PDF形式でダウンロード PDF形式でダウンロード

日本産婦人科学会の定義では、妊娠22週より前に妊娠が終わることを流産と呼びます。[1] 流産は珍しくなく、確認された妊娠のうち最大25%に影響を及ぼします。ですから、なにも恥じることはありません。[2] 流産したかどうかを判断するには、自身のリスク因子を評価し、膣からの多量の出血や痛みといった症状を観察する必要があります。しかしながら、一部の症状は健康な妊娠でも起こるため、流産したかどうか判断するのは難しいことがあります。そのため、流産の可能性がある場合は医師の診断を受けましょう。流産したと思う場合は必ず医師の指示に従いましょう。

パート 1 の 2:
流産の原因と症状

  1. 1
    流産の原因を理解する 流産はほとんどの場合、妊娠初期に起こります。染色体異常が最も一般的な原因で、ほとんどの場合、母親が流産を予防するためにできることはありません。[3] 流産のリスクは妊娠13週を超えると減少します。染色体異常があると、その時期までにたいていは妊娠を終了させます。以下のリスク因子も、流産する可能性を高めます。[4]
    • 高齢の女性はリスクが高くなります。35~45歳の女性は、20~30%の確率で流産する可能性があります。45歳以上になると、その確率は最大で50%になります。
    • 糖尿病や紅斑性狼瘡(エリテマトーデス)といった深刻な慢性疾患を抱える女性は、流産のリスクが高くなります。
    • 子宮に瘢痕組織などの異常があると、流産につながる恐れがあります。
    • 喫煙、薬物やアルコールの摂取は流産の原因になりえます。
    • 肥満もしくは低体重の女性は流産のリスクが高くなります。
    • 過去に流産を経験している女性は流産のリスクが高くなります。
  2. 2
    膣からの出血を確認する 膣からの多量の出血は、流産が起こっているという最も一般的な兆候です。しばしば、生理痛に似た痛みを伴います。[5] 通常、出血の色は茶色や鮮紅色です。[6]
    • 健康な妊娠でも、軽い出血、さらには中程度の量の出血が起こりえます。塊を含んだ多量の出血は、流産を示している可能性があります。妊娠中に出血したら、すぐにかかりつけ医に知らせましょう。
    • 50~75%の流産は化学妊娠であるという研究結果があります。つまり、受精後まもなく流産したということです。この場合、しばしば女性は妊娠したことに気付いておらず、通常の生理周期通りに出血が起こります。このときの出血は通常よりも量が多く、痛みも強いかもしれません。[7]
  3. 3
    膣粘液を確認する 流産の症状としてピンク色がかった白い膣粘液が出ることがあり、この膣粘液は妊娠組織を含んでいる場合があります。おりものが凝固した組織や、多少なりとも固体に見える場合は、流産が起こっているか、もしくは既に起こったしるしの可能性があります。この場合、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。
    • たいていの場合、妊娠中は白色帯下とも呼ばれる透明もしくは乳白色のおりもの量が増えます。[8] このようなおりものの量が増えても、心配する必要はありません。
    • 尿失禁のシミを、おりものと間違えることもあるかもしれません。尿失禁は健康な妊娠でよく起こります。
  4. 4
    違和感や痛みに注意を払う 妊娠中は体にあらゆる違和感や痛みを覚えるものです。流産の最中は通常腰が痛み、痛みの強さは軽度から重度にまで及びます。腰に痛みを覚えたら、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。[9]
    • 腹部や骨盤、背中が時折ズキズキ痛むのは、たいていの場合、成長する胎児の大きさに体が合わせようとする結果起こります。痛みが重く長引く場合、もしくは断続的に起こる場合で、とりわけ同時に出血が起きているなら、流産を起こしている可能性があります。
    • 流産が起きると本物の陣痛を経験することもあります。この場合、陣痛は15~20分毎に起こり、たいてい非常に強い痛みがあります。[10]
  5. 5
    妊娠の症状を分析する 妊娠すると数多くの様々な症状が表れますが、これらはすべて体内のホルモン量が増えたことに起因します。症状が減った場合、流産が起こってホルモン量が妊娠前の状態に戻りつつあることを示唆しているかもしれません。
    • 流産すると、つわりが軽減し、胸の張りや痛みが改善し、もう妊娠していないという感覚を覚えるかもしれません。健康な妊娠では、こうした症状は妊娠13週前後に自然に治まります。これは流産のリスクが減少する時期でもあります。
    • 経験する症状やその度合いは人により異なります。妊娠13週より前に突然なんらかの変化が起こったら、かかりつけ医に相談しましょう。
  6. 6
    念のためかかりつけ医を受診する かかりつけ医や緊急外来、近隣の産院を訪れ、流産したかどうかはっきり診断してもらいましょう。たとえ上記の症状がすべて起こったとしても、流産の種類によっては胎児が生存できる可能性があるかもしれません。
    • 妊娠週数により、医師は血液検査や骨盤検査、超音波検査を行い、妊娠を継続できるかどうか可能性を調べます。
    • 妊娠初期に多量の出血があった場合、希望しない限り診察を受ける必要はないと指示される可能性があります。
    広告

