海外の学術誌で自分の論文を発表する方法

共同執筆者 wikiHow編集チーム

査読者による審査のある学術誌で自分の研究論文を発表するということは、研究者として重要な活動です。自分以外の研究者とつながりを持つことができるだけでなく、自分の名前と研究内容を広く知ってもらうことができるようになり、アイデアや研究内容をさらに精査するきっかけとなります。掲載までの道のりは簡単なものではありませんが、専門的根拠に基づいた計画と、創造的かつ分かりやすい研究を示すことで可能性を高めましょう。また、自分の研究内容や書き方にあった媒体を選ぶことも同様に大切です。媒体に合わせて内容を調整することでチャンスをつかみましょう。

方法 1 の 3:
論文を(再)提出する

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    同僚や教授に内容を読んでもらう 文法、スペル、誤字、脱字、あるいは簡潔さといった点に注意して赤入れをしてもらいましょう。また、内容の分かりやすさについても意見をもらうと良いでしょう。研究論文は重要性かつ関連性の高いテーマを取り扱わなければなりません。また、簡潔に書かれ、読みやすく、想定されている読者層に適した内容でもあることが大前提です。[1]
    • 2~3名に読んでもらいましょう。そのうちの少なくとも1人は、その分野の専門ではない人物を選びましょう。読者の全員が同分野の専門家とは限らないので「外部の視点」を取り入れることが非常に重要になります。
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    査読者のコメントを元に手直しをする 実際に論文を提出するまで何度も手直しをすることになるでしょう。明白で、面白く、読みやすいものになるよう努めましょう。こうすることで、掲載される可能性も高まります。[2]
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    狙っている学術誌の提出要項に基づいて原稿を準備する 想定している学術誌の執筆基準に基づいて自分の原稿の形式を設定しましょう。学術誌の多くは、レイアウト、フォントの種類、長さなどを含めた情報が執筆時の注意事項や提出要項(Instruction to AuthorsやAuthor's Guide)としてウェブサイトに掲載されています。また、実際の提出方法や提出後の査読の過程に関する説明も含まれているはずです。[3]
    • 自然科学や社会科学分野での論文は特有の構成(手法、結果、議論、結論、承認、参考文献など)で書かれています。一般的に人文科学分野では、あまり厳格には指定されていません。
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    完成したと思ったら提出する 学術誌のホームページに掲載されている掲載要項に目を通し、内容を確認しましょう。条件をすべて満たしているのであれば、指定されている方法で論文を提出しましょう。オンライン上で提出できる媒体もあれば、紙に印刷されたものを提出する必要がある媒体もあります。[4]
    • 1度に提出する媒体は1つまでにしましょう。複数媒体をリストにしているのであれば、1つずつ順に提出していきましょう。
    • オンラインで提出をする際は、大学名がドメインとなっているメールアドレスを用いましょう。こうすることで執筆者が学術機関に所属しているということが伝わり、論文内容の信ぴょう性が高まります。
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    学術誌からの返答内容に驚かない 学術誌の世界では提出してそのまま受理(Accept)される方が稀です。仮にすんなり受理された場合は素直に喜びましょう!そうでない場合は落ち着いて返答内容に目を通しましょう。おそらく下記のいずれかについての説明が含まれているはずです。[5]
    • 受理、若干の修正あり(Accept with Revision):査読の結果、若干の修正が必要と判断されています。
    • 修正後再提出(Revise and Resubmit):より大がかりな修正が必要となります(詳細は査読者のコメントに従いましょう)。修正をして再審査を受けることになりますが、学術誌側はあなたの研究に興味を持っています。
    • 却下、再提出(Reject and Resubmit):あなたの研究内容は現時点では検討対象ではないものの、内容や争点を大きく変更した場合、異なる返事を得られるかもしれません。
    • 却下(Reject):この学術誌から発表するものとして適さないということを意味しています。ただし、他の媒体であれば異なる返事が得られるかもしれません。
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    査読者のコメントを建設的批判として好意的に受け取る 匿名の査読者(多くの場合3名)と編集長のコメントを元に、内容の修正と再提出を求められということが頻繁に発生します。コメント内容をじっくりと読み、必要な修正を加えましょう。
    • 提出した原稿にあまりこだわらないようにしましょう。柔軟性を保ち、コメントの内容に沿って必要な手直しをしましょう。研究者としての技能や調査能力を活かし、より質の高い原稿を提出できるようにしましょう。
    • ただし、納得のいかないコメントに対しても全く抗わず従順に従えば良いというわけではありません。編集長と話し合う場を設け、礼儀正しく、かつ自信をもって自分の見解を説明しましょう。このテーマにおける専門家はあなたです。[6]
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    諦めず応募し続ける 最終的に第一希望の学術誌で却下されてしまったとしても、手直しを続け他の学術誌に挑戦しましょう。[7]
    • 拒絶されたからといって、それが「駄目な論文」というわけでは決してありません。論文掲載に至るまで様々な要因が絡み合います。執筆者ができることの範疇を超えている場合もあります。
    • 第2希望の学術誌に狙いを移して努力をし続けましょう。むしろ却下した学術誌の編集長に、どのような媒体に応募すべきか助言を求めても良いかもしれません。
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方法 2 の 3:
自分の研究に適した学術誌を選ぶ

