熱射病の手当てをする方法

共同執筆者 Jonas DeMuro, MD

この記事には:医療機関に助けを求め、患者の体温を下げる救急隊員の到着に備える熱射病を防ぐ19 出典

熱中症には3段階あり、熱痙攣、熱疲労、熱射病の順で病状が重くなりますが、「体のオーバーヒート」が引き起こす熱射病は深刻な健康障害をもたらします。[1] 長時間にわたり身体に負担をかけ続けた結果、体温が40℃を超えると熱射病を発症します。熱射病にかかった場合は、緊急に手当てをしなくてはなりません。放っておくと脳、心臓、肝臓と筋肉に重度のダメージを受ける恐れがあります。放置時間が長くなるにつれ、ダメージも大きくなります。熱射病にかかっている人を見つけた場合、または自分自身に症状がみられる場合は、直ちに救急車を呼びましょう。この記事では救急隊員を待つ間に行ういくつかの応急処置方法を紹介します。[2]

パート 1
医療機関に助けを求め、患者の体温を下げる

  1. 1
    体温が40℃度を超す場合は直ちに救急車を呼ぶ 体温は0.5℃から1℃単位で常に変動します。40℃に少し足りない場合でも救急車を呼びましょう。[3]
    • 通信司令員が電話越しに処置の手順を指示する場合は、この記事ではなく司令員の指示に従いましょう。
  2. 2
    患者を日陰やエアコンの効いた部屋に移動させる エアコンの効いた部屋に移動させると患者の体温をすばやく下げることが出来ます。[4] 移動させたのち、余分な衣服を脱がせます。[5]
    • エアコンがない場合は、患者を風で扇ぎます。ノートで扇ぐのが効果的です。
    • 患者を車の後部座席に寝かせ、エアコンを「強」に入れて体温を下げるのもよいでしょう。
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    ぬらしたシーツで患者の体を覆う、または冷たい水を吹き付ける 患者の首から足にとどく大きさのシーツを洗面台に入れて水でぬらします。ぬれたシーツで患者の身体を覆い、ノートを使って扇ぎます。シーツがない場合は、スプレーボトルを使って冷たい水を吹き付けましょう。[6]
    • スポンジやタオルにたっぷり水を含ませて身体にあてるのもよいでしょう。
  4. 4
    アイスパックを身体にあてる アイスパックが手に入る場合は、患者の腋の下、股の付け根、首と背中にあてます。これらの部分には血管が皮膚の表面近くにあるため、氷をあてると身体を急速に冷やすことができます。[7]
    • 手元にアイスパックがない場合は、冷凍野菜の袋を代用しましょう。
  5. 5
    冷たいシャワーを浴びせる、または水をはった浴槽につからせる 患者は自力で立てないかもしれません。シャワーの下に座らせて、冷たい水が身体にかかるように手を貸しましょう。屋外にいて浴室がない場合は、湖、池、または川の水で身体を冷やしましょう。ホースの水も体温を下げることに役に立ちます。[8]
  6. 6
    患者に水分補給をさせる 身体の回復には塩分を必要とします。水分と一緒に塩分も摂取できるスポーツドリンクが最適です。スポーツドリンクは自分でも作れます。1リットルの水に対し、塩を小さじ1/4杯、砂糖を大さじ1杯の割合で混ぜます。[9][10]ドリンクを15分おきに120ミリリットルずつ飲ませましょう。
    • 患者がドリンクを速く飲み過ぎないように注意します。ゆっくりと飲むように言い聞かせましょう。
    • 意識がはっきりせず、自力で飲み込むことができなそうな場合は、無理に飲まそうとしてはいけません。窒息する恐れがあります。既に危険な状態の上に問題を乗せすることになります。
    • スポーツドリンクや塩水がない場合は、普通の冷たい飲料水でも十分水分補給の役に立ちます。
    • エナジードリンクや清涼飲料水に含まれているカフェインは、身体が体温を調節する能力を妨げて、症状を悪化させます。患者に勧めないようにしましょう。[11]
  7. 7
    患者が震え出したら身体を冷やす速度を弱める 身体は震える事によって体を温める仕組みになっている為、急激に冷やすことは逆効果です。震えは身体を急激に冷やし過ぎているというサインです。震えが治まるまで様子を見ましょう。[12]

