標準作業手順書(SOP:Standard Operating Procedure)は、作業や業務の進め方が、順を追って説明されている文書です。既存の標準作業手順書であれば、修正や更新をするだけですが、場合によっては、標準作業手順書を新規作成する必要があるかもしれません。新規作成と聞くと尻込みしてしまうかもしれませんが、標準作業手順書は、実は単なるチェックリストにすぎません。早速記事を読んで、標準作業手順書の作成について学習しましょう。

パート 1 の 3:
標準作業手順書の書式を作成する

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    書式を選択する 標準作業手順書の書き方には、これと言った正解がありません。しかし、会社にある既存の標準作業手順書を参考にすれば、自分の会社でどのような書式が一般的に使用されているのかを知ることができます。既存の標準作業手順書があれば、それをひな形として利用しましょう。既存の物がなければ、以下のような方法があります。
    • 「簡単なステップ用書式」:短い手順で、いくつかの決まった作業結果にしかならず、要点のみを記述すればよい日常的な作業には、このフォーマットが適しています。必要書類や安全ガイドライン以外は、手順書を読む人がすべきことを簡潔な文章で箇条書きにすればよいでしょう。
    • 「階層的ステップ書式」:通常このフォーマットは、10ステップ以上から成り、いくつかの意思決定、説明や専門用語を含む長い手順に用いられます。一般的にこのフォーマットでは、主要ステップ一覧とそれに付随するサブステップが決められた順番で並びます。
    • 「フローチャートフォーマット」:起こりうる結果が無数にあり、まるで地図のような手順には、フローチャートが最も良いフォーマットかもしれません。いつも作業結果を予測できるとは限らない場合には、このフォーマットを選択しましょう。
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    標準作業手順書の読者を考慮する 手順書を作成する前に、考慮すべき大切なことは、以下の通り主に3点あります。
    • 「読者の前提知識」:手順書の読者が、組織や手順に精通しているか、専門用語を知っているかなどを考慮しましょう。読者の経験や知識に合わせて、手順書を書かなければなりません。
    • 「読者の言語能力」:手順書を日本語で書く場合に、日本語ができない人が読む可能性がないかを考えましょう。読み手が日本語を理解できない可能性がある場合は、写真や図をたくさん挿入するとよいでしょう。
    • 「読者の規模」:一度に複数の人(それぞれ異なる役割を持つ人)が手順書を読む場合は、演劇の台本のように記述しましょう(「ユーザー1の作業が完了したら、ユーザー2が作業を開始する。」など)。これにより、手順書を利用する人それぞれが、うまく連動して作業できるようになります。
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    自身の知識を考慮する 肝心なのは、自分が標準作業手順書を作成するのに適任であるかということです。作業内容を理解しているか?どのような失敗や間違いが想定されるのか?どのように安全を確保するか?これらにしっかりと回答できなければ、他の人に作成を依頼した方がよいでしょう。出来の悪い(さらに言えば不正確な)手順書は、生産性を低下させて組織の失敗に繋がるだけでなく、危険を招き、自分のチームから環境まであらゆる範囲に悪影響をもたらしかねません。つまり、そのようなリスクを冒すべきではありません。
    • あるプロジェクトを任せられて、それを完了させなければならないと思うならば、躊躇わずに、毎日作業を行っている担当者に協力を依頼しましょう。標準作業手順書を作成するために、関係者に聞き取りを行うのは当たり前のことです。
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    標準作業手順書の長さを決める 各自が作業手順や専門用語を熟知しているチーム向けに手順書を作成する場合で、チェックリスト程度の簡潔な標準作業手順書で充分であれば、短い簡潔な書式で作成しましょう。
    • 基本目的と関連情報(日付、作成者、文書番号など)以外は、各手順が簡潔にリスト化された書式です。詳細や説明が不要な場合は、このような書式で作成しましょう。
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    標準作業手順書の目的をしっかりと理解する 組織の中で何度も繰り返し行われている作業があることは当然です。しかし、こうした作業の手順書がとりわけ役立つ理由はあるのでしょうか?手順書は安全を重視しなければならないのでしょう?コンプライアンス対策のためでしょうか?研修や日々の業務で利用されるのでしょうか?チームの成功にとって、手順書を必要とする理由には以下が挙げられます。
    • コンプライアンス基準を確実に順守するため
    • 要求生産高を最大限にするため
    • 作業手順が環境に悪影響を及ぼさないことを確実にするため
    • 安全を確保するため
    • 確実に全てが計画通りに進むようにするため
    • 製造における欠陥を防止するため
    • 研修資料として利用するため
      • 手順書で重視する内容を把握すると、その内容を中心に構成することで、手順書が書きやすくなります。また、手順書の重要性を理解しやすくなります。
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パート 2 の 3:
標準作業手順書を書く

