浮力を計算する方法

共同執筆者 Bess Ruff, MA

この記事には:浮力の公式を用いる簡単な浮力テストを行う7 出典

浮力とは、流体の中で引力と反対の方向に物体を押し上げようとする力を指します。[1] 何らかの物体を流体の中に置くと、物体の重みによって流体(液体あるいは気体)は上から押されます。その一方で、上方向の浮力が、引力に抗いながらその物体を押し上げます。一般的に、浮力はFb = Vs × D × g (Fbが物体の浮力、 Vs が流体中の物体の体積、 D が流体の密度、g が引力)という計算式を用いて求めることができます。この記事で紹介する手順を参考に、自分で計算が行えるようになりましょう。

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浮力の公式を用いる

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    流体中の物体の体積を求める 物体の浮力は、その物体の体積と正比例しています。つまり、流体中の物体の体積が大きいほど、浮力が高まります。つまり、流体の中で沈んでしまう物体にも、それを押し上げる浮力があります。[2] 流体中の物体にかかる浮力を計算するには、まず、その物体の体積を求めましょう。浮力の公式を用いる際の体積の単位は立方メートル( m3 )です。
    • 完全に流体中に沈んでいる場合、流体中にある分の体積と、その物体全体の体積が等しいということを意味しています。流体の表面(あるいは水面)上に浮かんでいる場合は、流体中にある部分の体積のみを考慮します。
    • 例として、水に浮かんでいるゴム製ボールの浮力を求めたいと仮定しましょう。このボールが完全な球体で、直径が1メートル、ぴったり半分のみ水中にあるとします。まず、ボール全体の体積を求め、それを半分にすることで、水中にある分の体積が求められます。球体の体積は (4/3)π(半径)3 で求められるので、 (4/3)π(0.5)3 = 0.524 m3 であることがわかります。それを半分にするので、 0.524/2 = 0.262 m3 が水中にある体積です。
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    流体の密度を求める 次は、物体が置かれている流体の密度(kg/m3 単位)を計算しましょう。密度とは、一定量の液体あるいは気体の中に含まれている物質や成分の割合を表しています。同じ体積の液体あるいは気体が2つある場合、密度が高い方がより重くなります。原則として、物体が置かれている流体の密度が高いほど、浮力が高まります。基準物質を参照して密度を求める方法が最も簡単でしょう。
    • 既出の例では、ボールが半分、水に浮かんでいました。学術文献などを参考にすると、水の密度は約 1,000 kg/m3 であることが分かります。
    • 一般的な液体の密度の一覧も存在しています。こちら(英語)や理科年表などを参考にしてみましょう。
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    引力(あるいはその他の押し下げる力)を求める 流体の中で物体が浮かぶか沈むかは、引力(普遍的に存在する押し下げる力)も関わっています。およそ 9.81 kNです。ただし、遠心力といったその他の力も流体とその中にある物体に作用している場合は、そうした要素の考慮して、全体的な押し下げる力を求めなければなりません。[3]
    • 既出の例では、普通の安定的な状態に基づいていると考えましょう。つまり、液体の中で物体を押し下げる力は引力のみとなるので、 9.81 kN です。
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    体積、密度、引力をかける 体積(m3)、流体の密度(kg/m3)、引力(kN)が揃えば、浮力の計算は簡単です。この3つをかけましょう。最後に単位をニュートン(N)にすれば完了です。
    • 例題の計算を完成させましょう。Fb = Vs × D × g という公式でした。 Fb = 0.262 m3 × 1,000 kg/m3 × 9.81 kN = 2,570 N となります。計算時、ニュートン以外の単位が相殺され、ニュートンが残るという仕組みです。
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    引力と比較して浮くかどうかを調べる 浮力の公式を求めれば、流体の外に向かって物体を押し上げる力を簡単に計算することができます。さらに計算を行うと、物体が浮かぶのか、沈むのかを把握することもできます。物体全体の浮力(つまり物体全体の体積をVs として用います)を求め、押し下げている力を G = (物体の質量)(9.81 m/s2) という計算式を用いて求めましょう。その結果、浮力の方が引力を上回っていれば、その物体は浮かびます。逆に、引力の方が浮力を上回っていれば、その物体は沈みます。双方が等しい状態を中性浮力と呼びます。
    • 中性浮力の物体は、水中にある時、水面に浮かび上がることも、底まで沈むこともありません。水面と底の間にあります。[4]
    • 例えば、20キログラムの木製の樽(直径0.75メートル、高さ1.25メートル)が水中で浮くのか調べる必要があると仮定しましょう。下記の手順が必要となります。
      • V = π(半径)2(高さ) という計算式を用いて筒状の樽の体積(V)を求めましょう。 V = π(.375)2(1.25) = 0.55 m3 となります。
      • 次に、通常の引力がかかっている状態で通常の密度の水が使われていると仮定して、この樽の浮力を求めます。0.55 m3 × 1000 kg/m3 × 9.81 kN = 5,395.5 N となります。 
      • 最後に樽にかかる引力(G)を求めましょう。G = (20 kg)(9.81 m/s2) = 196.2 N です。これは、浮力をはるかに下回るので、樽は浮かぶということが分かります。
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    液体でなく気体の場合も同じ方法を用いる 浮力を求める際は、物体が置かれているのは液体の中だけではないという点を忘れないようにしましょう。気体もまた流体です。他の物質と比べると密度が低いものの、一定の物体であれば重みを支えることができます。[5] 最も分かりやすい例としてヘリウムが注入された風船があります。風船の中の気体は、その周辺にある流体(つまり空気)よりも、はるかに密度が低いので、風船が浮かびます。

