょう? 上記のような疑問を想定して議論を進めると、提案内容があらゆる角度から練られたことが読者に伝わります。
    • 提案書を読み終えた時、この提案者に任せれば問題を効果的に解決してくれるに違いない、と読み手が確信できるような内容であるべきです。提案書の内容は全て文字通り、常に問題あるいは対処法の記述に終始するべきです。
    • 該当分野でのリサーチはしっかり行います。引用する事例や事実関係が多ければ多いほど説得力を持ちます。個人的意見は避け、客観的な研究データに依拠します。
    • 提案書で解決策が機能することが証明できなければ、それは適切な解決策とは言えません。実現可能性の低い解決策は提案をあきらめる方がよいでしょう。解決策の成果についても十分に検討を行います。できれば予備テストを行い、必要に応じて解決策に修正を加えましょう。
  4. 4
    プロジェクト予定と予算を作成する 提案書とは究極的には投資案件です。良い投資であることを読み手に確信させるには、プロジェクトの予定および予算に関してできるだけ詳しく説明しましょう。[11][12]
    避けるべきこと:プロジェクトの目的が漠然としていたり、数値化できなかったり、提案内容との関連性が薄くてはなりません。
    心がけること: プロジェクトに参加する部門あるいは個々のプロジェクトメンバーの責任範囲の詳細を明らかにします。
    • プロジェクトの立ち上げ時期、進捗速度、各作業過程の依存関係および同時進行可能な作業過程を明確にしたプロジェクト計画を作成します。綿密に作成されたプロジェクトプランを提示することによって、しっかり準備が整っていることが証明され、投資は無駄にならないと読み手を納得させることができるはずです。
    • 提案内容が財政的にも可能であることを確認します。会社であれ、個人であれ、提案先の予算を考慮に入れましょう。予算の工面が不可能な提案は、適切な提案とは言えません。予算オーバーの提案を行う場合は、なぜこのプロジェクトに時間とコストをかける価値があるのか、根拠を明らかにします。
  5. 5
    結論をまとめる 結論では導入部を反映し、提案書全体を簡潔にまとめます。提案が実施されないと、どういう悪影響が起こりうるのかを説明します。提案のメリットを要約し、メリットがコストを上回ることを証明しましょう。読み手が将来を見据えた視野で検討を行うための支援を提供します。そしていつもの礼儀として、検討してもらう機会が与えられたことを感謝するのを忘れないようにしましょう。[13]
    • 提案書に収まりきらない内容があれば、付録として追加します。ただ提案書があまり分厚いと、敬遠される恐れがあります。付録として添付するべきかどうか迷った場合は、追加しない方がよいでしょう。
    • 複数の付録を添付する場合は、付録A、付録B等、付録名をつけて識別しやすくします。データシート、転載記事、推薦状等を添付する場合も同様です。[11]
  6. 6
    草案を編集する 提案書の作成、編集、形式には細心の注意を払いましょう。必要に応じて見直しを行います。他の人に批評および編集を依頼し、提案書がよくまとまって有益であるだけでなく、魅力的で、興味をそそる内容に仕上げます。[4]
    • 第三者の目からのレビューは非常に貴重です。思わぬ盲点を指摘して貰えるかもしれません。完全に対処していない問題や、未解決のままになっている問題点が見つかる場合もあります。
    • 専門用語や決まり文句は避けましょう! 無精なイメージを与え、読み手の理解を妨げる恐れがあります。短い言葉で済むのにわざわざくどい言い回しをしている場合は言い換えます。[14]
    • 受動態はできる限り使用しません。受動態は、「られる」「される」の文型で、意味が不明瞭になりがちです。 「ボールが投手に投げられた」と「投手がボールを投げた」という2つの文を比較してみましょう。最初の文は事実関係に曖昧な点を残し、誰がボールを投げたのかがはっきりしません。投手がボールを投げたのでしょうか? それとも誰か他の人がボールを投手に向かって投げたのでしょうか? 二つ目の文では誰がボールを投げたのかが明白であり、この2文の違いは明らかです。
      避けるべきこと: 「~と信じるものです」、「この解決策が助けになるやもしれぬ」等の主観的な言い回しは混乱を招きます。
      心がけること:「提示した計画の実施は、貧困率を大幅に削減する」等、きっぱりと直接的な文調を用います。
  7. 7
    提案書を校正する 校正作業は、内容を明確かつ簡潔にすることに重点を置きます。間違いは確実になくしましょう。提案を慎重に見直し、文字、文法、句読点の誤りがないかを再確認します。
    • 提案書に間違いがあると、信頼性が損なわれ、プロジェクトが承認される可能性を低減します。
    • 書式が求められるガイドラインに沿っているかも再確認しましょう。
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ポイント

  • 誰にでも分かりやすい文調にします。できるだけ明瞭で直接的な短い文章にします。
  • 財務およびその他のリソースに関する議論は慎重に行うべきです。必要な経費に関しては現実的な案を提示しましょう。
  • 通常の会話では使われないような、ひねった言葉やあまりに俗っぽい言葉の使用は避けましょう。普通でない言葉が効果的で読者うけすると思うのは勘違いです。婉曲表現は避けましょう。簡潔で事実に即した言葉を使い、すぐに本題に入りましょう。

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このwikiHow記事について

Megan Morgan, PhD
共著者 by
英語学博士
この記事の共著者 by Megan Morgan, PhD. メーガン・モーガンはジョージア大学の政治学、国際情勢学、そして広報学の専門学部、「School of Public & International Affairs」にてGraduate Program Academic Advisor(修士課程にある留学生に学習面での指導をする教授)を務めています。2015年にジョージア大学から英語学の博士号を授与されています。 この記事は1,539回アクセスされました。
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