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    必要な項目を網羅する 一般的に、技術的な標準作業手順書では、作業手順自体以外に4つの項目を含みます。
    • タイトルページ:これは以下を含みます: ①手順書のタイトル ②手順書の文書番号 ③発行日もしくは改定日 ④手順書が適用される代理店、部署名、支店名など ⑤手順書の作成者と承認者の署名または捺印。これらの情報がしっかりと記載されていれば、任意の書式で書いて構いません。
    • 目次: 手順書が長い場合は、目次を作成して内容を検索しやすくしましょう。目次を見れば、文書全体の内容が簡潔に分かるようにしましょう。
    • 品質保証(QA)/品質管理(QC):検証することのできない手順は、良い手順とは言えません。読者が然るべき結果を得られたかを検証できるように、必要な資料や詳細事項を手順書に含めましょう。性能評価サンプル資料のような他の文書を添付する場合もあれば、そうしない場合もあります。
    • 引用文献:引用文献や重要な参照文献を全て一覧にしましょう。他の手順書を参照する場合は、必ず必要な情報を別紙に添付しましょう。
      • 所属している組織では、これとは違った構成を採用しているかもしれません。所属している組織に参照可能な手順書が既にある場合は、この構成ではなく、既存の手順書の構成にしたがいましょう。
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    作業手順の内容が以下を網羅していることを確認する
    • 範囲と適用性:言い換えれば、作業プロセスの目的、その限界や制約、それがどのように利用されるのかを表記します。基準や標準、法律的な要件、役割および責任、入力内容や投入物と出力内容や生成物などを含めましょう。
    • 方法と手順:手順書の核心部 – 必要な装置も含めて、必要な詳細事項と共に全ての手順を一覧にします。連続する手順および次の手順に進むための判断要因を記載します。万が一の事例と考えられる阻害要因への対処法や安全上配慮すべきことを記載しましょう。
    • 専門用語の説明: 頭字語、略語、その他の組織で一般的に利用されていない専門用語などの意味を明確にします。
    • 安全衛生上の注意:このセクション自体にも注意事項を記載して、かつ安全衛生に注意が必要な作業手順にも記載しましょう。このセクションを軽く扱ってはいけません。
    • 装置と供給品:必要な物、それを必要とするタイミング、装置の置き場所、装置の基準などを一覧にまとめます。
    • 注意事項と阻害要因:基本的に、これはトラブルシューティングのセクションです。想定されるトラブル内容、注意(確認)すべきこと、想定した出力内容や生成物を得られない場合の考えられる原因を記載します。
      • 各トラブル毎に番号やアルファベットなどを振って区切り、手順書が冗長で煩雑になることを避けましょう。こうすることで、トラブル内容の参照もしやすくなります。
      • このセクションは、全てのトラブルシューティングを網羅するためのものではなく、作業手順を進める上で役立つアドバイスだけを記載するためのものです。所属組織によっては、他に注意が必要な事に焦点を当てるかもしれません。
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    簡潔かつ読みやすく書く 楽しむことを目的に手順書を読む人は、おそらくいません。したがって、短く明確に書かなければなりません—さもなければ、読者は気が散って、手順書が厄介で理解不可能なものだと考えてしまいます。基本的に、文章をできるだけ短くすることを心掛けましょう。
    • 悪い文章例: 必ずエアシャフトからホコリを全て取り除いてから利用しましょう。
    • 良い文章例: 使用前に、エアシャフトのホコリを全て掃除機で吸い取ること。
    • 基本的に、「あなた」という表現を使わないようにしましょう。「あなた」に対して書いていることは文章内で示唆されています。能動態を用いて、指示が明確に伝わるように書きます。
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    必要に応じて、作業プロセスに携わる担当者にどのように作業を行っているのかについて聞き取りを行う 標準作業手順書で最も避けなければならないことは、間違った内容の手順を書くことです。間違った手順書によって、チームの仲間の安全、効率性、時間などが損なわれてしまいます。また、確立した作業プロセスの手順書を作成しているのに、全く注意を払っていないと、不快に思う仲間もいるかもしれません。正しい手順書を作成しなければなりません。そのために、必要ならば質問をしましょう。
    • もちろん、不確かなことがあれば、全ての作業について、複数の担当者に質問しましょう。ある担当者は、標準作業手順書にしたがっていないかもしれず、別の担当者は作業の一部にしか関与していないかもしれません。
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    図やフローチャートを活用して文字数を減らす 特に文字数が多くてとっつきにくいステップが1つ2つある場合は、図やグラフを活用して文字数を減らし、読者が理解しやすいようにしましょう。こうすることで、文字の量に気圧されずに、手順書が読みやすくなります。また、自身にとっても、手順書の見栄えや出来栄えが良いと思えるようになります。
    • 必要な場合のみ、または日本語が達者でない読者の理解を助ける場合などに限定して、これらを利用しましょう。むやみやたらに入れても手順書が分厚くなるだけです。
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    各ページに文書管理用のための注記をする 作成する標準作業手順書は、他の手順書の一部かもしれません—そのため、所属する組織には、全ての手順書をデータベースに登録して、それらを検索や参照できるようにするシステムがあるかもしれません。その場合は、作成する手順書も、この検索・参照システムの一部となるため、それを識別するためのコードのようなものを付ける必要があります。これを文書への注記によって行います。
    • 各ページに、短いタイトルまたはID番号、改定番号、日付、ページ右上隅に「ページ番号/全ページ数」(たいていの書式でこれが入ります)を入れます。脚注を必要とするかどうか(あるいは、これらを脚注として挿入するかどうか)は、所属する組織の方法に従いましょう。
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パート 3 の 3:
正確さを確認して完成させる

