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水痘(水ぼうそう)は感染力が非常に強い感染症で、子供によく見られます。水痘帯状疱疹ウイルスに感染することで発症し、症状は軽度で通常は命にかかわることはありません。しかし、場合によっては重症化し、命が危険にさらされる恐れもあります。大人になると、水痘にかかった子供や大人を看病する機会もあるでしょう。ただし、水痘にかかったことがない人や水痘ワクチン接種を受けていない人は、看病の際に感染する恐れがあります。水痘に感染すると治るまでに時間がかかり辛いので、看病しながら感染を防ぐ方法を覚えましょう。

方法 1
方法 1 の 3:
基本的な予防策

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    水痘帯状疱疹ウイルスがどのように拡散するのかを理解しましょう。このウイルスは感染力が非常に強く、患者の皮膚の水疱や上気道から出たウイルスの粒子が空気中を漂うため、空気感染の恐れがあります。また、患者の開放創に触れた手で自分の顔や鼻、口を触ると感染するかもしれません。[1]
    • 感染から発症までの潜伏期間は10~21日(平均15、16日)です。
    • 免疫のない人が水痘患者と濃厚接触した場合、感染する確率は約90%です。
    • 患者の体に発疹が現れる1、2日前から「すべて」の水疱がかさぶたになるまでの間は、他の人に感染させる可能性があります。すべての水疱がかさぶたになるのは、通常発疹が現れてから約5日後です。
    • 水痘ワクチン接種を受けた場合でも軽度の水痘を発症することがあります。この場合の症状は、50個未満の水疱と軽度の発熱です。軽度の水痘を発症した場合も他の人に感染させる可能性はありますが、感染力は水痘ワクチン接種を受けずに発症した場合の1/3です。
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    飛沫感染を防ぐために、マスクをつけましょう。水痘患者の看病をする際は、飛沫感染のリスクを軽減するために予防しましょう。患者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)が自分の口や鼻に入らないようにマスクをつけます。看病する際は必ず患者の部屋に入る前にマスクをつけ、その都度新しいマスクに換えましょう。[2] 患者がくしゃみや咳をしていたり鼻水が多い場合は、手袋とガウン、ゴーグルかマスクをつけましょう。くしゃみをすると、飛沫が最長で60mも飛ぶ可能性があるので保護具の着用は重要です。[3]
    • 患者が触れた物や患者の衣類、患者の飛沫に接触したり患者に直接接触したりすると、水痘帯状疱疹ウイルスに感染する恐れがあります。
    • 飛沫は、くしゃみ、咳、会話、鼻水、つばなどで発生します。[4]
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    看病の前後は手を洗いましょう。患者に触れる前と触れた後は必ず手を洗います。また、患者が触れた物や衣類、分泌物に触れた後も必ず手を洗いましょう。石鹸と温水で手を洗います。[5]
    • 温水で濡らした手に石鹸を付けて泡立て、少なくとも20秒間手をこすりましょう。
    • 手の平だけでなく、手の甲や指の間、爪の中も必ずこすります。
    • 「ハッピーバースデートゥーユー」の歌を2回繰り返すと約20秒になります。
    • 手を洗った後は温水ですすぎ、タオルで軽く叩いて乾かすか温風で乾かしましょう。
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    ウイルスの拡散を防ぐために、患者を部屋に隔離します。患者には自分の部屋で休んでもらうと良いでしょう。できれば患者専用のトイレを決め、家族はそのトイレを使わないようにします。[6]
    • 患者が部屋を出てトイレに行く際はマスクをつけてもらいましょう。部屋の外でくしゃみや咳をするとウイルスが拡散する可能性があります。
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    感染予防を強化するために接触感染対策を講じましょう。患者や患者が触れた可能性があるものに触れる際は、ガウンや手袋をつけます。
    • 患者のベッドシーツを交換する、患者の部屋に入る、患者や部屋の物に触れるなどの際は、必ず手袋とガウン、ゴーグルをつけましょう。
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方法 2
方法 2 の 3:
水痘ワクチン

