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月は地球に最も近い宇宙空間にある天体で、地球からの平均距離は384,403 kmです。[1] 月まで飛行した最初の探査機は、1959年1月2日に打ち上げられたロシアの「ルナ1号」でした。[2] それから10年と6ヶ月後の1969年7月20日。アポロ11号のミッションで、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンが、月の「静かの海」に降り立ちました。ジョン・F・ケネディの言葉を借りるなら、月への旅には強い熱意と高度な技術が必要とされます。[3]

パート 1
パート 1 の 3:
旅のプランを練る

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    段階ごとに計画を立てる SF作品によく登場する、オールインワンの宇宙船を使うとしても、月に行くというミッションを達成するためには、それぞれの段階に分けて考える必要があります。地球低軌道に到達し、地球周回軌道から月周回軌道に乗り、月面に着陸します。帰りはこの逆のステップを踏んで、地球に帰還しましょう。
    • 月への旅をよりリアルに描いたSF小説の中には、宇宙飛行士が軌道を周回している宇宙ステーションに向かい、そこに停泊している小型の宇宙船で月に行き、宇宙ステーションに戻ってくるという設定のものもあります。しかし、アメリカはソ連と宇宙開発競争をしている最中だったため、この方法は採用されませんでした。スカイラブ、サリュート、国際宇宙ステーションなどはすべて、アポロ計画が終了した後に打ち上げられた宇宙ステーションです。
    • アポロ計画では、3段式のサターンV型ロケットが使用されました。まず最下段の第1段のエンジンで、宇宙船は発射台から68kmの高さまで打ち上げられます。第2段のエンジンで地球低軌道付近まで到達し、第3段のエンジンで月に向かう軌道に乗るという仕組みです。[4]
    • 2018年の月への帰還を目指し、NASAが提案していたコンステレーション計画では、2つの2段式ロケットが使われる予定でした。2つのロケットは1段目の設計が違います。乗組員を乗せる有人ロケット・アレスⅠには、1段目に5セグメントのロケットブースターが搭載された一方で、貨物運搬用ロケット・アレスⅤには、外部燃料タンクの下に5つのロケットエンジンが付き、補助ロケット(5セグメントの固体ロケットブースター2基)も搭載されていました。アレスⅠもアレスⅤも、2段目には液体燃料エンジンを採用しています。大型の打ち上げロケットで、司令船となるカプセル宇宙船と月着陸船を運び、2つのロケットをドッキングさせた後、宇宙飛行士は宇宙船に移るという計画でした。[5]
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    旅支度をする 月には大気がないため、呼吸用の酸素を持っていきましょう。また2週間続く月の昼間の炎天下の暑さや、同じだけ続く月の夜の寒さから身を守るために、月面を散策するときは、宇宙服を着る必要があります。大気がないため地表がむき出しの状態であり、放射能や小さな隕石にも気をつけなくてはいけません。[6]
    • 食べ物も必要になります。宇宙でのミッション中に、宇宙飛行士が食べている物の多くは、軽量化のためフリーズドライ加工をして濃縮されたものです。食べる際には、水でもどして食べましょう。[7] また、食べた後に出る尿や便の量を最小限に抑えるために、高タンパク食品を食べるようにします。(とにかくTang(NASAが採用した粉末ジュース)でのどに流し込みましょう)
    • 持っていくものの分だけ重くなることに注意しましょう。それらを宇宙に運ぶために必要な燃料の量も、ロケットの数も増やさなくてはならなくなってしまうため、私物はあまり持っていけません。ちなみに月の岩石の重量は、地球上では月面での6倍の重さになります。
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    ローンチウィンドウを決める ローンチウィンドウ(打ち上げウィンドウ)とは、月面の希望するエリアに着陸できるようにするために、地球からロケットを打ち上げる時間帯のことです。このタイミングで打ち上げれば、着陸エリアを探索するのに十分な明るさのある時に着陸できるでしょう。ローンチウィンドウは、月ごと(期間)と1日ごと(時間)の2つの要素で決まります。
    • 月ごと(期間)のローンチウィンドウは、地球と太陽から見た着陸予定地の位置で割り出されます。地球の重力の影響で、地球からは常に月の同じ面が見えています。地球と月との間の無線通信を可能にするためには、地球から見える側の場所を選んで探査を行わなくてはなりません。また、着陸地点を太陽が照らしている時間帯を選ぶ必要もあります。
    • 1日ごと(時間)のローンチウィンドウは、宇宙船を打ち上げる角度やブースターロケットの性能、宇宙船の欠陥の有無など、発射台から飛行経路まで、あらゆる打ち上げ条件によって決まります。初期の段階では打ち上げ時の明るさが重要でした。明るいうちなら、打ち上げがうまくいかなかったり、軌道に乗らずに失敗したりした場合にも確認しやすく、失敗した時の様子を写真で記録することもできます。NASAがミッションを監督する実践を重ねるにつれ、必ずしも昼間に打ち上げる必要はなくなり、アポロ17号は夜間に打ち上げられました。[8]
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パート 2
パート 2 の 3:
月へ向かう

