熱気球の愛好家は世界中にいます。熱気球に乗るには有料の体験フライトもありますが、熱気球クラブの地上クルーとして活動するうちに搭乗の機会が訪れるかもしれません。熱気球に乗った経験があり、紐を引いたりバーナーで炎を焚いたりを自分もしてみたいと思うなら、単独飛行のできるパイロットになるためのトレーニングを受けてライセンスを取得する必要があります。まずは熱気球が飛ぶ仕組みを知り、自分にこの趣味が合っているかを判断しましょう。

パート 1 の 2:
基礎を理解する

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    熱気球が上昇する仕組みを理解する 熱気球の原理は単純です。 空気またはガスを熱すると、その密度は小さくなります。水槽内の気泡のように、温かい空気は周囲の冷たい密度の大きな空気の上に浮かび上がります。[1] 気球内の空気が十分熱くなると、球皮(風船部分)も、バスケット(人が乗る部分)も中身ごと持ち上げることができます。
    • 高度が上がるにつれて、気球上方の大気の重さによる圧力(大気圧)が小さくなるため、空気が次第に薄く(つまり密度が小さく)なります。[2] こういう理由で、気球と内部の空気の密度が周囲の大気の密度と等しくなる所まで熱気球は上昇し続けます。
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    基本構造を知る 気球の構造は非常に簡単なので、すでに理解しているかもしれません。しかし専門用語を知っていれば、他のクルーと円滑にコミュニケーションがとれます。
    • 気球の布でできた風船部分を球皮(またはエンベロープ)と呼びます。これは複数のパネルを縫い合わせた「ゴア」をつなぎ合わせて作ります。
    • ほとんどの熱気球では球皮の天頂に穴が開いていて、開閉する布でしっかり覆われています。この部分をパラシュートバルブ(またはリップパネル、排気弁)と呼びます。[3] パラシュートバルブにはリップラインという紐がついていて、バスケットまで垂れています。
    • 球皮の下端である開口部は炎を出すバーナーの上の位置に当たり、バーナーの下に燃料容器(またはシリンダー、タンク)があります。
    • 燃料容器、乗客、荷物はすべて、球皮の下に取り付けられたバスケットに乗ります。
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    防護服を着用する パイロットは炎に近づくので、安全ゴーグルを着用すべきです。また、パイロットとクルーは頑丈な手袋、長袖シャツ、長ズボンを着用します。炎に触れると溶ける素材(ナイロン、ポリエステルなど)は避けましょう。
    • 気球の着陸場所が泥地や荒地である可能性を念頭に置いて、バスケットに乗る人は全員、動きやすい服と靴を着用しましょう。
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    プロパンをたくさん放出して上昇させる 炎にプロパンを追加するには、燃料容器につながるホースについているブラストバルブを開くだけです。通常、燃料容器はバーナーの真下に設置してあります[4] バルブを大きく開けると、熱気球に入り込む熱が増加して気球が速く上昇します。
    • バラスト(砂袋)やその他のおもりを熱気球の側面から降ろすと、気球全体の密度が減少し、気球が上昇します。当然ながら、この方法は過密地区の上空で実行すべきではありません。
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    安定した高度を保つ方法を学ぶ 周囲の温度より温かい物体はすべてそうですが、熱気球も時間の経過とともに冷えて、次第に高度が下がってきます。 同じ高度を保つためには、以下テクニックの1つ、あるいは両方使う必要があるでしょう。
    • 燃料容器本体には、バーナーに送るプロパンの量を制御するためのメーターバルブまたは安全装置がついています。これを飛行中に徐々に開けることで、高度をおよそ一定に保つことが容易にできます。
    • 高度の下がりすぎに気づいたときには、ブラストバルブでプロパンを少量追加すると再び上昇させることができます。
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    パラシュートバルブを開いて高度を下げる パラシュートバルブとは、球皮の天頂にある布の開閉弁のことです。この弁は何もしない状態では閉じていますが、リップラインと呼ばれる赤い紐を引いて弁を開けることができます。それには弁を開けて天頂から熱い空気を逃します。リップラインを引き続けて気球が希望の高度まで降下したら、紐から手を放して弁を再度閉じます。
    • パラシュートバルブを「排気ポート」、リップラインを「排気ポートライン」と呼ぶこともあります。
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    上昇または下降させて方向を操作する 気球には移動方向を操作する直接の手段がありません。しかし通常、風はいくつもの層になって、別々の方角に吹いています。そこで、気球を上昇または下降させることで複雑に交差した風の中から別の方角の風を捕まえて、気球の方向を変えられます。パイロットはしばしばフライト中に飛行ルートをある程度即興的に作らなければなりませんが、適切なタイミングで良い風を捕まえるためには経験と準備が必要です。
    • 多くの熱気球には球皮側面の排気口または排気弁を開けるための紐がついていますが、これを引いてもバスケットが回転するだけです。
    • ほとんどの場合、熱気球のフライトを地上で自動車やトラックが追跡し、着陸地点で気球や乗客を回収します。
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パート 2 の 2:
熱気球を操縦する