パート 2 の 2:
流産の治療

  1. 1
    様々な流産の種類を知る 流産は女性一人ひとりに異なる形で影響を及ぼします。すべての妊娠組織が体からすぐに排出されることもあれば、時間がかかり、やや難しい経過になることもあります。様々な流産の種類と、それらが体に及ぼす影響を確認しましょう。
    • 切迫流産:子宮頸部は閉じたままです。出血やそのほかの流産の症状が治まり、妊娠を通常通り継続できる可能性があります。[11]
    • 進行流産:多量の出血が起こり、子宮頸部が開き始めます。この段階になると、妊娠を継続できる可能性はなくなります。
    • 不全流産:妊娠組織の一部は体から排出されますが、残りは体に残留します。残った組織を除去するために処置が必要な場合があります。
    • 完全流産:すべての妊娠組織が体から排出されます。
    • 稽留流産:妊娠は終了しているものの、組織が体内に残留しています。自然に組織が排出される場合もあれば、組織を除去する治療が必要な場合もあります。[12]
    • 子宮外妊娠:厳密には流産ではありませんが、妊娠損失の一種です。受精卵が子宮に受精する代わりに、卵管や卵巣など、受精卵が成長できない場所に着床します。
  2. 2
    出血が自然に止まったらかかりつけ医に電話する 妊娠初期に多量の出血があったものの自然に止まった場合は、病院に行く必要はないかもしれません。[13] 多くの女性は病院で再度受診するよりも、自宅で安静にすることを選びます。出血が10日~2週間のうちに止まったのであれば、自宅で安静にしているだけでたいていの場合は問題ありません。
    • 子宮の痛みやそのほかの痛みがある場合、流産の最中どのように痛みを和らげられるか、かかりつけ医が指示してくれるかもしれません。
    • 流産が起こったことを確認したいなら、超音波検査を予約できます。[14]
  3. 3
    出血が止まらない場合は治療を受ける 多量の出血やそのほかの流産の症状があり、流産が終わったかどうか分からない場合、かかりつけ医が以下のいずれかの治療法を行うかもしれません。
    • 待機療法:残留組織が最終的に体から排出され、出血が自然に止まるのを待ちます。
    • 薬物療法:残留組織を体内から排出する薬物が投与されます。短期間の入院が必要で、出血はその後最長で3週間続くことがあります。なお薬物療法は日本では認可されていません。
    • 手術療法:D&Cとして知られる子宮内膜掻爬術を行い、残留組織を除去します。薬物療法を行った場合と比べると、通常出血が早く止まります。[15] 出血量を抑えるために、薬剤が投与される場合があります。
  4. 4
    症状を観察する 出血が治まり止まるだろうとかかりつけ医が言った時間を過ぎても出血が続く場合は、ただちに治療を受けることが重要です。寒気や熱といった他の症状がある場合は、すぐにかかりつけ医か病院に行きましょう。
  5. 5
    悲嘆(グリーフ)カウンセリングを検討する 妊娠の段階にかかわらず、胎児を失うことは精神的にショックの大きい経験となりえます。死を悼むのは重要で、カウンセリングが役に立つかもしれません。かかりつけ医に悲嘆カウンセリングを紹介してもらうか、近隣のセラピストの予約を取りましょう。
    • 気分が良くなるまでにかかる時間に決まりはなく、女性一人ひとりで異なります。必要なだけ、悲しむ時間を持ちましょう。
    • また妊娠する準備が整ったら、リスクの高い妊娠を専門とする医師の診察を受けることを、かかりつけ医に相談しましょう。一般的には、2回以上流産を経験している場合にのみ必要です。
    広告