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    水痘にかかったことがあるかわからない場合は、抗体検査を受けましょう。水痘にかかったことがあるかわからない場合や1980年以降に生まれて水痘にかかったか覚えている家族がいない場合は、抗体検査で確認できます。抗体検査とは、血液を採取して水痘に対する免疫の有無を確認する方法です。[7]
    • 水痘帯状疱疹ウイルスに感染して水痘を発症した場合は、たとえ症状が軽度であったとしても血液中に抗体があるので感染を防げます。
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    水痘ワクチン接種を受けても安全か病院で確認しましょう。病気などにより、水痘ワクチン接種を受けるべきではない人もいます。医師に病歴を伝え、水痘ワクチン接種を受けても安全か確認しましょう。一般的に、次のような場合はワクチン接種をするべきではありません。[8]
    • ワクチンの初回投与でアレルギー反応が起こった場合
    • 妊婦
    • ゼラチンやネオマイシンにアレルギーがある場合
    • HIVやエイズなどの免疫疾患がある場合
    • ステロイドや免疫に影響を及ぼす薬の大量投与を受けている場合
    • 放射線、薬、化学療法などでがんの治療を受けている場合
    • 過去5か月以内に輸血や血液製剤の投与を受けた場合
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    抗体がない場合は、水痘ワクチン接種について病院で相談しましょう。水痘ワクチンの接種を受けると水痘を予防できます。研究のほとんどは、ウイルスへ曝露する前のワクチン接種について行われていますが、ウイルスに曝露した後で接種を受けてもある程度の予防効果が期待できるでしょう。ただし、ウイルスに曝露してから3~5日以内にワクチン接種を受けることが重要です。
    • 水痘にかかったことがなく、水痘ワクチン接種も受けていない場合は、水痘ワクチン接種について病院で相談しましょう。
    • ワクチンを接種した場合でも軽度の水痘を発症する人もいますが、水疱は通常より少く発熱しないこともあります。[9] 水痘ワクチンは、生きたウイルスや弱毒化ウイルスで作られています。[10]
    • 子供は、生後12か月~15か月に水痘ワクチンの1回目の接種を受け、1回目接種後6か月~12か月経過した時期に2回目の接種を受けます。[11] ワクチン接種で最もよく見られる副反応は、接種箇所の痛みや発赤、腫れなどです。ワクチン接種を受けた子供や大人のごく1部には、接種箇所の周囲に軽度の発疹が見られます。[12]
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    水痘ワクチンの接種を受けられない場合は、免疫グロブリン投与を受けましょう。健康上の問題や懸念から水痘ワクチンの接種を受けられない場合でも、感染を予防する方法があります。ウイルスに曝露した可能性があれば、水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫グロブリン投与について病院で相談しましょう。[13] 免疫グロブリン投与を受けるとウイルスと戦うために必要な抗体ができて免疫力が高まります。[14]
    • ウイルスに曝露したらできるだけ早く免疫グロブリン投与を受けましょう。曝露してから10日を超えると効果が得られないかもしれません。
    • 水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫グロブリン投与は、点滴静脈注射で行われます。
    • 心臓病にかかっている、血栓や脳卒中などの既往歴があるなど、重大な健康問題がある場合は医師に伝えましょう。また、免疫グロブリン投与によって有効性が低下するワクチンもあるので、別のワクチン接種を最近受けた場合も医師に伝える必要があります。
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    重症化のリスクが高い場合は、抗ウイルス剤の服用について病院で相談しましょう。水痘帯状疱疹ウイルスに曝露し、医師が重症化のリスクが高いと判断すると、アシクロビルやバラシクロビルのような抗ウイルス剤が処方されるかもしれません。これらの薬を服用すると症状が軽減し、早く治る可能性があります。水痘に感染した人が次のような状況に該当する場合は、抗ウイルス剤について病院で相談しましょう。[15]
    • 13歳以上で水痘帯状疱疹ウイルスに対する抗体がない場合
    • 心臓病のような慢性疾患にかかっている場合
    • ステロイド、またはサリチル酸系薬剤を服用している場合
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方法 3
方法 3 の 3:
危険因子と治療法

