映画の脚本を書く方法

3 方法:はじめに脚本を書く脚本の体裁を整える

映画界は非常に競争の厳しい世界です。いくら史上最高の映画のアイデアを持っていても、脚本の構成が整っていないと、そもそも読んでもらえる確率が限りなく低くなってしまいます。以下の方法で、自分の作品が読まれるチャンスを最大限にしましょう。

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はじめに

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    脚本とは 映画やテレビでストーリーを伝えるために必要な要素(音源、映像、動き、会話)の骨子を指示するものです。
    • 脚本は一人の手で完成されるものではありません。度重なる変更や書き換えが行われ、最終的にはプロデューサー、監督、俳優によって解釈され、息を吹き込まれます。
    • 映画やテレビは映像媒体です。つまり脚本は、ストーリーの視覚的および聴覚的側面に注意を払いながら書かなくてはなりません。画面や音を文字で描き出すことを心がけます。
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    好きな映画の脚本を読む ウェブで映画の脚本を手に入れて熟読し、いいと思う点(また好きではない点)をリストアップしてみます。またどのようにセリフ、アクション、登場人物の成長が描かれているかを学びます。
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    アイディアを具体化する 書きたいアイデアについて、ストーリー展開に必要な筋の詳細、人間関係、登場人物の特徴の概要をまとめます。構想上、最も肝要な点は? 登場人物はどのように影響し合い、どうしてそのような関係になるのか? 物語の核心は何か? 筋に穴がないか? このような点に留意しつつ、概要を書きます。どんな形式でも構いません。

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脚本を書く

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    あらすじをまとめる ストーリーの基本的な流れから始めます。「衝突」はドラマを生みます。対立、緊迫感、争い、あるいは内面的葛藤などの衝突をじっくり描きます。
    • 長さに注意しましょう。脚本にすると、1ページは大体1分の映像になります。2時間作品の脚本は120ページほどです。ドラマは2時間程度、コメディは少し短く、1時間半ほどに抑えるべきです。
    • 脚本家としてある程度知名度や業界のコネがあったり、ヒット間違いなしの作品でない限り、通常より長い脚本が実際に日の目を見る確率は、残念ながら低いということを覚えておいてください。ストーリーを2時間以下の上演時間内に凝縮できない場合、まずは小説として発表した方がよいかもしれません。
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    3幕仕立てのストーリーを書く 脚本の基本は3幕形式です。それぞれの幕は単独でも上演できるものであり、また3幕通して見ると、一貫したストーリーとしてドラマの弧が描かれているべきです。
    • 1幕: 舞台設定が行われる幕です。ストーリーの背景と登場人物が紹介されます。作品全体のトーン(コメディ、アクション、ロマンス等)がここで明らかになります。主人公の人物像が描かれ、ストーリーを展開させることになる障害が顔を見せます。状況設定・紹介が終わり、ストーリーの向かう先に主人公が歩み始めると、2幕の開始となります。一般的に、ドラマ作品の場合、1幕は30ページほど、コメディの場合は、24ページほどの長さです。
    • 2幕: ストーリーの中心部です。主人公が障害にぶつかり、問題を乗り越えるべく前進します。通常、ここでサブプロットが導入されます。2幕中に主人公はなんらかの成長の兆候を見せます。一般的には、ドラマ作品の場合、2幕は60ページほど、コメディは、48ページほどの長さです。
    • 3幕: 問題が解決される幕です。ストーリーが意外な展開をみせ、最終的な決着がもたらされます。物語は既に2幕で確立されているので、3幕はずっと早いペースで進み、凝縮された内容になります。一般的には、ドラマ作品の場合、3幕は30ページほど、コメディは24ページほどの長さです。
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    シークエンスを追加する シークエンスはストーリーの一部ですが、主題から独立した物語を展開します。シークエンスは独自の導入部・中盤・結論部を持ち、10~15ページの長さです。大抵のシークエンスは特定の登場人物に焦点を当てたものになる傾向があります。
    • シークエンスは本筋とは少し違うテンションで進行しますが、本筋に影響を与えることも頻繁にあります。
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    シーンを書き始める シーンとは映像作品での出来事の描写を指します。シーンは特定の場所で起こり、常にストーリーを進行させる役目を持ちます。ストーリーを次に進めないシーンはカットしましょう。物語の進行と関係ないシーンがあると、観客は違和感を持ち、作品全体の印象が悪くなることもあります。
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    セリフを書き始める シーンを書き終えたら、登場人物のやりとりに着手します。セリフは脚本を書く作業で最も難しいものかもしれません。登場人物にはそれぞれリアリティのある独自の意見を持たせましょう。
    • リアルな会話が必ずしもよいとは限りません。セリフはストーリーを進め、登場人物の人となりを描くものであるべきです。わたしたちの日常の会話は、大して面白くなく精彩に欠けるものが多いので、セリフで現実味を出そうと無理をする必要はありません。
    • 脚本を声に出して読んでみましょう。たどたどしかったり、不自然に典型的であったり大げさなセリフになっていませんか?登場人物がみな同じ喋り方をしてはいませんか? 
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    無駄な部分をカットする アイデアをすべて文書化したところで、今度は他と比べて弱い部分、ストーリーの邪魔になる部分、だらだらと長引いているところがないか精査します。ストーリーはわき道にそれてはいませんか? 不必要に細かい描写や繰り返しはありませんか? 観客の想像力を信頼していますか? 観客が容易に想像できることに余計な説明を割いている部分や、ストーリーを進行させない部分はカットします。
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    友人に読んで貰う 好みや経歴の違う人を選んで、様々な意見を聞けるようにします。お世辞や社交儀礼でなく、冷静で率直な意見を求めましょう。必要なのは作品の質の向上につながる建設的な批評なのです。
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    必要に応じて何度も推敲する 最初はつらい作業と感じるかもしれませんが、時間をかけて最終的に自分のビジョンをきちんと伝える作品に仕上げられたら、それは喜びに変わるはずです。