パート 2
救急隊員の到着に備える

  1. 1
    患者の体温を測って熱射病を発症しているか明らかにする 熱射病の主な症状は高体温です。40℃を超えている場合は熱射病と判断します。[13]体温計を患者の口や腋の下に40秒程挟んで検温します。[14]
    • 人間の正常時の体温は37℃ですが、0.5℃から1℃の個人差があります。
  2. 2
    体温計がない場合は他の症状を探す 高体温以外にも熱射病であることを示す症状がいくつかあります。肌の紅潮、速い呼吸、心拍数の上昇、頭痛などがその例です。混乱や動揺のせいで話し方が不明瞭になる場合もあります。そして肌にふれてみましょう。発症する前に体を動かしていた場合は肌が湿っています。暑い外気に長時間晒されていた場合には熱く乾いています。[15]
    • 患者に話しかけて頭痛やめまいがしていないか、話し方が不明瞭でないか確かめます。
    • 患者の胸部に手の平をあてて呼吸の状態と心拍数を調べます。肌の熱や湿り気、また紅潮具合もチェックします。
  3. 3
    到着した救急隊員に状況を報告する これまで施した応急処置について正確に報告しましょう。また、患者の症状も詳しく説明しましょう。

パート 3
熱射病を防ぐ

  1. 1
    水分を十分にとる 暖かい日に屋外で作業をする場合は水分補給に努めましょう。水やスポーツドリンクを飲んで、熱射病を予防します。[16]
    • 1時間ごとに、水を1リットル飲みましょう。
  2. 2
    最高気温に達する時間帯に肉体を駆使しない 屋外で作業をしなければならない場合は、気温の低い早朝や午後の遅い時間を選んで、熱射病にかかる危険を避けます。[17]
    • 熱さに対する身体の反応には個人差がありますが、気温が32℃を超える場合は屋外で作業することを避けましょう。
  3. 3
    薄い色のゆったりした服を着る 厚着をしたりタイトな服を着ると、身体が体温を下げる機能を妨げて、熱射病にかかる危険度が増します。[18]同様に、暗い色の服も体温を上げるため、熱射病を起こしやすくなります。屋外で活動する場合は、それに相応しい衣服を着て熱射病になることを避けましょう。
    • 露出した肌には日焼け止めクリームを塗り、日焼けから肌を守りましょう。[19]

ポイント

  • めまいや立ちくらみを訴える人がいたら、直ちに横たわらせて失神した場合の対処をしましょう。
  • 質問に答えさせましょう。意識を覚醒させて患者が気を失わないようにします。また質問の答えから、容態についての役に立つ情報を得ることもできます。
  • 患者の症状、体温、また施した応急処置についてノートに書き留めましょう。到着した救急隊員にノートを渡せば、必要な情報を即時に知らせることが出来ます。

注意事項

  • 熱射病にかかっている人を見かけたら素早く行動しましょう。患者本人には自覚がない可能性があります。
  • 熱射病は熱疲労がもとで発症します。ここに述べた方法で体温を平熱まで下げ、医師の診察を受けるように言い聞かせましょう。
  • 症状が収まっても、熱射病から回復したという訳ではありません。救急隊員が到着するまで応急処置を続けましょう。
  • 熱射病の疑いがある場合は、自分だけで処置せずに必ず医療機関に助けを求めましょう。

出典

  1. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heat-exhaustion/basics/definition/con-20033366
  2. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heat-stroke/basics/definition/con-20032814
  3. http://my.clevelandclinic.org/health/diseases_conditions/hic_Fever/hic_How_to_Take_Your_Temperature
  4. http://www.webmd.com/a-to-z-guides/heat-stroke-symptoms-and-treatment
  5. http://www.webmd.com/a-to-z-guides/heat-stroke-symptoms-and-treatment?page=2
  6. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heat-stroke/basics/lifestyle-home-remedies/con-20032814
  7. http://www.webmd.com/a-to-z-guides/heat-stroke-symptoms-and-treatment?page=2
  8. http://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/heat-stroke/basics/lifestyle-home-remedies/con-20032814
  9. http://www.nlm.nih.gov/medlineplus/ency/article/000056.htm
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記事の情報

この記事はJonas DeMuro, MDが共著しています。 デミューロ医師はニューヨーク州に住む小児科専門の救急外科医です。1996年にストーニーブルック大学医学部から医学博士号を授与されています。

カテゴリ: 救急処置・緊急医療

他言語版:

English: Treat Heatstroke, Español: tratar la insolación (golpe de calor), Italiano: Trattare un Colpo di Calore, Русский: лечить тепловой удар, Deutsch: Hitzschlag behandeln, Français: traiter une insolation, Bahasa Indonesia: Menangani Heatstroke (Serangan Panas), Nederlands: Een hitteberoerte behandelen, العربية: علاج ضربة الشمس

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