ポイント

  • たいていの場合、切迫流産は防ぐことができず、母親の健康状態や生活習慣とは無関係です。妊娠中の女性は妊婦用のビタミン剤を摂取し、薬物や煙草、アルコールを避けるべきですが、妊娠中の健康管理に熱心な女性であっても、流産の可能性はあります。[16]
広告

注意事項

  • 妊娠22週を過ぎて多量の出血や子宮の痛みがあった場合は、ただちに病院に行きましょう。日本産婦人科学会の定義では、この時期以降に妊娠が終了した場合を死産と呼びます。
広告

関連記事

家庭での陣痛促進家庭での陣痛促進
子宮内の赤ちゃんの体勢を見分ける子宮内の赤ちゃんの体勢を見分ける
子宮口の開き具合を確認する子宮口の開き具合を確認する
破水させる破水させる
乳首を刺激して陣痛を促す乳首を刺激して陣痛を促す
着床出血かどうか判断する着床出血かどうか判断する
hCG値を上げるhCG値を上げる
肉割れを早く治す肉割れを早く治す
授乳期に減量する授乳期に減量する
胎児の心音を聞く胎児の心音を聞く
赤ちゃんの分娩を介助する赤ちゃんの分娩を介助する
肉割れを薄くする肉割れを薄くする
他人の妊娠を見分ける他人の妊娠を見分ける
逆子を治す逆子を治す
広告

出典

  1. http://americanpregnancy.org/pregnancy-complications/miscarriage/
  2. Rebecca Levy-Gantt, MPT, DO. 学会認定産婦人科医. 専門家インタビュー. 3 April 2020.
  3. Rebecca Levy-Gantt, MPT, DO. 学会認定産婦人科医. 専門家インタビュー. 3 April 2020.
  4. http://www.plannedparenthood.org/learn/pregnancy/miscarriage
  5. http://www.plannedparenthood.org/learn/pregnancy/miscarriage
  6. http://americanpregnancy.org/pregnancy-complications/miscarriage/
  7. Rebecca Levy-Gantt, MPT, DO. 学会認定産婦人科医. 専門家インタビュー. 3 April 2020.
  8. http://www.whattoexpect.com/pregnancy/symptoms-and-solutions/vaginal-discharge.aspx
  9. http://www.plannedparenthood.org/learn/pregnancy/miscarriage

このwikiHow記事について

Rebecca Levy-Gantt, MPT, DO
共著者 ::
学会認定産婦人科医
この記事の共著者 : Rebecca Levy-Gantt, MPT, DO. 認定産婦人科医のレベッカ・レヴィ―ガントは、カリフォルニア州ナパ市にて産婦人科クリニックを運営してる開業医です。更年期と閉経前後期におけるホルモン管理を専門としており、ナチュラルホルモン補充療法、合成ホルモン補充療法、その他の代替療法を用いた治療を行っています。米国認定更年期障害専門医でもあり、更年期症状管理の専門家として米国医師名簿に登録されています。ボストン大学にて理学療法学の修士号を、ニューヨーク大学オステオパシー医学学校にてオステオパシー医学の博士号を取得。
カテゴリ: 妊娠期
このページは 200 回アクセスされました。

この記事は役に立ちましたか?

広告