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脚本の体裁を整える

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    用紙のサイズ ハリウッド(米国)向けの場合は、レターサイズで三つ穴パンチを開け、割りピンでまとめます。ページの上下左右の余白はそれぞれおよそ1.3cm、2.5cm、3~4cm、1.3~2.5cmに設定します。日本語の場合は、A4もしくはB5サイズを横向きで使い、縦書きで400字詰めにします。
    • ページ番号を付ける 表紙にはページ番号を付けません。英文の場合は右上、日本語の場合は、右下にページ番号をつけます。
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    フォントを指定する 英語の脚本はCourierで12ポイントの大きさ、日本語では明朝やゴシックなど読みやすいフォントを使います。フォントと文字の大きさ(あるいはページ文字数)の規定は、1ページが約1分の映像に相当することを踏まえた慣例です。
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    脚本の各部分のフォーマットを整える 業界標準に準じ、特定の書式設定が必要な部分がいくつかあります。
    • シーンのヘッダー: 「スラグライン」、あるいは「柱の宣言」とも呼ばれ、シーンの舞台となる場所と時間を定義します。英語ではすべて大文字、日本語では冒頭に○をつけて宣言部であることを示します。英語では「INT」(interiorの略)あるいは「EXT」(exteriorの略)を追加して屋内か屋外かを指示します。次に場所、そして時間を指定します。ページの最終行がシーンのヘッダーになってしまわないように、そのような場合は改ページします。
    • ト書き: セリフではない説明部分です。時制は現在形、能動態で指示を書きます。読者の注意を逸らさないように短い段落にまとめます。3~5行が目安です。日本語の脚本では3字分下げて書き出します。
    • 人物名: 英語の場合、セリフの前に記載する人物名はすべて大文字にし、左に9cmの余白をとります。人物名は実際の登場人物名、名前がない役の場合は、役の特徴や職業を書きます。画面外でのセリフの場合は、人物名の横に「(O.S.)」(off-screenの略)、ナレーションあるいは語り部の場合は「(V.O.)」(voice overの略)を追加します。日本語では、人物名の後に「の声」と指示するか、人物名に「N」(ナレーションの場合)あるいは「M」(心の声の場合)を追加します。
    • セリフ: セリフは人物名の直後に書き、左側に6.4cmの余白、右側に5~6.4cmの余白をとります。日本語の場合は、人物名の後にセリフをカギ括弧内に書き、2行目以降は1字下げます。

ポイント

  • ストーリーは自然に進展するようにします。初心者は、毎秒ごとに刺激を増やさなければならないような錯覚に捉われがちです。また、わくわくするシーンの直後にガクッとテンションが下がったシーンが続くという不自然なケースも多く見られます。筋が徐々に展開していき、クライマックスに向けて面白さがだんだん高まっていくようなつくりになっているかを確認しましょう。
  • 脚本作成ツールを利用してみましょう。ネットにはダウンロードしてすぐに使えるテンプレートがいくつか提供されています。また有料ソフトには、既に書き上げた脚本を正しい体裁に直してくれるツールもあります。
  • 脚本家のイベントやインターネットコミュニティに参加してみましょう。作家仲間との交流を通じて、ヒントが得られたり、アイディア交換の機会となります。また業界のコネができたり、作品に興味を持ってくれる人と出会えるかもしれません。
  • 「フック(観客の興味をそそるアイディア)」は、冒頭10ページ以内に提示します。最初の10ページが面白くないと、プロデューサーもその先を読んでくれません!
  • 文芸やクリエイティブ・ライティングのコースに通うのも有益です。脚本は他の文芸形態と同様、過酷で長い時間を要とする作業です。十分な訓練を受けていないと、さらに難しい作業になるでしょう。
  • 図書館で脚本についての本を探します。現役を退いた映画制作者たちの筆による本が多く出版されており、脚本家志望には非常に参考になります。
  • 大学の課程で学ぶことも検討に値するでしょう。脚本の分野で米国内では、南カリフォルニア大学がトップです。コロンビア大学、UCLA、サンフランシスコ州立大学、NYU、テキサス大学オースティン校、アイオワ大学もよい選択肢です。
  • セリフや登場人物の名前はじっくり練りましょう。熟考する時間を惜しむべきではありません。

注意事項

  • 他の作品からインスピレーションを受ける場合があるかもしれません。しかし他人のアイデアをそのまま使用することは決して許されません。これは盗用であり、法律的にも道徳的にも罰せられる行為です。
  • 誰かれともなく脚本を渡してはいけません。アイディアはすぐに盗まれます。盗用防止には、少なくとも自分が書いたという記録を残すには、完成した脚本を全米脚本家組合(WGA)に登録します。WGAはすべての作家を代表する組合であり、ウェブサイトには参考になる脚本の技法に関する情報が多く掲載されています。

必要なもの

  • 文書作成ツール
  • 編集支援ツール(オプショナル)

記事の情報

カテゴリ: 映画製作

他言語版:

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