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    重症化のリスクを考えましょう。水痘にかかった人の中には、生命を脅かす恐れがある深刻な合併症を発症するリスクが高い人もいます。次のような人は注意が必要です。[16]
    • 水痘にかかったことがない、または水痘ワクチン接種を受けていない母親の新生児と乳幼児
    • 成人
    • 水痘にかかったことがない妊婦
    • 薬によって免疫が抑制されている人
    • ステロイドを服用している人
    • HIVやエイズ、がんなど、免疫に影響を及ぼす病気にかかっている人。HIV感染症にかかっている人は慢性的な水痘を発症することがあります。
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    重症化した水痘に関連する合併症のリスクに注意しましょう。水痘が重症化すると、緊急治療が必要になる重篤な合併症が起こることもあります。水痘帯状疱疹ウイルス感染による合併症の例は次の通りですが、必ずしもこれだけとは限りません。[17] [18]
    • 皮膚、または軟部組織の細菌感染症
    • 肺炎
    • 敗血症(血液中の感染症)
    • 毒素性ショック症候群
    • 骨の感染症
    • 化膿性関節炎(関節の感染症)
    • 脳炎(脳の炎症)
    • 小脳性運動失調症(小脳の炎症)
    • 脱水症
    • 関節の感染症
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    治療法について病院で相談しましょう。一般的に水痘の治療は家庭で行われる対症療法ですが、水痘の重症化のリスクが高い人が他の病気を併せて発症した場合は、2次感染の治療と支持療法を受けるために入院する必要があるかもしれません。在宅治療は、患者がストレスを感じることなく回復するのに役立ちます。[19] 水痘の一般的な在宅治療法は次の通りです。
    • 浴槽にコロイド状オートミールや重曹を加えて入浴したりカラミンローションを塗ったりしてかゆみを抑え、水疱を乾燥させます。
    • かゆみと炎症を軽減するために、ジフェンヒドラミン(レスタミンコーワ錠)を服用します。通常、成人は1日3回25~50㎎ずつ服用しますが、子供の場合は体重に応じた用量を医師に確認しましょう。
    • 発熱を和らげるにはアセトアミノフェンのような非アスピリン剤を服用します。子供や10代の若者がアスピリンを服用するとライ症候群という命にかかわる重篤な病気になる恐れがあるので、アスピリンやサリチル酸系薬剤を子供に服用させてはいけません。
    • 2次感染を発症するリスクの高い患者は、抗ウイルス薬を処方されるかもしれません。抗ウイルス薬には、アシクロビルやバラシクロビル、ファムシクロビルなどがあります。
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    病院での治療が必要になる場合もあります。家庭で水痘を治療する場合は、どのような状況で病院に行かなければいけないのかを理解することが重要です。[20] 次のような場合は、病院か救急外来を受診しましょう。
    • 13歳以上の患者が重症化を抑える治療を受ける場合
    • 免疫が低下している場合
    • 妊婦
    • 4日を超える発熱
    • 39度以上の発熱
    • 発疹箇所の異常な赤みや圧痛、または発疹が熱を持っている場合
    • 患部にどろっとした青黒い分泌物が見られる場合
    • 起き上がれない、または意識障害がある場合
    • 歩行困難
    • 項部硬直
    • 頻繁な嘔吐
    • 呼吸困難、または激しい咳
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ポイント

  • 水痘は子供によく見られる感染症ですが、感染力が非常に強いので感染を防ぐためには徹底した予防対策が必要です。
  • 成人、または免疫が低下している人が水痘にかかると命にかかわる危険があるため、水痘患者の周りでは一貫した予防対策と細心の注意が必要です。
  • 水痘にかかったことがない人は、帯状疱疹にかかった人と接触すると水痘を発症する可能性がありますが、直接接触した場合に限ります。帯状疱疹では飛沫感染は起こりません。[21] 水痘にかかると、数年後か数十年後に帯状疱疹にかかる可能性があります。
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注意事項

  • 水痘にかかった18歳未満の子供にアスピリンやサリチル酸系薬剤を服用させてはいけません。稀ではありますが、これらの薬はライ症候群という生命にかかわる病気を引き起こす恐れがあります。[22]
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このwikiHow記事について

Luba Lee, FNP-BC, MS
共著者 ::
治験審査委員
この記事の共著者 : Luba Lee, FNP-BC, MS. ルーバ・リーはテネシー州に住む家庭医療を専門とするナース・プラクティショナー(一定レベルの診断や治療を行うことが許可されている上級看護師)です。2006年にテネシー大学にて 看護学修士号を取得しています。
カテゴリ: 全般的健康
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