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簡単な浮力テストを行う

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    容器を用意し、より小さなボウル(コップ)をその中に置く 家庭に常備されているものを用いた簡単な実験で浮力の仕組みを理解することができます。この手軽な実験で、流体中にある物体の体積と同じ体積の水がコップの外にこぼれることで、流体中の物体に浮力がかかるということが分かります。また、物体の浮力の実用的な求め方も理解し学ぶことができるでしょう。まず、やや大きめのボウルあるいはバケツを1つ用意しましょう。さらに、より小さなボウルあるいはコップをその内側に置きます。
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    小さいほうの容器に水を満たす 小さい方の容器を水で満たしましょう。ふち一杯まで注がれているようにしましょう。ただし、こぼさないように注意が必要です。こぼしてしまった場合は、大きい方の容器を全て空にして再度やり直しましょう。
    • 実験の目的上、水の密度は標準的な1000 kg/m3 であると仮定しましょう。塩水、あるいは水とは全く異なる何らかの流体を用いていない限り、水の密度は基準値に充分近いでしょう。若干の差異はあったとしても、結果を大きく左右するほどはありません。[6]
    • スポイトがあると、内側の容器の水量の微調整がしやすいでしょう。
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    小さな物体を沈める 水で破損する心配のない小さめの物体を内側の容器の中に入れます。この物体の質量をキログラム単位で把握しておきましょう。測りや天秤を使ってグラム単位まで正確に計測し、キログラムに変換しましょう。次に、指を濡らさないよう注意しながら、ゆっくりと確実に物体を水の中に入れていき、物体が浮き始めたり指が水に触れてしまいそうになったら手を離します。内側の容器の水があふれ、外側の容器の中に多少こぼれてしまっていることに気がつくでしょう。
    • 実験の目的上、0.05キログラムの玩具を内側の容器に入れると仮定しましょう。次の手順で説明しますが、この玩具の体積を求める必要はありません。
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    あふれた水を集め量を計測する 水の中に物体を入れると、若干水がこぼれます。こぼれなかった場合は水の中に入る余地がまったくなかったということです。物体が水を押し出そうとすると水は押し返し、その結果浮力が生じます。内側の容器からこぼれた水を小さな計量カップに注ぎましょう。計量カップに集められた水と水中の物体の体積が等しくなるはずです。
    • つまり、物体が水面に浮かんでいるのであれば、こぼれた水と水中にある分の物体の体積が等しいということになります。物体が沈んだ場合は、こぼれた水と物体全体の体積が等しいということを意味しています。
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    こぼれた水の重さを計測する 水の密度は既に分かってて、計量カップに注いだ水の体積も計測することができるので、質量が求められるようになります。体積を m3 に変換し(オンラインの変換機能(英語)もあるので活用してみましょう)、水の密度(1,000 kg/m3)とかけます。
    • 既出の例題をもとに考えてみましょう。玩具を内側の容器に入れた結果、大さじ2杯分の水(0.00003 m3)がこぼれたとします。これを水の密度とかけるので、1,000 kg/m3 × .00003 m3 = 0.03 kilograms となります。
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    こぼれた水の質量と物体の質量を比較する 水中にある物体とこぼれた水の質量が分かったので、双方を比較してみましょう。内側の容器の中にある物体の質量がこぼれた水の質量を上回っていたのであれば、物体は沈んでいたはずです。逆に、こぼれた水の質量の方が上回っている場合は、物体は水面に浮かんでいたでしょう。これが浮力の概念の基本です。物体に浮力がかかる(浮かぶ)には、物体そのものの質量を上回る質量の水が外に溢れていなければなりません。[7]
    • つまり、質量が低く体積の大きい物体が最も浮かびやすいということになります。例えば、中が空洞になっている物体は特に浮力が高まります。カヌーを思い描いてみましょう。内側が空洞になっているので、質量があまりないにも関わらず大量の水を押し出すことができるのです。仮に空洞でなかったら、カヌーはあまりよく浮かばないでしょう。
    • 既出の例では、玩具の質量は0.05キログラムで、水に入れた結果、0.03キログラムの水がこぼれました。つまり、物体の質量がこぼれた水の質量を上回っているので、車は沈みました。

ポイント

  • 1回の計測ごとに目盛りをゼロに戻すことのできる測りや天秤を用意して、正確に測りましょう。

必要なもの

  • 小さめのコップやボウル
  • より大きいボウル、あるいはバケツ
  • 水の中に入れることのできる物体(ゴム製ボールなど)
  • 計量カップ

記事の情報

この記事はBess Ruff, MAが共著しています。 ベス・ラフはフロリダ州に住む地理学を専攻する博士課程の学生です。2016年にカリフォルニア大学サンタバーバラ校の環境科学専門学部、「Bren School of Environmental Science & Management」にて環境科学と資源管理の修士号を取得しています。

カテゴリ: 科学・技術

他言語版:

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