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    媒体についてよく調べる その学術誌から既に発表されている論文や、関連分野で最近熱心に議論されているテーマに気を配りましょう。特にその分野での研究論文がどのように書かれているのかを観察することが大切です。形式、論文の種類(量的あるいは質的研究なのか、一次調査に基づくものなのか、既存論文の再考察なのか、など)、書き方、テーマ、用いられている用語に注意しましょう。[8]
    • 自分の専門分野に関する学術誌に目を通してみましょう。
    • 出版物、学会で発表された論文、あるいは学術誌の論文などをオンラインで検索してみましょう。
    • 同僚や教授に、どのような学術誌を検討するべきか相談してみましょう。
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    自分の研究論文に最も適した学術誌を選ぶ 学術誌にはそれぞれ独自の読者層があり、論調や書き方も異なります。例えば、研究者のみを読者層とした高度な専門誌を目指すのか、より一般的で広い読者層をもつ媒体を選ぶのか考えてみましょう。[9]
    • 「適しているか」という点がとても重要な要素になります。たとえ、その専門分野で最も有名な学術誌だとしても、自分の研究内容が合わないということも考えられます。その一方で、権威のある学術誌に掲載されることなんてないだろうと思い込み、自分の研究を過小評価しないよう気をつけましょう。
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    学術誌の発行部数も考慮する 学術誌の狙いを定めたら、購読状況や掲載論文の引用回数を調べてみましょう。研究者として早くから自分の名前を売ろうとしているのであれば、研究内容の露出がより高い学術誌を選んだほうが有益と言えるでしょう。[10]
    • ただし、同業者による査読が行われる学術誌を常に優先させましょう。こうした査読過程では、同じ専門分野の研究者が匿名で提出された論文に目を通します。学術出版界では標準的なな手順です。
    • オープンアクセスの媒体に掲載されると、読者数が飛躍的に伸びます。同業者によって査読された学術論文としてオンラインレポジトリーに含められ、誰でも閲覧できるようになります。[11]
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方法 3 の 3:
論文の質を高める

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    論文の内容を明白にする 優れた研究論文とは、読み始めてすぐに主旨が伝わり、読み進めてもその軸がぶれることはありません。自分の論文が何を研究しようと(あるいは調査、発見しようと)しているのかを冒頭から明確に提示し、どの段落もその構想に紐づいているようにしましょう。[12]
    • 明確な主題文を作りましょう。例えば、下記の例を参考にインパクトの弱い主題文と強い主題文を比較してみましょう。
      • 「これは若き軍人として苦労した経験がジョージ・ワシントンの考え方に及ぼした影響について論ずるものである」
      • 「これは1750年代のペンシルバニアの開拓前線にて若き軍人として苦労した経験が、いかにして厳冬のバレーフォージでのジョージ・ワシントン自身と大陸軍との関係に影響を及ぼしたのかを論ずるものである」
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    焦点を絞る 構想は明確でも壮大すぎるということも考えられます。学術誌は、壮大な主題の論文を好みません。修士論文や博士論文を再編集して学術誌向けの論文を執筆しようとしている人はこの壁に直面します。つまり、背景に関する情報や既存文献に関する考察、そして手法に関する議論といった内容を削る(あるいは大幅に縮小する)必要があるということです。[13]
    • 経験の浅い若手研究者ほど、この段階で苦戦します。大作は(それでもわずか20~30ページ程度ではありますが)著名な研究者に任せましょう。
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    優れた要約を書く 要約は査読者が真っ先に目を通すものなので、軽視することはできません。誤字や脱字がないこと、また300単語前後と量も定められているので無駄な要素が含まれていないことを徹底しましょう。大胆さや独創性を示しつつも、本文に書かれている以上の内容を約束しないように気をつけることが大切です。[14]
    • 要約から興味を持って本文を読み始めると言うことが一般的ではあるものの、読み終えた人が「期待していた内容と違った」と思ってしまうことがないよう注意しましょう。
    • 論文を提出する前に、できるだけ多くの人に要約を読んでもらい意見を聞いてみましょう。
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注意事項

  • 修正の指示が届いた時は、動揺して苛立った状態で修正を開始しないようにしましょう。数日間は論文を脇に置いて休み、頭がすっきりとした状態で取りかかりましょう。この時点で査読者のコメントを読み直せばすんなりと納得がいき、どのようにして修正に反映させるべきかが見えてくるでしょう。論文掲載は決して簡単なことではありません。時間がかかって当然だと考えましょう。
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wikiHowスタッフ編集者
この記事は、経験豊富なwikiHowの編集者と調査員から成るチームによって執筆されています。調査員チームは内容の正確性と網羅性を確認しています。
カテゴリ: 教育
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