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    メインパイロットとして飛行する前にトレーニングを受ける パイロットに必要な責任と技術については以下の説明から理解できるとしても、実際のフライト経験の代わりにはなりません。一人前のパイロットになるためのトレーニングおよびライセンス取得には数十万~200万円程度の費用がかかります。[5] 手始めに、気球クラブの地上クルーとしてボランティア参加してもよいでしょう。 国によって差はありますが、だいたい地上で所定の講習会を受講し、合計10~15時間のトレーニング飛行を経験すれば、あとはライセンス取得のための各試験に合格するだけです。[6]
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    風の状態を確認する フライト中止を判断できることは非常に重要です。強風の中の飛行は危険であり、試みるべきではありません。初心者は、日の出から2~3時間以内を厳守しましょう。通常、この時間帯なら風は穏やかで予測ができます。[7]
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    命に関わる備品を確認する 最低限バスケットに準備すべきものは、消火器、救急セット、地形図、航空図、高度計、航跡記録のためのログブックです。また、燃料容器のゲージをチェックしてフライトに必要な燃料が十分あることを確認しましょう。一般に、1時間当たり約120Lのプロパンが必要です。[8] 長時間のフライトには無線装置と、おそらく電子ナビゲーション装置も必要です。
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    熱気球に空気を入れて離昇する ほとんどすべての熱気球が、離陸に数人の助けを必要とします。最初にバーナーをバスケットフレームに取り付け、これに球皮を取り付けて広げ、一緒に地面に置きます。球皮の開口部を持ち上げて開き、強力な送風機を使って約10分間空気を送り込んだら、バーナーで熱します。通常、バスケットはクルーが固定しています。さらに(あるいは)、離陸の準備が整うまで地上の車に固定しておきます。 バスケットが直立して乗客とパイロットが搭乗したら、パイロットはバーナーの炎を一定の勢いで焚き、気球を離陸させます。
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    離陸の際は警戒する すべてが順調で計画通り離陸するまで、パイロットは注意を怠ることなく、球皮が膨らむところと地上クルーがロープを固定しているようすを見守ります。気球が上昇する途中でぶつかりそうな木や障害物がないか、全方位をすばやく念入りに確認します。 離陸が始まって最初の風を感じたら、直ちに一番近い障害物を注視しましょう。気球が無事に通過するまで目をそらしてはいけません。[9] こうすると方向がずれた場合に早く気づくことができ、上昇速度を上げて危険を回避できます。
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    気候現象を知る スチューデントパイロット(パイロットライセンス取得を目指す人)は気温、高度、湿度の相関関係および、雲の形が示す大気の状態などの基礎知識を含む気象学のテストに合格しなければなりません。 本記事でそれらの知識をすべて紹介することはできませんが、以下に2つほど例を挙げます。
    • 気球が上昇または下降する際に風向きが急激に変わることを「ウインドシアー」と呼びます。これが起きたら気球の動きが速くなったり遅くなったりするため、特に注意が必要です。強いウインドシアーによってバーナーの種火が消えてしまったら、できるだけすぐに再点火して気球を熱し、墜落を避けましょう。
    • パイロットの操作に対して熱気球の反応が遅い場合や、大気汚染物質が上昇しないで大気下層に閉じ込められていることに気づいた場合は、「気温逆転層」に入り込んでいるのかもしれません。これは高度が上がるにつれて周囲の気温が高くなるという現象で、この状況下で高度を変更するには、気球に熱を追加するか、放出するかします。
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    風向きと風速を確認する 天気図の見方を学び、異なる地区同士の全体的な風速と風向きを踏まえて飛行計画を立てましょう。気球の下の風の状態をテストするには、バスケットの縁からシェービングクリームを噴出して観察しましょう。