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    ロケットの打ち上げ 月に向かうロケットの場合、地球の自転を利用して軌道速度に到達するために、垂直に打ち上げるのが理想です。しかしNASAはアポロ計画の際、打ち上げ時の危険はないと、垂直方向から18度の範囲を打ち上げ可能な範囲としました。[9]
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    地球低軌道に到達する 地球の引力から逃れるためには、「脱出速度」と「軌道速度」の2つの速度を考慮する必要があります。脱出速度は惑星の重力から完全に逃れるために必要な速度で、軌道速度は惑星の軌道に乗るために必要な速度です。地球表面の脱出速度は時速約40,248kmまたは秒速11.2kmであり、[10] [11] 一方の地球表面の軌道速度は秒速約7.9kmのため、軌道速度に到達するのに必要なエネルギーは脱出速度よりも少なくなっています。
    • 軌道速度と脱出速度の値は地球表面から遠ざかるほど小さくなり、脱出速度は常に軌道速度の1.414(√2)倍程度となっています。[12]
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    月面通過軌道に乗る 地球低軌道に到達し、宇宙船のシステムがすべて機能していることを確認したら、スラスターを噴射して月に向かいましょう。
    • アポロ計画では、宇宙船を月に向けて進めるために、最後に第3段のスラスターを噴射しました。[13] 途中で第3段から分離した司令・機械船(CSM)を旋回させ、第3段上部に搭載された月着陸船(LEM)とドッキングさせています。
    • コンステレーション計画では、クルーと司令船となるカプセル宇宙船を乗せたロケットと、貨物ロケットで運んできた地球離脱ステージと月着陸船を、地球低軌道上でドッキングさせようという計画でした。その後、地球離脱ステージがスラスターを噴射し、宇宙船を月に送り込むという仕組みです。
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    月周回軌道に乗る 宇宙船が月の重力圏に入ったら、スラスターを噴射して減速させ、月の周りの軌道に乗りましょう。
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    月着陸船に移る アポロ計画とコンステレーション計画の宇宙船は、月を周回する司令船と着陸船が別々になっています。アポロ計画の場合は、3人の宇宙飛行士のうち1人が司令船に残り、2人が月着陸船で月に着陸する中、司令船の操縦をしなければなりませんでした。[14] コンステレーション計画では、司令船となるカプセル宇宙船に自動運転機能が搭載されており、希望すれば4人の宇宙飛行士全員が月着陸船に搭乗できます。[15]
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    月面に降下する 月には大気がないため、ロケットを使って月着陸船の降下速度を時速約160kmまで落とし、無傷で着陸させましょう。乗組員への衝撃を軽減する軟着陸をするためには、さらに速度を落とす必要があります。[16] 着陸予定地には、大きな岩がないほうがよいでしょう。そうした理由から、アポロ11号の着陸地点には「静かの海」が選ばれたのです。[17]
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    月面を探検する 月に降り立ったら、小さな一歩を踏み出して、月面を探検してみましょう。探検しながら、地球で分析するための月の岩石や塵を集めます。アポロ15号、16号、17号のミッションの時のように折りたたみ式の月面車を持っていけば、月面を時速18kmで爆走できるでしょう。[18] (ただし、わざわざエンジンをかける必要はありません。月面車はバッテリー駆動であり、そもそも空気がないのでエンジン音も聞こえません)
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パート 3
パート 3 の 3:
地球へ帰還する

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    荷造りして帰る準備をする 月での作業が終わったら、サンプルや道具をまとめて、月着陸船に乗り込んで帰りましょう。
    • アポロ計画の月着陸船は、月に降りるための下降段と、宇宙飛行士を月軌道上の司令船に戻すための上昇段の2段式の設計になっており、下降段(と月面車)は月に残してきました。[19] [20]
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    軌道上の司令船とドッキングさせる アポロ計画の司令船とコンステレーション計画のカプセル宇宙船は、いずれも宇宙飛行士を月から地球に帰還させるための宇宙船です。月着陸船の荷物を司令船に移した後、月着陸船を切り離し、最終的に月に墜落させます。[21] [22]
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    地球に向かう アポロ計画でもコンステレーション計画でも、機械船のメインスラスターを噴射して月の重力から逃れ、宇宙船を地球に向かう軌道に乗せます。地球の重力圏に入ったら、機械船のスラスターを地球の方に向けて再び噴射し、司令船カプセルの速度を落としてから切り離しましょう。
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    着陸の準備をする 再突入時の熱から宇宙飛行士を守るため、司令船カプセルは熱シールドで覆われています。カプセルが地球の大気圏の分厚い層まで達すると、パラシュートが開き、さらに減速する仕組みです。
    • アポロ計画ではそれまでのNASAの有人ミッションと同様、司令船は海に着水し、海軍の船によって回収されました。その後、司令船は再利用していません。[23]
    • コンステレーション計画では、ソ連の有人宇宙ミッションが行ったように、陸上への着陸を予定しており、それが不可能な場合は、海への着水も選べるようにする計画でした。こちらの司令船カプセルは、熱シールドを新しいものに交換して修復すれば、再利用できる設計になっています。[24]
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ポイント

  • 民間企業が月に行くというビジネスに徐々に乗り出し始めています。リチャード・ブランソンが創設したヴァージン・ギャラクティック社が、弾道飛行による宇宙旅行を計画しているほか、スペース・アドベンチャーズ社がロシアと契約し、訓練を受けた宇宙飛行士が操縦するソユーズ宇宙船に、2人の乗客を乗せて月を周回する計画もあり、チケットの価格は1枚1億ドル(日本円で約104億円)です。[25]
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注意事項

  • 月探査ミッションでは、打ち上げ前に機器の徹底的なテストが必要になります。アームストロングとオルドリンを月に着陸させたアポロ11号のミッションの前には、司令船のテスト(アポロ7号)と月着陸船のテスト(アポロ9号と10号)、地球から月周回軌道に入り、再び地球に帰還できるかどうか(アポロ8号と10号)のテストのために、4つの有人ミッションが行われました。また、宇宙飛行士は定期的に体力テストを受け、機器の操作方法の訓練を積んでいました。そして、アポロ1号の火災で3人の宇宙飛行士が命を落としたことを忘れてはなりません。
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