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    作業手順のテストを実施する 作成した作業手順のテストを実施したくない場合は、おそらく標準作業手順書がしっかりと書けていないのかもしれません。作業プロセスを熟知していない人(あるいは一般読者の代表者)に手順書にしたがって作業をしてもらいましょう。その過程で何らかの問題が発生したら、それに対処して必要な改善を行います。
    • 最も良いのは数人に手順書のテストを実施してもらうことです。生じる問題は、各個人で異なるため、様々な(願わくば有用な)回答を考慮することになります。
    • 作業手順を一度も実施したことのない人にテストを実施してもらうようにしましょう。作業経験者は、作業時に、手順書ではなく自身の経験や知識に頼るため、手順書の検証をするという目的を達成できません。
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    実際に作業を行う担当者に標準作業手順書を確認してもらう 最終的には、手順書に対する上司の意見は大して重要ではなく、実際に作業を行う担当者の意見こそが重要になります。そのため、手順書を上司に提出する前に、実際に作業を行う担当者に確認してもらい、意見を仰ぎましょう。
    • 担当者を手順書作成のプロセスに取り込んで、自分達も作成に関わっていると感じてもらうことで、完成した手順書を受け入れてもらいやすくなります。また、担当者の意見は間違いなく役に立つでしょう。
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    手順書をアドバイザーやQA(品質保証)チームに手順書を確認してもらう 所属チーム内で手順書が承認されたら、それをアドバイザーやQAチームに送りましょう。彼らは、書かれている内容自体についてのアドバイスをくれることはあまりないかもしれませんが、書式が要件を満たしているか、書き漏らしていることがないか、公式の手順書としてシステムに入れる手続きなどについて教えてくれます。
    • 文書管理システムを利用して、承認のために手順書を送信し、承認の証跡を残すようにしましょう。この方法は組織によって異なります。基本的には、ガイドラインや規則にしたがって行う必要があります。
    • 署名や押印が必要になります。現在では、ほとんどの組織で電子署名が認められています。
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    標準作業手順書が承認されたら、それを施行する 施行により、関係する従業員に対して、正式な研修が行われたり(教室での研修やオンライン研修など)、手順書がトイレに掲げられたりするかもしれません。どのような形で施行されるにしろ、作成した手順書が実際に運用されるのを目の当たりにできます。作成者として皆に認めてもらう時です。
    • 手順書は必ず最新の状態に保ちましょう。手順書の内容が古くなった場合は、更新して、再度承認をもらい、システムに反映させましょう。また、必要に応じて手順書の再配布を行います。チームの安全、生産性、成功は手順書にとって重要です。
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ポイント

  • 簡潔な日本語で手順の説明を表記しましょう。
  • 可能な限り関係者を手順書作成プロセスに取り込み、手順書の内容が実際の作業プロセスと合うようにしましょう。
  • 標準作業手順書の作成前に、古いバージョンが無いかを確認しましょう。古いバージョンがあれば、それを少し変えるだけですむかもしれません。少しの変更内容でも、必ずそれを記録しましょう。
  • 手順書を更新するたびに、必ず更新履歴を記録しましょう。
  • フローチャートや視覚的な表現を活用して、読者が作業プロセスをはっきりと理解できるようにしましょう。
  • 手順書の内容が明確であるか確認しましょう。書かれている内容に対して、異なる解釈がなされることがないようにします。作業プロセスをよく理解していない人に作業手順を見せて、どのようなことが書かれていると思うかを聞いてみましょう。想定外の回答を聞いて驚くかもしれません。
  • 手順書の承認をもらう前に、作業担当者に内容を確認してもらいましょう。

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カテゴリ: 仕事・職業
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