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    ナビゲーションの方法を知る パイロットは地形図と高度計を使ってフライトのコースおよび高度を考える訓練を受けています。地域の航空局から航空図を手に入れて、航空機の航路から離れるために利用しましょう。GPS装置、磁気コンパス、双眼鏡なども役立ちますが、その地域の法律上の要件でなければ、短距離フライトには必ずしも必要ではありません。
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    乱気流や上昇温暖気流を避ける 乱気流に巻き込まれた場合、あるいは天気図や雲、その他の天候から乱気流が予測できる場合は、できるだけ早く着陸しましょう。同様に、気球が円を描く動きをしたり不意に上昇したりした場合は、「上昇温暖気流」によって気球の制御を失う前に直ちに着陸しましょう。上昇温暖気流を避けて着陸したらすぐに排気します。さもないと、バスケットが地表で引っ張られるかもしれません。
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    緊急事態に備える フライト中の緊急事態にすばやく種火を再点火できるように、繰り返し練習しましょう。 種火がつかないときは、燃料詰まりかもしれません。その場合はブラストバルブの上でプロパンに再点火する必要がありますが、これは経験豊富なインストラクターの指導を受けなければなりません。球皮が破れるという最悪のシナリオでは、なるべく多くプロパンを燃焼させて降下速度を最小限に抑えましょう。[10]
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    着陸する フライト中の進行方向を正確に把握する能力を伸ばすには、驚くほどたくさんの訓練が必要かもしれません。まして、着陸地点を選び、気球を目的地にうまく運べるようになるには、どれほど多くの訓練が必要か言うまでもありません。[11] さまざまな条件下で着陸するためにはいろいろな方法やテクニックを学ぶ必要があるでしょう。さらに、経験豊富な指導者が不可欠です。 最初は、気球で横切れるような広さの緩やかな下り坂になっている場所で練習しましょう。最良の条件下で、近くの(多少脇にあっても)背の高い障害物に目を向けながら、空気をゆっくり排出します。 障害物を通り過ぎたら必要に応じて排気しますが、滑空をなるべく一定にコントロールしましょう[12] 地面に到達したら(このとき、ガタガタするので注意します)、残りの空気を排出して球皮をしぼませます。おめでとうございます!熱気球の基本的な操縦方法は以上です。
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ポイント

  • 気球にはほかに「ガス気球」というタイプがあり、時々、気球に詳しくない人から熱気球と間違えられます。ガス気球はヘリウムなどの空気より軽いガスを充填して、熱を利用しないで浮かぶことができます。ガスと熱のハイブリッドモデルを除き、ガス気球を上昇させるにはバラストを降ろすしかありません。[13]
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注意事項

  • 熱気球を飛ばす際は、必ず土地所有者の許可を取りましょう。無許可で土地を使用した場合、不法侵入として訴えられることがあります。
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  2. http://aeronaut.com/ → articles → steering the balloon
  3. http://aeronaut.com/ → articles → lowest point of return
  4. http://www.virginballoonflights.co.uk/ballooning-science.asp

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カテゴリ: アウトドア
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